異世界って聞いたら、普通、ファンタジーだって思うじゃん。   作:たけぽん

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乙女チックな文章がうまく書けません…。陰キャの考える女子高生視点です。ご了承ください(笑)


12. 依頼(舞台裏)

 

 

 

 そんなある日、あたしは風邪を引いてしまった。

実行委員の仕事と練習で疲労が溜まっていたうえに、徹夜でアンケートを集計してそのまま寝落ちしてしまったのが原因だろう。

アンケートの集計結果は木崎先生に送っておいたので大丈夫なはず。

 

「はあ…やっちゃったなあ…」

 

ただでさえ委員会の仕事が遅れているのに委員長のあたしが欠席だなんて、みんなに申し訳ない…。

とりあえず薬を飲んで寝ることにした。昔から学校を休んだことは無かったため、とても落ち着かない。

はあ…望月君に会いたいな…ってもう! これじゃあ寝れないよ! 落ち着こう、素数を数えるんだ…。

 

 

 

 どのくらい寝ていただろう。チャイムの音で目が覚めた。誰だろう。両親は共働きなのでまだ帰ってこないはず。

も、もしかして望月君がお見舞いに来てくれたとか…。

重たい体を動かし玄関へ向かいドアを開けた。

 

「やっほーひな。体調はどう?」

 

瑠璃ちゃんだった。そ、そうだよね。望月君なわけないよね…。

 

「もっちーじゃなくてがっかりした?」

「ちちちちちち違うよ!そんなこと無いって!」

 

本当に瑠璃ちゃんには見透かされてるなぁ…。

 

「薬のおかげで熱は下がったけど、まだだるいかな」

「そっか…ちょっと上がってもいい?」

「いや、でも風邪うつるかもしれないし」

「ちょっとやそっとで風邪引くほどヤワじゃないよ私は」

 

瑠璃ちゃんは半ば強引に家の中に入ってきた。

お茶を入れ、適当にお菓子をお盆にのせリビングへ持っていった。

 

「はい、お茶」

「悪いね。ありがと」

 

瑠璃ちゃんはお茶を少し飲むと鞄を開け、何かを探していた。

 

「はいこれ、今日の授業のプリント」

「ありがとう!すごく助かるよ!」

 

こんなやり取りも風邪を引かなければ体験できないことだろう。少し新鮮な気もしたが、実行委員会の事を考えると素直に喜べなかった。

 

「そんなに気にしない♪仕事のしすぎで倒れたんだから誰も責めないって」

 

瑠璃ちゃんはそれを言いたかったのだろう。少し心が軽くなった。

 

「望月君は今日どうだった?」

「本当に妬けちゃうなあもう。もっちーはいつも通り適当に授業受けてたよ」

 

瑠璃ちゃんはからかいつつも答えてくれた。そっか、いつも通りか。あたしのことは特に気にしてないのかな…。少し悲しい気もするけど望月君らしいかな。

 

「そういえば、ひなが集計したアンケートの結果が配布されたよ。私は100メートルとリレー、あと二人三脚を中心に出ようと思ってるんだ」

 

良かった。木崎先生がちゃんとやってくれたようだ。

 

「そういえば二人三脚のことなんだけど、こないだの授業で望月君とあたしが走ったの見てた?」

「見てたよ。それがどうかしたの?」

「あたし、バランスを崩して転びそうだったんだけど、なぜか転ばなかったの。なんでだろう?」

「え?見た感じ転びそうにはなってなかったけど…」

 

おかしいな。陸上経験者の瑠璃ちゃんが転びそうになったことに気付かないなんて。

あたしの気のせいだったのかな?

ふと、瑠璃ちゃんのほうを見ると、なぜか笑みを浮かべていた。

 

「どうかしたの?」

「ううん。なんでもない。そろそろ帰るね」

 

そう言って瑠璃ちゃんは帰る準備を始めた。

 

「ひな。もしかしたら、良いことが起きるかもね♪」

 

どういう意味かは分からなかったけど、まあいいかな。瑠璃ちゃんと話せたおかげで心なしか元気が出たような気がするし。

 

 

 

 そうしてまた時間は過ぎ、時計を見ると11時を過ぎていた。もう寝ないと。

そう思っていると携帯が鳴った。画面を見ると『望月武哉』と表示されていた。

ええ! 望月君から電話!? なななななななんだろう…。

ドキドキしながら通話ボタンを押す。

 

「も、もしもし…」

「望月だ。体調大丈夫か?」

 

その声を聞いて心が凄くやすらいだ。たった一日会えなかっただけなのに、彼の声を懐かしく感じた。

 

「うん。大丈夫。心配してくれてありがとう」

「そうか。ならよかった」

……あれ?会話終わっちゃった? どうしよう。せっかく望月君と電話してるのに!

 

「で、話ってなんだ?」

「え?」

 

なんのことだろう。

 

「ひなが話があるから電話しろって瑠璃に言われたんだけど」

瑠璃ちゃん…。良いことってこういうことか。たしかに嬉しいけど何を話せば…。

 

「その様子だと、瑠璃が勝手に言ったみたいだな」

「うん…ごめんね」

 

本当に申し訳ない。

 

「アンケート集計、あまり力になれなくて悪かったな」

 

珍しく、望月君から話題を作ってくれた。

 

「ううん。あたしの進行が悪かったせいだから、気にしないで」

「そんなに責任を感じなくても大丈夫だ。俺なんて会議じゃ何の役にも立ってない」

 

望月君の口調はいつも通りだったけど、優しさを感じた。

その後、何気ない会話をした後、あたしは眠りについた。

次の日、風邪は悪化していた……しょぼん。

 

 

 

 




次回予告


ひな「次回予告の時間だね。あれ?望月君がいない?」

しおり「望月なら今日はオフらしいよ。なんでも木崎先生と焼き肉に行くとかなんとか」

ひな「木崎先生と?珍しい組み合わせだね?」

瑠璃「教師と生徒の禁断の愛ってやつかもね!」

ひな・しおり「それはない」

瑠璃「まあ、もっちーだしね。次回、『解決(舞台裏)』」

ひな「お楽しみに」

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