今回は蒼井さん編!
最後までお付き合い下さい。
「静香!静香!しず……………。」
誰…?私の名前を呼ぶのは誰?
まだ完全に起きることが出来ていない頭を無理矢理ベッドから離し、その数10秒後に重い身体を起こす。
「静香様、朝ご飯のご用意が出来ておりますがいかがなさいますか?」
ドアの外から聞こえるメイドの声。この家は正直言って…疲れる。いつも誰かがいて、見られてる。どこにいてもちゃんとしなければいけない。養娘なので尚更。
「用意して貰ったのに失礼ですが今日は結構です。」
「かしこまりました。」
はぁ。ため息が出てしまう。丁寧な言葉は苦手。だって本当は外で遊んだり、お喋りしたりするのが大好きだから。でもこの家にいる限り外でなんか遊べない。だって財閥の養娘だから。私のせいでお父様のお顔に泥を塗るようなこと、決してしてあってはいけない。
でもそろそろ限界…。
いつの間にか私は二度寝をしてしまっていた…。
「静香!」
またこの声。誰?懐かしい。
「静香、春菜だよ!!」
うん、そんな気はしてた。また会えるって言ったものね。私は暗闇の中目を凝らして、春菜の姿を探す。
「あっ…。」
暗さに目が慣れ、やっと見つけた。瞬間、辺りが明るくなり、足元に1輪の花が咲いていた。
「静香、先に逝ってごめん。あのさ、静香にお願いがあるの。」
「な…何ですか?」
春菜は私の足元に咲いていた1輪の小さな青い花を私に渡した。
「私は涼にとって花なの。どんなに綺麗でも、可愛くてもいつかは枯れる。いつか涼も私が死んだっていうショックから完全に抜け出す。抜け出さないといけない。涼は勘違いしてるの。自分のせいで私が死んだと思ってる。だからその誤解を解いて。私は手紙でしか話せないから。そして私とした約束を守ってって言って。私からの最後のお願い。」
春菜の真剣な表情。その瞳からは優しさしか感じることが出来なかった。
「私が……?春菜が直接小雨さんに伝えることはもう出来ないの?!嫌よ、嫌よそんなの!」
思わず感情的になる。
「私も出来ることなら直接伝えたい。けど……。」
春菜の悲しそうな顔。初めて見た。
「ごめんなさい!そんなつもりで言ったんじゃないの。そうです、私が言えばいい。まかせてください! 」
私は焦った。春菜の悲しそうな顔を見たから。
「うん、ありがとねー!じゃー、また今度!」
そう言って春菜は手を振り、消えていった。
「さっきのは夢…では無いみたいですね。」
私は自分が握っていた青い花を見てそう呟いた。
この花…なんていう花でしょう?私は書庫に行き、調べることにした。潰れたり、花弁がとれたりするのは嫌なので花の写真だけを持って行った。
植物図鑑の花のページを開き、1頁ずつ丁寧に見ていく。20分ほど経ち、やっと見つけた。でもまぁまぁ早いほうです。
『植物名:勿忘草(ワスレナグサ)』
勿忘草って……確か……。
勿忘草。夏の暑さに弱いため日本では一年草扱いだが花言葉は…『私を忘れないで』、『真実の愛』。この名前は悲恋物語に由来する。ドナウ川のほとりを散策していたルドルフとベルタ。この草を見つけたルドルフが摘もうとして川に落ちてしまい、「僕を忘れないで」と叫んで、花を岸に投げ死んでしまうルドルフ。残されたベルタは、生涯この花を身につけて暮らした。このベルタが大切にしていた花がワスレナグサ。青い小さな花が、2人の涙をあらわしているような切ない物語。
やっぱり春菜には心残りがあった。まだ小雨さんが好きなんでしょ?
あぁ、私は何か出来ないの…?
ありがとうございました!
投稿が間に合わぬ。頑張りまする!!
次回も宜しくお願いします!!!