まだ変身しません。
タイトル詐欺もいいとこですが、よろしくお願いします。
「ふぃ~、やっと終わったぁ!!」
思わず声を上げる。すべての書類の整理が終わったのは、既に日が落ちてからだった。
隣では奏さんが大きく伸びをしていた。
「やっといてだけど事務仕事は向いてねぇ...肩壊れる」
「ほんとにありがとうございますッ!これでようやく帰れますよ~...」
「礼なんて要らないよ。アタシがやりたくてやったんだし。それより、部屋の鍵締めるから先に行っていいぞ?」
「え...でも...」
「約束、あるんだろ?」
「あ、ありがとうございますッ!ではお先に失礼しますね!」
奏さんにお礼を言って部屋を出る私。
素敵な先輩と知り合えたなぁ...やっぱり今度、改めてお礼しなきゃ。
先生に報告を済ませ、学校を後にする。未来にメールを送ると途端にお腹がなった。
早く帰ろう...これ以上は倒れちゃう...
「未来、何作ってくれてるかな~。私の好きな物って分かるのかな...」
夜ご飯を想像しつつ帰り道を急ぐ。
が、ひとつ気になった事が...
(そういえば、なんで奏さんは約束知ってたんだろ?ちょっと雑談はしたけどその話はしてないような...)
...まあ、そんなこと考えてもどうしようもないや。今は未来のご飯だ!
大きな期待と少しの違和感を感じつつも、家へと向かう足取りは軽かった。
あの角を曲がればもう少しだ!
家に近づくと共にお腹の虫も一層声を上げる。
「ごはん♪ごはん♪ごは....」
でも、私を曲がり角で待っていたのは、
「...何、これ!?」
未来のご飯じゃなくて、無数の炭の山だった。
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そういえば、朝ニュースで見たばかりだ。
「最近[奴ら]の発生が増え、街が甚大な被害を受けている」と。
未来に早く帰るように言われたのを守らなかったことを、私は今になって後悔した。
炭の山は通りのあちこちに点在しており、既に[奴ら]が通った後のようだった。
「うそ...これって...」
「いやあああああああああああッッ!!!」
「!?」
気付くと体が動いていた。
出せる限界のスピードで悲鳴の聞こえた方へと急ぐ。
と同時に携帯を取り出し、未来へ電話をかける。
(警報は鳴ってないってことは、まだ未来は逃げてないかも...ッ!!)
1コールで未来に繋がる。
『もしもし響?もう帰り道かな?そろそろ帰ってくると思って、ごはん温め直そうとしてたんだけ「未来、今すぐ逃げてッ!!奴らが...[ノイズ]が来るッ!!」...え?』
話し終わる前に、矢継ぎ早に事を伝えた。
『ちょ、ちょっとまって!?響はいまどこなの!?』
「私は大丈夫ッ!とにかく、はやく近くのシェルターに避難して!!」
『ダメだよ!響を置いて逃げられない!』
「大丈夫だからッ!!いいから逃げてッ!!」
「...分かった、響も気を付けてね!?」
電話を切ると再び走ることに集中した。
(どこ...どこにいるの!?)
悲鳴の主を探していると、不気味に光る何かが通りの向こう側を進んでいるのが見えた。
あれこそがこの騒ぎの元凶、特異災害[ノイズ]だ。
そしてそれがゆっくりと進む先に...
「来るな...来るなぁ!!!あっち行けデスッッ!!!」
さっきの悲鳴の主と思しき女の子が座り込んでいた。
その光景を見ると同時に、私の体は更にスピードを上げる。と、近くのゴミ捨て場に空き缶が捨てられているのが見えた。
(これなら...ッ!)
私は走った勢いに任せて、拾った空き缶を思い切り投げ飛ばした。
ノイズの進行方向とは真逆へ...
ーーーーーカァン....
コンクリートに当たった空き缶が乾いた音を上げる。
すると、私の思惑通りにノイズが音のした方向へと進路を変えた。
この隙に女の子へと駆け寄る。
「大丈夫!?怪我とかしてない!?」
「だ、大丈夫デス。助けてくれてありがとうございますデス」
「お礼はいいよ!近くにシェルターがあるから、そこまで走れる?」
「は、はいデス!!」
女の子はどうやら無事な様だ。ひとまず安心...してもいられない。
私は女の子の手を取って、シェルターへと再び走り出した。
未来、無事だよね...ッ!!?ちゃんと逃げたよねッ!!?
ありがとうございました。
ライダーの前に謎の(?)キャラが登場してしまいました。
この子も後々出てくる予定です。
次回も宜しくお願いします。