是非最後までお付き合い下さい!
1日が経つのは早い。もう放課後だ。
今日は何も無いから1人でスグ家に帰った。春菜からの手紙がないか気になったから。案の定、手紙は丁寧に俺の部屋の机上に置いてあった。
『涼へ
手紙ありがとー!まさか本当に信じてくれるなんてさ!てか、涼ってこんなに素直だったけ?(笑)静香とも仲良く出来てんじゃん。ありがとうね!』
短……っ。
ん?なんだこれ…。何かを消した跡と水が染みている。これは涙なのか?春菜が書きながら涙したのか?
消された文字を上から軽く鉛筆で塗り潰す。すると書かれた文字が見えた。『寂しい』……。春菜はさみ寂し
と思っていた。俺は胸が苦しかった。俺が春菜の体調に気づけなかったせいで発見が遅れて春菜が寂しい思いをしている。もう誰も傷つけたくない。その為にはどうすればいいんだ?春菜の場合は本当の気持ちを見せすぎていた。春菜だけは大丈夫と甘えてしまっていた。多分そのせいで、関わりすぎたせいで…。
「おはよう、僕の涼!」
朝起きると父がテンション高めに挨拶してきた。
「おはよ、父さん!」
俺は思いっきり笑顔で挨拶した。これでいいんだ。こうしていればいいんだ。
「抱え込むなよ。」
父は珍しく真面目な表情で俺に言った。俺はただ無言で笑顔だけを作った。
「おはよー!俺の涼ー!」
誰かさんと同じような挨拶をしてきたのは明。(今日は蒼井さんは車で送迎だそうだ)
「おはよ!俺の明!」
俺がこう言うと明は顔を真っ赤にしたがすぐ心配そうな顔で見てきた。
「大丈夫……?」
「うん!今度は笑うようにしてみるよ。そうすれば誰も傷つけないからね!」
明るい笑顔を作り、明に対してこれ以上聞かないでくれと予防線を引いた。俺の中で明の存在がこれ以上大きくならないように。
教室にはほとんどの生徒が居た。いつものように俺と明の周りには人集りが出来た。俺はいつもならすり抜けるが今日は違う。
「おはよう、皆!」
そう言って笑顔を作った。すると周りの人だけでなく教室中の人の顔が赤くなった。
「小雨くん♡久しぶりに笑顔見た!!」
「小雨さん……。凄いカッコイイっす!!」
色んな人からそんなことを言われた。
「皆、昔みたいに『涼』って呼んでよ!」
俺は王子キャラの時によく使う笑顔を使った。
「「「いいの?!やった!!」」」
皆は声をあげて喜んでくれた。だがその中に1人だけ嫌そうな顔をしている人がいる。明だ。
明は俺のシャツの裾をギュッと掴んで言った。
「俺の涼…とっちゃダメ!!!」
明が傷ついている気がして俺は明をギュッと抱きしめて頭を撫でた。その瞬間教室中から黄色い歓声が湧いた。
「とれないよ♡涼君と明君のラブラブな日常が見れなくなっちゃうし!」
「俺なんかじゃ涼さんと釣り合わねぇよ!」
皆口々にそう言った。俺は取り敢えず笑った。笑う以外の対処法が分からない。一応、演技はしているつもりだ。アドリブは得意なはずなのに………。
明は俺のシャツの袖を引っ張り、無理矢理席に俺を席に連れていった。笑えば誰も傷つかないはずなのにどうしてそんな顔をするんだ?俺はどうすればいいんだ?答えなんてあるのだろうか……………。
ありがとうございました!
次回は初の明編をお送りする予定です!是非見てください!