「なんだ、
人類最古の総合英雄譚の王ギルガメッシュは、エルキドゥに伝え聞いた完全生物フワワが支配する、
呪われた森に出向き、強大な力をもった呪いの獣が住む場所にも関わらず、
のんきに眠りこけている美少女…のような何かを見てそう呟いた。
「…うん、ギル。君がもしかしたら、いや、そんなはずはない。
その二律背反に苦しんでいるところをズバッと言ってしまうけど、
ふわわは、彼らが此処に来ることを動物たちに伝え聞いて知っていたが、
その前にあと1時間だけ眠りたいと惰眠をむさぼったためにこのような状況になってしまっていた。
尚、既に二度寝の睡眠時間は3時間を超えていた。
ギルガメッシュ達が来ても未だに起きない彼女を、アヒルたちがつつきながら起こした。
その結果、ふわわは目覚め、ギルガメッシュ達をその双眸に納め、緩やかに体を動かした。
具体的には、寝返りを打つように体を動かして、もう一度寝始めた。
「…友を疑う訳ではないがもう一度だけ聞く。本当に
「うん、本当に
基本的に戦わない。故に敵がいない。つまり無敵。
それが究極原始生命体ふわわだった。
「…そうか」
ギルガメッシュはそう言った後、大きく息を吸い込んだ。
「――――起きろっ!!」
その覇気の凄まじさたるや、鳥達が一斉に周囲の木々から飛び立つほどだった。
リスのお爺さんも驚いて木から落ちてしまった事をどうして責められようか?
だが、リスのお爺さんの真下にはふわふわふわわがいたので、
ゆるふわの髪の毛の上に軟着地した老年の小動物に怪我も無いので安心して欲しい。
実は、ギルガメッシュの怒声では無く、リスのお爺さんがぶつかった衝撃でふわわは目を覚ました。
まあ、そんな真実はみんなの王様ギルガメッシュが可哀想なので内緒にしてあげよう。
至高の原生生物ふわわはゆるやかに起き上がった。
その美しさたるや、花のようではあったが、それで手心を加える様なギルガメッシュでは無い。
「ようやく起きたか」
そう不敵に武器を構えてふわわを睨みつける。
「…うん、おはよー」
対するふわわは敵愾心や警戒心と言うものとは無縁だった。
具体的には説明しづらいが、抽象的に言えばふわふわしていた。
「どんぐりたべる?」
ふわわは、白いワンピースのポケットの中から取り出した木の実を、頭に乗っているリスに渡すと、
自分もドングリを食べだした。
「……いっしょにたべる?」
そしてギルガメッシュたちにもドングリを与えようとしていた。
「…実は高度な策略家で、あの木の実には悍ましい呪いがあるのだろう?」
「残念だけど、あれは素なんだ。ギルの気持ちは解るけどね」
なんとなく、Fate的世界観とは大きく切り離されたふわわたちの世界に、
ギルガメッシュ達は疲れてきてしまった。ここで完全に疲れ切ってしまうと、ゆるふわの住人にされてしまう。
英雄王、
世界が彼にそう問いかけた。
ちなみにSAN値がZEROになると、馬と鹿の違いをいちいち追求する様な細かさを忘れて楽に生きて行けるようになる。
頭が空っぽの方が、いろいろ詰め込めるようになるアレであるが、
別に無理して詰め込むのも面倒なので、スカスカでも悪くないかもしれない。
かつてSAN値ZEROにされた経験を持つエルキドゥは、その経験をギルガメッシュに忠告した。
「ギル、忠告しておくよ。実はフワワは―――――アホなんだ」
「――見れば解る」
この会話の二人は酷くシリアスな顔をしていたが、話の内容はあまり頭が良いとは言えない。
彼らも少しずつSAN値が減ってきているのかも知れない。
取り敢えず、ふわわの恐ろしさの一端を知ったギルガメッシュ達は、戦意を立て直すために、
どんぐりを頬張りながらウルクに帰った。
どんぐりおいしいよ