アーチャーとキャスター
「元々、無限月詠を発動させるには必要不可欠のものがいくつかある」
アサシンがそう言ってライダーへと忍術を放った。
「その一つがこの世界にいない九つに分けられた強大な
「その尾獣を今、あの神樹が取り込んでいるっていうこと?」
「違うな。さっきも言ったが尾獣は俺達の世界に存在しているだけでこの世界には存在しない。この時点でもはや無限月詠は発動しない」
「じゃあ、なんでそんな事を?」
「尾獣の代わりがあるからさ。願いを叶える盃、"聖杯"。カグヤはそれを尾獣達の代わりとした神樹に取り込ませた」
「…………」
「この時点で問題であったものが一つ解決された。そして無限月詠を発動させるもう一つのもの。それが写輪眼と輪廻眼だ」
「なにそれ?」
「いうなれば俺達の世界の魔眼さ。その一つである写輪眼が俺達うちは一族の持つ魔眼。そして輪廻眼は……まぁ、その辺はいいだろう。大筒木 カグヤはその二つの魔眼の力を有している」
アサシンがライダーに自身の魔眼を見せて解説する。もはや二人は距離を取ってお互いが戦うことすらしなかった。
「ふーん、それでその無限月詠はいますぐにでも使えるの?」
「答えは否だ。何せ神樹の華が開くのにいかんせん時間が必要だ。あと15分と言ったところだな」
「そうなんだ。アンタ、敵なのにこの事を話して平気?」
「……。俺はあの女が嫌いなのさ。自身の目的として生まれてきた俺達を駒として扱うことのな」
そう言ってアサシンが腰を落して木の幹の上であぐらをかいた。
「そろそろ飽きてきたな。小僧、マスターの元に行くといい」
「……アンタ、どういうつもり?」
「フン、俺はこの戦いに興味がないだけだ」
アサシンがそう呟くとどこかへと行ってしまう。ライダーはその様子を見て変身を解除するとすぐにマスターの後を追い始めた。
その山頂にて、まるで炎を体言しているかのように赤い髪と赤い服装の男が月の姫・輝夜の元へと向かう中、立ちはだかる男を鋭く冷たい視線で睨んだ。
「アンタもサーヴァントか?」
「ああ、俺は輝夜に召喚されたサーヴァントだ。そういうお前はあの大筒木 カグヤとかいう奴のサーヴァントか?」
月の光が照らされ男の姿が顕になる。赤、黒、金と言った三色の髪の男。そして首にはピラミッドを逆さまにさせたかのような目のついた黄金のアクセサリーをぶら下げており、背には学ランを背負っている少年の姿。
「そうだ。悪いがアンタはここで倒させてもらう」
赤い髪の男はそう言って懐からカードの束を取り出して見せた。
「アンタもカードを使って戦うのか。その勝負、受けて立つぜっ!」
鋭く情熱を秘めた瞳がそのカードを捉え、彼が左腕に装着していた機械に赤い髪の男が持っていたカードとはまた別のカードの束を装填した。
両者が睨み合い、そして口を開く。
「───
「───ゲートオープン、
「俺のターン、ドロー!俺はエルフの剣士を攻撃表示で召喚!行け!」
召喚された剣士の刃が赤い髪の男へと迫る。男は目を見開く。
「ライフで受ける!」
剣士の攻撃が彼の体へと届く。彼の体が後ろへと弾くが彼は笑って見せた。
「この感覚……これが聖杯戦争……」
「カードを一枚伏せてターンエンド。俺はキャスターのサーヴァント、アテム。お前は?」
「サーヴァントなのに真名を言うんだな。アーチャーのサーヴァント、
「ああ、真名をバラしたところで俺は負けないからな」
「大した自信だな。スタートステップ。ドローステップ。メインステップ。俺はモルゲザウルスをLv2で召喚!行くぞ、アタックステップ!俺はモルゲザウルスでアタック!」
アーチャーが小さな
エルフの剣士が剣でモルゲザウルスの攻撃を防いでみせる。だが、モルゲザウルスの攻撃はモンスターの剣を追ってみせるとそのまま剣士の体を叩きつけた。
「やるな!ならば俺はブラック・マジシャン・ガールを召喚!やれ!」
キャスターが新たにモンスターを召喚する。金髪の魔女だ。水色の魔女の装束を来た女性が召喚されアーチャーへと杖を振るおうとしている
「ならばこっちも行かせてもらうぞ!太陽よ、炎を纒いて龍となれ!太陽龍 ジーク・アポロドラゴンをLv.1で召喚!」
アーチャーがその女性を睨み自身もスピリットを召喚する。太陽の龍、その名もジーク・アポロドラゴンがこの地に舞い降りた。
「はァっ!」
ブラック・マジシャン・ガールの魔法とジーク・アポロドラゴンの炎のブレスがぶつかり合う。
「ここからだ!俺は
アーチャーが新たにスピリットを召喚する。二つの砲塔を携えた赤き竜。その竜がジーク・アポロドラゴンの背に
「撃ち抜け!ブレイブスピリット!!」
ブラック・マジシャン・ガールと戦いあっていたジーク・アポロドラゴンの力が増し、彼女に砲弾を放った。
「ブラック・マジシャン・ガールっ」
龍の砲弾を喰らい消滅する彼女を見た。だが、アーチャーの攻撃は終わらない。
「そのまま行け!ブレイブスピリット!!」
そして本体であるキャスターへとジーク・アポロドラゴン向けて突進する。
「
キャスターの足元から現れる一枚の大きなカード。そして、かれを守るかのように聖なるバリアがジーク・アポロドラゴンの攻撃を防ぎ、更にはアーチャーのスピリットすべてを消滅させた。
「っ!やるな…!」
「俺のターン!俺は
キャスターの目の前に現れるのは剣と盾を装備した磁石の戦士。そしてキャスターは手札から一枚のカードをアーチャーへと見せた。
「俺は手札の暗黒騎士ガイアとカース・オブ・ドラゴンを墓地に送り竜騎士ガイアを召喚!」
新たにモンスターが召喚される。緑色の竜にまたがった暗黒の騎士。竜が吠え、騎士が静かに佇む。
「行くぞ!竜騎士ガイアでアタック!───ダブル・ドラゴン・ランス」
「ライフで受ける!」
竜騎士の攻撃がアーチャーへと直撃する。その様子にキャスターが眉を潜めた。
「なぜ、防がない?」
「俺は生憎、打たせてコアを溜めるタイプでね……」
ニヤリ、と笑うアーチャーにキャスターが目を閉じた。
「マグネット・ウォーリアー・アルファ!行け!」
そしてキャスターが新たにモンスターに命令を下す。
「フラッシュタイミング。マジック、サジッタフレイムを使用!」
アーチャーが手札のカードの一枚をキャスターへと見せた。夜空が煌めき無数の炎の矢が戦場へと降り注いだ。
その炎の矢がマグネット・ウォーリアー・アルファは防ごうとするが矢の数の多さによって防ぎきれずに破壊される。
「俺のターンだ。駆け上がれ!神の名を持つ赤き龍!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンを召喚!」
黄金の鎧を身に纏った赤い神龍が降臨し、竜騎士ガイアと睨み合う。
「更に手札の
ライジング・アポロドラゴンの赤い皮膚が緑へと変わり、ブレイブした鳥の翼と二振りの槍を携えた。
「行くぞ、アタックステップ!羽撃け!ブレイブスピリット!!」
空を舞い、竜騎士と対峙した。空へと空へと上へと羽ばたき、槍と槍が衝突し合う。
いくつもの火花を散らし、その最後にお互いの得物が相手の体へと貫いたのだ。
「……ターンエンド」
二体の怪物が爆発を起こし、消滅していく姿を見てアーチャーは静かに呟いた。
「俺のターン!俺はブラック・マジシャンを召喚!そしてさらにマジック!死者蘇生を発動!」
キャスターが新たにモンスターを召喚する。魔術師の装束を纏った高身長の男が長い杖を持って彼の前に現れたのだ。
「蘇れ!ブラック・マジシャン・ガール!」
さらに魔法カードによって消滅したはずのブラック・マジシャン・ガールが墓地から召喚された。
「行け、ブラック・マジシャン!
「っ!」
ブラック・マジシャンが弟子のブラック・マジシャン・ガールの力を借りて杖を掲げる。黒い魔導弾がアーチャーへと飛来した。
「フラッシュタイミング!マジック、デルタバリアを使用!」
アーチャーが白のカードを取り出し、使用する。三つの星がアーチャーの目前で輝きバリアを展開するとブラック・マジシャンの攻撃を凌ぐ。
「ターンエンド。お前、中々やるな」
「フッ、アンタこそ。でもこのバトル、俺が勝つ!スタートステップ!」
アーチャーがデッキから引いたカードを見てニヤリ、と笑う。それを見てキャスターが眉を潜めた。
「メインステップ!俺はネクサス、光り輝く大銀河を配置。そしてさらにマジック、ブレイヴドローを使用!」
アーチャーの背後に輝く無数の星が彼の背を照らす。
彼が赤のカードを使用してデッキからカードを引く。さらにデッキの上からカードがオープンされ、その中の一枚のカードが彼の手に渡った。
「俺の宝具を見せてやる。龍神の弓、天魔の矢。戦いの嵐を鎮めよ!光龍騎神サジット・アポロドラゴンをLv.3で召喚!」
射手座の星々が輝き遥か銀河から馬の下半身を持つ騎神が戦場を駆け抜ける。彼の持つ神のカードとされる一枚でその中でも彼のお気に入りのカード。射手座の星の力を持つ神のスピリット。
「行くぞ、サジット・アポロドラゴン!ブラック・マジシャン・ガールに指定アタック!」
龍の射手が吠え、矢を構えた。
「さらにフラッシュタイミング。マジック、バーニングサンを使用!俺は手札から輝竜シャイン・ブレイザーをサジット・アポロドラゴンにダイレクトブレイヴ!」
「さらにパワーをあげるとはやるな!」
「射抜け、ブレイヴスピリット!」
キャスターが楽しそうに叫ぶ。そんな彼の想いを他所に射手座のスピリットがブラック・マジシャン・ガールを撃ち抜いた。
「まだだ!サジット・アポロドラゴンでブラック・マジシャンに指定アタック!」
ブラック・マジシャンが対抗するために魔導弾を放つ。だが、そんな彼の攻撃をサジット・アポロドラゴンは炎で相殺すると素早く矢を番え、放つ。
炎と魔力の中を突き破り、ブラック・マジシャンを撃ち抜いた。
「マハードっ!」
キャスターがブラック・マジシャンの本当の名を叫ぶ。
「ターンエンドだ」
そんな様子を見てアーチャーは未だに冷たい視線を送る。まるで何かを待っているかのような。
「お前ほどの
「どうだかね」
彼が楽しそうにニヤリと笑うのを見てキャスターは彼の心がわかった。彼も強敵との戦いを楽しむ真の決闘者である、と。
「いいだろう。アンタのそのモンスターが宝具と言うなら俺も宝具であるオシリスの天空竜を引かせてもらうぜ!」
「来る!」
アーチャーが口元をほころばせて手札を持つカードを震わせた。
「俺のターン!ドロー!俺はオシリスの天空竜を召喚!」
降臨するキャスターの宝具である一つ。三千年前にあるファラオが使役する"三幻神"のうちの一体。赤い巨体に蛇のように長い胴体。そして頭部にある二つの大きな口。名をオシリスの天空竜。
「行くぜ!オシリスの攻撃!」
オシリスの天空竜が下の大口を開けて魔力を溜め始めた。
(なんていう力だ!俺のサジット・アポロドラゴンを遥かに上を行く力!)
「だけど、俺のサジット・アポロドラゴンはここで終わりじゃない!フラッシュタイミング!マジック、バーニングサンを使用!」
「!」
「俺は手札のトレス・ベルーガをサジット・アポロドラゴンにブレイヴ!」
新たにスピリットを召喚し、サジット・アポロドラゴンと合体する。光を放ち、龍は黄金の鎧を身に纏い、巨大な弓を手に入れる。
サジット・アポロドラゴンが矢を番え、魔力を込める。
「
オシリスの天空竜が狙いを射手座のスピリットはと狙いを定め、高密度の魔力の塊を放った。
「迎え撃て!ダブルブレイヴスピリット!!」
そして今度はサジット・アポロドラゴンの大弓から放たれる高密度の矢がオシリスの天空竜へと向かって飛んでいく。
雷と炎、天空と太陽、神と神、デュエルモンスターズとバトルスピリッツの二つの力が衝突する。
「アテム、アンタとの戦い。いいバトルだったよ」
「俺もそう思うぜ。馬神 弾」
そう言ってキャスターが彼へと手を差し伸べた。それを見てアーチャーは目を閉じて笑った。心から楽しそうに。
「ありがとうございました。いいバトルでした」
アテムの手を握り握手を躱すと弾が光の粒子となって消えていく。
「またバトルをしようぜ。今度は聖杯戦争じゃなくてな」
彼の感触が残る右手をギュッと握り星々が輝く空を見上げ、キャスターはそう呟いた。
勇者なんて呼ぶからバーテックスが来るんですよ(黄道十二宮違い)
キャスターはジャンプフォース如く、生贄無しでブラック・マジシャンとか神を召喚できます。