期待などせず読んでいただけると助かります
作者はガチガチの初心者なので出来具合に期待すると株価が暴落するので注意です
とある街の外れも外れ、真夜中で誰もが寝静まる丑三つ時だと言わんばかりに静かな朽ち果てた廃墟ビルに今まさに朽ちようとしている命が一つ、自分と自分のものではない血溜まりと冷たいアスファルトにその身体を預けていた。
少年の姿と状態は奇妙と言うに相応しいだろう。
なにせ黒い髪を掻き分けるように頭からは狼の耳が二つ生えているだけでなく日本という国では早々持ち歩けるような代物ではない刀と呼ばれる刀剣を握り締めたまま倒れているのだ。
オマケにそんな少年の眼前には下半身が蜘蛛、上半身は人間の男性のものの三流SFにも出ないような化け物の死体、更にどこの誰かも判らなくなってしまった小さな子どもの腕や足が血溜まりの中に転がっているのだ。
常人が目撃しようものならば胃の中身を全てぶちまけた後に恐怖と現実離れした状況に錯乱するか、その場で失神してしまうであろうほどに残酷で現実とは思えない光景がそこにある。
「ハハハ……結局輝かずじまいか」
口からまだ温かみを持った血をゆっくりと垂れ流しながら少年は自分の脇腹に突き刺さった蜘蛛の足の一本を引き抜こうと試みるが既に体力の限界なのか、引き抜くことは叶わず腕は力なく地面に縫い付けられる。
その力は刀を握っている手を開く事すら出来ず自らの死期でも悟ったかのように、あるいは年貢の納め時を自覚したとばかりに少年は血で湿った笑い声をあげて光のない天井を眺めて呟く。
この世界には幻想の存在とされる悪魔・天使・堕天使が存在していた。
しかし大戦によってその数を減らし、日夜睨み合いと小競り合いを繰り返している。
そんな小競り合いや謀略の後始末から逃れ落ち零れ落ちたはぐれ者たちによって時に世界は迷惑をこうむるが、少年はそんな零れ落ちた者たちに戦いを挑んでは打ち勝ち生き残ってくるも今日その運の全てを使い果たした。
「知りたかったな、生まれた意味を」
少年は幼いある日、なんでもない日常の一ページから何かにはやし立てられるように狼の耳と尻尾を身体に身につけ、念じれば一振りの刀を呼び出せる現代に舞い降りた怪物となってしまい山奥の田舎村から追い出された。
両親からは愛しているからと捨てられ、村人からは狼男の生まれ変わりと蔑まれた。
一日一日をどうにか生き延びながら彷徨い歩いていった山奥で修行していたとある老婆の霊能力者から奇妙な言葉を授けられる。
『その心が晴れやかになり、強さを手に入れた時……お前はその刀とお前という者の意味を知るだろうよ』
心が晴れやかになる意味は判らない。
だから強さを手に入れようと考える。
傍から見ればどういう思考回路をしているのか疑われる考え方だ。
自分に襲い掛かってくる怪物を切り伏せ食い殺していけば強い者になれると考えた。
実に馬鹿らしい考えを真剣に肝に銘じた少年は襲ってくる者たち返り討ちにし続け、奇妙な話を聞けば駆けつけて調べ上げて、それが怪物の仕業であったなら戦って強さを証明し続けたのにいつまで経っても答えには辿り着けない日々に苛立っていった。
自分の心が何処かずれていることにも気づかず、そんな心で挑んだ怪物はあまりにも強く相打ちという結末に持ち込むのが少年の限界となり一人ぼっちにあっけも無い人生の幕引きというもの。
「ああ暗いな」
廃墟となっているビルには運悪く月明かりは入ってこない。
もう四肢の感覚は無い。
流れていく血の暖かさも消えてしまった。
「寒いな」
廃墟となっているビルには暖房などない。
物語にいるような死に逝く身体を抱き寄せてくれる仲間などいない。
涙を流してくれる繋がりを持った人など当然いない。
そんな一人ぼっちの死に様だ。
明日の朝刊の隅に載ることもないだろう。
誰にも覚えられず、誰の目にも触れず消えていくずっと一人ぼっちの人生。
「あぁせめて……」
そう呟きもの言わぬ死体となった少年の身体のそばに真っ赤な光を放つ魔法陣が姿を現し、部屋を照らしつくす眩いその光が収まるとそこには一人の少女が佇んでいる。
少女を照らすように差し込む月明かりに照らされたその姿は真っ赤な髪が燃え盛る炎のように美しく、その身体もまた少女というよりは女性と呼ぶに相応しい豊満な肉付きをしており魔性とも言える整った美貌の顔だった。
ただ特徴があるとすれば肩の辺りから生えている一対のコウモリのような悪魔の羽だろう。
少なくとも少女が少年と同じまっとうな人間と呼べる存在ではないのは確かだろう。
そんな少女はそっと死体となった少年の身体に触れ、何かを確信したかのように頷くとスカートのポケットから一つの駒を取り出す。
チェスの駒であるポーンを取り出すと少年の胸にそっと押し当てるとポーンの駒は少年の身体に吸い込まれて消えてしまうと少年の身体に突き刺さっていた筈の蜘蛛の足は光の粒となって消え去る。
赤い光が淡く身体を包み込むと冷たくなったはずの身体には赤みと暖かさが戻っており、止まっていた呼吸も規則正しくしておりそれが生きている証拠としては充分だろう。
「こんばんは、私の下僕……私の為に生きなさい」
少女は微笑みながら少年の頬に触れると血溜りの中で少年はその暖かさの所為か幸せそうに寝息を立てる。
魔界の悪魔リアス・グレモリー。
その下僕にして
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少年と少女は高校生となった。
自分と同じような境遇の仲間たちにも出会い、主君であるリアスのもとで夜は悪魔の仕事に従事しながら昼間は駒王学園の生徒として勉学に励む日々は狛にとっては幸せな日々である。
そんな狛が二年生となったある日、物語は一人の青年と彼が宿している龍の登場とともに大きく動き出す。
「みんな新しい私の下僕となった子が来るからよろしくね」
「部長にもやっと新しい仲間ですか、期待出来そうですか?」
「ふふっそれはこれからに期待って事かしら」
その微笑みはまだ知らない。
これから迎える激動の日々が来る事など。
それも戦いだけでなくとっても色濃いハーレム物語など想像もしていなかった。
リアスと主人公しか出ない一話ってどうなんだろうか
そして打ってみると本当に短い文章
大丈夫なんだろうかと不安になるがゆったりやっていきます
ルビの振り方を教えて頂き改稿