書きながらイメージしていたのは、カ〇ジをはじめとする福〇作品のキャラの顔。
地獄だった。
誰もが動けずにいた。
しかし、動かないわけにはいかなかった。
喉も渇くし、腹も減る。
ステージをクリア……最後の一歩を踏んだものには、水と食料が与えられる。
俺は凡人だ。
まあ、天才だろうが、凡人だろうが、このゲームの前では関係ないがな。
速度は関係ない。
とにかくミスはしないこと。
幸いなことに、マウスの操作ミスだけは起こらない。
実際、クリックミスさえなければ、クリア率は跳ね上がる。
俺は、ステージの隅に向かって一歩を踏み出した。
中央から始めるのがいいと思うかも知れない。
しかし、『ヒントなしの2分の1』の選択を強いられるのは、大抵隅っこだ。
必ず爆発せず、しかもある程度の拠点が確保されるってことは、少しでもリスクを減らせるって意味が有る。
拠点の小ささに泣けてきた。
具体的には、4枚だ。
拠点を囲む5つの『1』の数字。
端の『1』は、隣接する2へックスのどちらかに地雷がある……ってことは、隣の『1』は端の『1』によって条件が満たされるから、この3つ目の角のヘックスには地雷はない。
足で踏む。
新たに浮かび上がる数字。
その情報が、俺に新たな計算を可能にさせる。
するとここは、地雷か……。
手元に現れた旗を立てる。
勇気はいらない。
ただ淡々と、俺は計算し、作業を進めていく。
半分が過ぎ、4分の3あたりに差し掛かる。
ひとやすみして、額の汗を拭う……気が付けば、何人もの人間が俺の行動を見守っていた。
死ぬときは1人だが……1人じゃねえ。
勇気なんて格好良いもんじゃねえ、でも確かに受け取ったぜ。
運が良かったんだろう。
最後の最後まで、『生きるか死ぬかの選択肢』は現れなかった。
俺は、水と食料を手に取り……新しく現れたステージの方に向かって歩き始めた。
「な、なあ、アンタ……」
声をかけてきた男を見る。
男が見ているのは水だ。
いいぜ、飲めよ。
「いいのか?」
俺は男を見つめて言った。
どのみち1000人からの人間に行き渡る量じゃねえ。
仲間割れで死ぬのはゴメンだ。
男は、水を持ったまま……後ろを振り返った。
みんなが、男を見ていた。
耳が痛くなるほどの静寂。
男は、そっと水を置いて、地雷原へと歩いて行った。
1分も経たずに、男が死んだ。
男が、女が、少年が、少女が、俺を避けるようにしてステージへと踏み出していき、次々と死んでいった。
そして13人目、ようやく2人目のクリア者が現れた。
少年だった。
少年は、地雷原へと足を踏み入れては死んでいく人の列を眺めて、ポツリとつぶやいた。
「レミングスみたいだ」
不謹慎だと思ったが、俺は吹きだしていた。
全員が1回ずつステージに挑んだ結果、生き残りは187人だった。
そして、変わらずに俺たちの前に地雷原が広がっている。
風が、吹き抜けていく……
レミングス……海外版はシャレにならない。(笑)
次は最終回。
約束された未来に向かって、ゴー。