君と僕のキセキの手紙   作:有栖川アリス

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こんにちは。アリスです(❁´ω`❁)Alice

投稿サボってすみませんでした。

是非最後までお付き合い下さい。



涼の舞台

『ここはオーストリア帝国。平和な国だったが王は酷い病に侵されてしまった。次に王座につくのは16歳の王子だった。この王子は天才、神童と呼ばれていたが彼は人を信じることを怖がっていた。そんな彼を変えたのは最愛の人の存在だった。』

 

舞台は段々明るくなってゆく。始まる。70分という短くて長い時間が。

 

 

「お母様、お母様!なぜなのです?私を置いていかないで…。」

王子は泣いていた。そう、俺が母をなくした時と同じように。

「ああ、私のせいだ。私が毒に気づかなかったからお母様は亡くなってしまわれた。」

そう幼い俺は自分のせいだと思うことしか出来なかった。人を責めたり疑いたくなかった。

『王子は知っていた。母を毒殺したのが自分の叔父だということを。だが人を疑いたくなかったのだ……。』

 

背景が書斎へと変わった。

『王子はそれから仕事に打ち込むようになった。ロック(明)を一番の理解者として。』

「王子、休んではいかがですが?もう2日も夜更かししていらっしゃいますよ?」

「大丈夫。ロックこそ休んでね。」

「お気遣いありがとうございます。 」

『ロックは昔から王子専属執事であり、良き理解者であった。ロックの存在があったから彼は完全に心を閉ざさずに済んでいた。』

「失礼致します。王子、クレア(静香)です。お茶をお持ちしました。」

「ああ、ありがと。」

「王子、不細工…。」

「クレア、率直すぎますよ!王子になんということを!」

「だって目の下のクマ、やばいですよ。休んで下さい!というか休め!私とロックからの幼馴染み命令ー!」

「はいはい。」

そう言って俺は渋々ベッドに入った。そして舞台は闇に包まれ、背景が桜の木に。

そしてカグミ(小春)と出会い、カグミをメイドとして迎え入れ、そのまま上手く婚約者にした。

「私は王子のことを支えたいと思ってる!」

「おぉ!頑張って下さい。私も力になりますよ。あのクソ不健康なやつを宜しくね!」

『クレアとカグミはいつしか親友となっていた。クレアは2人を応援していた。一方………。』

 

「なぜあの小娘何ですか?私は教養を受けている貴族の方が宜しいかと思います!」

「やだ!」

「やだ!じゃないですよ!!突然来たあの娘より…私の方が…王子のことを愛してます!」

おーい、明くん?そんなセリフ、台本になかったよ?

俺が軽く睨むと明はテヘッとでも言うように笑った。

「冗談は聞き流すけど、なんでカグミがダメなの?」

「それは貴方があの小娘といると素が出て野獣になるからですよ!いつもイチャイチャしてうらやま………っ見てるこっちの気にもなって下さい!」

おーい、明くん?

「知らん!見たくないなら部屋から出てけばいいじゃないか!」

「そういう問題じゃない!今すぐ破棄してください。」

『ロックがそう言うと外から聞き耳を立てていた国民が一斉に入ってきた。』

「ほら、国民たちもカグミを妻として迎えることに賛成しているようだ!」

「仕込みましたね…?」

「なんのこと?」

「はぁ、相変わらず貴方は天才です。小娘は町民たちに顔が広く、王子は貴族達に顔がお広いのでそこで全員抗議で……。分かりましたよ!カグミ様との結婚を認めます!」

すると割れんばかりの祝の声が響いた。

そして3日後に結婚式が開かれた。

「カグミに出会って私はいや、俺は変わった。お母様が亡くなられてから沈んでいた俺を助けてくれた。その明るさ、前向きさに救われた。なぜか…初めてあった気がしなかったんだよ、初めて会ったのに。俺に幸せをありがとう!」

「わ、私もです!幸せにして下さいね、私の王子様!」

『そして王様は王子に席を譲り、王子は大幅にこの国を改革していき、暮らしやすい国にした。そしてやっと20歳になり戴冠式の日がやって来た。』

 

「王からの言葉。」

ロックがそう言うと歓声が上がる。

「俺は…お母様が亡くなられてから変わった。皆が知っているように母は叔父に殺された。そしてその叔父も何者かによって殺められた。確かに叔父はにくい存在だ。でも消していい命など一つもない。俺は皆に命の大切さを理解して欲しい。だがな、死ぬということはいくら恐れていてもいつか来てしまう。死ぬということは終わりではない。亡くなった人にとっても残された人にとっても一つの節目であり、始まりなのだ。だけれども、亡くなった人を忘れようとはするな。亡くなった人はお前達の記憶の中でしか生きることができないのだ。だから…決して忘れようとするな。覚えておかなければいけない。それが私からの言葉だ。」

ああ、観客が古代ヨーロッパの服を着ている。体育館が宮殿の踊り場になっている。何も聞こえない。舞台の上の役者以外の声が聞こえない。ああ気持ちいい。もっともっと見てみたい。これよりも興奮する世界を。

俺は体育館を見渡す。父さん、明の両親、静香の母、瀬名社長、秋さん、なぜかオーナー。皆来てくれていた。

隣には小野先輩。小野先輩には最後まで迷惑をかけた。本番一週間前に大幅に台本を変更してもらった。王子の性格や人生を今の俺に近づけたのだ。その台本を部員のみんなは必死に覚えてくれた。この劇を俺は一生忘れないだろう。

ああ、視界がぼやけてきた。涙が出そうだ。だが俺のぼやけたこの視界でも1人だけ、はっきり見える人がいた。

 

君か。見ていてくれてると思ったよ。

ふふ、当たり前じゃーん!凄かったよ。

ありがとう。皆のおかげさ。

いや、演技力が上がってた

そうか?まぁもう芸能人だからな。

まだでしょ!秋さんの所の広告に出演してからでしょ!

サインいる?

いらない!だって私は貴方の幼馴染みで…その…。

俺の愛しい愛しい彼女さん だからな。

うっ、うん!

待っててな。

待ってるよ。

すぐは行かないけどね。

すぐ来たら殺す!

行かない。絶対。

じゃあ、ね!またね!

またな。

 

 

 

 

そう、さよならじゃない、またね!か。

俺は君の生きてきた軌跡をちゃんと残していくよ。これから俺に起こるであろう出来事には成功も失敗もあるだろう。その話をしたら君はきっと今と変わらない笑顔で話を聞いてくれるだろう。全て冥土の土産として持って帰ってやろう。だから待っててな。

その時まで

 

 

 

またな

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