深き森の騎士団長   作:リリィウッド

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第10話 「春の風と夏の風」

騎士団コヨミ -団長執務室-

 

真剣な表情でスグルを見るレッドチューリップ

スグルがレッドチューリップに問う

 

「それで相談って何なんだ?」

 

「悩んでることがるのよ・・まぁこれを見てもらったほうが早いかしらね」

 

するとレッドチューリップはスグルに1枚の紙を手渡す

スグルが用紙の内容を確認すると・・・

 

 

 

「花騎士 レッドチューリップ殿

 

花騎士指導教員として、 エレンベルク騎士学校への赴任を命ずる。

 

                    花騎士 オモナミ」

 

用紙の内容を見てスグルがレッドチューリップに問う

 

「これは・・・・密命か?」

「そうね・・それより雇い主の花騎士が色々とある子よ」

 

「花騎士オナモミ・・・?・・・・?!・・・待て!この花騎士リリィウッド第6王女じゃないか!」

 

花騎士オナモミ・・・リリィウッドの第6王女で公の場には

未だに姿は現していないが花騎士として活動しているとは

聞いたことはある

 

 

「そうなのよね・・・私としては断っていいと思ってたけどけどね・・

でもそれをすると団長さんに迷惑かけちゃうじゃない?

それに私が教員っていうのものが勤まるか不安だしね」

 

少し困った顔をしつつレッドチューリップはスグルに言うと

 

「いや、こうやって相談してくれてありがたいよ、ありがとうレッドチューリップ」

 

笑顔でレッドチューリップに言うスグル

 

「そんなこと当たり前じゃない・・それで団長は私にどうしてほしいかしら?

(くっ・・・いい男の笑顔は卑怯ね・・・あぁ・・押し倒したいわね・・)」

 

レッドチューリップの問いにスグルは

 

「正直な話レッドチューリップなら花騎士の経験と医療能力があるからこの密命が

来たんだろうけど抜けられるとやはり色々痛いとは思う・・けど」

 

「けど?」

 

「これは一つのパイプになると考えてもいる」

 

「パイプ・・・ふふ意外と狡猾なのね団長さん・・つまり・・王家に貸しをつけるってところかしら?」

 

「あぁ・・その通りだね・・でも、それをしてもいいのか迷ってるよ君を

自分の都合で道具みたいに使うのはやはり抵抗はある」

 

「ふふ・・ありがとうそういう気遣いしてくれるだけでも十分よ・・・

そうね・・お姉さんが一肌脱いであげるわ」

 

スグルは改めてレッドチューリップに頭を下げ

 

「ありがとう」

 

「さっきからお礼ばっかりね・・とりあえず私が抜けるんだからまた召喚の儀式かしら」

 

「あぁ・・一応召喚の種と華霊石は貰っているけどな」

 

「さっそく今から使えば?私の後任でもある訳だし」

 

「いや、まだ金クラスの子が来るとは限らんしそれに後任ならリューココリーネもいる」

 

「たしかに、リューココリーネもいるけど・・・いいじゃない!ほら行くわよ

ついでに皆も叩き起こすわよ!」

 

スグルの手をとりレッドチューリップが引っ張っていく

 

「ちょっと?!レッドチューリップさん?!」

 

スグルはそのまま召喚の儀式を行う部屋まで引っ張られるのであった・・・

 

 

 

 

召喚の間についたスグル、そして後から起こされてやってきた花騎士達とナズナは若干目をこすったりしている

・・さっそくレッドチューリップがスグルに言う

 

「さあ、早く召喚しちゃいましょうよ」

 

他の皆を代表するようにイエローチューリップがレッドチューリップに問う

 

「せっかく新薬の研究してたのにいきなり召喚の儀式するから来なさいって何事よレッド姉さん・・・」

 

「悪かったわね・・・急な事だから」

 

「急って何よ?」

 

その問いにスグルが答える

 

「急な話だが、レッドチューリップは一時的にこの騎士団を離れることになったんだ」

 

「「「「「?!」」」」」

 

眠そうにしていた面子を含め皆が驚いている

 

「どういうことですか!団長様!」

 

ナズナがスグルに問いかける

 

「詳しくは言えないが彼女にはとても重要な任務を頼むことになったんだ

正直、彼女がこの騎士団を抜けるのは痛手になる、そしてその重要任務が

かなり急を要するのでこうしてまた召喚の儀式を行うことにしたんだ」

 

「なるほど・・そうでしたか・・分かりました!

では召喚の儀式の準備をお手伝いしますね!」

 

スグルとナズナは召喚の儀式の準備を始めた

 

~~~~~~数分後~~~~~~~~

 

「よし、これで準備は出来たぞ」

 

スグルは召喚の種と華霊石を手に持ちレッドチューリップに言う

 

「それじゃ儀式を始める」

 

皆が頷き返す中ナズナがスグルに問う

 

「団長様・・種と華霊石の数が多い気がしますが」

 

「今回は3人を同時召喚する」

 

「3人同時ですか?!」

 

「これをしたらしばらくは召喚の儀式はできないけど

それだけレッドチューリップの穴は大きいってことだよ

よし・・始めるぞ」

 

「分かりました団長様!」

 

スグルは祈りを捧げ召喚の種と華霊石を入れていく

 

鉢の色が銀へと変わりそして・・・金色へと変わり

鉢は部屋を明るくする光に包まれる

そして光が収まると3人花騎士が立っていた

団長と分かったのだろう3人はスグルの方に視線を向ける

スグルは3人に声をかける

 

「ようこそ・・先に謝っておく・・・すまない

こんな夜更けに召喚させてしまって・・・・とりあえず自己紹介してもらっていいかな?」

 

3人うちの一人がすこし拗ねたように言う

 

「准騎士のアブラナよ・・・よろしく頼むわね・・想定してなかったことだから

仕方ないけどあまりじろじろ見ないで」

 

彼女が拗ねたように言うのは仕方ないなぜなら彼女の格好は寝間着だからだ

 

「本当にすまない・・どうしても急なことだったので儀式を行ったんだ」

 

スグルは彼女に頭を下げ謝罪する

 

「別にいいわよ・・そこまで頭下げないでいいから!

それより次の子の紹介を聞きなさいよ」

 

アブラナが隣に居る花騎士の少女に紹介を促すように

目線を合わせる

 

「ア・・アブラナちゃん・・」

 

「ほら、ちゃんと紹介する・・恥ずかしいのアナタだけじゃないんだから!」

 

どうやらこの少女とアブラナ知り合いのようだ

もうひとりの少女もそう・・寝間着姿だったのだ

少しして少女はスグルに視線を合わせ恥ずかしそうに

自己紹介をする

 

「准騎士のイチゴです・・・アブラナちゃんとは同期です!

あ・・あとこんな格好でごめんなさいです団長さん・・」

 

申し訳なさそうにイチゴはスグルに言うと

 

「本当にこちらこそすまない・・・アブラナにも言ってた事だけど

至急に花騎士を呼ぶ事情が出来てしまったんだ・・どうあれ

うちの騎士団に来てくれて有難うイチゴ、君の力を貸して欲しい」

 

スグルはイチゴに頭を下げ礼を言う

 

「そそそ・・そんな?!私でよければ一杯頑張ります!よろしくお願いします」

 

「ありがとう、イチゴよろしくな」

 

笑顔をイチゴに向けると

 

「!!!(かっこいい!!!)」

 

そしてスグルは最後に3人目の花騎士に視線を向けると

花騎士はスカートの裾を両手でつまみ上げ恭しくも完璧な一礼をした後

自己紹介を始める

 

「バナナオーシャンから参りましたスイレンと申します・・ご主人様とお呼びしてもよろしいでしょうか?

私はどちらかと言いますと、メイドが本職なのです。」

 

スグルが聞き直す

 

「え?メイドなのか?」

 

するとスイレンは

 

「はい、花騎士としても戦闘は出来ますが・・ご主人様にご奉仕させて頂けませんか?」

 

「いや・・えと・・呼び方はご主人様じゃないとダメなのかな?」

 

困惑するスグル

 

「いけませんか?」

 

少し悲しそうな顔でスイレンはスグルに問い返す

スグルはすぐにこう言った

 

「いや・・別に嫌というか・・その俺、平民出だからそういうのに

慣れてなくて・・」

 

少し妖しく微笑みスイレンは

 

「ふふ・・でしたらこの機会に慣れましょう・・大丈夫ですよ私がお支えしますから・・

ですからね?ご主人様・・・(第一印象はどこかの貴族の方と思いましたがなかなか可愛いらしい方ですね・・ふふ)」

 

「努力はしてみるよ・・よろしく、スイレン」

 

「はい・・ご主人様~♪」

 

スグルは少し顔を赤くしながら言う

 

「3人ともこれからよろしく」

 

スグルを見つつレッドチューリップは心の中で呟く

 

「(とんでもない花騎士がきたわね・・・まぁあの子の実力は本物みたいだし私の穴は埋めれそうね

それに腕は立つ感じみたいだし・・でもなかなか小悪魔な感じもするけど・・

また私がここに戻るまで団長さん頑張りなさいな・・ふふ)」

 

 

そして夜が明け

朝になりレッドチューリップは皆にあいさつをし

スイレンとリューココリーネに引継ぎをして

騎士団から去っていった・・・

 

 

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