深き森の騎士団長   作:リリィウッド

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第11話 「動き出す人々」

騎士団コヨミ -団長執務室-

 

レッドチューリップが密命の為に

騎士団を去り1週間が過ぎた

 

「ご主人様、ナズナ様、お茶が入りましたよ」

 

スグルの執務机とナズナの執務机にお茶を置くのは

メイドさんのような格好した花騎士スイレンである

 

「あ・・ありがとう、スイレン」

 

「ありがとうございますスイレンさん」

 

少し戸惑いつつもスイレンにお礼を言うスグルとナズナ

 

「やはり、まだ慣れませんか?ご主人様」

 

スグルの思考を読むようにスイレンはスグルに話しかけた

 

「いや・・うん・・やっぱり使用人みたいには君を扱うのことは出来ない」

 

スグルは苦笑いしつつスイレンに言うそれに続きナズナが

 

「スイレンさんお茶入れとかなら私でも出来るので

それに皆さんの食事やお洗濯までしてもらってますが

ちゃんとお休みになれる時は休んでください」

 

そうナズナの言うとおりスイレンはコヨミに来てから

食事の支度、洗濯、清掃もしているのだ

いつも大体、何かしらしているので本当に休める時には

休んでいるのかとスグルもナズナも気になっていた

 

「ふふふ・・大丈夫ですよちゃんとお休みできる時は

休ませてもらってますよ?」

 

笑顔でナズナにそう言うスイレンはスグルに問いかける

 

「ご主人様、そろそろ私やアブラナ様、イチゴ様の戦闘スタイルを確認するお時間では?」

 

「あ、もうそんな時間か・・・書類はおおよそ片付いたし大丈夫そうだ

ナズナ、補佐ありがとう行ってくるからそのまま休憩に入ってくれ」

 

「はい!それではお言葉に甘えて休憩頂きますね!団長様も後で休憩してくださいね!」

 

「あぁ、後で一息入れるよ、それじゃ行ってくる」

 

ナズナに言葉を返し、スグルはスイレンともに中庭の方にある修練場に向かう

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

<修練場>

 

「おっともう二人とも来てるな」

 

スグルとスイレンが修練場に入るとすでにアブラナとイチゴが

害虫を模した案山子に向かって撃ちこんでいた

二人の下に向かうとイチゴがスグルとスイレンに気づき少し緊張したように会釈して

ちょうど打ち込みがひと段落したアブラナに声をかけている

スグルは二人に声をかける

 

「すまない、少し遅くなったかな?」

 

その問いに二人は

 

「そんなことはないわよ、大体時間通りじゃない?」

 

「そうだね、私もアブラナちゃんも少し体を動かしておこうってことで

やっていたので時間はあまり気にしないでください団長さん」

 

「そうか、分かったありがとう

さてそれじゃ、スイレン、アブラナ、イチゴこれから君たちの戦闘時のスタイルをみせてもらう」

 

「「「はい」」」

 

「まずはイチゴからお願いしようかな」

 

「は・・はい!」

 

イチゴは緊張しているようだ

 

「(少し・・・緊張解いてもらおうように動くか)」

 

スグルがイチゴの方に声をかける前に

 

「団長、私が行くからいいわ」

 

アブラナがスグルにそう言った後イチゴの元に向かっていく

 

「イチゴ」

 

「え!ア・・アブラナちゃん!ど・・どうしたの!?」

 

アブラナは少し苦笑いしながら親友の肩に両手を置き声をかけていく

 

「イチゴなら大丈夫よ!だから硬くならなくていいいつも通りに落ち着いてやればできるから!」

 

アブラナに励ましを受けたイチゴは目を瞑り深呼吸をする

 

「ふー・・・ありがとう!アブラナちゃん!私、頑張るからね!」

 

「うん」

 

アブラナはそう返事してスグルとスイレンのいる場所に戻っていく

アブラナの言葉にイチゴの表情は落ち着いてる感じなっていく見たスグルは漏らす

 

「大したものだやはり親友っていう事かな」

 

「美しいじゃないですか、私は好きですよあのようなご関係」

 

「あぁ・・俺もそう思うよ」

 

スグルとスイレンはそう言葉を交わす

戻ってきたアブラナと目線があったスグル

アブラナは何も言わすやったわよっていう自信に溢れた表情していた

そして落ち着いたイチゴが弓を構え害虫を模した案山子に狙いを定めていく

それをスグル・スイレン・アブラナは見守る

 

「っ!」

 

イチゴが弓から放っていく

矢は全て特定の部位に命中するそしてそれを何度も行った後

スキルが発動する

 

「やっつけちゃいますよぉ!」

 

イチゴが弓を上空に向け構える矢に魔力が込められていく

そしてそのまま矢を放った上空に矢はやがて消える

その直後上空に小型の魔方陣が展開される

展開された魔方陣から無数の魔力の矢が飛び出し

案山子に向かっていく

そして案山子に直撃する鎌を模した部位は砕けていく

最後の一発は頭に刺さり砕け散った

 

スキルが終わってイチゴはスグルたちのほうに向かって会釈し

そのままスグル達の方に歩いてくる

スグルの近くに来たイチゴはスグルに問う

 

「どうでしたか・・団長さん」

 

少し自信無さげに聞くイチゴにスグルは言葉を返す

 

「すごい!見事な命中率だ・・全体的への命中もそうだけど

特定部位への命中率が凄かったよ」

 

「ありがとうございます!アブラナちゃん!私出来たよ!」

 

イチゴは喜びながらアブラナに抱きつく

 

「ちょ・・イチゴ!もう・・当然でしょあなたは努力して花騎士になったんだから

それがちゃんと見せれてならよかったじゃない」

 

抱きとめてアブラナは抱きついている親友にそう言葉をかけた

 

「ふふ・・本当に仲がよろしいのですね」

 

スイレンがアブラナに問いかける

 

「まぁね・・この子とは騎士学校から一緒だから

卒業して私達は准騎士になってお互い違う騎士団に呼ばれるのかなって

思ってたけどまさかまた一緒にいれるとは思ってなかったから」

 

――数分後―――

「さてそれじゃ次は・・アブラナ、君の戦闘スタイルを見せてもらっていいか?」

 

アブラナは自信満々にスグル答える

 

「ええ!いいわよ!」

 

害虫案山子の前に立ちアブラナは自分の武器突出剣を持ち構える

アブラナは剣突き出し案山子の喉付近に差し込む

 

「早いな・・」

 

スグルが呟くするとその呟きにスイレンが返答する

 

「アブラナ様は出だしの早い攻撃にでてそこから連撃を入れていくスタイルのようですね」

 

「あぁ」

 

アブラナ連撃を次々と入れていく

そしてまた剣を突き出す構えに入る

剣に魔力が注ぎ込まれているのが分かる

 

「ふぅ・・見せてやるんだから!」

 

そう叫んだ後、アブラナは凄い速度での連撃を打ち込んでいく

連撃が終わると案山子は穴だらけになっていた

そしてそのままガラガラという音とともにぐずれ落ちていった

 

「どうだったかしら?」

 

戻ってきたアブラナはスグルに感想を聞く

 

「早い連撃を繰り返して敵の部位を壊していくスタイルなのは

見て取れたよ素晴らしい技量だった」

 

そう感想をアブラナに言うと

得意げにフフンと鼻を鳴らしていた

 

「さてと次はスイレンだな」

 

スグルは案山子に向かい案山子についてるからくりを作動すると案山子の擬似鎌は回りだした

からくりを作動させた後スグルがスイレンに目線を合わせると

 

「ふふ・・・分かりましたご主人様の為に戦闘スタイルを披露させて頂きますね~♪」

 

案山子から先ほどの位置に戻るスグル案山子の方に向かっていくスイレンが

すれ違う際スグルと視線を合わせスグルをからかう様に妖艶な感じの微笑みをする

 

害虫案山子の前に立ちスイレンはスリットからナイフ取り出す

 

「さっきとまるで雰囲気が違う・・これが金の花騎士・・・」

 

「スイレンさんが別人のようです・・」

 

そう呟くアブラナとイチゴ

二人の言うとおり先ほどの穏やか顔から今は敵を見据える花騎士の顔になっている

 

案山子の回っている模擬鎌の特定部分に投げ刺していくすると模擬鎌が割れ地面に崩れ落ちていく

 

「(部分破壊か・・・それに回っている擬似鎌なのにあそこまで的確に狙う技術・・)」

 

そう心の中でスグルが呟くとスイレンの雰囲気がまた変わった

スイレンは案山子に向かって駆けていく

案山子にとり付いたスイレンはナイフを投げ放つとともに言葉を発する

 

「みじん切りは得意中の得意です♪」

 

軽くそう言った直後数本しかなかったナイフが突如

案山子を囲うように周囲からナイフが発現する

 

「「「?!」」」

 

後ろから見ていたスグル・アブラナ・イチゴの3人は言葉にならない

そして無数のナイフは案山子に全て突き刺さる

案山子はそのまま崩れ落ちていった

わずか一瞬の出来事に呆然とする3人

少ししてスグルが呟く

 

「あれがスイレンのスキルか・・・」

 

それに続いてアブラナと少し興奮気味にイチゴも呟く

 

「何てスキルなの・・・」

 

「ナイフが全部案山子に刺さってましたよ!」

 

仕事終えた顔でスイレンがスグル達の元に戻ってくる

もちろん綺麗な歩き方で

 

「どうでしょうか?ご主人様?」

 

戻ってきたスイレンはスグルに問いかける

 

「いや・・・見事というか・・驚いたよ・・」

 

「ふふ・・ありがとうございます」

 

そのやり取りのあとに

アブラナがスイレンに質問する

 

「あのナイフは魔力で増やしてるの?」

 

「そうですよ・・あれだけ増やすのにかなり鍛錬しましたけどね」

 

「そうなのね・・・(これが金の花騎士の実力・・負けてられないわ!もっと鍛錬しないと!)」

 

「アブラナ様」

 

「な・・なによ・・」

 

「鍛錬は適度にしておいてくださいね」

 

「!!・・え・・・何で分かるのよ!!」

 

そうスイレンに聞き返すアブラナ

するとスイレンは言う

 

「ふふ・・メイドですから」

 

そのやり取り聞いていたイチゴは目を輝かせながら呟く

 

「スイレンさん・・ステキですぅ・・」

 

「ありがとうございますイチゴ様」

 

どうやら色んな意味でスイレンは

アブラナとイチゴの心を掴んだようだ

 

「さて・・それじゃ今日はもう解散だ・・・各自自由にしてくれて構わない」

 

「わかったわ」

 

「わかりました」

 

「ふふ・・・ご苦労様です皆様」

 

スグルがそう3人に告げ戦闘スタイルのお披露目は終了した

 

――――――――――――――――――――――――

 

<執務室>

 

 

スグルが執務室に戻るとそれに付き添ってきたスイレン

 

「スイレン、もう今日は自由にしてくれて構わないんだけど」

 

スグルがスイレンに問うと

 

「これが私の自由ですからそれに」

 

「それに?」

 

「アブラナ様とイチゴ様の事で今後どうご采配なさるか

意見もされるかと思いましたからね」

 

スグルは苦笑いしてスイレンに零す

 

「全てお見通しってことかな・・」

 

「ふふ・・ご主人様のメイドですから」

 

スグルはスイレンに告げる

 

「アブラナとイチゴの実力はたしかだ・・だけど彼女達にはまだ実戦の数が少ない

暫くは哨戒任務で場数を踏んで経験してもらおうと思ってるよ」

 

「それが一番あのお二人にはいい事だとは思います

ですが・・ご主人様」

 

「あぁ・・例の不明中型害虫のこと?」

 

「はい」

 

スイレン達が来る少し前の事だ

統率のとれた害虫の群れがちょくちょく現れていた

リューココリーネ達を伴ってその群れを討伐をしている

そしてついこの間その統率している中型のカマキリ害虫を発見し

討伐しようと試み親玉の中型カマキリ害虫を追い込んだのだが

あと一歩のところで手下の小型カマキリに邪魔をされ討ち逃したのだ

 

「お話を聞く限りその害虫達は親玉を逃がすために邪魔した感じなのですね」

 

「あぁ・・そうだ・・それに戦闘中も群れと戦ったけどまるで分隊の様に襲ってきた・・

あの親玉相当な親玉だと思うそれに・・いままでこんな害虫はいなかったしね」

 

「その後はどうなさったのですか?」

 

「定期的に哨戒しているが未だに見つかってない

手負いだったしもしかしたら倒せてる可能性もある・・」

 

「確証は難しいですね」

 

「あぁだからそれを領主様と相談したんだが・・

リリィウッド王都の花騎士に調査依頼することにしたよ」

 

「なるほど・・それが一番いい案かも知れませんね・・

ですがたしかこの国はかなり慎重なお国で採決されるまでに時間が掛かると聞いたことがありますが?」

 

スグルは笑いながらスイレンに言う

 

「はは・・随分詳しいねたしかに君の言うとおりこの国は悠長に会議を繰り返す国だよ

今回はすぐに来てくれるよ」

 

「どういうことでしょうか?」

 

「領主様がかなり強引に行ってくれたからね」

 

スイレンにこの地区がどういう事を説明する

するとスイレンは

 

「なるほど、それならすぐに来らざるえないでしょうね」

 

「そういうことだよ」

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

<リリィウッド王城区 某詰め所>

 

紫がかった黒髪ポニーテールに纏めた女性が誰かを待っている

 

「もう少ししたら帰ってくるかしらあの二人」

 

彼女がそう呟いていると

 

「帰還しました」

 

「ただいま戻りましたー!」

 

二人の少女が任務から帰ってきた

 

帰ってきた一人は背中に大きな大剣をさげている黒茶色のショートヘアーの少女

もう一人は自分より少し大きめのスリリングショットを持っている茶色のショートツインテールの少女

 

「おかえりなさい、二人とも帰ってきたばかり悪いけど

少し話があるのよいいかしら?」

 

二人の少女にそう声をかける女性

 

「わかりました」

 

「はーい」

 

そう返事をする少女二人は自分たちの武器を置きに行く

武器を置き終えて3人は詰め所の椅子に腰掛ける

 

ショートヘアー少女が女性に聞く

 

「それで、お話とはなんですか?」

 

「単刀直入言うと新しい任務よ」

 

ツインテールの少女が呟く

 

「新しい任務何だがドキドキしますね!」

 

女性は少しタメ息混じりにツインテールの少女に言う

 

「もう・・少し落ち着きなさい」

 

ショートヘアーの少女は気にせず女性に聞く

 

「それで任務の内容はなんですか?」

 

「任務はエダ商業地区近隣の調査らしいわ」

 

疑問がある顔でショートヘアーの少女が聞く

 

「たしかあそこは最近新しく騎士団が設立されたと聞きましたが?」

 

「ええ、そうよどうもその騎士団とエダの領主様から要請らしいわ」

 

「ほら!やっぱり何か危険な感じが!」

 

「だから・・少し落ち着きなさい」

 

「はーい!」

 

ツインテールの少女は落ち着くどころかまた気分が高揚しているようだ

 

「それで、いつからなのですかこの任務は?」

 

「出来たら早いほうがいいそうよ?二人が大丈夫なら

すぐにでもエダ商業区に向かいたいのよ」

 

その問いかけに二人は

 

「私は問題はありません・・それにあなたもいけますよね?」

 

ショートヘアーの少女はツインテールの問いかけると

 

「大丈夫ですよ!お姉ちゃん!すぐにでも行けます!」

 

ポニーテールの女性は

 

「分かったわ・・それじゃ明日の朝ここを発つわ

上には私が報告しておくからあなたたちはもう今日は休みなさい」

 

そう言って二人と別れポニーテールの女性は報告に向かった

 

――――夜更け

 

ショートヘアーの少女はベットに座っていた

隣のベットではツインテールの少女が気持ちよさそうに寝ている

 

「私は・・一番になる・・そしてお姉ちゃんの約束を守ってみせる・・」

 

そう呟いた後ショートヘアーの少女は床についた

 

 

この3人との邂逅がスグルに変化をもたらせもう少し先の話である

 

 

 

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