原始の世界にはアプスーと言う淡水の神が存在した。後に自らに最も良く似た息子、エアによってその存在意義と魂を奪われた。
と、最古の文明にある文献の一、『エヌマ・エリシュ』に記されている。
そして、ここからが大事な所なのだが、キラキラ海水系美人ママ、ティアマトの夫と伝えられるアプスーが、何故地底の底に封じられたか?
その答えは、原始水神の特性故に低血圧で、アプスーが寝る事が大好きなぐうたらで、起こされる事で不機嫌になるダメ夫で、
子供たちと仲良く遊ぶ良いお父さんでは無かった事が原因の一つであった。
アプスー神は、エア神に封じられた時、ただあっさりと二度と抵抗できない様に封じられたわけでは無かった。
地下水が豊富なとある森に、自らの願いと
その願いは、『誰も争わずまったりと惰眠をむさぼり続ける穏やかさが許される事』。
その森自体が始まりの自然としての権能を持ち、守護者としての極限生命『フワワ』を生み出した。
絶対無敵のレバノンの守護獣『フワワ』。
その始まりには、ある父神の願望と、母神の未練と、新たな支配神の手心があった。
まあ、そんな事は『ふわわ』になった彼女にはあんまり関係ないし、どうでも良い事だった。
ふわわは、基本的にお仕事が無い。というか、レバノンの森に住んでいる動物たちにお仕事がある者はいない。
みんなニートで、みんないい。それがレバノンの森の住民であった。
一部引越し屋やバーを営む動物達も居るが、仕事としてでなく趣味でやっているのでカウントには含めない。
そんな森の住民たちは寝たい時に寝て、食べたい時に食べる。そういう生活を送っていた。
もし、ふわわに仕事があるのだとすれば、それは森の守護と種を蒔く事だろう。
森の守護に関しては本人の頭からさっぱり抜けている上に、
種を蒔く事も、食べようとした木の実が発芽してしまったから外に放る程度の話なので、大した仕事でもない。
やっている事は冬に備えて地面にドングリを埋めて、掘り出すのを忘れてしまうリスたちとそう変わりが無い。
それが、ふわわであった。
ふわわはある時、新しい温泉が湧いている事に気が付いた。
そーっと、指を入れるとちょっとぬるめの温度だったので、来ていた白い服を簡単に畳むと入ってみる事にした。
温泉の底は浅く、丁度寝湯の様になっていた。
無論、ふわわがその中で寝る事にしたことは言うまでもないだろう。
なんとなくふわわが、お湯で濡れた手で顔をふくと、あることにふわわは気が付いた。
「…しょっぱい」
それといつもよりふわふわとお湯に浮く気がした。
まあ、どうでもいいかとふわわはそのまま寝る事にした。
まるで母親の胎の中の様にあったかく、ゆらゆらとゆれる心地良さにふわわは思わず意識を手放した。
別にどんな状況でも寝ているだろうというツッコミは野暮である。
お湯があったかいのと、レバノンの森の癒しの効果でお風呂に入ったまま寝ても脱水症状にも風邪にもならない。
そんな素敵な『ればのんのゆいれぶん』に入って寝ていたふわわが目を覚ますと、
そこにはもう一人極上の女体を、若干黒色を含んだお湯の中に曝す者がいた。
「えっ、このお湯って、もしかして…」
イシュタルは何か困惑していたが、ここはレバノンの森である。難しい事を考えるだけ無駄である。
考えるな、寝ろ。ここはそういう所である。
世の冷え性の女性が喜びそうな保温成分の潤沢に詰まった温泉の癒し力に、イシュタルは考える事をやめた。
「気持ち良さには勝てなかったわ」とイシュタルは後に語る。
ふわわはゆっくりとお湯から出て白いワンピースを身に着けた。
少々シワが寄っているが気にしない。もともとパリッとしたアイロンがけの服とは無縁のふわわである。
ふわわは、服のポケットから、温泉饅頭の木になる、温泉饅頭の実を取り出した。
そしてイシュタルにそれを差し出した。
「たべる?」
イシュタルは食べようかどうか迷ったが、しばらく口を動かしながら考えてその後こう言った。
「おかわり、あるかしら?」
イシュタルは温泉饅頭の木の実を食べようか悩んでいたら、何時の間にか温泉饅頭の木の実を食べていた。
でも、大して恐ろしいものの片鱗とかは感じなかった。
このふわふわ生物にそういう恐怖を感じる方が無理である。
この森には恐ろしいものなんてない。故に無敵の森である。
イシュタルはふわわのポケットから出てきたとっくりのお酒を飲むと、オレンジジュースを持ったふわわと乾杯した。
その後、ふわわにイシュタルが『男にモテる女になる本』という本の内容を語っている内にふわわが寝ていたので、
寝冷えしない様に、ふわわのポケットに入ってあった折り畳みふとんを取り出して二人で仲良く寝る事にした。
レバノンの森は今日も平和である。
以下のルートが解禁されました。
→・たのしいめそぽたみあ
・愉しいメソポタミア←new!!
尚、後者は正規には選ばれない模様。