皆様、明けましておめでとうございます。
今回は何卒、短いです。これ以上、思いつきません。m(_ _)m
セイバー
〜亜種特異点? ??〜
江戸や明治によく見られる木造建築の家が左右に並び、誰もいない大通りには二人の男が向かい会っていた。
一人は大柄な体躯で黒い着物を着ており、腰には大小の刀を腰に差していた。そして特徴的な鋭い三白眼の眼光で目の前の男と対峙していた。
対峙していたもう一人の男は目の前の男よりも背が高く、少しばかり目立つ白外套を羽織っていた。
(斬れぬな……)
黒い着物の男、宮本 武蔵は目の前の男にそう思っていた。
この宮本 武蔵、持たずとも、指一本動かさずともその気迫でダメージを事ができるのだ。まるで見えない刀で敵を斬るかのように。
(まさか、これほどまでの強さとは……)
何度も気迫でダメージを与えようとも、相手の気迫によって防がれてしまう。
目の前の男は武蔵を見ているだけで全く動く気配を発さず、その場に立ち尽くした。
「お前は何が見える?」
武蔵が男にそう問いかけた。かつて何度か似たような言葉を武蔵は問いかけた。
『無尽に広がるご馳走』『関ヶ原の戦い』『黄金』『黄金と名誉』など様々なものが背景として目に写った。
そして今、目の前にいる男の背後には―――
―――――――――――――――――――――
「お前は何が見える?」
白外套を羽織った男、比古 清十郎は目の前の武蔵の言葉に眉をピクリ、と動かした。
「そういうお前はどうなんだ?」
質問を質問で返す。比古はそう聞いた。
「…………」
武蔵はその言葉を聞いて真剣な眼差しで比古を見る。
「―――九頭龍神……いや、
(ほう……)
八岐大蛇とは九つの龍の頭を持つ化物。
比古は武蔵の言葉に感心していた。あながち間違いでもない。比古の宝具の名前はその八岐大蛇が由来でもある。
的を得ている言葉に比古は笑った。
「で、お前は何が見える?」
「…………」
武蔵の言葉に比古の表情が戻る。武蔵を見ているのだ。だが、お互い数分前に会ったばっかりなのでお互いの名を知らない。
「―――宮本 武蔵……いや新免武蔵守藤原玄信と言った方がいいか?」
「ほう……俺のことが分かるか?」
比古の言葉に武蔵が感嘆し、そう聞いてきた。
「まさか本物とは思っていなかったがな。だが、それ程の気迫……天下一の剣豪にも相応しい……だからか俺の目には宮本 武蔵が目に見えた。それだけさ」
「なるほど……ところで、名はなんという?」
「―――飛天御剣流 継承者 十三代目 比古 清十郎」
ピクリ、と比古の名乗りに武蔵が眉を動かした。
「……生前、噂に聞いた最強の古流剣術の使い手か」
「…………」
「一対多数を得意とする古流―――」
「そんな事はどうでもいさ」
ピクッ、と言葉を遮られた武蔵が眉を動かした。
サーヴァントとサーヴァントが出会ったらやる事は一つ、と言わんばかりに比古が白木の柄の刀を取り出した抜刀した。
「…………」
「…………」
武蔵がそれに対して右手を構えた。
比古はその行動に対して眉を潜めた。その右手はどう見ても手刀であった。
あの天下の大剣豪が刀を持たずに手刀で比古 清十郎を迎え撃とうというのだ。
だが、比古はそれでも闘志を落とさない。宮本 武蔵の攻撃を迎え撃とうというのだ。
一流の剣客は一撃で仕留めなければいけない。
剣客が持つ、刀とは西洋の剣ような鉄の塊を斬るような武器ではなく、敵の体である柔らかいものを斬る武器である。
故に、敵の攻撃を貰えば致命傷である。
「…………」
「…………」
一触即発の空気が流れ、お互いが構えた。
比古は刀を目上の高さまで持ち、いつでも突きを放つような体制を、武蔵は右手の手刀を左腰に当て、抜刀術を繰り出すような体制をとった。
「飛天御剣流……」
そして、比古が動いた。その速さは神速をも超える神速。避ける事も防ぐ事もできない宝具を繰り出した。
九つの頭の龍が宮本 武蔵に牙を向いたッ!
「…………」
だが、宮本 武蔵は動かないッ!
目を閉じてただ静かに待っていたッ!
カッ!と同時に迫る九つの刀が宮本 武蔵の肌に触れそうになったとき、武蔵が目を見開いたッ!
―――――――――――――――
お互いの敵を背にし、二人は同時に倒れたッ!
比古の刀が武蔵の肌に触れた瞬間、武蔵の手刀め比古の外套を破壊し比古の体に手刀を繰り出していたのだ。
「まさか、馬鹿弟子と似たような結果になったとはな」
「なるほど……あれが八岐大蛇の正体か。」
二人は二人はそう呟いた。比古と武蔵はニヤリと笑った。
「流石だぜ、アンタ」
「そういうお前こそ」
二人が互いに強敵と認めた。二人の生きた時代の中では最強と謳われた存在。
方や説明するまでもない伝説の剣豪、『宮本 武蔵』。方や37.5kgもある外套を着たまま巨人を倒した剣客、『比古 清十郎』であった。
「おっと、変なのが来たな……」
比古がそう言いながら立ち上がった。二人の周りには謎の忍装束を着た複数の男達だ。
「そのようだな」
宮本 武蔵も立ち上がり腰の二刀を抜刀し、構えた。
「背中は預けるぜ」
「背中合わせ……今までやった事がなかったな」
そう言って二人が自分の刀を振り下ろした。
次回は番外編で各作品のキャラ達と公式サーヴァント達の裏話みたいな感じをやろうと思います。
今年もこの作品をよろしくお願いしますm(_ _)m