こんなにも投稿が遅れたことの言い訳は、活動報告にて書いていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
では、どうぞ。
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意識が浮上する。なんか凄く長い夢を見ていたようだ。そして、目を開いた。
まず、目についたのは少々メカメカしい天井。何処だ?ここ。
「やあ、おはよう」
「ひゃあっ!」
いきなり
「そんな反応されると、束さん傷ついちゃうなぁ~」
「えっと・・・すみません?」
なんかよく分からないけど、取り合えず謝っておく。そうすれば大体人間関係は上手くいく。まあ、『IS』の主人公がいってたことだけどね。
・・・・・・あれ?
「あの・・・」
「ん~?何だい?」
「貴女の名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
もし私が考えた通りだったらもしかして・・・・・・
「いいよ~。私はね『篠ノ之束』。只今絶賛世界から追われている、超天災科学者だよっ!気軽に『束ちゃん』って呼んでねっ!『たーちゃん』でも可!」
(やっぱりここ『IS』世界かいっ。しかも、最初の原作キャラとの邂逅が天災だとは・・・・・・・・・)
そうだとすると、1つだけ腑に落ちないことがある。それは・・・。
「何で私を助けたんですか?噂では貴女―――「束ちゃん!」―――束さんは相当人嫌いと聞いたのですが・・・」
そう言いつつ、失礼に当たらないように私は寝ている状態から身体を起こす。
たゆんっ!
(へ?)
なんか変な感覚があったので、下を見てみる。・・・・・・・・・うん。なんか幻覚を見たみたいだ。もう一度見てみようか。・・・・・・・・・何で私に ample breasts があるの?ま、まさか、ね?
「・・・それともうひとつ。私、束さんから見てどういう風に見えてますか?」
束さんはこう答えた。
「まあ、二つ目の質問から答えるとね、君はボブカットで大きめの胸をした14~15才くらいの女の子だね」
やっぱり私、転生&TSしてたのか。だけど、転生先無指定&親無し、というかなりハードなパターンだね。というか、さっきまで変な夢見たし。・・・ん?『変な夢』?
ここで『変な夢』の存在を思い出した。取り合えずその夢の内容を思い出してみる。
[しばらく浄土ヶ浜の風景をお楽しみください]
〈BGMは某Xなファイルのオープニングの曲で〉
(え~。軍艦に憑依してその軍艦の一生を体験する夢?というか、そっちの方が転生物ぽかったんだけど)
そういえば、軍艦で思い出したんだけど、ゴールデンウィークで帰っていた先輩が『艦これはいいぞ、最高だ』って言って何人かの艦娘?のイラストを見せてくれたなぁ。確か・・・・・・。
『時雨』
『夕立』
『夕張』
『榛名』
『満潮』
『最上』
『扶桑』
そして、私が少しかわいいと思ったのが・・・。
(『山城』、か)
何故かって?なんか影のあるキャラっぽくて私と似てたから、かな?
「そして、君のひとつ目の質問について。確かに、私は人は嫌いだった。
だけどね、去年まで私を秘密裏に匿ってくれたある夫妻が、『どんな人でも支えあって生きているし、君も誰かに支えられているんだよ。それを蔑ろにしてしまうと、人は生きていけない』って教えてくれた。
だから今では、ある程度は人を認識出来るようになったんだ。だけど、その夫妻は突然の事故でこの世を去った。丁度君くらいの年の娘さんを遺して、ね。
だから、天国で見守ってるその夫妻が私にしてくれたように君を助けた。
それに、女の子が[ピー]される寸前で逃げて来て倒れてたんだから、それを大人が助けるのは当然だよ。同じ女性としてね」
(へ?何で[ピー]された事になってるの?私)
そう思って身体を改めてまじまじと見てみる。・・・・・・・・・嘘やん。こんな格好で倒れてたんか。これだったら[ピー]される前後か[フャー]にしか見えないじゃん。
というか、今着ているYシャツ、前世の高校のやつだし(何故分かったのかというと、Yシャツの胸ポケットに学校の校章のアイロンプリントするのが校則だったから)、血まみれだし。
「とりあえず、助けていただいてありがとうございます。それで、鏡とかありますか?髪の毛を整えたいので」
半分は嘘。実際には私の今の顔を見るためだ。だって、今の自分の顔を知らないとまずいじゃん?
「鏡?手鏡でいいのなら、はい」
そういって束さんは私に直径十五センチは確実にある手鏡をエプロンドレスのポケットから取り出して渡してきた。―――どうやって入れたのだろうか?どう頑張っても入りそうもないのに。
「ありがとうございます」
私はそれを受け取って、自分の顔を見てみた。さてさてどうなっ―――――うわぁ。
(どうして『艦これ』の『山城』の顔になってるのさ)
そして、(何となく、かつそれっぽく見えるように)髪を整えていると、束さんがこう聞いてきた。
「そう言えば、君の名前聞いてなかったね」
あ~そうだった。前世の名前、見事に男子の名前だから、その状態で言っちゃうと変だしなー、どうしよ。あ、そうだ。
「・・・・・・咲」
「束さんに聞こえないよ~」
「『
「そっか―。じゃあ『さーちゃん』だね」
「えっと、はい。それで、一つお願いなんですが、私実は根無し草で、その・・・・・・ここに置いといてくれませんか?もちろん何でもしますから」
「んー。いいよ。それと、今何でもするって言ったよね?」
「ええ、言いました。なにか問題がありましたか?」
「ううん。それじゃあ、これからよろしくね」
そう言うと束さんは右手を差し出した。
「ええ。よろしくお願いします」
そう言って私は差し出された右手を握り返す。所謂握手である。
「ん~。でもさ、こういう風になるんだったらさ、『束さん』なんて他人行儀な呼び方はなんか違うような……。あ、そうだ。さーちゃん。今から私のこと『ママ』って呼んで」
「え?」
(いや、なんでそんな結論にたどり着くのさ。おかしいでしょ)
「早く早く」
「………お、『お義母さん』」
「なんかニュアンスが違う気がするけど、まあいっか。じゃあ、改めてよろしくね」
「はい……」
こうして、なんだかんだで桑沢幸輝こと、私『
「服、下さい。寒いです」
そう、服がないのだ。肌を刺す感覚からすると、おそらく冬くらいかな。めっちゃ寒い。
「あーそうだね。ぱっと見だと私が失踪した時の服のサイズとほぼ一緒みたいだし、ちょっと持ってくるね。服のデザインは期待しないで」
「私が借りるので文句は挟めませんよ」
「ありがとね。じゃあ持ってくるよ」
そういって束さんは私がいる部屋から出ていく。さて、これからどうなるのかな?
咲sideout
束side
(しっかし、不思議な娘だったな。あの娘)
私はあの娘のこと―――『三条 咲』のことだ―――について考えていながら、私の部屋で私の失踪当時の服を探していた。
あの娘について私が片手間であの娘と話しているのと同時に電子の海で検索をかけてみた。その結果―――
(戸籍謄本にもマイナンバーカードのデータにも名前と写真の両方ではヒットは無し。最悪記憶喪失の可能性も考えて写真だけで検索をかけてみたら―――)
ヒットはした。ヒットはしたのだが………。
(なんで
ただ、違うところは、その被害者の髪は長かった。だけど、さーちゃんの髪はボブであることからわかるように、短い。ただ、髪の長さくらいだったらいくらでも弄れる。だけど、その被害者イコールさーちゃん、だったら、なぜ数十年前の死者が今、私の目の前で倒れていたのか、ということが解決できない。
まあ、こんなに長く述懐してきたが、とどのつまり……
(訳わかんないんだよね~、さーちゃんについて)
ま、どうせしばらくはさーちゃんと一緒に暮らすんだからいつかはそういうのはわかるんだろうなあ。
「そうだよね、
私は、部屋の壁に置いてある漆黒のISに語り掛けた。当然、ISは何も答えてくれない。
「あ~、ようやく見つかった~。さーてと、さーちゃんに届けよ~っと」
そうして、私は見つかった服を持ってさーちゃんがいる寝室へと向かった。
【さてね。今は何も言えないわ。ただ、
束sideout
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