是非最後までお付き合いください!
「涼くん、明くん、秋さんが明日から1週間で脚本とかを済ませるように頼んで下さってるみたいなので、脚本が出来次第、お家にお送りしますね!今日は帰ってもらって結構ですよ!」
瀬名さんは秋さんとの電話が終わり、笑っていた俺達に遠慮なく声をかけてきた。まぁ遠慮されても困るけれど。
「じゃあ、明帰ろう。」
俺は明とタクシーで帰ることにした。明の家の方が近いので先に送って、俺の家に向かった。金曜日から俺はずっと気にしてる。タクシーの運転手さんだ。名前は分からないし、タクシーの色なども分からない。でも覚えているのだ。胸の暖かさをくれたあの人の顔を。焼き付いて離れない。他人なのに、知らない人なのにあんなに優しい人がいる。それに気づかせてくれた恩師とも言っていいような人。この世界の人はどこかで必ず繋がっている。俺はなんて幸せなんだろう。俺を見てくれる人がいて、叱ってくれる人もいて、嫌ってくれている人もいて、心配してくれる人もいる。あったかいな……。
そんな気分で玄関の扉を開けると、家を出る父と鉢合わせになった。相変わらずスーツが似合う俺の自慢の父。
「涼、今から会社行ってくるね〜!」
「いってらっしゃい!」
上手く笑えてるか分からないけど少し微笑んでみた。すると父は俺の頭を撫でてくれた。
「父さん、俺、もう高校生…。」
「あぁ、分かってるよ。でもまだ成人してないだろ?」
「嗚呼。」
「じゃあ子供だ。僕が親の限り涼はいつまでも子供。子供は甘えていいんだよ?一人で悩まなくていいんだよ?」
「嗚呼、俺も最近知ったよ。」
「そっか。何か悩みがあったら言ってね。それに一人で悩む時は後悔しない選択をしてね。」
「…。」
「よし!じゃあ行ってきまーす!」
パタン。静まり返った玄関には父の優しさが残っていた。
俺は階段を上って自室に入る。ふと、机の上に目をやると…一枚の封筒。俺は急いで駆け寄り、差出人を見た。
そこには…春菜の名前が。
『涼へ
ハロー!私は意外と楽しくやってるよ!
涼のCM見たよ!(こっちにもTVはあるぜ!)涼父相変わらず年取らないね~。涼はまた一段とかっこよくなりやがって!芸能界か〜!いいじゃん!私がまだそっちの世界にいる時の涼、めっちゃ人懐っこかったし!てか、今もめっちゃ愛されてんじゃか!!涼はどこか憎めないんだよな〜。頑張れ!
私も涼に会いたい。まぁ、抱きしめるのは変態だねぇ〜。 でも涼は何も悪くないから。悪いって思ってんなら一生懸命生きろ!!涼が昔みたいに笑ってくれれば私は嬉しい。正直、涼が昔みたいに笑ってくれなかったら私が責任感じちゃう!
それに私の声、聞こえてたんだね…。
いつでも皆、涼の味方だと思うよ。 春菜♡』
春菜……あの声は…。俺は泣いていた。極力泣かないようにしていたのに春菜のせいで泣いてしまったじゃないか。何で泣いてるのか分からないけど涙が出る。溢れて止まらない。
「好きだ、好きだ、好きだっ…………っ………!」
感情が渦になる。怒号と後悔が混じって重なって螺旋となる。俺の言葉はもう叫びだったと思う。好きで好きで仕方が無いくせにそれを伝えることも出来ない臆病な俺はこうやって後悔するだけ。どうやったら後悔しないで生きられるんだ?
大切な人が増える度に怖くなるのに…嬉しくもなる。失うものが増えるというのに嬉しくなるなんて。裏切られる回数が増えるというのに信用したいと思ってしまうなんて。
人間はなんて複雑な感情を持っているのか。
神様は意地悪だ。人間へ与えるにはこの感情は重すぎる。神は見守ってくれるが助けてはくれない。
あぁまた俺は迷ってしまった。
お願い、もう誰も俺を1人にしないで……。
ありがとうございました!
また迷ってしまいましたねぇ…。まぁ涼なら大丈夫でしょう!
今回は特に何も無いので後書きもここら辺で失礼させていただきます。
次回もこんな小説ですが宜しくお願いします!