八雪短編集   作:(ひなあられ)

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ハグの日 前半編

今日の奉仕部は由比ヶ浜がいない。三浦達とカラオケに行くらしく帰りのSHRが終わった後に直接言いにきた。

 

「ごめんね…この後、優美子たちとカラオケに行く約束してて部活行けないから…」

「おう。分かった」

「本当にごめんね…」

「気にすんな。あ、雪ノ下にはちゃんと連絡しとけよ?きっとあいつ由比ヶ浜がいないと寂しくなるだろうからな。」

 

この前も由比ヶ浜が三浦と映画観に行くって言って来なかった時なんて、ため息ばっかついてたからな。大丈夫か?って声かけようって思ったが罵倒されそうで言えなかった…。

 

「うん!分かった!」

「おう。そうしとけ」

 

すると、三浦が由比ヶ浜を呼ぶ声がした。

 

「結衣~まだ~?」

「ごめーん!今行くよ〜!…それじゃ、また明日ね?ヒッキー!」

「おう。」

 

由比ヶ浜が三浦達と合流したとき、三浦がこっちを睨んできた…ヘビかよ。あの目つき。ごめんなさいね…時間取ってしまって。そんな睨むな。怖いから、あと怖いし。

ふぅ…さて、部活に行くとするか。早く行かないと雪ノ下のやつに何言われるか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガララッ…

 

「うーす」

「あら、遅かったわね。一体何処で遊び呆けてたのかしら?」

「遊び呆けてねーわ。由比ヶ浜が今日部活行けないっていうことを本人から聞いてただけだ」

「え、今日由比ヶ浜さん来ないの?」

 

え、何。やっぱ由比ヶ浜がいないと寂しくなるのか…。てか、どんだけこいつ由比ヶ浜のこと好きなんだよ。

 

「あぁ、来ないけど…由比ヶ浜から連絡きてないのか?」

「きてたら聞かないわよ…」ピロリンッ

「お、着たんじゃないか?」

「えぇ、着たわね…ふふっ」

 

由比ヶ浜からメールが着た途端、急に嬉しそうな顔する……何度も思うがこいつ顔だけは良いんだよな。性格はどうにかして欲しいが。

 

「…………なに?」

「えっ…あ、いや…何でもない」

 

雪ノ下の顔を見すぎたのか、俺の視線に気づいたらしい。危ない…危うく罵倒されるとこだった。

 

「………………」

「………………」

 

そして沈黙が訪れる。由比ヶ浜がいない日は沈黙の時間がとても長い…というより、一回も離さないで部活が終わるときが多い。お互い趣味の読書をして、唯一音がするのが外で部活をしている運動部の奴らの声、本を1ページめくる音。これだけだ。でも、それがとても心地良いと思っている。

しかし、今日はいつもと違う。雪ノ下の様子がおかしいのだ。先ほどからこっちをチラチラ見てソワソワしているような気がする。自意識過剰かもしれんが俺を見ているのだろうか。

そして、この心地良い沈黙は雪ノ下の言葉でかき消された。

 

 

 

「ねぇ…ひ、比企谷くん。あ、あの…その…」

「どうした?さっきから雪ノ下らしくないぞ」

「そ、そうね…一つあなたに頼み事があるのだけれど…いいかしら?」

「ま、まぁ…いいけど、雪ノ下が俺に頼み事って…」

「あの…その…」

「おう。なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

「え、えっと…は、ハグしてもらえないかしら…?」

 

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