孤高剣士の歩む道   作:O.K.O

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こんにちは、O.K.Oです。この小説を読まれる方へ、本当にありがとうございます。

では第4話、張り切ってまいりましょう。


第4話 刀夜の武器

漆黒爪[終焉]、それは人の世に仇なす魔鎌。龍の武器を扱う者はいずれ闇に魅入られ光を喰らう怪物へ身をやつす。

 

木に深々と突き刺さり負のオーラを放つその大鎌型の太刀を見て、刀夜は前世におけるゲームでの漆黒爪[終焉]の説明書きを思い出していた。

 

「光を喰らう怪物…か。ゲームにおけるこの太刀は本当に最強以外の何者でもなかった。だからこそ俺はこいつを愛用していたが、本物を見ることになるとはな…」

 

正直刀夜にとっては先程見たモンスター達でも充分衝撃的ではあったのだが、この太刀とは比べ物にもならなかった。

 

「なぜこの太刀がこんな場所にある…。こいつはアルバトリオンの素材で生産した漆黒の爪をさらに素材を費やして強化して初めてできるものだ。この孤島にあるのはおかしい…。それに、この太刀が存在するということは…」

 

刀夜の口からその続きが語られることは無かったが、つまりはこの太刀が存在するということは、その元になる素材が存在するはずであり、その素材とはアルバトリオンから取れるものである。つまりこの太刀の存在はこの世界においてアルバトリオンが実在している証拠になり得た。アルバトリオンとはMHの世界で世界最強のモンスターに位置する存在であり、その名を聞くと誰もが震え上がる程の恐怖をもたらす存在であった。そんな存在に対して刀夜はと言うと…

 

「アルバトリオン…いつか実際に戦ってみたいものだな…」

 

闘争心をむき出しにして笑みを浮かべていた。刀夜は憧れのMHにおいて幾度となくモンスターを葬ってきたが、アルバトリオンもその例外ではなかった。彼はゲーム上ではアルバトリオンでさえもソロで悠々と狩る実力を持っていた。まあゲームと現実は全く違うのではあるが…。

 

「まあそれは置いといて、この突き刺さった太刀をどうするかだな…。できれば抜いて、武器にしたいところだが…」

 

漆黒爪[終焉]は今も尚凄まじい負のオーラを放っていた。

 

「これ、抜けるのか…?」

 

そう呟きつつ刀夜は深々と木に突き刺さった大鎌にも似た太刀の柄に触れた、その時であった。

 

(久しいな、この感覚。そなたが我の新たなる主か??)

 

「……っ!」

 

強烈な頭痛共に、刀夜の頭の中に声が響いた。その声は負の感情を体現したような、不気味で暗いものであった。

 

(ほう…我の声が聞こえているのか….。………なるほどな、お主程の黒い感情があれば我を扱いきれるやもしれぬな…)

 

「お前は…誰だ…」

 

凄まじい頭痛により刀夜の意識が飛びそうになるが、なんとか持ちこたえ言葉を絞り出す。

 

(誰…という問は相応しくない。我はお主の目の前に刺さった太刀である、漆黒爪[終焉]、またの名を黛《まゆずみ》と申す。そなたの黒い感情が我を呼び寄せたのだ。我に触れたものにはこうしてそやつの脳内に語りかけることが出来る)

 

「そんなことが…可能…なのか…。それよりも…黒い感情…だと?」

 

転生という時点である程度のことには驚かないつもりであった刀夜だが、流石にこれには驚かずにはいられなかった。それと同時に刀夜は黒い感情について思考を巡らせる。他人を信じないという決意が黒い感情に当たったのかと刀夜は考えるが黛は否定する。

 

(否…、それもまた一つの黒い感情ではある。だがしかし、それだけで我は呼び寄せられんのだよ…。なるほど、自覚しておらぬか……。まあよい、どちらにせよ呼び寄せられたのだ。そなたに問いたいことが一つある)

 

何がよいのか刀夜は理解出来なかったが、この黛の話は気になるので聞くことにする。

 

「なんだ…」

 

(そなたに我を扱う覚悟はあるか?)

 

黛の声は更に凄みを増した。恐らくこの太刀を現実で扱うにはそれ相応の覚悟がいるということなのだろう。刀夜は元よりこの太刀を見て自分の武器にしようと思っていたのだ。そういうことならば刀夜の答えは既に決まっていた。

 

「覚悟…だと?そんなもの…この世界に来た直後から…できている…。漆黒爪[終焉]…いや黛…俺の武器になってくれ」

 

この答えは声として刀夜には届けなかったものの黛にとってかなりの驚きに値するものであった。

 

(((この世界…であるか。ほう…どうりで我が呼び寄せられたわけであるな。こやつなら我を、本当に扱いきれるやもしれん。なるほど、面白い…。この身を任せてみるのも一興であるか)))

 

黛は何かを理解し、そしてこの自分の柄を掴んだ青年を自身の主として選ぶことを決意した。

 

(よかろう…。良い答えである。我、黛はそなたの武器となろう。そなた、名をなんと申す)

 

未だ激しい頭痛に苛まれながら刀夜は答える。

 

「霧雨…刀夜…」

 

(我、黛は霧雨刀夜を主と選び、主の武器として役目を全うすることを誓う…)

 

そこで、刀夜の意識は途絶えた。

 

 

 

 

刀夜は目を覚ました。強烈な頭痛は今なく、視界に入ってきたのは青色に澄んだ空ではなく、橙色に染まった空であった。

 

「そうだ…!俺は確か!」

 

意識が途切れるまでの出来事を思い出し、刀夜は倒れていた体を起こす。それと同時に背中に今までには無かった重みを感じた。

 

「これは…漆黒爪!いや、黛…だったか」

 

そう、刀夜の背中には漆黒爪[終焉]改め、黛が鋭い刀身を潜め棒状になって短く畳まれ装備されていた。その時、黛の声が頭の中に響くと同時に強烈な頭痛が生じる。

 

(目覚めたか…?我が主よ)

 

「ぐあっ…!」

 

(一つ伝えておく。我が主にこうして語りかける時、主には激しい頭痛が生じる。我が人間に干渉すると脳がその負荷に耐えられなくなるのだ。それはお主も例外ではない…。それ故我が主に干渉するのは最低限に留める。我が主よ、またいずれ…)

 

そう黛が告げ終わると同時に刀夜の頭痛が収まる。

 

「厄介な太刀だな…。それに持ち主に話しかける武器なんて聞いたこともない。まあ見てろよ黛、うまくお前を扱ってやる」

 

そう刀夜が呟くと黛を背中に担ぎ直し、当初の目的であったエリア5に向けて歩み出したのであった。

 

後々刀夜はこの太刀と共にMH世界を大きく揺るがしていくのだが、この黛と刀夜の出会いが偶然であったのか、それとも必然であったのかはまだ誰にも分からない…。

 




さて、遂に主人公が武器を得ました。果たして刀夜は黛を扱いきれるのか、それとも…。

MH世界に転生してまだ1度も狩りをしていませんが、そろそろ始まる…はずです。
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