この鎮守府、駆逐艦しかいねえ!   作:ジャスSS

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追跡中(白雪 如月)

――「如月ちゃん! これどうかな!?」

 

睦月型駆逐艦ネームシップ、睦月が問う。

 

「うん! 可愛いわ睦月ちゃん!」

 

その返答はいつも同じような気がするが……まあそれはいいだろう。

 

「いよーし、これで今日のお出かけは問題ない! ありがとう如月ちゃん!」

 

「いえ、私は何もしてないわよ。 睦月ちゃんのセンスが良いからそれを私はただ褒めてただけよ」

 

「全くもう如月ちゃんは人のこと褒めるの上手いんだから~」

 

睦月と如月が取っ組み合いになる。 とは言っても喧嘩みたいなピリピリする取っ組み合いではなく、所謂百合っぽい――と言ったところか。

 

「睦月ちゃーん! そろそろ行けるかな?」

 

ドアの向こうから聞こえてくるのは吹雪型駆逐艦のネームシップであるような気がする。

 

「あっ吹雪ちゃんだ! じゃあ私そろそろ行くね! 服選ぶのに付き合ってくれてありがとう如月ちゃん!」

 

「うん、楽しんできてね睦月ちゃん。 いってらっしゃい」

 

「うん、楽しんでくるね! それじゃ、いってきます!」

 

ルンルン気分でドアを開ける睦月。

 

そのあと姿を見るに、かなり今日という日を心待ちにしているようだった。

 

 

 

 

 

「……本当に付いていくの如月ちゃん?」

 

「えぇ……やっぱり気になるじゃない、白雪ちゃん」

 

「凄いストーカーみたいなんだけど、大丈夫なの?」

 

「いいのよ、私と睦月ちゃんの仲だから」

 

「大丈夫って気がしないんだけど……」

 

何故私はこんなことに巻き込まれてしまったのだろう……休日のお出かけをストーキングするなんて休日の使い方を間違えてる気がする。

 

事の発端は2日前、吹雪ちゃんがお出かけすると聞いた直後だった。

 

 

 

 

 

――「睦月ちゃんが外でどういう風に羽目を外すのか見たいわ! それは勿論、白雪ちゃんも同じよね!?」

 

「……いや、別にそこまで……」

 

「嘘は良くないよ白雪。 自分に正直にならなきゃ」

 

「時雨ちゃん、顔近いよ……」

 

「なんで気にならないの白雪ちゃん!? あなたの本性はどこに行ったの!?」

 

「いや、元々これが本性なんだけ――」

 

「君はまだ目覚めてないようだね……大丈夫、すぐ目覚めさしてあげるから……」

 

「分かった私も一緒にいるから胸ぐら掴むのやめてぇ!」

 

 

 

 

 

――と、半ば強引に参加させられたのです。

 

「そういえば時雨ちゃんはどこに行ったの?」

 

「時雨ちゃんはもう一つ先の地点にいます。 どうやら準備はバッチリのようで……はい」

 

「なんでグラサンかけて親指立ててるんですか……」

 

「彼女は凄く人気な艦ですから、姿を悟られる可能性が非常に高いんです」

 

「だからと言って親指立てる必要はないと思うけど……」

 

私を巻き込んだ二人の一方――睦月型駆逐艦二番艦の如月ちゃんは一番艦の睦月ちゃんとよく一緒にいる。

 

鎮守府のほとんどはおとなしくて清楚、お人好しで優しいというイメージを持ってるけど、睦月ちゃんのことになると少し暴走してしまう、言わば"ヤンデレ"に近いような子だ。

 

とは言え、睦月ちゃん本人に危害は与えないし、その周りの人間に対しても危害は与えないので善良な子ではある。

 

まあストーキングはさすがにまずいとは思うけど。

 

そして私を巻き込んだ二人のもう一方――白露型駆逐艦二番艦の時雨ちゃんも四番艦の夕立ちゃんとよく一緒にいる。

 

時雨ちゃんもイメージ的には清純だと思われてるが、如月ちゃんに比べヤンデレ度がかなり強い。

 

如月ちゃんよりも暴走しやすいし、暴走した時の凄みも一枚上手だ。

 

正直に言うと如月ちゃんよりも危険人物だし、将来何をしでかすか本当に分からない――というかもう既に起こしてるような気さえする。

 

とにかく、私はこの二人に囲い込まれる形で吹雪ちゃん、睦月ちゃん、夕立ちゃんのお出かけをストーキングすることになってしまったのだ……

 

「気になったんだけど、そのカメラいつ手に入れたの? 買った?」

 

「これは磯波ちゃんから借りたわ。 あの子凄いカメラ好きだから……」

 

あぁ確かにそうだ。 あの子、突然カメラにハマったらしくて最近高額のカメラを買ったらしい……

 

確か70万程だっけか。

 

「そう……ちなみにそのカメラいくらというのは聞いた?」

 

「えぇ。 70万円するってのは聞いていて、丁重に扱ってねーとは言われたけど……」

 

うわあ、なんでそんな高額なもの貸しちゃうのよあの子……危機管理意識が少し低いんじゃないの。

 

「よく借りれたね……どうやって言いくるめたの?」

 

「いえ、普通に話しかけたら借りれましたけど……」

 

「こういう目的で使うってこと言ったの?」

 

「言ってないけど……」

 

ああもうダメだ。 どんだけ危機管理能力ないのよあの子は……

 

「……どうしたの?」

 

「磯波に少し呆れただけだから……んで、この後どうするの?」

 

「あぁこの後ね。 まずはここを通ると思われる三人それぞれを激写して、それからすぐ移動するわ。 もちろん、バレないようにね」

 

「バレないように……分かったけど、どこに移動するの?」

 

私が言うと如月ちゃんはすぐさま地図を取り出し、説明に入った。

 

「今いるのが呉市中心街のイオンモール前の道……をよく撮れるビルの中。 ここからの予測では、イオンモール内部でお買い物をして、昼食をとりに夕立ちゃんが好きなモスバーガーに行くはず……でもそこでは既に時雨ちゃんがスタンバイしてるの」

 

「……いや待て待て、モスが好きという情報はどこから掴んだの? 鎮守府近くにあるのはマックぐらいしかないと思うんだけど」

 

「……この前調査したらその情報が得られたのよ……」

 

「え、前にもやったことあるの!? いつ!」

 

「2ヶ月前かしら。 それが3回目で、今回が4回目となるわね」

 

あぁ、だから慣れてたんだな……ってそこじゃない。

 

「そんなにやってたの……? 驚きなんだけど……」

 

「驚く程でもないわよ白雪ちゃん」

 

いや、普通驚くと思うのだが……

 

まあそれはそれでいい。 今は如月ちゃんから教えてもらわないと。

 

「んで、モスには時雨ちゃんがいて、私達はどこに向かうの?」

 

「私達が向かうのはイオンモール内部よ。 いくらここがベストポジションだからと言っても内部までは鮮明に撮れないわ。 だけれども、内部で撮るには障害が生じる……それはなんだと思う?」

 

「……他人の目?」

 

「そう正解! 内部で三人組を撮るには他人の目にさらされず、かつ綺麗な写真を撮ることが必要不可欠よ。 しかもイオンモールは色んな所があって服屋、文房具屋、ゲームセンター等々全ての場所でベストポジションを確保しなくてはいけないのよ」

 

「……全ての所を撮る必要はないんじゃないかな。 そこまで拘る必要がないというか、なんというか……」

 

「……白雪ちゃん、私が誘う時になんて言いましたっけ」

 

うわ、いきなりローテンションになってしまった。

 

えーと、確か……

 

「いつもとは違う姿が見られる……的な感じだっけ?」

 

「概ね合ってるわ……そしてそれが見られるのは貴重な機会……だからこそ!」

 

突然ずんと、私の顔に近づいた。

 

「今ここで! 見るしかないのよ!」

 

「……情熱が篭ってるのは分かったよ……これからはあんまりそういうこと言わないから……」

 

「うんうん! 同じ気持ちになってくれて嬉しいわ!」

 

「いや別に同じような気持ちになったわけじゃ」

 

「あ、来たわ!」

 

如月ちゃんが指さす方向を見ると――仲良く歩く三人の姿が見えた。

 

三人組の真ん中にいるのは吹雪ちゃん。 グレーのパーカーを着ているようだ。

 

吹雪ちゃんの右隣には睦月ちゃん。 改ニになった時から着ている上着が見える。

 

睦月ちゃんの反対にいるのは夕立ちゃん。 少し大きめなベージュ色ジャケットを着こなしていた。

 

 

 

 

 

「吹雪ちゃん、まず最初はどこにいくのー?」

 

「うーん、夕立ちゃんはどこに行きたい?」

 

「夕立はゲームセンターに行きたいっぽい!」

 

「あ! ゲームセンターはこの前行ったばっかりでしょ夕立ちゃん!」

 

「あはは……夕立ちゃんは本当ゲームセンター好きだよね!」

 

 

 

 

 

――「あぁ、睦月ちゃんが凄い笑顔で……しかも楽しげで……」

 

凄い勢いで連写していく如月ちゃん――にしてもしすぎだと思うけど。

 

ここで如月ちゃんがどうなったか――それはある程度想像できるだろう――それぐらい単純だった。

 

簡単に言えば"取り乱していた"ということなのだが。

 

「興奮状態の中悪いけど、中に入んないの? 見失うよ?」

 

「ハッ! そういえばそうだったわ、ありがとう白雪ちゃん! それじゃ私に付いてきて!」

 

「あ、う、うん」

 

そういえばどうやってここから出るんだろう――と思ってたら。

 

「白雪ちゃん! そこに穴があるからそこから落ちておっていくよ!」

 

「……ってこの穴いつ作ったの!? しかもかなり高いから命の保証ができないじゃん!」

 

「大丈夫よ。 下にはマットがあるから」

 

「マット程度でなんとかなると思わないんだけど……」

 

「大丈夫よ。 下にバランスボールあるから」

 

「着地できなきゃ死ぬよ!」

 

「私達は艦娘よ? できないことはないわ」

 

「いやいや艦娘だからってこの高さは厳しいって!」

 

「ごちゃごちゃ言ってると見失うわ! 私は今すぐ落ちるわね!」

 

「え、ちょ」

 

勢いのまま、如月ちゃんは穴に真っ逆さまに――

 

「如月ちゃああああぁぁん!!」

 

 

 

 

 

――「よし、ここからならよく見えるわ……ベストな時を逃さないわよ……」

 

結局、如月ちゃんは少し足が痛む程度でなんとかなった。

 

言ってた通り、下にはマットが設置されていてその結果負担が軽減された――というのが如月ちゃんの推測だけど、果たしてそれは本当なのか?

 

いつか窓突き破りそうで――正直不安だ。

 

そして今いる所は、文房具コーナー近くのベンチ。 周りからもよく見られちゃう所で――いやいやまずいでしょ。

 

「やっぱり女の子よね。 文房具の一つ一つに反応を示す……中々いい光景だわ」

 

「う、うん……」

 

今日は何回ぐらい戸惑ったのだろうか……しかもまだ続くし……

 

「あ、あれは最近話題のシャープペンシル! 凄い食いつき様よ!」

 

「あれは確か……学生に人気のクルトガだっけ? なんか高性能とは聞いたけど」

 

「そう。 それに魚の如く食いつく三人……時雨ちゃんも喜ぶと思うわ」

 

そうだ時雨ちゃんがいた……あっちが一番心配だ……

 

「ん? 次はノートを眺めてるけど」

 

「あれは……いったい何かしら。 もっと近づかないと無理じゃない……」

 

「いや近づかないでおこうよ……」

 

さすがにこれ以上近づくと不審者扱いされそう――

 

「ごめんねお嬢ちゃん達。 ここであの子達を撮り続けてるけどあの子達に何か用かな?」

 

まずい、警察が来た! さすがに弁解の余地がない!

 

「如月ちゃ――」

 

「あら、警察の方ですか……」

 

「そうだけど……ここで何してるのかな?」

 

「いえ、この景色を撮ろうかしらと思ってね……」

 

「ここで、ですか。 それはそれは大層なことを――!?」

 

カメラを向けた途端、顔を豹変させた警察官――いったい何があったのだろうか?

 

「よく周りからは変な人と呼ばれるんですよ。 この子にもよく言われるのけど、今日は付いてきてもらっちゃった!」

 

「そ、そうですか……それでは私はお邪魔させていただきます……お取り込み中申し訳ございませんでした……」

 

何かに怯えてるのだろうか――そそくさとその場を後にした。

 

「き、如月ちゃん何したの……?」

 

「カメラの……これ見て」

 

私が見せられたのはカメラのディスプレイ――を遮るように存在するもの。

 

「これは……艦娘手帳? しかも第一鎮守府の……ってまずいんじゃ!?」

 

「シーッ。 これに関しては極秘だから、絶対に口外ししてはいけないわ……」

 

「え、でもなんで……」

 

「かつてね……少しだけ第一鎮守府にいた頃があったのよ。 とはいえ、ほんの二週間だけだったけど」

 

「まさか、その時のを流用して……」

 

「えぇ。 今も変わらないデザインだし、ここの警察官ぐらいなら騙せるかなって」

 

「でも調べられたりしたらまずいんじゃ……」

 

「大丈夫よ。 第一の司令官さんは優しいし、うちの司令官とも仲がいいし……それにね」

 

顔を赤らめて、恥ずかしがりそうに言った。

 

「あそこの司令官、私がこういうことやってるの知ってるから……」

 

「あそこの司令官とどういう関係なのよ……」

 

 

 

 

 

――「こちら時雨、ターゲットの撮影に成功。 これより中央公園にて陣を張る」

 

「了解よ時雨ちゃん。 中央公園でもよろしくね」

 

「あの、この無線機はいつ買ったのか教えて――」ブチッ

 

あ、切れてしまった……どこで買えたのよこれ……

 

「時雨ちゃんが連絡した……ということはつまり、そろそろこちらに帰ってくるということね。 こちらも陣を張るわよ」

 

「う、うん分かったけど、どこで待機するの? 確定的な要素はどこにも見当たらないけど……」

 

「多分ゲームセンターよ。 夕立ちゃんが大好きだから」

 

「ふーん……」

 

昼飯の後のゲーセン……何をするのか、正直興味ある……

 

「そうだ、朝の撮れ高はどう?」

 

「いい感じよ! いや、いつどこから撮ってもいい感じには変わりないけど、その中でもかなりいい気がするわ!」

 

「良かったんだね。 それなら良かった」

 

「時雨ちゃんもいい感じのはず……かなり楽しみだわ!」

 

うーむ、ここまでくると慣れというものが来てしまって、驚きが薄れてくる……色々とまずいぞ。

 

「そういえば中央公園? に時雨ちゃんが行くって言ってたけど……」

 

「お出かけの時、いつも最後に訪れるのが中央公園よ。 そこで見る夕日が凄くて、そこでよくガールズトークしてるのよ」

 

「ふーん。 夕日をバックにして話してる三人が可愛いってこと?」

 

「もちろんよ! 分かってきたじゃない白雪ちゃん!」

 

――え、いや分かりたくないよそんなこと!

 

「まあまあ、嫌そうな顔して……そんなんじゃ私を騙せられ――」

 

「本当に嫌だから! 本当に!」

 

「……白雪ちゃんがそんなに嫌がるなんて思わなかったわ」

 

「いや最初から言ってたよ!」

 

「あら、そうだったっけ」

 

「そうだよ!」

 

まったくもう、如月ちゃんは……

 

 

 

 

 

そんなこんなしてる内に、あの三人組が帰ってきていた。

 

「あっ、あの子達ここに来る……」

 

「嘘!? カメラカメラ……よしロックオン完了」

 

ロックオンなんていう怖い言葉使わないで……

 

「さーて、最初は何を……あ、太鼓の達人! 定番ね定番!」

 

興奮しながらシャッターをきりつづける如月ちゃん。 もはや狂気の域に達している――いやかなり前から達してはいたけど、よりそれに磨きがかかってる気がする。

 

まったく嬉しいことじゃないけどね……

 

「あぁ! 睦月ちゃんがあたふたしてる可愛いわ! そうよね白雪ちゃん!」

 

「そうだね。 うん」

 

 

 

 

 

――その夜。

 

何故か如月ちゃんの部屋に居座されてる私……理由は分かるけど。

 

「それでは、本日の追跡会の反省及び写真の見せ合い会を開会いたします。 まずは……如月、写真を見せてくれないかい?」

 

「はーい。 どう? 綺麗に撮れてるでしょう?」

 

私と撮ってしまった――他人からすれば恐怖のような写真を時雨ちゃんに見せた。

 

遠目から見るに文房具コーナーで撮ったもののようだ。

 

「うん……素晴らしいよ如月。 夕立を良い形で写せてる……」

 

「ふふ……白雪ちゃんも良いって言ってくれ――」

 

「言ってないからね如月ちゃん」

 

「まったくもう……」

 

いやいや顔赤めなくていいから。

 

「そうだ、僕のも見せないとね。 はい」

 

そういえば時雨ちゃんのカメラどこから借りたものなんだろうか。 まさか浦波から借りたとかは――

 

「時雨ちゃん、そのカメラってどこから借りたの?」

 

「ん、これかい? このカメラは……実は地元の方から……」

 

「あぁ、貸していただい――」

 

「貰ったんだ……」

 

「……貰った!?」

 

「うん。 ダメ……かな。 僕はいらないって言ったけど、どうしてもということで仕方なく……」

 

「いや別に大丈夫だと思うけど……それ、いくらするの?」

 

「うーん、そこは聞いてなかったな……でも高いとは聞いたよ」

 

「うん……大事に扱っておいた方がいいかも……」

 

「もちろん大事に扱うよ」

 

いやはや、時雨ちゃんも中々凄い――さすがは人気NO.1艦娘、といったところか。

 

「そういえば白雪ちゃん、次はどうする?」

 

「次?」

 

さすがに全面拒否というのもヤダなぁ……柔らかく断りますか。

 

「うん。 一日中付き合ったんだし、せっかくなら次もどうかな?」

 

「いや、今日付き合って色んなこと分かってよかったけど、さすがにもういいかなって」

 

「いやいや、分かったからこそもう一回行くんじゃないか。 また面白い発見が見られるって」

 

「うーん、でも今日でかなり疲れちゃった。 もう行くのはいいかな」

 

「疲れた? なら体力が付いたことになるじゃないか!」

 

「う、うーん……」

 

ダメだ、どうにもなんない……このままではまた連れていかれる……

 

「ほ、ほら、私いても大して役に立たなかったでしょう? 別にいなくてもいいじゃないかしら?」

 

「貴女がいる、それが大事なのよ。 大丈夫、できる範囲でいいから」

 

「で、でも罪悪感感じるし……」

 

「大丈夫、僕達はなんにも思ってないよ。 むしろ君がいてくれた方が嬉しいよ」

 

ああもうどうしよう! また次も連れ去られる!

 

「なによりも、白雪、君がいることでこの三人は完成するんだ。 睦月が好きな如月、夕立が好きな僕、でも何かが足りない……それは何だと思う?」

 

「足りてるよ十分!」

 

「そう、吹雪が好きな子だ。 そしてそのピースを埋めるのは……君だ」

 

話聞いてないよ時雨ちゃん!

 

「これほどまでに完成された状況、他にあると思う?」

 

「う、うう……」

 

頭の中に、吹雪型の皆が思い浮かぶ。

 

でも――生贄には差し出せない。

 

じゃあこの状況、どうするべきか?

 

「……まったく分からん」

 

「白雪ちゃん?」

 

「白雪?」

 

――もうやだこの鎮守府。




キャラクター紹介

白雪:第十一駆逐隊所属。 この鎮守府生粋の苦労人で、特に如月、時雨の被害によく合う。 本人は吹雪に対する恋愛感情は持っていないが、周りからはそう思われてしまっている。 だが、仲間を守るために自ら体を張るなど勇気ある場面も多く、裏では尊敬の的として人気を集めている。

如月:第三十駆逐隊所属。 年齢の割に大人っぽさが強い艦娘であるが、いざ睦月のこととなると我を忘れて暴走してしまう癖がある。だが決して他人を傷つけようとはしておらず、慈愛深い一面も。 時雨と組んで白雪を沼にハマらせようと何度も挑戦しているが、その度失敗している。
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