描いている人達の偉大さ
文才が羨ましい限りです
駒王学園のオカルト研究部、旧校舎の一角に部室を持つその部活は表向きその名前の通りだが裏の顔はリアス・グレモリーと狛を含めた仲間たちの活動拠点として悪魔の仕事場として使われている。
その面々は町外れの廃屋で好き勝手しているはぐれ悪魔を討伐するよう連絡を受け新しい仲間であり新たなポーンである兵藤一誠を引き連れ真夜中のはぐれ悪魔討伐の仕事に赴いている。
学校でも性欲の権化三人組として有名な一誠は
「なっなあ二階堂、はぐれ悪魔ってなんなんだ?」
「簡単に言えば主人が死んだとか自分の力のために主人を殺して好き勝手やってる馬鹿さ。連中は大抵自分の欲の為ならなんでもするぞ、腹ごなしと称して人殺しから知識の無い人間の召還に割り込んでとんでもない制約をしたりな」
「そんな奴の相手をするのか」
「……ちなみに今回のはぐれは美乳美女だったそうだぞエロエロ大魔神」
狛の付け足しに一誠はそれまで怯えていたのが嘘のように美人を拝むという欲求に支配され別人のようにやる気と気迫を醸し出し他の面々に呆れられていた。
下手に尻込みされるよりはマシかもしれないが命のやり取りに赴いているにも関わらず美女や乳の情報一つでやる気が爆発しているのだからグレモリー一団の仲間となったのは幸せなのかもしれない。
「ところでイッセー、あなたチェスは知ってる?」
「えっと将棋とかのボードゲームみたいなもんって事くらいしか」
「爵位を持った悪魔はその特性を下僕に与えるの、キングの私、クイーン、ナイト、ルーク、ビショップ、ポーンといったものをね。私たちはこれを
「なんでわざわざそんなことを?」
「部室でも簡単に説明したけど悪魔はかつての戦いで数が激減してしまったの、だから上級悪魔は素質ある存在を悪魔に転生させて少数精鋭の軍団を形成している。それがいつしかチェスになぞらえるようになったの、今回イッセーは初陣だから悪魔の戦いってものを良く見ておきなさい」
そうして館の中に入った面々の前に上半身裸の女性がつい先ほどまで食事中だったのか何処か腐った卵のような匂いを漂わせながら姿を現す。
一誠は隠されていない胸に興奮しているがその乳房に光り輝く魔方陣があることに気づくだけでなく、その下半身が巨大な怪物のものであることを知ると残念と言わんばかりにため息を吐き出している。
はぐれ悪魔はなにやら捕食者側に立っているつもりの発言を吐き散らしているがリアスたちとの実力さは明確であり、ライオンの群れを挑発し成長していない牙を見せ付ける子犬のようなものだ。
「さて狛はいつものように、先陣は祐斗ね」
「それじゃあ行くよ」
表向きは学園でも屈指のイケメンとして女子から不動の人気と男子から嫉妬を集める容姿端麗・性格良しの木場祐斗はリアスのナイト、木場が腰に下げている両刃の西洋剣を構え一息に踏み込むと風を切り裂く音と共にその姿が消える。
「消えた!?」
「祐斗のナイト、特性は圧倒的な素早さよ」
次に一誠の眼に木場が姿を現したのははぐれ悪魔の丸太のように両腕が肩から切り落とされ血飛沫と共に苦しんでいる最中に自分の背後に回っていつものようにイケメンの爽やかな笑顔を見せ付けているところであった。
動く姿もそうだが両腕を切り捨てる場面もまるで出来の悪い映画のカットシーンをつなげたかのような流れ、更に木場の身体には返り血一つついていないこともその素早さを物語るものとして唾を思わずのみこんでしまう。
両腕を切り落とされたことに怒り狂っているはぐれ悪魔の顔は美女と呼ぶには醜悪なものへと変化していく、口裂け女のような裂けた口には鋭い歯がビッシリと生えているだけでなく下は二枚へと変貌している。
「小猫」
「はい部長」
学園の一年にしてロリ系のマスコット美女として名高い塔城小猫ははぐれ悪魔の怪物の下半身が持つ巨大な足の踏みつけを真っ向から受け止めると何事も無かったかのように跳ね除けその身体に細い腕からは想像も出来ないストレートを放つ。
突き刺さるというのが似合うそのストレートは巨体を誇っている筈のはぐれ悪魔の身体を吹き飛ばし館の柱の一つに叩きつける、その馬鹿げた力に一誠は内心で逆らわないことを頑なに誓う。
「小猫はルーク、シンプルに馬鹿げた力と鉄壁の防御力よ」
「二階堂はビショップなんですか?」
「狛はあなたと同じポーンよ、ビショップは別の仕事の最中で会えないの」
余裕の表れとばかりに話すリアスの背後で切り落とされたはずの腕が独立した生き物ののように脈打ったかと思えばその鋭い爪で引き裂こうとするが、運よく気づけた一誠のセイクリッドギアを纏った拳の一撃により粉みじんに吹き飛ばされる。
一誠は殴り飛ばした自分の左腕を信じられないもののように眺める……吹き飛ばせるとは思っていたが粉々になるなど思っておらず改めて悪魔や自分に宿っている力の恐ろしさを痛感していた。
「ありがとうイッセー」
「いっいやぁ身体が勝手に動いただけですよ」
「朱乃、やってしまいなさい」
「あらあら部長に手をあげるなんて悪い子ですね?お仕置きですわよ!」
学園でもリアス同様にその美貌によってお姉さまと呼び慕われるアイドルである姫島朱乃はニコヤカにその手のひらに雷を作り出すとそれはそれは楽しそうにはぐれ悪魔に叩きつけ続ける。
強い光と共に館の中に雷の音とはぐれ悪魔のもがき苦しむ悲鳴が響き渡るが抵抗の意思が残っていると見るやいなや朱乃は更に雷撃を浴びせていく。
「朱乃はクイーン、他の全ての駒の特性を併せ持つ最強の駒。本人は多彩な魔法による攻撃が得意で雷撃は十八番……あとは見ての通りドSよ」
「うぅ俺……怖いっす」
「味方には慈悲深いから安心しなさい」
「さて狛さんの出番もとっておかないといけませんからこの位にしてあげますわ」
朱乃は微笑みを崩さず雷を撃つのを止めると一誠は狛の姿がいない事に気づき周囲を見回す。
戦いが始まってから狛の姿は見えずこれまでの攻撃の連続にも登場せずリアスに腕が迫った際にも姿を現さないことに一誠は何かあったのでは、と不安になるがそれを読んでかリアスは微笑ましそうに見つめる。
「……今回はナイトかしら」
そうリアスが呟くとヨロヨロと最初の威勢が嘘のように弱弱しく立ち上がったはぐれ悪魔の首が胴体から離れ、首は地面を転がり怪物の身体が音をたてながら地面に横たわってしまう。
横たわる巨体の傍に刃渡り80cmほどの刀というには少し刀身の長い刀を携えた狛が狼の耳と尻尾をピクピクと動かしながら一誠に自分の勇姿を見せ付けてやったとばかりにしたり顔を見せていた。
「狛は一誠と同じポーン、その特性は条件を整えることによって他の駒の特性を得られる事よ。今回はナイトだから祐斗のように近づいて気づかれる前に切り捨てたの」
「今まで二階堂はどこにいたんですか?それにあの姿……」
「ふふっ狛はずっとあなたの傍に控えていたわ、あの子の神器の能力は姿を隠せるだけでなく気配や匂いも遮断してしまう隠密行動に特化したもの。それと狛は狼男の血を引いているから悪魔の力が強くなるとああして耳を隠せなくなるのよ」
「くっ二階堂が女だったら犬耳美女との出会いと同僚なんて美味しい展開が出来たのに!どうしてお前は男なんだよ!?」
「兵藤……とりあえず先輩であり仲間に対して言う言葉ではないと思うぞ性欲の権化め」
どこまでも性欲や色欲に忠実な一誠の言葉に呆れるもの、揺るがない噂どおりの姿に微笑むものと色々な反応が訪れるがリアスはそれを切り替え真剣な表情で首だけとなってもまだ息のあるはぐれ悪魔の眼前に向かう。
「何か言い残す事はあるかしら?」
「殺せ」
「潔さは認めてあげるわ」
さよなら。
その言葉と共にリアスの手のひらから放たれた魔法の一撃が首だけとなったはぐれ悪魔の生涯にあっさりと幕を引く、その風景に一誠は改めて自分が悪魔となりその世界の姿を見ているのだと自覚をする。
今の自分では姿を捉えることも出来ない素早さや普通ならば死んでしまうような一撃もケロッと耐えてみせるだけでなく、御伽噺やゲームの中だけであったはずの魔法という圧倒的な存在が飛び交う世界。
自分の夢としているハーレム王の実現は遠い。
単純な力だけではない。
それ以前に血が流れるだけでなく命のやり取りに踏み込むことに一誠は気づけば神器である籠手を纏った左腕の拳を握り締めていた。
「俺……やっていけるかな、ポーンだしさ」
「一誠君も少しずつ慣れていけば大丈夫だよ」
「木場」
「僕や塔城さんだって最初からこういった事が出来たわけじゃないし、割り切るまでに色々と苦労としたから大丈夫だよ」
「変態さんなら少しのご褒美があれば大丈夫そうですが」
「あらあら一誠さんはまっすぐな方ですしそういうのがあれば確かに頑張れそうですわね」
「小猫ちゃんに朱乃さんがそうしてくれるならこの兵藤一誠頑張っちゃいますよ!?」
現金な姿を晒すと周りから嘲笑ではない、これが新しい仲間の良いところだと理解したような暖かな笑いが広がる。
「今は弱くても鍛えればポーンはプロポーションで活躍できるようになるし、兵藤の
「そうよ一誠、日本の将棋では“歩兵のいない将棋は負け戦”とも言うようにチェスでもポーンは先陣を切ることから連携を維持する、プロポーションによる戦力変化とやれることは色々あるんだから」
「部長! 俺頑張ります! グレモリー一団どころか、悪魔の中でも最強のポーンになってハーレム王になって見せます!!」
討伐も終わり、後始末もつけた帰路についた最中で一誠はふと思った事を口にする。
「部長、たしかポーンで八つありましたけど俺や二階堂と同じのがあと六人も出てくるって事なんですよね?」
「あぁそれなんだけど、実は一誠を悪魔にする時にポーンの駒は全て使ってしまったの、狛が一誠が強くなれるって言ったのもそこが大きいわね。転生する相手の地力や能力、駒に対する相性によって消費する駒の数が変化するの……ナイトでしか転生させられないのもいればビショップじゃないといけないなんてもよくあることなの」
「つまり一誠さんの潜在能力か何かにはポーン七つ分の価値が眠っているということですわ」
「期待重大だね一誠君? 立派な悪魔にならないと」
弄られながらも自分の強さへの希望が見えた一誠は改めて力強く握り締めた拳を突きに向かって突き出す姿を見て狛はリアスにそっと語りかける。
「兵藤の奴……一個分の価値の俺と違って相当化けるかも知れませんね」
「魔力も少ないただの学生だったイッセーには堕天使に狙われるだけのものがあることを
「……とりあえずあの煩悩をなんとかすればすぐに強くなりそうな気はしますが」
「あらあれはあれでイッセーの良さよ、自分の煩悩や目的に忠実なのは悪魔らしくて良いものじゃない」
「部長に二階堂! いったい何の話をしてるんですか?」
「ふふっ秘密よイッセー」
リアスの微笑む姿を見て改めて狛は一誠の素質に人の輪に加われる、あるいは輪の中心になってしまう力があるのだろうと考え新しい仲間のことを信頼する。
気分の良さを表しているのか耳が良く動き尻尾が左右に振られている光景を自分の後ろで木場たちが一誠に色々と感情の読み方をレクチャーしているなど知るよしもなく、リアスの一歩後ろを狛は歩いていく。
うーん戦闘表現って難しいですね
あとキャラが全然喋らない
描いててこんな口調や雰囲気であっているのか?
と不安になってきます