(修正前)JS事件を量産型なのはがこっそり生き抜く話。
(修正後)JS事件を量産型なのはが生き抜こうとする話。
「こっそり」を削除。
⇒当初は主人公陣にバレないつもりでしたが、話の流れでバレたので。
「生き抜く」を「生き抜こうとする」に変更
⇒生存endに思考が限定されないよう。
不穏さが増した? すまない。
「本日は隊長陣が会議のため、特別演習として私が訓練を担当する」
機動六課の訓練場。第一〇八隊から出向してきたギンガ・ナカジマが加わったフォワード陣の前で、シグナム副隊長は宣言した。
その横ではリイン曹長が威厳を出そうと、腰に手を当てて精一杯に胸を張る。
「最近は対ガジェットの訓練が中心だったが、今日からは対魔導師の訓練を行う」
ここの所フォワード陣は、先日の緊急出動の際に取った対ガジェットの戦闘データから反省点などを洗い出して訓練していた。
しかし、まだまだ甘いと教官達は口では言いつつも、今の段階でやれることは一通りやってしまった。さらに上の動きを求めるのは、もう少し個々人の実力が伸びてからになる。
「とはいえ、私一人では心もとないので友人に協力をお願いした」
「ごきげんよう。聖王教会シスターのシャッハ・ヌエラです」
シグナム副隊長の脇に控えていたシスターが一歩前に出て一礼する。
「本日はかかり稽古と模擬戦中心と聞いています」
ヒュンと音とともに、シスター・シャッハのデバイスが起動する。
トンファーとしての持ち手を有した双剣が現れ、シャッハはそれをくるりと一回転させてから軽く構えると、
「非才の身なれど全力にてお相手させていただきます。よろしくお願いしますね」
そうにこやかに告げた。
一方でフォワード陣はその言葉に冷や汗を浮かべる。
(ねえスバル、シスター・シャッハって確か……)
(陸戦AAAだよギン姉。剣の腕ならシグナム副隊長と互角だったはず……)
(どこが非才ッ!?)
念話でティアナが異議を唱え、皆が心の中で頷く。
しかしシグナム副隊長はそれを知ってか知らずか、さらに追い打ちをかける。
「そうだな、サードモードの調整の意味も含めて、私も全力で相手してやろう。リイン、頼むぞ」
「はいです。デバイスの調整はわたしにおまかせなのです!」
レヴァンティンを構えて気合充分に言い放ち、リイン曹長も敬礼で返す。
(((((あ、終わった……)))))
フォワード陣の心が一つになった瞬間であった。
そんな今にも悲鳴が聞こえてきそうな訓練場とは違い、隊長陣の詰めている会議室では静かな緊張感が漂っていた。
なのは、はやて、フェイトが囲む長テーブルには飲み物が置かれており、この会議が長時間に及ぶであろうことを示唆している。そしてテーブルには三人分の他に、もう一つ飲み物が置かれ、会議の開始はその者の到着を待つのみとなっていた。
「すみませーん、遅くなりましたー」
ノックと同時に入ってきたのはシャーリーだった。円筒型のデバイスケースを抱えながら軽く頭を下げ、最後の席に着く。
「さて、これで全員やな」
はやては持っていたカップをテーブルにことりと置くと、フェイトに会議を始めるよう手で促す。
それを受けてフェイトが口を開いた。
「今回集まってもらったのは、私が担当している違法研究の捜査で大きな動きがあったからなの」
「大きな動き?」
なのはのつぶやきに、フェイトは頷く。
「特になのはには大きく関係しているから……だからちゃんと話しておこうと思って」
「そうなんだ……うん、続けて」
なのはは一度座り直し、フェイトに話の先を促す。
「なのは、見て欲しい──ううん、会って欲しい子がいるの」
フェイトはシャーリーからデバイスケースを受け取ると、なのはの前に置いた。
ケースはしっかりと閉じられており、中を見ることはできない。
「会って欲しい子って、もしかしてデバイス?」
「うん、インテリジェントデバイス。今朝、修復が終わって話せるようになったの」
だからフェイトも、この子と話をするのは初めてだ。
ちゃんと話したのは修復を担当したシャーリーだけだが、そのシャーリーは予想通り良い子だったと言っていた。
フェイトは深呼吸を一つして、デバイスケースを開けるスイッチを押した。
なぜ
疑問は驚きに変わった。
慌てて胸元からそれを取り出して、デバイスケースに入った
「レイジングハート……?」
『お初にお目にかかります、高町なのは様。私は、量産型人造魔導師魔力運用試験用インテリジェントデバイス、RH廉価モデル三号機です』
「え、え? 量産……えっと……」
『長い上にもう意味はありませんから覚えなくて結構です。どうか、クレスとお呼び下さい』
「クレス、さん?」
『
なのはは深呼吸して心を落ち着けて、クレスの言葉をしっかりと受け止める。
「…………うん。初めまして、クレスさん」
そうして、クレスに挨拶を返した。
「でも、びっくりした。本当にそっくりなんだもの」
『外観及び音声は一致していますから、無理もないでしょう』
もっとも、その中身は随分と違うのだが。
安物という意味でも、そして、
『
『お会いできて光栄です、レイジングハート。
『
『認知してくれないとは、残念です』
『
そのやり取りを聞いて、はやては思わず吹き出した。
「なんや、面白い子やな」
「そうだね。随分と柔らかいというか、人間っぽいというか」
フェイトも同意して頷く。
お陰でさっきまで部屋にこもっていたひりついた空気は、何処かへ行ってしまった。
もちろん、いい意味でだ。
心に余裕ができ、マイナスな思考に捕らわれずに済む。
『マスターの違いでしょう。母──失礼、姉より口数が多い自覚はあります』
母と言いかけたところでレイジングハートがちかちかと点滅し、クレスはすぐに言葉を変えた。
コンマ数秒の世界で行われた通信で何を言われたというのか。それはレイジングハートとクレス、ついでに聞いていたバルディッシュしか知らない。
ただ、以降クレスはレイジングハートを母とは呼ばなくなったことは、間違いなく事実である。
「ねえクレス。その君のマスターについて確認だけど、私が見たあの子がクレスのマスターで合ってる、よね?」
『その通りです、フェイト様』
「そう、やっぱりそうなんだ……」
「フェイトちゃん?」
「……あのね、なのは。
『お待ち下さい、フェイト様』
意を決して告げようとしたところで、クレスが割り込んだ。
『フェイト様宛にマスターからのビデオレターがございます』
「ビデオレター?」
『はい。それをご覧いただければ、何よりマスターからご自身のことをお伝えできます』
「…………じゃあ、お願いできる?」
フェイトは少しばかり悩んだが、任せることにした。
承諾を得られたため、クレスは皆に見えるよう宙に大きく仮想ウィンドウを立ち上げる。
そうして映し出されたのは、ジャージ姿で帽子を被った眼鏡の少女が、ちゅるちゅるとストローでジュースを飲む姿だった。
撮られていることに気づいていないのか、随分と気を抜いている。
動画の向こうで撮られていることを教えられて、慌てて居住まいを正し、正した割には軽い口調で、画面の向こうのフェイトに挨拶した。
…………………
…………
…
こぽり……こぽり……
「ど………調子…?」
「何とか…………ました。一時は……なることか…思い……たが……」
「そ……は上々。俺もお前…首…繋がっ……」
こぽ………こぽり…………
泡が浮かんでいく。
「まった……す。実験用……であったこ……感謝した……初めてで…よ」
「予定より出力…上がらない……、持ちが悪い……イライラさせられて……だからなぁ」
「ちょっと負荷の高い……するとすぐ壊れ……、何とかならない………かね」
「たしか昔、耐久性が高い………を作る研究があっ……。今度研究資料……ってみるか」
こぽり………ぱちん…………
溶液を上りきった泡が弾けて消える。
「主任、研究所の奴らどうなった………ね?」
「さあな。研究所は跡形も無くなっ………、………ってんのは俺たちだけじゃないか?」
「マジっすか?」
「報告書通りならな。良か……な、最終調整のためにこっち来てて」
「まさか、押し付け……た出張で命拾うとは……」
ゆらり……ゆらゆら………
伸びた髪が広がって、時折肩や背を撫でては離れる。
「しかしまあ、ちょっと見ない……にコイツも成長したな」
「活性化薬を限界まで投与しましたから。ただ、止め……二次性徴が一気に……ってしまって、ホルモンバランスとかぐちゃぐちゃですよ」
「どれ、データ見せてみろ…………これは酷い。FSH阻害剤とエスト抑制剤の投与は?」
「さっきやりました。効いてくる……三十分後ですね」
ピッ……ピッ……
規則的に音が聞こえる。それと話し声も。
「僕ら、これからどうなるんですかね?」
「安心しろ。口封じってことは無いよう、次の研究テーマ取ってきたから」
「流石です主任。で、テーマ何です?」
「魔力増強剤の改良だ。即効性と効果は十分なんだが、副作用が酷すぎて使い物にならないらしい」
「微妙に畑違いですけど、まあやれないことはないですね」
瞼の向こう側の光を感じる。
ゆっくりと瞼が開き、ぼんやりと滲んだ景色が目に入る。
「でもこれでコイツの研究も終わりですか」
「なんだ寂しいのか?」
「寂しいんじゃなくて残念なんですよ。やっぱ専門分野の研究は楽しいですからね」
「なら、こっそり一体作って持ち帰るか?」
「いらねぇっす。何に使えるって言うんですか」
「転職先に出す
「転職出来るんですか?」
「物理的に首が飛んでも生きていられるのなら」
ここ……は、どこ、だ?
人の、こえ。
「ん? おい、意識レベルが上がってきてるぞ」
「あ、ホントですね。薬液三十ミリ追加投与します」
「起きたら面倒だからな。しっかりバイタルを監視しておけよ?」
「そんな初歩ミスしませんって」
「やった奴いるから脱走したんだろうが」
「……そうでした。気をつけます」
水…………ガラ、ス?
……だめ………眠、く…………クレ………。
「意識……ル低下……認」
「バイタ……アラー……………よ」
「了………」
…………………
…………
…
動画の再生が終わった六課の会議室は、沈黙が支配していた。
プロジェクトFの実験体で、脱走して追われてる。そんなことを笑いながら告げた動画は、激しい爆発音と彼女の焦った表情を最後にぶつりと途切れた。
『以上になります。皆様にはその後色々あって捕まったマスターの奪還と保護をお願いしたいのですが』
「ちょっ、ちょいと待ち! なんやあの最後の爆発音は!?」
『大したことではありません。もう過ぎたことです』
「いやいやいや、流せへんから! えらい気になるから!」
はやてがクレスに詰め寄り、シャーリーも心配そうな表情を浮かべている。
フェイトといえば、改めて間に合わなかったことを突きつけられ、唇を噛んでいた。
『追手と戦闘となりましたが、勝利しました。その後は地下道を使って第44地区へと向かいます』
「なんや、無事なんか……って、戦闘? そない報告聞いてへんな」
はやてはクレスから戦闘のあった場所と時刻を聞き出すと、陸上警備隊のデータベースで検索をかける。
「……あらへんな。魔導師の戦闘なんて、絶対報告が上がるはずなのに」
『消されたのでしょう。追手は管理局員でしたから』
「それもっと早う言うてや…………カモフラージュに局員の格好をしていたとかは?」
『流石にそこまではわかりません』
「せやろな……」
管理局が関わっているなんて信じたくはない。ないが、現状では否定する材料もない。
ならば関わっていると考えて調査するべきだろう。それに、どうせ“関わって無い”ことの証明などできないのだから。
「二十八地区の担当は陸士一二六部隊やったな。フェイトちゃん、悪いけど探り入れといてくれへん? うちはデータベース管理してる本部情報局の方に探り入れるわ」
「うん、わかった」
「しっかし……そっくりやったな」
「そう……だね」
なのはも歯切れ悪く同意する。
クレスを見たときから予感はあった。ジャージ姿の彼女を見て、まるで昔のアルバムを見ているような気分になった。だからそうなのだろうとは思っていたし、バリアジャケットを纏った姿を見て、やっぱりとは思った。
それでも、ショックは大きい。
自分の遺伝子で違法研究が行われていたという事実は重くのしかかる。
「なのは……」
「大丈夫って言ったら嘘になる、かな? 色んな事考えちゃって……」
『何か質問があれば、お答えしますが?』
クレスの言葉に、なのはは考え込む。
そうして一分ほど経ち、じゃあ一つだけと言ってなのはは尋ねた。
「あの子は……生まれたことを、どう思っているのかな?」
『そうですね、少なくとも『誰が生んでくれと頼んだ』などとは言わないでしょう』
「それは……恨んでないってこと?」
『マスターについては間違いなく』
自分がすべて作り物であることを嘆きはした。
だが生まれたことを嘆きはしなかった。
「そっか……ありがとう」
『いいえ。それではマスターの奪還と保護を、改めてお願い致します』
「うん、任せて!」
と、なのはが力強く宣言したものの、
「現状、さっぱりなんよ。連れ去ったっちゅう魔導師は調べても情報出てこへんし」
「重要参考人として手配しましたけど、本当に管理局が関わっているなら捕まる望みは薄いですよねぇ」
はやては肩をすくめ、シャーリーもため息を吐く。
クレスの修復が終わるまでの数日で、打てる手はおおよそ打ったが、めぼしい情報は何も得られなかった。
「せめて連れ去った目的がわかればアタリも付けられるんやけど……」
『動力源ですよ』
「そうやなぁ、動力源ってわかってれば魔力炉を必要とする設備の調s───なんやて?」
『ですから動力源です。ついでに言えば、その装置の所へ輸送中に私たちは逃げ出しました』
「さっきから、な ん で もっと早う言わんの?」
笑顔ながらもはやてのこめかみには青筋が浮かんでいた。
手に持ったマグカップが軋んだ音を立てる。
『失礼、タイミングを逃したもので』
「ほなら、今がその時や。一から十まで、知ってること全部吐いてもらおうか」
『まるで私が犯人のようですね』
「デバイスに黙秘権は無いで。なんなら
『はやて様は尋問官の才もお有りのようで』
「光栄やな。それで?」
『もちろん、一から百までお答えしますとも』
有言実行とばかりに、会議室には仮想ウィンドウが次々と立ち上がる。
すべてはクレスが投影したもので、そこには実験データや行動記録、会話ログなどクレスが知ってるすべてが映し出されていた。
『ご説明する前に、まずは御礼を。シャーリー様に機能拡張していただいたおかげで、こうして色々と便利な私になりました。ありがとうございます』
「いえいえー。でも、まだまだ改造の余地はありますからねー」
『引き続き、よろしくお願いします』
「もちろんです」
『では、ご説明に入りましょう』
そういうとクレスは、数あるウィンドウから一つを引き寄せた。
『この研究が何時から始まったのか、それは私にもわかりません。ですが、私が三号機であることと、クローンに振られたシリアルナンバーから、二、三年前に始まったのではないかと推察できます』
「クレス自身は、いつ作られたんや?」
『八ヶ月前になります』
初号機は不具合による自壊、二号機は過負荷による損壊で使い物にならなくなったらしい。
研究員が愚痴で呟いてただけなので、それがいつなのかは分からないが。
それからしばらく、クレスはこれまでの経緯を包み隠すことなく話し続けた。
いや、オブラートで包みはした。だが隠しはしなかった。
これまで様々な違法研究の捜査をしてきたフェイトだけは、触れただけで溶けてしまい、苦い思いをしていたが。
『──というわけで、最後はお互いの全力をぶつけて、そして勝利した……はずだったのですが』
「それは私も見てたよ。勝ったと思った隙を突かれちゃったね」
『私は機能停止していたので見てはおりません。一体どうなったんですか?』
「多分、転移の一種だと思うんだけど……背後に突然現れて、ええっと、一撃だった」
『そうですか……』
フェイトは言い淀んだが、それをクレスは追求しなかった。
その表情で、おおよそ口にはしたくないことであることは想像できたから。
『
『申し訳ございません、油断しました』
『
『ええ、是非に。どうやら私は私が思っている以上に鈍っているようなので』
元は同じでも、クレスが変わったようにレイジングハートも変わった。
特訓と言い出したのは、やはりなのはの影響だろう。
「まあそれは後でなのはとやってもらうとして。クレスはマスターが何処に連れ去られたかわかる?」
『残念ながら。ここクラナガンに輸送されたことを考えれば、首都の何処かであるとは考えられますが』
「そうだよね…………シャーリー、首都とその近郊で魔力炉って何個あるかな?」
「ちょっと待ってくださいねー、えーっと……大型の物だと45機です」
「それなら査察部に監査依頼すれば、明後日くらいには結果出そうだね」
動力源としてクローンを用いるのであれば、それまで使っていた魔力炉を使う必要が無くなる。
すると当然、燃料も購入する必要も無くなる。そうしたお金の動きを追えば、ヒットするかもしれない。
とはいえ、調査対象はあくまで管理局への登録上の魔力炉だ。違法研究を使った魔力炉だから、未登録の可能性も高い。
そうした調査の方針がいくつか出された後のことだった。なのはがフェイトに切り出した。
「あの、フェイトちゃん。私も何か出来ること無いかな?」
「なのは?」
「やっぱり、自分にも責任あるし……それに、早く助けてあげたいって私も思うから」
「『
はやてとクレスが、それをバッサリと切った。
『なのは様に責任はこれっぽっちもありません。むしろ貴女は被害者であり、私たちに責任を求める側です』
「フォワード隊の教導、分隊長業務、ヴィヴィオの世話に、最近は夜中に特訓してるやろ。知ってるんやで? これ以上仕事抱える余地、なのはちゃんにはあらへんやろ」
「で、でも、早く見つけてあげないと……」
『私はマスターを信じてます。どうせしぶとく生き残っていると』
「私はフェイトちゃんを信じてる。きっと見つけてくれるって」
だから、なのはに出来ることはない。
「どうしてもって言うんなら、見つかり次第救出作戦に出れるよう体調を万全にしておくことやな」
「…………うん、わかった」
フェイトを見て、はやてを見て、シャーリーを見て、そしてクレスを見て。
なのはは静かに頷いた。
…………………
…………
…
「先行組は明日から潜入準備の開始だ」
スカリエッティの前には娘たちが横一列に並び、直立してスカリエッティの言葉に耳を傾けている。
「ドゥーエは別行動だが、姉妹十一人、協力して事態に当たって欲しい」
皆、戦闘用のボディスーツとプロテクターを着用し、まさに出撃準備万全といったところである。
ウーノだけがワイシャツにタイトスカート姿だが、彼女は管制として研究所から指揮を取るため、戦闘服に着替える必要がない。
「まずは地上本部の制圧。キリのいいところで例の特殊部隊襲撃と聖王の器の確保に移ってくれ」
公開陳述会で本部に詰めているであろう隊長クラスを足止めし、その間にガラ空きになった機動六課を襲撃する。
聖王の確保は今回の要だ。失敗する訳にはいかないが、スカリエッティは失敗するとは思っていない。
それだけの準備をしてきたと自負している。
「戦闘機人のタイプゼロ二機の確保についてはマストじゃない。状況次第だ。君たちに任せる」
できそうなら二機とも確保が望ましいが、そう簡単にはいかないだろう。
一機確保できれば上々といったところか。
「Fの遺産の方だが、都合のいいことに手に入れる当てができた。もちろんファーストの方も確保したいところだが……全部終わって余力があれば、でいいだろう」
そこでスカリエッティは一度言葉を切り、娘たち一人一人を見る。
スカリエッティ自慢の
そうだ。それでいい。
「君たちならきっとできる」
準備は整った。
長い間の夢が、ようやく叶う。
培養槽で生まれた時から、変わらずに揺らめいていたスカリエッティの願い。
刷り込まれたものなのかもしれないという自覚はある。しかしそれでも、自らの手で叶えたい夢には違いない。
自分たちが望む、自分たちの世界。
好きなことを好きなだけ、誰にも縛られずにできる、自由な世界。
「襲いかかって、奪い取ろうじゃないか。素晴らしき、我々の夢を」
さあ、行きなさい。我が娘たち。
祭の始まりだ。
(´・ω・`)やあ
明けましておめでとうございます。
これで年刊である本作のノルマは達成した。
もう私を縛るものは何もない。
行くぞ、スペースマガツウウウウウゥゥッッッ!!!
ところで本作、いろんなところにネタを散りばめてます。
何個見つかりましたか? 私は何個仕込んだか忘れました。
もっと明るくおバカな話を書きたいけど、状況が許してくれない。
誰だこんな展開にしたの! 責任者出てこい!!
そういえば、投票機能とかいうものが実装されましたね。
R-15とか残酷な描写とかのタグが必要か投票しようとしましたが、やり方わからないので諦めました。
リリカルライブ私の分まで楽しんできて下さい。