キーンコーンカーンコーン
帰りのSHRが終わる合図のチャイムが鳴り、それと同時に続々と生徒達が教室から出ていき帰っていく。俺もこのビックウェーブにのって帰ろうかと思っていたその時…。
「ヒッキー!」
「ちょ…そんな大きな声で呼ばんでも…」
「え?別に良いじゃん!あたし気にしないよ?」
いやあなたが気にしなくても俺が気にするんだよ。ほら、周りの視線がこちらに…。
何かと悪い評判の俺と喋っているのを見られるとまずいだろ?と言おうと思ったがこうゆうこと言ったら言ったで由比ヶ浜が色々と言ってきそうなので敢えて黙っとく。
「さいですか。」
「うん、そうだ!」
「で、何だ?」
「え?何が?」
こいつ何言ってんのっていう顔をして首を横にかしげた。いやいや由比ヶ浜さん。あなたが俺を呼んだんでしょうが。俺は驚きすぎて考えていたことと同じ言葉が出てしまう。
「いやいや由比ヶ浜さん?あなたが俺を呼んだんでしょう?呼んだってことは俺に何か用があるんじゃないんですか?」
「あ、そうだった!んでね、この後優美子たちと遊びに行くから部活に出れないっていう連絡にきたの!」
「へぇーそうですか。わかった」
いやそうゆう事だったんかい!てか、別にその報告俺にしなくてもよくねぇか?雪ノ下にメールとか電話で伝えるだけでいいと思うんだが…。
「何そのテキトーな返事は!!」
「いや別に適当に返事したつもりは無かったんだが…」
由比ヶ浜はリスみたいに頬を膨らませ、ぷんすかぷんすか言っていた。てか、あの…その行動を起こすことによって2つのmelonが揺れ……こ、これが万乳引力の法則か。
「ッキー!…ヒッキー!」
「んおぉっ!あ、な、何だ?」
「何そんなにキョドってんの…キモい。だから遊び行ってくるね!」
「お、おう。いってら」
そう言うと由比ヶ浜はドタドタドタと三浦たちのところへ走っていった。本当に騒がしいやつ…犬か?飼い主は犬に似るってよく言うもんな…。逆か。逆でしたね。俺もそろそろ行かねば…部室に。
ガララッ
「うーすっ」
「……………」
え?無視?無視なのん?いや別に良いんだけどさ。俺はそのまま自分の椅子に向かい荷物を置いて座った。すると雪ノ下が話しかけてきた。
「あなた挨拶もまともに出来ないの?小学生からやり直したら?」
「いや、挨拶ならしたろ。てか反応するの遅いぞ。何でこの距離でこんな時差があるんだよ」
「まぁ、いいわ。紅茶淹れてあるけど…いる?」
いや、俺の質問には答えてくれないんですか。そうですよね。知ってた、八幡知ってたから。
「すまん。頼む」
「……はい。どうぞ」
「さんきゅ」
雪ノ下の淹れる紅茶は勿論美味いのだが、それだけでなくどこか落ち着くのだ。言葉が出てこないがとにかく落ち着く。何かと落ち着く。てか、語彙力、仕事しろ。そんなことを思いながら紅茶を飲む…うん。やはり雪ノ下の淹れる紅茶はまちがっていない…な。
「ねぇ…比企谷くん。」
「んぁ?何だ?」
「私とゲーム…しない?」
「ゲーム…?」
いきなりゲームをしようと言ってきた雪ノ下。一体何を考えているのだろうか…というよりゲームとは一体何のどういったゲームなのだろうか。
「そうよ。ゲーム」
「いやゲームするのは分かった。けどどんなゲームやるんだよ」
「それは…コレを使うの」
雪ノ下が鞄から取り出したのはポッキーだった。ん?ポッキー?何故ポッキー?
「ポッキーだな。で、そのポッキーでどういったゲームやるんだよ」
「はぁ…あなたって人は…」
そうすると雪ノ下は右手をこめかみに当て小さくそして短い溜息をした。君、ほんとその仕草好きですよね。
「ポッキーゲームって言ったら分かるかしら?」
「ポッキーゲーム?あぁアレか。リア充が良くやってるアレか。そうゆうことね。なるほどなるほど……て、はっ!?」
雪ノ下と俺がポッキーゲームやる?ハハハ…おかしい。いやおかしい。なんだ?まさか由比ヶ浜と組んで何か企んでいるのか?
「何その反応…まさか私とポッキーゲームやるのが嫌…だったりするのかしら?」
「いやそうゆうことじゃなくてだな…」
「そう…よね。私となんかと…」
なんというか…いつもの雪ノ下じゃない。そういう表情をされると…調子狂うな…。
「いやだからそうゆうことじゃなくて、そうゆうことは好きな人とやるべきであって、ほら、好きじゃないやつとは普通やらないだろ?というか、お前は嫌じゃないのかよ」
「嫌だったらこんなことやらないし、あなただからこそ良いと思ってやっていることなのよ?」
「お前、それ本気で言ってんのか?」
「えぇ本気よ。それとも私が虚言を吐くとでも思っているのかしら?」
あぁ…そうだった。こいつは嘘をつかない。ここ数ヶ月間を共にしてきてこいつが嘘を付いたことなんて1度もなかった……と思う。
「んじゃ、やるわよ」パクッ
「え、もうやんの?」
「善は急げ…よ。さぁ早く」
「わ、分かった。」パクッ
うわっ…顔近い。ポッキーって意外と短いんだ…。やばい息が当たってます。息が当たってますよ雪ノ下さん。俺めっちゃ顔赤くなってんだろうな…だってめっちゃ恥ずかしいだもん!ちょっとお外走ってきたくなってきた…。
「……………」
「……………」
進まん。なかなか進まん。てか、一口も進んでいない。え、これって男からいくもんなのん?よくわかんないんだけど。…えぇいっ!もう行けるとこまでいってしまえ!
「……………」ポリポリ
「んっ………」
くっ…そんな変な声出さないでください。変な気分になってしまいますから。てか、雪ノ下の頬、林檎みたいに赤くなっている。肌が白いから余計に目立つんだよな…それより肌綺麗だな…こいつ。
「……………」ポリポリ
「……………」ポリ
とうとう雪ノ下が動いた。あのこのままだとキスすることになってしまうんですけど?
「……………」ポリポリ
「……………」ポリポリポリポリ
ちょっと雪ノ下さん!?早くなってません?食べるの早くなってません?いやもうあと1cmしかないぞ!いかんここは負けよう。
「…………」ポキッ
「あっ……」
「いや、お前これ以上は無理だろ。流石に心臓がもたん」
「そうね。それじゃ私が勝ったから一つ言うことを聞いてもらおうかしら」
「はい?そんな話聞いていないのですが…」
何いつの間にそんな罰ゲーム作ってんの。俺そんなこと言われてないんだけど。てか怖いから。言うこと聞かせるって言ってるようなもんだから。
「ねぇ…比企谷くん。」
「な、何だよ…」
すると雪ノ下は俺の弱点である耳元でこう言った。
「私が貴方のこと好きだって知ってた?」
「んっ…し、知らない。」
「そうよね。んじゃ教えてあげる。」
「いやっ…何を…」
「私は比企谷くんのことが大好き…」
そう言うと雪ノ下は俺の唇にそっとキスを交わした。
「んっ!?…おま、い、いや、な、何してんの!」
「何って…キスだけど?」
「何、平然と言ってんの!?俺らまだそうゆう関係じゃ…」
「んじゃ、一つ…ここで言うことを聞いてもらいましょうか」
「え、いやお前何言って…はっ!」
「私の彼氏になりなさい」
これは本音で言っているのか。それとも俺をからかって言ってるだけなのか。しかし、そんなのどっちでも良かった。なぜならもう、俺の答えはもう決まっていたのだから…。
「……どうせ断れないんだろ?」
「えぇ。よく分かっているじゃない。だって私あなたに勝ったもの…」
そう言うとまたも雪ノ下と俺はキスを交わした。まんまと雪ノ下雪乃の策略にハマってしまった俺がいる…。
最後に一つ、これだけ言わせてくれ。
やはり雪ノ下雪乃には…勝てない。