異世界って聞いたら、普通、ファンタジーだって思うじゃん。 作:たけぽん
私は「異世界モノ」と「日常モノ」の作品が大好きなのですが、本屋でそのどちらかを選ばなくてはいけないとなると非常に悩んでしまいます。
そうだ。ならば両方を一度に楽しめる作品があればいいじゃん!と思い本作品を書くことにしました。
皆さんに楽しんでいただければ幸いです。
1. 世界が目覚めた日
プロローグ
―――突然だが、人は死んだらどうなるのだろう。これは人なら誰しも一度は思ったことであろう。大抵の人間は、天国だとか地獄だとか、生まれ変わるとか言うだろう。ところが、ある一定のイタイ人種は、死んだあと異世界に転生して、その世界で大活躍し、ハーレムを築こうなどと考えている。かく言う俺もそんな妄想をしょっちゅうしていた。だがよく考えてほしい、異世界に転生して大活躍とは具体的にどういうことだろうか。
――RPGの世界で魔王でも倒すか?
――オンラインゲームの世界に転生してデスゲームでもするか?
――全ての能力を底上げされて、ハーレムでも築くか?
大抵は自分の好きなジャンルの世界に転生するのが理想だろう。だが、もしそんな選択権がなかったら? 自分のことは自分で決めるべきだと大人は言う。だが自分で決められることには限界がある。人生など所詮、敷かれたレールを歩いていく出来レースなのだ。
目が覚めると、俺は真っ黒な空間にいた。しっかりと見回して確認するが、どこまでも黒が広がっている。……あれ、おかしいな。俺は確か遊戯王の映画のDVDを借りにツタヤへ行く最中だったような…。少し前の記憶を辿ろうとするも、目覚めたばかりで頭の回りが遅い。……ふと視線を目の前に戻すと、ん? 誰だ。
目の前で幼女が何か言っている。しかもその幼女の背中に生えているのは……羽か?
「突然ですが、問題です!ここはどこでしょうか!」
「……」
「ねぇ、無視する男はモテないわよ?って、もう死んでるんだから関係ないか~テヘペロ」
なんだこのあざとい幼女は……。一色いろはでもここまでではないぞ……。ってちょっと待て……今、こいつは何と言っただろうか……たしか……。
「死んで……いる?」
いやいやそんな馬鹿な。もし死んでるなら、今ここに俺が存在してるわけないじゃないか。考えればすぐに分かることだろうがまったく。
「いや、死んでるから。現実逃避する人間マジでうざい。もっかい死んで」
なんだこのうざい幼女は……てか、今、俺は口に出してしゃべっていただろうか?
「ふっふーん。ティアは神様だからね!テレパシーくらいお茶の子さいさいだよ~ん」
その年で既に中二病かよ……かわいそうに。高校生くらいになったら相当後悔するんだろうな……ソースは俺。
「中二病じゃないもん!ティアホントに神様だもん!あーもうめんどくさい!いい?あなたは外を歩いてたら、車に轢かれて死んだの!思い出した??」
思い……出した……。俺はツタヤに行く途中に車に轢かれたんだ。え? じゃあ何? ホントに死んだのか? まだ遊戯王の映画見てないのに? まだ童貞のままなのに?
「悔むところがおかしいでしょ……」
幼女は呆れた目で俺を見ている。
「で?俺はどうなる?地獄か?hellか?」
「あんた、妙に落ち着いてるわね……てかそれ一択じゃないの……」
実際、俺は落ち着いている。何故だか死んだことにホッとしている。生前のことが関与しているのだろうか。
「というわけで、あんたは異世界行きよ」
「へ?」
異世界!? つまりは遊戯王の世界で小鳥ちゃんと……。
「キモ。てか、あんたごときが勝手に行き先を決めれるわけないでしょ」
なん…だと…。というか1つ気になることがある。
「異世界行きというのは死んだらみんなそうなるのか?」
「あんたは特例よ」
特例? どういうことだ。
「あんたが死んだのはこっちのミスなの」
なん…だと…。(2回目) おれはミスで殺されたのか……。
「そ、ホントはあの事故では、あんたじゃなくて道路に飛び出した猫が死ぬはずだったの。でも手違いであんたが死んだの」
神様ガバガバスギィ!
「さて、そろそろ時間ね。すでにあんたの転生の準備は出来てるから」
「……そうか」
「……だからなんでそんなに落ち着いてるのよ。異常だわ。あ、あとあんたの元の名前は転生先じゃ使えないから。新しい名前はあんたに任せるけど?希望はある?」
「そうだな……武哉。望月武哉にしてくれ」
「あいあいさー」
ほんと適当だなぁこの幼女。こいつ自分のことをティアとか言ってたか。とりあえず、名前ぐらいは覚えておいてやろう。
「で?俺の行く異世界とは?」
「そ・れ・は~行ってからのお楽しみ~。では、アデュ~望月武哉くん!」
…………。
そこで俺の意識は消えた。
初回は導入です。
次回から武哉の異世界生活が始まります!
お楽しみに~