セイバー
〜亜種特異点I 悪性隔絶魔境 新宿〜
複数の悪魔が歩き回る中、銀髪のアーチャー、エミヤ❲オルタ❳は一人佇んでいた。
「誰だ」
突如、エミヤは背後から現れたロングコートの男に声を向けた。
「別に怪しいもんじゃない。通りすがりのデビルハンターだ!」
パァン!という音ともに複数いた内の一体の悪魔の頭部が弾けた。
「なるほど、アーチャーの英霊か」
エミヤは今の銃撃を見てそう呟き、振り返って黒の拳銃をロングコートの男に向けた。
「そういうアンタはアーチャーの英霊か」
「そうだが、何か?」
「ただの英霊じゃないな。アンタからは悪魔と似た匂いがするぜ」
「…………」
「にしてもこの特異点、俺の知ってる新宿とは大違いだ」
「…………」
「……そんなに喋りたくないのか。俺よりお喋りな奴は嫌いだが、無口の奴も嫌いなんだ」
直後、ロングコートの男が動いた。その動きに対して、エミヤが銃弾を放った。
だが、ギィン!という音とともにロングコートの男が背から大剣を振り下ろし、銃弾を切り裂いた。
迫りくるロングコートの男に対してエミヤは二対の夫婦剣を投影した。
ギンッ!と金属同士がぶつかり合うが周囲に響き合った。
ロングコートの男の大剣とエミヤの夫婦剣が交差したのだ。
「くっ……」
エミヤは手首を返して大剣を受け流すと、ロングコートの男に蹴りを放つ。
エミヤはロングコートの男を吹き飛ばすと拳銃を構えて発砲した。ロングコートの男は体勢を整えながら腰から白と黒の二丁拳銃を取りだし、放たれた銃弾を自身の銃弾で弾いた。
「チィッ!」
エミヤが拳銃をしまい再び夫婦剣を手にすると素早くロングコートの男に近づき、斬り込んだ。ロングコートの男は口元を歪ませながらその場でジャンプをして斬撃を躱した。
「そらっ!」
エミヤの上空から大剣が迫る。エミヤは右にに転がり込むように緊急回避をして、斬撃を躱した。
そしてチャキ、と二人は拳銃をお互いの頭部に向けた。どちらも零距離であった。
「名前は?」
エミヤが静かにそう聞いた。相手の実力を認めたのだろう。
「俺の名はダンテ。セイバーのサーヴァントだ」
「そうか……私は無銘の英霊、これでもアーチャーだ」
お互い口を歪ませると同時に銃弾を放った。ロングコートの男、ダンテが放った銃弾はエミヤの頭部に直撃するも頭部に衝撃が走るぐらいだった。
エミヤの持つスキルの一つ、防弾加工Aだ。その名の通り銃弾に対してかなりのダメージを軽減できるスキルであった。
そしてエミヤが放った銃弾はダンテの頭部を貫いた。だが、頭部に空いた銃痕はみるみる塞がっていく。
これはダンテが持つスキルの一つ、戦闘続行Aだ。往生際の悪さが反映するスキルだが、ダンテの場合は種族としての特性上があった。
「これは見ないスキルだな」
ダンテはエミヤの持つスキルに驚きながらそう言った。
「褒め言葉として受け取っておこう」
ダンテはその言葉を聞いて背の大剣を引き抜き、振り下ろす。エミヤは体を捻らせ大剣を躱し、夫婦剣で斬り込んだ。
どちらも剣の腕は一流だった。二人は斬撃を躱し、流し、或いは受け止めあった。
―――――――――――――――
エミヤは夫婦剣を振り下ろすのをやめ、距離を取った
「フッ……終わらせてやる」
エミヤがそう笑った。ダンテがヒュー、と口笛を吹いた。
「じゃあ、俺は豪勢に行くぜ!」
ダンテはそう言うと自身の魔力を開放した。そして、姿が異形のものへと変わっていった。
悪魔のような赤い角に悪魔の肌を纏った。ダンテから発せられる魔力はもう人や並のサーヴァントが持つものでは無くなっていた。
「I am the bone of my sword.───So as I pray, 『unlimited lost works』!」
エミヤが拳銃を構え「剣」の概念をすべて蓄積させた拳銃から凄ましい魔力を纏った銃弾が放たれた。
「Devil Must Die!」
対してダンテは大剣を頭上の高さまで持ち上げると切っ先を相手の方に向けた。大剣に纏わりつく魔力はエミヤの放った銃弾と同等のものであった。
そして、瞬間移動に近い速度で前方に跳躍した、ダンテはエミヤの放った銃弾に渾身の突きを放った。
カッ!という一瞬の爆発とともにあたりを照らした。
―――――――――――――――
「まさか、私の宝具を相殺するなんて驚きだ」
「俺だってその宝具をぶっ潰すぐらいの勢いで攻撃したのにまさか相殺で終わるとは思わなかったぜ」
魔力をほぼ使い切った二人はお互いの方に頭部を向けて倒れ込む。
「ちなみに聞くが生前はどんな事を?」
「便利屋を営むただのデビルハンターさ」
「その割には、普通ではないな」
「まあな。そういうアンタは?」
「何、正義の味方が悪行を行った腐った英霊さ」
「Hum.変なことを聞いて悪かったな」
「気にす―――」
直後、二人はその場から立ち上がった。
「なんだ、この感じは?」
「魔神柱さ。聖杯の力を使って誰かが異形の存在へと成ったのさ」
「魔神柱か……悪魔に近いがそれ以上に厄介そうな感じだ」
ダンテがそう呟くとエミヤが歩き始めた。
「おい、どこへ行くつもりだ?」
「魔神柱の所さ。一緒に倒しに行くか?」
エミヤの言葉にダンテが嬉しそうに笑みを浮かべた。
「いいぜ。その依頼、便利屋『Devil May Cry』が引き受けよう」
ダンテはそう言ってエミヤの後を付いていく。
ちなみに前回書く予定よキャラを記しましたがまだいました。
STREET Fighterからリュウ
コードギアス 反逆のルルーシュからルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
METAL GEAR SOLIDから雷電
鋼の錬金術師からエドワード・エルリックと大総統を出すつもりです
リュウが入ってる理由としては大体のゲームのコラボってストリートファイターがそのうちの一つに入ってるよね……
ルルーシュはブーディカさんと合わせたいし、円卓の騎士ネタもいけるし
雷電はジャックがいるのでね……入れないと
エドはヴァン・ホーエンハイムがいるので、親父も入れようかと迷ってるけど……どうでしょうか?
大総統は入れるしかないでしょ(使命感