東京喰種-Criticalmind-   作:紗代

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姉妹

ラボの件から数日後。あの日カネキくんと別れてから私は撤退していく捜査官を確認した後脱出した。途中寄り道をして片腕をあげてしまったけど後悔はしていない。赫包をあげたわけじゃないし、もうピクルスや夏蜜柑の影響はなくなって全部綺麗に再生し元通りになったからだ。それに見放せなかったのもあるけど。

 

「今日は大学も休みだしバイトもないかー・・・」

 

そんなふうに暇を持て余していると携帯に電話がかかってきた。着信の表示はあんていく。あれ?今日はシフトが一切入ってなくて休みだったはずなんだけど・・・なにかあったのかな?

 

「はい、もしも『ミヅキ!今どこにいる!?』え、トーカ?どうしたの」

 

電話から聞こえたのはトーカの声だった。結構焦っているようにも感じる。

 

『実は今・・・』

 

事情を聞いた私はあんていくへと向かった。

 

*****

あんていくに着くとそこには見慣れないいや、この間会ったばかりの白黒の二人がいた。

 

「クロにシロ!!」

「「久しぶり、お姉ちゃん」」

「もう動けるようになったの?」

「「うん」」

「私は元々お姉ちゃんに治してもらったし、シロはお姉ちゃんの腕食べたから直った」

「そっか、助かったんだね・・・よかった」

 

私が二人を見て安心しているとトーカは怪訝そうにこちらを見た。

 

「この二人、あんたの知り合い?」

「ああ、ええと話すとちょっと長くなるんだけど・・・」

 

*****

捜査官がいなくなった道を歩いているとある部屋から二人分の呼吸音が聞こえてきた。しかも片方は弱々しく、そこから血の匂いがすることからおそらく戦闘で重症を負ったのだろう。

 

「クロ・・・もういいよ」

「シロ、いやだ!しっかりして!!パパにまた頼んでちゃんと直してもらうから、だから」

 

シロと呼ばれた子は袈裟斬りのような傷を負っており見るからに瀕死の重傷だがクロという子もナイフのようなクインケが数か所に刺さったままで痛々しい状態だった。

 

「クロ、うし、ろ」

「!何おまえ・・・パパの敵?なら私たちの、っ!!」

「クロ、むり、しな、で」

 

やはりクインケの刺さったままでの行動は負担が大きいようで未だに血が止まっていない。このままだと両方とも死んでしまうかもしれない。私も傷が癒えていない今危険な状態なのかもしれないが、目の前で救えるかもしれない現場に居合わせたのに手を差し伸べないという選択肢はなかった。

私は自分の片腕を切り落としシロと呼ばれていた子に与えた。

 

「食べなさい。そのぐらい食べれば大抵の傷は治せるでしょう?」

「・・・え?」

「いい、の?」

「いいのよ。それに毒なんて仕込んでないから安心して。それとも食べにくいなら細切れのほうがいい?」

「・・・ううん。食べる」

「シロ!?」

「クロ、だいじょうぶ。このひと・・・嘘言ってるように、みえ、ない」

「・・・・・・」

 

シロが私の腕を食べるなか、私はクロの方を向いた。

 

「次はあなたね。一応聞くけどRc抑制剤とか摂取してない?」

「・・・してない。何するつもり?」

「私の赫子で傷を塞いで治療しようと思って。ただ抑制剤が使われてると効き目が薄くなるから聞いておかないといけないんだ。治療するのが嫌なら別に無理して受けろとは言わないけど、今捜査官が出てったばっかりだから治療した方がいいと思うけど・・・どうする?」

「・・・分かった、受ける」

「了解」

 

クロの処置が終わるころにはシロも私の腕を食べ終わっており、傷は塞がり顔色も良くなっていた。

 

「ねえ、なんでこんなことするの?」

「放っておけなくて。まあ、勝手な同族意識だから気にしないで」

「・・・思い出した。シロ、この人氷室美月だよ。私たちのお姉ちゃん」

「お姉ちゃん・・・まあ、それでいいよ。・・・あ、そうそう。食べるのに困ったらお金を持って20区の「あんていく」っていう喫茶店に行ってごらん。じゃあ、私はこれで。」

「「・・・・・・」」

 

二人の視線を感じながらその場を後にした。

 

*****

「だから今日は言われた通りにあんていくにきた」

「そしたらここでお姉ちゃんが働いてるって聞いたから、お礼、言っておきたくて」

「お姉ちゃんがいなかったら、きっとシロ・・・奈白は死んでたから。私たちを助けてくれてありがとう」

 

この子たち、思ってたより素直な子たちだ。そういえばクロの言っていたパパはひょっとすると嘉納教授なんじゃ・・・

 

「・・・失礼を承知で聞くんだけど、あなたたちの言う「パパ」って嘉納教授のことよね?あの人は?」

「最初は頼った。他にあてもなかったし・・・でもアイツは碌に奈白に治療もしないまま私たちを置いていったから、その後のことなんて知らない」

「そっか、じゃあ二人は今どこで生活してるの?」

「野宿」

「そこらへんの廃屋とか」

「・・・・・・私の隣部屋、空いてるからそこに入居しなさい」

 

私が苦言を呈すように言うとニシキ先輩が反応した。

 

「あれ、でもおまえの住んでるとこって敷金礼金も結構高めだって聞いたけど」

「うちの親、弟に甘いから東京に遊びに来て終電が間に合わなかったときのために私の隣部屋買ったんですよ。て言っても一度も終電逃したことないから全く使われてないんですけど」

「・・・おまえんち何気に金持ち?」

「いやどうなんでしょうね。私、基本的に一人暮らしで自炊してましたし。お金振り込まれてるみたいだけど私の口座あんまり見てないんで分かりません」

「・・・あっそ」

 

私の事情を何となく察したのか先輩は口をつぐんだ。

 

「で、二人とも・・・ウチくる?」

「「行く!!」」

 

こうして、この日私に新しい妹ができた。なお、そのうち彼女らもあんていくに馴染み、メンバー(と言っても一部の捜査官に顔が割れているためヨモさんと同じく裏方だが)に加わることになる。

 

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