クソッタレな世界で、俺の心を慰めてくれた、最後の記憶。
青い青い空。
その空が、俺を嘲るように見下ろしているような気がした。
はは、死ねば終わりなんて、どうやら俺はまだこの世界のことを甘く見ていたらしい。
耳慣れた爆発音が響き渡る。
リセットされたステージに向かって、叫びながら人が死んでいく。
おそらくは、同じ1000人なのだろう。
一度壊れた心は、すぐには回復しない。
狂ったように地雷原に突っ込む連中を、呆然と見守るのは、おそらく1周目の1回目で死んだ連中か。
いや、それにしちゃ数が少ないか。
悟っちまったのか、それとも流されたか。
俺は、その狂騒を見守るしかなかった。
ミスで死にたくない。
誰かのせいで死にたくない。
どんなに理不尽でも、俺は、俺に殺されたい。
「あの、すみません……あなた、クリアした人ですよね?」
覚えのない誰かに話しかけられた。
そういや、俺は最初のクリア者だったな。
俺が覚えていなくても、俺のことを覚えている奴はいるってことか。
俺は、そいつに話してやった。
生き残りが再び地雷原にチャンレンジしたこと。
俺が、6回目のチャンレンジに失敗して死んだことを。
「……はは、なんなんでしょうね、これ」
手で顔を覆い、ボロボロと涙をこぼす。
俺より年下って印象だが、いい大人が人前で泣くような世界ってことだ。
世界のどこかで誰かがマインスイーパーをプレイする限り、この世界は繰り返されるとでもいうのか。
バカバカしい。
漫画やアニメじゃあるまいし。
何かを諦めたのか、フラフラとした足取りで地雷原に歩み寄っていく誰か。
おい、死ぬのは勝手だが、他人の邪魔をするなよ。
「……そうですね」
そいつはちょっと笑って、リセットされたステージへに向かってダイブした。
この状況で笑えるのか、強いな。
狂騒が収まった気配に、俺は顔を上げた。
……あれは、レミングスの少年じゃねえか。
地雷原で、少年が泣きながら抗っていた。
涙を流しながら、地雷を処理していく。
知らず知らず、俺は手を握り込んでいた。
最後の一枚。
少年がクリアしたことで、あの淡々とした空気が戻ってきた。
先を争うでもなく、地雷原に向かっていく人々。
集団が、個になった。
だが、個でありながら、俺たちは集団だった。
前回は2番目にチャンレンジし、最初のクリア者になった俺が、今度は最後に挑む。
最後の一枚。
これで、6勝1敗か。
我ながら勝率が高すぎる。
額に浮かんでいた汗をぬぐい、水を飲む。
食料に食らいつきながら、俺は空を見上げた。
俺はお前には殺されない。
俺を殺すのはいつだって俺だ。
まだ書くかも知れない。
今思いついたが、ミサ〇ルコマンドの世界で、延々と迎撃を繰り返すのはどうだろう。