珍しく早い投稿です。是非最後までお付き合い下さい!
「小雨、大丈夫だったか?!怪我なんて高校入って初めてじゃないか?」
教室に戻ると数学があっていて、鈴木先生が聞いてきた。
「大丈夫です。明と蒼井さんが保健室に連れていってくれたので。」
明は相変わらず耳まで真っ赤になっているのがおぶられていてもわかる。
「おいおい、中野照れんな。」
「てっ、照れてません!!」
そんなやり取りを五分程して、ようやく席についた。俺は丈夫だから大事には至らなかったが、蒼井さんみたいな人だったら骨折してただらうな。でも明、本当に部活入るのかな。あっ、そう言えば俺も部活は2年生になってから春菜と生徒会で手一杯で1度も行ってないな。今日、行ってみるか。
授業終了。今日は職員会議があるらしく、五時限目まで。俺はさっさと帰る準備をしていた。
「小雨君、一緒に帰りませんか?」
蒼井さんが声をかけてくれた。
「ごめんね。今日は部活に行くから。あと、明も今日は先に帰っててくれるかな?」
「嫌だ。俺も涼の部活行く!今日、空手ないし。」
そう、明は空手家で、全国1位の常連さん。
でも、本当に部活来るんだ。
「あっあの、図々しいと思いますが私も小雨君の部活、行きたいです…。」
はぁ。もうこの2人は…。でもなんだろう。なんか嬉しい。
「分かった。2人とも一緒に行こう。2階の演劇室であるから。」
こうして、俺は明と蒼井さんと行くことになった。
久しぶりの演劇室は懐かしい感じがして居心地がよかった。
「えっ、小雨先輩?!」
後輩が顔を真っ赤に染めながら俺を見て言った。
「えっ、なんで!ここに?生徒会活動ですか?」
そうか。この子は俺が所属していることを知らないんだ。なんて言おうか。そう悩んでいると聞き慣れていた声が聞こえた。
「小雨はこの部のプリンスだよ。2年になってから来れてなかったんだな。」
3年の小野先輩だ。
「小野先輩。お疲れ様です。すみません、なかなか来れず。」
俺は丁寧に(自分で言うのはなんだが)お辞儀をした。
「寂しかったがな。プリンス、文化祭はまだだから王子役やる?」
そっか。文化祭はまだか…。
「やってみたいです。」
俺はやれる役はやってみたい。上手いかは分からないが…。
姫役はさっきの後輩、小春だ。二年ぶりの再会がテーマ。どうしようか。やりたいものが多い!
「王子様!お会いしたかった」(春菜の方が上手いな。)
そう言って抱きついてくる。
「俺は、俺は会いたくなかったよ。」
手を振りほどく。
「どっ、どうして?!」
彼女は絶望的な表情。
「だっていつも何かある度にグチグチ泣いて、すぐ心配かけて、五月蝿くて、小さくて…。俺がいないと全然ダメだと思ったら実は俺の方がお前がいないとダメだなんてカッコ悪すぎ。好きで、好きでたまらなくなる。」
俺は少々目を潤ませる。
「わっ、ワタクシも。」
彼女は泣く。(対応力はあるな。)
俺は彼女を抱きしめ、笑顔を見せる。柔らかく、彼女のことを思っているような笑顔で。俺は王子。彼女との再会。
「もう、こういう形で会うのは辞めよう。」
「いっ、嫌です!私はずっとそばにいたいの!」
「ぷっっ。クスクス……。」
俺は思わず吹き出したかのように口に手を当てて笑う。
「お馬鹿なお姫様。誰がお前と会わないって言った?こういう形では会わないって意味だよ!」
俺は王子らしく膝をつき、彼女の手をとる。
「お姫様、私と結婚して下さいませんか?」
「はい。勿論です!」
俺は彼女の手に軽く口をつけた。
終わるとその場にいた人全員涙目だった。
「最高だよ、小雨。内容もなかなかないようなストーリーだけど、同じ内容を他の人がしても感動しないだろう。だが、小雨はベテラン俳優よりも演技力がある。声も表情もレパートリーが豊富。同じセリフもたくさんのパターンがある。流石だ。」
「流石、涼ー!いいな。俺がお姫様したかった。」
また寒気が……………。
周りを見るとまだ明と小野先輩以外は皆、固まったままだった。何故?
「俺と小野先輩は涼の演技力にまだ上があることを知ってるからだけど皆知らないからだぞ!」
心の言葉を見事、明に読まれていたか。
「小雨君、凄いです!私、入部します!」
えっ?!勢いでいいのかな。蒼井さんの発言を聞いて俺は思ったが口には出さなかった。
「じゃあ入部テストするか!小雨、相手役。ハイ、台本。」
分厚っ……。あっ、一部だけか。題名は『桃華姫』
桃華姫はその当時最も位が高かった殿と愛人の子。そのため、周りからは暗殺計画を立てられたりもしている。愛人の子だけならいいが、才色兼備で頭よし、顔よし、性格よしで色んな人に支持されていて、父にも非常に可愛がられているから継母から憎まれている。そんな周りから桃華姫を守るために、武士の子である虎之助が護衛している。そんな2人の恋愛大河ドラマ(?)だ。
俺達が演じるのは姫が襲われ、虎之助が告白してしまうところ。
「どんな姫だろう…。」
蒼井さんはぼそっと呟いた。そして台本をパラパラとめくって読むとニコっと笑い、雰囲気が変わった。春菜みたい。もう役になりきってる。蒼井さん、絶対演技力高い。俺も自分を忘れることがある。役に入りすぎてしまう。蒼井さんもそうなんだろう。面白い、本気でいってやろう。俺は虎之助。姫様に隠しきれないほどの恋心を抱き、死守する。俺は強い。剣術に自信ありで複雑な家庭にいた。孤独感を姫に消してもらっている。明るく振舞っているが実はメンタルが弱い。
そっか、虎之助は俺なんだ。春菜への強い恋心、過保護さ、体力や知力への自信、メンタルの弱さ。全部俺だ。春菜に伝えられなかった思いをぶつけてやる………。
ありがとうございました❀
どうでしたか?なんか演劇シーンが気に食わない…。
虎之助か…。名前がなーんか……。
ではコメント、高評価お願いしますm(*_ _)m