ブラック・クローバー 黄昏の姫君と呼ばれた者   作:ぬっく~

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第1話

「どうしてこうなったんだっけ?」

 

ただその一言だけが、頭の中に浮かび上がる。

気付いた瞬間、私の目の前には一つ椅子が置かれた場所に立って居たのだから。椅子の以外には何もなく、スポットライトに当てられた木の椅子だけ。

 

「ん~。思い出せない……」

 

それまでの記憶に何か霧がかかったような感じで、思い出すことが出来ない。

取り敢えず私は椅子に座る事にした。そうすればいけない気がしたからだ。

 

『それでは、審査を始めます』

 

「!!?」

 

椅子に座るなり、頭の中に声が響く。

その声は機械じみた感情のない声で、私は一瞬だけど驚いた。

 

『予めに申告しておきます。貴女は死にました』

 

死んだ? 私が?

いやいやいや。冗談よね?

 

『信じられないと思うのは仕方ないことかも知れませんが、こればかりは事実です』

 

マジっすか!

改めて死んだと思うとなんかピンとこないんですが、まあ仕方ないですね。

そりゃそうよ。死後の世界なんて、こんな椅子だけの世界なんて誰が思いますか?

私すら予想外ですよ。

 

『貴女の生前の功績に合わせて、転生特典を決めることができます』

 

お~。まさか、ラノベとかである転生を体験できるとわ。

実のところ、私は転生系のラノベは好きです。

 

『集計の結果……転生特典は一つのみです』

 

なっ!? 一つですって!?

予想外の結果に私は落胆する。転生特典と言ったら三つがお約束でしょうがぁ!!

 

『それが貴女の生前の功績の結果です』

 

うー。生前の私は何をやっていたのよ。目の前にいたならぶん殴りたいわ。

まあ、過ぎた物がどうしようがないし、しょうがないわね。

 

『では、転生特典を決めて下さい』

 

あっ。その前に質問いいすか?

これは、ちゃんと聞かないと絶望するかもしれない、私が。

 

『どうぞ』

 

転生先はどこですか?

そう。転生先を聞いておかないと、魔法が使える特典をもらっても、転生先に魔法が使えない世界だったら役に立たない。その上、私の転生特典は一つしかない。貴重な選択だ。

 

『禁則事項です』

 

むっ! 教えてくれないとは……なら、この質問なら。

その世界では魔法は存在する?

 

『存在します』

 

よっし!

なら……この特典でしょ!!

 

『その特典でよろしいでしょうか?』

 

OKよ。むしろこの特典が何故か私にピッタリな気がするのよね。解らないけど。

 

『登録完了。では、第二の人生に祝福がありますように』

 

その言葉と同時に私の目の前に扉が出現した。

私はその扉のドアノブに手をかける。

 

「では、行ってきます」

 

扉を開くと、強い光が私を飲み込んだ。

 

 

 

 

「うっ……」

 

私は扉を開い時に強い光を浴びた為、一瞬だが目を瞑った。

そして、ゆっくりと目を開くと何処かの路地に立っていた。目の前にはその出口、後ろは先の見えない路地が続いている。

 

「あっち側はだね」

 

人通りの多い方に歩き出そうとした時、違和感を感じた。

一歩が短い。改めて自分の身体に触れる。

 

「…………」

 

私は少し、悩んだ。

身体が子供になっていたのだ。年齢からして小学生ぐらい。

 

「どうにかなるよね……?」

 

服も少しボロく、スラムの子供に近い格好だった。

色々と問題あるが、今考えた所でどうすることは出来ない。

今はこの世界がどんな所なのか知る必要がある。

私は路地を出て、その光景を目に焼き付けた。

 

「中世……?」

 

街並みは中世に近く、遠くには城が見える。

結構多きな街に私はいたようだ。所々で魔法を使っているところを目にする。しかもその魔法を使う者たちはある物を必ず所持していた。

 

(この世界は魔導書が必要なのね)

 

浮かぶ本が必ず見え、私は少しがっかりする。

確かに魔法は存在する。しかし、私は予想していた物とは少し違っていた。

 

(特典が殆ど役に立たないじゃない!!)

 

はぁー。今更替えることは出来ないし、仕方ないよね。

私が選んだ特典はこの世界では特に珍しい物である。

使える日が来るのか、それが少し心配になって来きた。

 

「ん?」

 

何だか騒がしくなっていることに出て来てしまったらしい。

人が一方方向に走っているので、私もついていくことにした。

 

「わっはっはっはっは」

 

一言で言えば人の山が出来ていた。

しかも、土下座する男が三人とその山のてっぺんにたばこを吹かす男がいたのだ。

 

 

 

 

どこぞのヤンキーですか、あの人は。

私が最初に思いついた言葉はそれだった。いや、そうでしょう。

 

「しかもあの人って……」

 

ようやく……とう言うよりも少し前に分かっていた。

ここが……ブラック・クローバーの世界だと。

目の前にいる男は、『黒の暴牛』の団長。ヤミ・スケヒロ本人だった。

 

「これは、少し期待してもいいかも知れない……」

 

私がもらった特典が姿を現すのはこの六年後だった。

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