孤高剣士の歩む道   作:O.K.O

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MHの小説を書きたい衝動に駆られ、思うがままに書いた筆者の処女作です。ちなみにMH3しか実際にしたことはありませんので、設定はモンハン3を元に書いております。
 色々と突っかかる部分もあると思いますが、暖かい目で読んでいただけると助かります。


第1話 ある一人の青年の死

  20XX年、一人の青年が死んだ。

 

 

 彼がこの世で生きたのは18年という短い時間であったが、その時間は一つを除き彼にとって苦痛そのものであった。まず彼には暖かい家庭という概念が存在しなかった。母親は体が弱く彼を生んだ直後に亡くなり、父親は酒と女とギャンブルにまみれ彼の面倒をろくに見たことは無く、食べ物さえ満足に与えられたことは無かった。ほかの親族は彼のことを煙たがり、父親の彼に対する態度も黙認していた。

 

 

 義務教育ということで辛うじて学校には通えていたが、彼は元々口数が少なく、更にそのような家庭で生きてきたため他人を安易に信じようとしないこともあり常に一人、まさに孤独であり、遂には小学3年時に引きこもるようになってしまった。しかし、引きこもった理由は孤独にもあったのだが、それと同時に彼の心を踊らせる一つの存在にもあった。

 

 

 MH《モンスターハンター》、このゲームソフトを知らないものはいないだろう。爆発的人気を誇ったこのゲームに非常に多くの人が惹き込まれ、彼もその例外ではなかった。

 

 

 元々他人との関わりがなく引きこもっていた彼にとって、このソロで敵《モンスター》を狩るために広大な世界を駆け回るMHの世界は魅力的であったのだ。無けなしのお金でソフトとゲーム機を買い、父親には彼がゲームをしていることを隠しつつ、彼は引きこもっていた時間を全てMHに費やした。来る日も来る日もそれに時間を費やし、彼が世間一般で言う中学生になったときには既にMHの知識を網羅していた。父親の理不尽な叱責や暴力に耐えつつ、MHの為だけに生きた。

 

 

 そんな生活が続き、彼が18になったある日、それは突然訪れた。

 

 

その日、彼は家のリビングで酔った父親の暴力にあっていた。それ自体は少なくないことであり(そんな日常はおかしいのだが)、いつものように彼は耐えに耐えていたがその日の父親はそれだけに留まらなかった。偶然父親はゲームソフトを見つけ、彼の生きた証とも言えるそれ《MH》をあろうことか故意に壊したのだ。その瞬間、彼の中で何かが切れた音がした。彼は台所にあった包丁で父親に切りかかった。しかし、ろくに運動していなかった彼は父親にかなうはずもなく、逆に腹部に深々と包丁を突き刺された。父親は何一つ罪悪感も感じていない様子で包丁が突き刺さった彼をにやけながら眺めていた。そんな父親の様子に怒りを覚えつつ、薄れていく意識の中で彼は思った。

 

 

MHのような広大な世界で自由に生きてみたかった…と。




主人公の性格を無口→口数が少ないに変更しました。
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