君と僕のキセキの手紙   作:有栖川アリス

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こんにちは、アリスです(❁´ω`❁)Alice


是非最後までお付き合い下さい!


涼の清々しい朝

春菜にちゃんと伝えたからかわからないが、初めて心の底からスッキリした気分だった。

爽やかで清々しい朝とはこの事かと心の中で納得した。

 

俺は蒼井さんとバスの中で文化祭の劇の台詞合わせをしていた。台本は基本一通り見たら覚えてしまうけど、やはり稽古は必要だし、蒼井さんとの掛け合いも大切だ。

「でもほんと涼さん、演技が上手ですよね!ただの台詞合わせかもしれませんが呑まれてしまいそう!」

人も増えてきたので台詞合わせを終え、一息ついた蒼井さんが言う。

「いや、蒼井さんの方が凄いよ。本当に演技初心者?」

すると蒼井さんは窓の外に遠い所を見るよう目を向けた。

「最近までは私の全てが演技でしたから。今は違うけど!」

そう言って俺に笑顔を向けた。蒼井さんの笑顔は何度も見たが、その中のどれとも違った。とてもいい笑顔だと感じた。

「良かった。じゃあ文化祭、頑張ろうね。」

「はいっ!!」

 

 

あっという間に昼休み。クラスメイトは机を動かしたりして弁当を食べる準備のしているが、俺と明と蒼井さんは演劇室へ向かった。今日から本格的に準備を始める。

でも…部屋へ入った時の小野先輩の視線が痛かった。というか怖かった…。ごめんなさい、二度としません、そう心で誓った。

「ってことで皆揃ったなー?」

小野先輩のよく通る声が部屋中に響く。

「そこの3人、ご飯食べてないだろ?どーせ食べなくても死なないしとか思ってんだろ!」

小野先輩から急に指を指されて俺達3人はビクッと肩を震わせた。なぜ、バレた…?

「でも実際に一食抜いたくらいで死亡した例はありませんし、よっぽどの方でなければ大丈夫ですよ?」

蒼井さんの言葉に俺達2人も頷く。

「弁当持ってきてんならさっさと食えー!!」

小野先輩…怒った…。

「先輩、お母さんみたい…。」

思わず声になってしまっていた。

「母さん…か…。って私はお前らの母じゃない!早く食えー!!」

 

 

渋々俺達は昼食をとり、小道具、衣装、役者に分かれて準備開始。

「小雨先輩〜!ここの縫い方ってこれであってますか〜??」

「涼〜、空って何色?」

「小雨っ、分からん、ここの演技の手本を見せてくれ!」

「涼先輩helpー!!」

「涼、手伝え!」

……。なぜ俺ばかりこんなに呼ばれるんだ?蒼井さんや明や小野先輩がいるだろう!

部屋を走り回りながら思った。

ふと部屋の隅に目をやると…蒼井さんは台本を真顔で見つめ、明は椅子に座って昼寝、小野先輩はサボって読書。

「…っ…こらー!蒼井さん、なんか怖いし、明は起きろ、先輩のくせにサボるな!」

「小雨もそんな声出るんだな!」

先輩はそう言いながら笑ってる。笑ってないで手伝って…。蒼井さんはごめんなさいと頭を軽く下げているが反省の色が見えないぞ?明は…熟睡。

俺は明の肩を揺すり、耳元で起きろ!と叫ぶ。

「涼、おはよ!朝一で涼の顔が見れるなんて新婚さんみたいだ〜!」

いや、新婚じゃないから!

「蒼井さんは衣装、明は小道具、先輩は演技の所行って手伝ってきて!」

そう言うと渋々3人はそれぞれの場所に向かった。

 

ふぅと溜息を漏らし、作業に戻ろうとすると声をかけられた。

「小雨先輩っ!お時間ありましたら台本合わせをお願いできますか?」

その声の主は小春だった。小春は控えめに頬を染めて笑っていた。

「小春、可愛い。癒しだ…。」

「えっ?!」

うん、熱心でいいと思う。それに比べてあの3人は…。

俺が呆れている横で小春が顔を真っ赤に染めているのに俺は気づかなかった。

 

真面目に頑張ってくれている小春のために台詞合わせに付き合った。

 

 

こうして昼休みは終わり、放課後にまた続きをやることになった。

「あー、授業終わり!あのハゲの授業眠いんだよぉ〜!」

明がうーと奇声をあげながら背伸びをした。

「明、蒼井さん、俺は家庭科室に寄っていくから先に行ってて。」

二人にそう声をかけ一人教師から出た。家庭科の先生は自分で言うのはなんだが俺を気に入ってくれているらしく、贔屓されている。

「先生、少し調理器具を使わせて頂いても宜しいでしょうか?」

家庭科室に着いて先生に声をかける。

「あら〜!涼くん!久しぶりじゃないの!いいわよ、好きなだけ使って!」

そう言い、先生は調理台の向かい側の椅子に座る。

ちなみに家庭科室には俺専用の調理器具や冷蔵庫、食材がいつの間にか先生達の自腹により、揃えりていた。

俺は先生に気を配ることもせず、黙々と手を動かす。

今日作るのはスコーン。演劇部員の皆に差し入れするためだ。スコーンだったらそんなに量もいらないしすぐ作れて便利だ。汚れたりもしないから女子ウケも良さそう。程よいかたさだったらこぼれる心配もない。

「相変わらず涼くんは手際も容量もいいわね!」

焼いている途中に声をかけられた。集中しすぎて先生の存在を忘れていた。(失礼)

「ありがとうございます。料理はいつも作ってますから。」

「あぁ、うちの息子もたまにでいいから作ってくれないかしらね…。」

先生は顎に手を当てて悩んでいた。

そんな中、チーン!とオーブンが甲高い音を立て、焼け上がった。

いい香りが部屋中に漂う。うっ、食べたいが今は我慢だ。食器棚からタッパを取り出し、クッキングペーパーをひいて詰めていった。

「先生、宜しければあとで食べて下さい。」

そう言ってお皿に二つほどスコーンを添えて、家庭科室を後にした。

 

時計を見ると20分ほど遅刻だ。今は3階。この前のように下の階の窓が空いているのを確認して、飛び降りた。演劇室の前の窓はいつも開いているから便利だ。

と思ったのはつかの間で今回も小春にバッチリ見られていた。

「せ〜ん〜ぱいーーーー!!!!」

俺はやばいと思い、何か言われる前に演劇室へと駆け込んだのだった…。

 

 

 

「もう、先輩ったらこの前注意したじゃないですか!今度からは階段使ってくださいね!」

演劇室に逃げ込んだが、小春も部員。忘れていた…。結局数分間怒られた。

 

「小雨、演技指導終わりだ!!」

「涼さん、終わりましたよぉ…。」

「涼、小道具終わり…。疲れた。ハグして。」

皆さんお疲れの様子で…。一体この20分程で何があったんだ?空手で鍛えているはずの明も俺にもたれ掛かってきた。明だけでなくほかの部員達皆、凄い顔だ。ほんと何があったんだ?!

「とにかくお疲れ様。1日で終わるなんて流石だ。これ、差し入れだ。」

そう言ってさっき作ったスコーンと紅茶、ココア、コンスープ、烏龍茶を並べた。飲み物はスコーンを焼いている間に作ったもの。

「え?凄いです!ありがとうございます!」

部員達からは感激の言葉が。作ってよかった。

「涼の手作り〜。食べる、食べさせて…。」

明は部屋の隅で壁にもたれかかって死んでいる。

「ほら。」

俺はそんな明に食べさせた。

「生き返る!!」

あ、やっぱり死んでたんだな。

 

「先輩、一体何があったんでしょう?こんなに疲れるものでしょうか…?」

どうやら小春も事情を知らないようだ。

俺は近くにいた小野先輩に聞く。

「皆、そんなに疲れて何があったんですか?」

すると先輩は凄い形相に。

「お前のせいだろーが!!」

「えっ…………。」

いや、俺は何もしておりません…。




ありがとうございました!


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