馬車が止まったどうやら領主の屋敷に着いたのだろう
馬車から降りるスグルとナズナは屋敷を見て
「さすがは領主の屋敷・・・大きいな」
「大きいですね・・・でも!うちの屯所も負けてませんよ!」
「土地の広さは同等な感じだったな」
そんな会話をしていると屋敷の門が開き使用人の女性が出てくる
いわゆるメイド服を身にまとっているその女性がスグルとナズナに声をかけてきた
「着任された騎士団長様でございますね?」
「はい、そうです」
するとメイドさんはナズナの方も見ると
「この子は俺の補佐官です」
ナズナは少しだけおっかなびっくりに自己紹介をする
「団長補佐官のナズナと申します!」
「(まだそんなに経ってないけど珍しくテンパってるなナズナ)」
と心の中でスグルは呟く
それの呟きを感づかれたのか少しナズナに睨まれるが見ないようにしていた
メイドさんが一拍置いて発言する
「我が主様は騎士団長様と一人で話したいとのことですので
補佐官の方には会談が終わるまでは別室で待機していただきます。」
「わかりました」
とスグルが言うとナズナに視線を合わせると
「団長様、粗相がないようお願いします」
「あぁ、大丈夫だ・・・それではすぐにご領主様との会談になるのでしょうか?」
スグルはメイドさんに質問するとメイドさんは
「はい、すでに主様は騎士団長様のとの会談の為に部屋にお待ちになっておられます」
「そうでしたか・・もう少し早く来ればよかったですね」
「いえ・・主様は昔から何でも速めの行動を取るお方なのであまりお気になさらないで下さい」
「(どうやら頭の回転は速いし、そこまで自己顕示欲が高い人ではないな・・なんだか姐さんを思い出す)」
スグルは下積み時代に世話になった騎士団長の顔を思い出していた
メイドさんが声をかけてくる
「では・・主様の部屋までご案内します」
「分かりました」
するとメイドさんがもう一人来た多分ナズナを別室に案内してくれる方だろう
「それじゃ、ナズナまた後でね」
「はい、団長様」
そしてメイドさんの後ろに続くように歩いていくスグルは少し緊張していた
「(俺、平民の出だしちゃんと出来ればいいが・・あの騎士団の姐さんは
貴族の出だけどそんな感じしないしフランクな人だったけど
そういう貴族のほうが珍しいだろうし・・とりあえず失礼の無いように心がけよう)」
そんなことを考えていると前を歩くメイドさんがある部屋の前で止まりドアに近寄り控えめのノックをする
コンコン
「主様、騎士団長様をお連れしました」
すると少しして中から声がする
「ありがとう、部屋にお通しして頂戴」
スグルは顔には出さないが内心少し驚く
「(領主様は女性か・・それも結構若い方か・・)」
この世界は女性比率の方が高いあまり珍しくもない事だ
そんなことを考えているとメイドさんがドア開けスグルに入るように促す
「ありがとうございます」
そうメイドさんにお礼をいい部屋に入るスグル
入る際にメイドさんが言う
「これが私の仕事ですので・・ではごゆるりと」
そう発した後、静かにドア閉めたそしてスグルは領主がいる部屋の中に視線を向けると
「よく来てくれたわ、スグル・カミサカ団長さん」
「スグルで構いませんよ・・えと」
「あら、ごめんなさい私としたことが名前を言うの忘れるなんて・・
改めて、領主をさせてもらっている「レティシア=フランベルク」よ」
「こちらこそよろしくお願いします、領主様」
「レティシアで構わないわよ・・・なんだったらレティシアお姉ちゃんでもいいわよ?」
どうやらこの人もかなりフランクな人のようだとスグルは内心思った
「分かりましたよ、レティシアさん」
「ふふ・・それでいいわ、それじゃそこに座ってお話でもしましょうか」
レティシアに促されスグルはレティシアとは反対側のソファーへと腰を下ろす
「とりあえず、ようこそエダ商業地区に来てくれたは領民達を代表して貴方達を歓迎するわ」
「ありがとうございます・・出来る限りのとこに最善を尽くします」
「謙虚なのね?」
「まだなりたての新米団長ですし、本当にこの町・・この世界のためにやれることはこれからです」
「自分のことは弁えているってことかしらね・・さてそれじゃいきなりだけど
私に聞きたいことがあるんじゃないの?」
そうスグルはこの領主様に聞きたいことがあった
「そうですね・・なぜここに配属させたのですか?」
スグルがエダ商業地区に配属をさせたのは何でもこのレティシアらしい
「簡単なことよ・・一つはここに駐留する騎士団を置いておきたかった事
ほら、ここ四方の城塞は堅牢だからって定期的に騎士団の監査とかが来るくらいなのよ」
「なるほど・・・でもレティシアさん、今の言い方だとまだ何か訳がある感じですよね?」
「なかなかいい洞察力ね・・・でもね唯の勘よ?それと私のお友達の話を聞いてあなたに
興味が湧いたってところかしら」
「レティシアさんのご友人・・・っ?!まさか!姐さ・・・じゃなかった「ハイム団長」とはご友人なのですか?」
「ふふ・・姐さん何て言わせてたのねハイムちゃん・・
ハイムちゃんとは昔からの幼馴染だからね」
「なるほどそういうご関係だったんですね・・・
それを聞いて俺がここに配属された理由というのが自分の中でも氷解しましたよ」
「そこまで分かってくれたのね凄いわスグルちゃん」
「スグルちゃん?!」
いきなり呼ばれ方が変わったのでキョどるスグル
「えーだってハイムちゃんの弟分なら私の弟ってことでもいいよね?」
「(あーこの人ハイム姐さんの幼馴染だな・・この呼び方は変わらないだろうな)」
今までの緊張感を返して欲しいと内心思うスグルであったが
もうひとつだけ気になったことがあったのでレティシアに尋ねる
「レティシアさん、いいですか?」
「うん?なーに?スグルちゃん?」
もう動揺はしないぞ俺
「レティシアさんはハイム姐さんとは幼馴染ですよね?その若さでここの領主っていうのが気になりまして」
「なるほどね・・・元は私の母が先代領主だったのよ」
思い出すように続けていくレティシア
「簡単に言っちゃうと母と父は死んだわ・・害虫に殺されたのよ旅先でね」
「すいません・・余計なことを聞いて」
「大丈夫よ?もう時間は経ったんだから・・それにハイムちゃんにも大分お世話になったしね」
「「いつまでも停滞するな前に進め・・お前が進まないと困るのは領民達だ」って言われたわ・・
後は「今は泣いておけ枯れるまで泣けそれまでは私がついててやる」という感じかしらね」
「ハイム姐さんらしいですねあの人生まれる性別を間違えてる気がします」
「あら~そんなこと言っちゃダメよ~?でもスグルちゃんの言うことも
一理あるわねもしハイムちゃんが男の人だったら惚れちゃうものハイムちゃんって」
するとレティシアはゆる~い感じの表情から一転、真剣な領主の顔に変わる
「それじゃ、雑談はおしまいにして
これからのことの段取りとかのお話をしましょうか」
「分かりました」
頷き返すスグル・・そして会談はレティシアの云うとおり今後の段取りについて話は進んでいった
夕刻前
「ナズナ、迎えに来たよ待たせたね」
別室のいるナズナを迎えに来たスグル
「いえ!メイドさんたちともお話などさせていただいていたので大丈夫でしたよ?」
「そっか・・それじゃあ帰ろうか」
「はい!団長様!」
メイドさんに玄関先まで案内される二人
玄関先には領主レティシアが居た
「その子がスグルちゃんの補佐官ちゃん?」
「スグルちゃん?!」
ナズナが驚いてその名を叫ぶがすぐに
「失礼致しました!ご領主様!」
「ふふふ・・そんな緊張しなくてもいいのよ?えーと」
「あわわ・・補佐官のナズナともうしましゅ」
ナズナは目を><こんな感じなりながらレティシアに噛みながら自己紹介する
「あう・・舌噛んじゃいました痛いです」
「大丈夫?私は領主のレティシア=フランベルクよ、よろしくね?」
「よろしくお願いします!」
物凄い勢いで頭を下げるナズナ
「あまりからからかわないで下さいよレティシアさん」
「それはどうかしらね~さてそれじゃ今日は有意義な会談だったわ
ありがとうねスグルちゃん」
「もうその呼び方に突っ込むのはやめますがこちらこそありがとうございます!
あとあの事についてですが・・」
「分かっているは話はすぐ通しておくわはアレでね」
「本当にありがとうございます・・」
深く頭を下げるスグル
「ふふ・・貴方本当に律儀ね、そういうことがハイムちゃんが気に入った理由なんだろうけど」
「それじゃ俺たちはこれで失礼致します」
「ええ、分かったわまた何かあったらこちら相談してちょうだい出来る限り時間は作らせてもらうから」
「ありがとうございます!それでは失礼します!」
俺は深く頭を下げるナズナも同じように頭を下げてくれた
屋敷を出る俺達少し離れてからナズナが聞いてくる
「団長様、随分ご領主様と打ち解けておいででしたが?」
「あぁ、実は・・」
打ち解けている経緯をナズナに説明するスグル
「なるほど!そういうことでしたか!やはり団長様は凄いのですね!」
「とりあえず町を歩いて帰ろうかナズナ
帰ったらチューリップ4姉妹を含めて皆に話したいこともあるし」
「はい!では!屯所までの道のりはこちらです!」
そう言うとナズナは地図を渡してくれたのでそれ受け取り歩き出すスグルとナズナ
ナズナは少し気になった屯所に帰ったら話したい内容だ
「(とりあえず帰らないと話になりませんし帰りましょう)」
スグルについていくナズナ
果たしてスグルは領主レティシアと話したことはいったいなんなのであろう
続