魔法先生ネギま 雨と葱   作:朝来終夜

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 全国のロリコン共よ。喜べ、お前達の大好物である(一応)合法ロリだ。
(だって身体作り物だし)


第30話 After Story アスナの冒険Vol.1-1

「ふにゅぁ……ん」

 部屋の端に鎮座しているベッドの上、そこに寝ている少女が目を覚ました。

 彼女の名前はアスナ、アスナ・ウェスペリーナ・テオタナシア・エンテオフュシアという長ったらしい本名があるが、現在は別の家名を名乗っている。

 さて、貴君達にはお気付きのことと思うが、彼女と神楽坂明日菜は同一人物である。ラカンと同様に義体の身体を用意し、明日菜が131年眠っている間に出てきた本来の人格であるアスナを『どうにかして自由にしてあげたい』という、内容はともかく発言がアホな願いの元、実行可能な馬鹿共が揃っている為に分離、今は別人として生活するに至ったのだ。

(分離の際、明日菜がアホみたいな痛みに襲われたのは余談である。だって術式少し失敗していたし)

「んしょ……んしょ……」

 寝間着から着替え、アスナは近くの棚からぬいぐるみを一つ選び取る。

「今日はミミッキュにしよう」

 欠伸を漏らしながら、ぬいぐるみを片手に部屋を辞した。

 出て行ったアスナの背中を、無数のポケモンのぬいぐるみが見つめていた。それこそ常人が発狂するレベルで。実際その部屋にはポケモン関連しかないどころか、普段着ですらポケットモンスターのロゴが並んでいるのがほとんどだ。

 机の上に乗っている三枚の写真立て、『家族』との写真や明日菜とのツーショット、そして家族(・・)の意味を教えてくれた『恩人達』との写真だけが、唯一ポケモンとは関係のない品であった。写真立てはポケモングッズだったが。

 

 

 

「しずな~おはよう……」

「おはよう、アスナちゃん」

 人妻となりながらも、未だに若々しく見える女教師、旧姓源しずなが、朝食の載った皿をテーブルの上に並べていく。その間にアスナも席に着き、ミミッキュのぬいぐるみを隣の席に座らせた。

「タカミチは?」

「今日も朝から呼び出しよ」

 二人分の朝食が並び、それぞれ手を合わせてから食事に移る。

「スモーキー君みたいに転生、したみたいな人達が他にもいたなんてね」

「まあ、いてもおかしくはない……」

 フォークでぶっさしたプチトマトを頬張るアスナ。ムグムグと口を動かしてからゆっくりと嚥下(えんげ)した。

「……でも三日位見ていない気がする」

「夜遅くには帰って来ているわよ。もう少ししたら落ち着くから、アスナちゃんのお休み中に、皆で何処か遊びに行きましょう」

「ポケモンセンターがいい」

 食事を終え、二人並んで食器を洗い場に置いてから、アスナは椅子の上に置いたぬいぐるみを手に取った。

「今日はこれから仕事だけど、アスナちゃんはどうするの?」

「エヴァンジェリンの家に行く」

 お昼に、と手渡されたお弁当を愛用のリュックに仕舞い、アスナは着々と出掛ける準備を整えて行った。

「今思い出したけど、エヴァンジェリンも最近見ていない。ポケモンスタジアムをやりに行く」

「そう、ゲームはほどほどにね」

 出勤準備を終えたしずなと手を繋ぎ、反対の手にミミッキュのぬいぐるみを携えたアスナは、途中迄一緒に麻帆良学園都市の中を歩いた。

 ちなみに気付いただろうか、明日菜のリュックがアニメ、ポケットモンスターの主人公、サトシ君が持つリュックと同系だということを。しかも初期。

 

 

 

「さて……」

 日差しが照り付ける中、アスナは小休止を繰り返しながら学園都市を歩いていた。出掛ける前にしずなに被らされた幅広の麦藁帽子を弄りつつ、歩き慣れた道程(みちのり)をしっかりと歩いていく。

「あつい……」

 顔色を僅かに歪めただけだが、アスナは夏の暑さに辟易していた。

「あれ、アスナ?」

 そんな時だった。後ろから声を掛けられたのは。

「……千雨?」

「お前何やってんだよ。こんなところで」

 サマースーツを着た千雨は、後ろに連れを従えてアスナの傍に寄って行った。

「え、この子誰?」

「ん、お前知らないのか?」

「いやいや、『原作』にはいたけど、明日菜の過去情景と心象風景内だけで、同一人物今イギリスじゃん」

「正確には今頃魔法世界向かう為に、ウェールズ辺りに移動中だと思うぞ」

 そう話しながら千雨の陰から出てきたこなたは、しゃがんでアスナと目線を合わせる。

「はじめまして、私は泉こな「ちっちゃいな」――……お願い言わないで」

 アスナの正直な感想にへこみながらも、こなたは気を取り直して自己紹介をやり直した。

「はじめまして、泉こなたです。こなたでもこなたお姉ちゃんでもいいから、気楽に呼んでね」

「……チビ「やめて」――千雨~こなたってユーモアが分かってない」

「いや、お前の方が分かんねえよ」

 千雨は明日菜にツッコミながら、こなたに事情を説明した。

「簡単に言うと、神楽坂からこいつを別人格として取り出したんだよ。それで今は高畑先生のところで『高畑アスナ』として生きているんだ」

「ほへぇ~そんな展開知らなかったな~……やっぱりこれが現実か」

 感心しながら眺めてくるこなたに一度首を傾げてから、アスナはポン、と掌を叩いた。

「……スモーキーと同じ転生者?」

「今は『転移者』って統一して呼んでる。というか、あいつが転移者だったって昨日初めて知ったんだが」

「私もびっくりだよ。しかも本人そのものとか、誰得だよ。私得だよ。速攻サイン貰ったよ」

 とまあ、内容はともかくとりとめもない雑談を繰り広げながら、三人は並んで街道を歩き出した。

「そう言えばアスナちゃん、これからどこ行くつもりだったの?」

「エヴァンジェリンの家」

「じゃあ一緒に行こうぜ。丁度行くところだったし」

 そう話す千雨を、アスナは不思議そうに見上げている。

「いや、あいつも一応当事者なんだがこの間から一切顔を出さなくてな。調書は終わったから別にいいんだが、ちょっと様子を見てきてくれって高畑先生に頼まれたんだよ」

「私は事情聴取受けたついでに寄り道。エヴァにゃんともお話ししたいしね~」

「ふ~ん……タカミチ生きてた?」

「やつれてはいたが、一応生きてるよ。報復受けて未だに便器に腰掛けているけど」

 彼は内心侮っていた。自分の他に、あの(・・)拉麺を再現できる人間がいると考えていなかった為に、悲劇が起きたのだ。

「……犯人って、あれ?」

「ん? ……あれ、親父(ナギ)さんとおっさん?」

 アスナが指差した方を見てみると、丁度前をナギとラカンが歩いていた。話し声で気付いたのか、立ち止まってこちらを向いてくる。

「あれ、アスナ? 千雨ちゃん達もどうしたの?」

「大方、目的地は一緒じゃね?」

 そう口にするラカンに、千雨は首肯した。

 聴取の時にナギ達とも会っていたので、こなたも前に出て軽く挨拶をする。

「てことはナギさん達もエヴァにゃん家に?」

「ああ、ここんとこ見てないから散歩がてら様子見にな」

 大所帯となったアスナ一行はそのままエヴァンジェリンの家へと向かう。アスナを先頭に、二人一組で並んで街道を闊歩していた。

「そう言えば茶々丸ちゃんだっけ? あの娘がいるからずっと家にいるとかは?」

「それはないですよ。一日遅れでネギ先生達を追っかけて行きましたから」

「じゃあますます怪しいな。用事でもないと二日と空けずにナギの家に押しかけているのに」

「エヴァにゃんが出掛けてるとかは?」

「それはないと思う」

 そう断言するアスナに、全員が注目する。彼女が指差す先にはエヴァンジェリンの住むログハウスがあり、丁度そこに男性が一人、向かっていたからだ。

 普段なら不審者なのだろうが、違うと分かる理由が二つある。

 一つ、その男はピザの箱を持っていた。

 二つ、彼はアスナの知り合いだった。

「シオン。何しているの?」

「……あれ、アスナ?」

 シオン、とアスナに呼ばれた男は立ち止まり、後ろに控えている大所帯に少し引きながらも、ピザを片手にしゃがみ込んだ。

「この先の家に配達があってな。今日は休みなんだが、出掛けるついでに引き受けてきた」

「んだよ……ピザ位、俺作るのに」

「だから料理凝り過ぎだって、お前」

 ナギの頭を軽く小突きながら、ラカンは一歩前に出た。

「つーかタカミチの世界珍味麺初期型再現できるとか、どんだけやり込んでんだようめぇ」

「おいおっさん、何食ってんだよ!!」

 シオンに怒鳴られながらも、ラカンは彼の持つ箱から抜いた中身のピザを一切れ、口に含みながら歩いて行った。

「悪い、私がとりなすから勘弁してやってくれうめぇ」

「ごめん、関係ないけどあとでサイン頂戴。にしてもピザ美味しいね」

「お前も食ってんじゃねえよ長谷川!! あとこの子誰!?」

 しかしシオンの叫びも虚しく、千雨とこなたもピザを片手にラカンの後を追いかけていく。

「アスナや千雨ちゃんと知り合いなの?」

「アスナはスモーキーを通じて、長谷川は商売上世話になっててな。……そしてあんたも食うんだな」

「いや結構いけるよこれ。他の料理の材料の残り、具にしてるでしょ?」

「『無名街メモリアルピザ』だ。材料はともかく味は保証する。というか食っただけで分かるのかよ……」

「具の部位と切り方でなんとなく」

 最早言葉もなく、八等分されてたピザの半数がなくなった箱を片手にシオンはアスナと並んで最後尾を歩いている。

「アスナ……お前だけだよ。まともなのは」

「だってお弁当食べられなくなるし」

「……この街の人間は自由過ぎないか?」

 頭痛を抱えながらも、残りのピザを落とすことなく運んだシオンは、最後にエヴァンジェリンの家に辿り着いた。

「ペロ……というか、あいつ居るのか?」

「ピザ注文したからいるとは思うが……」

 食べきって指を舐めるラカンの隣に立ち、郵便受けを見たナギは難色を顔に浮かべる。郵便受けには新聞の束が幾つか突き刺さり、抜かれることなく放置されていた。

「二、三日分。茶々丸が出てってからそのままだな、こりゃ」

「おい、まさか悪戯じゃないだろうな?」

「ないと思うよ。エアコンの室外機動いているし」

 こなたが指差した方を見る限り、確かに備え付けの室外機は動いている。つまり電源を切り忘れていない限りは、家主は滞在しているということだ。

「てことは中か……って!?」

 手に残っていたピザを飲み込んでから、千雨はエヴァンジェリンの家に立つ。ノックしようとしたが、別の気配に敏感に反応してしまう。扉の隙間から、異臭が立ち込めているのだ。

「何だこの臭い、エヴァ開けるぞ!?」

 茶々丸から預かっていた鍵を差し込んで錠を外し、千雨は半ばブチ破る勢いで扉を開けた。

「一体どうし――なんだこれは!?」

 千雨の叫びに残りの面々も駆けこんで家の中を覗き込む。そこは食い散らかされた菓子の袋とジュースの缶が転がり、腐臭や小バエの巣窟と化したゴミ屋敷だった。

「……ん、千雨ではないか。どうし「たじゃねえよ馬鹿野郎!!」――ぼほっ!?」

 そして、ゴミの中心に寝転がり、全裸でレトロゲームをやり込んでいるエヴァンジェリンがいた。その本人は千雨に蹴飛ばされていたが。

「いいから服着て来い!! あと野郎共は入るなっ!!」

「大丈夫、もう撤収させたから」

 先頭を切っていたこなたが千雨と同様に事情を察知し、続けて入ろうとする男性陣を追い返していた。

「……ドラクエⅣだ」

「ポケモンスタジアムと一緒に売っていてな。ずっとやり込んでいたんだ」

「さっ、さと行けっ!!」

 アスナの発言に答えるエヴァンジェリンを家の奥に再度蹴飛ばす千雨。そんな三人を背に、こなたは男性陣が並ぶ玄関先に一緒に座り込んだ。

「という訳で、男性陣は暫く待機で」

「ハア、俺も食おう」

 何かを悟ったのだろう、シオンもピザを一切れ口に含み始めていた。

「……うめぇ」

 

 

 

 




 この人望のなさ、流石は読者の敵だなハッハッハ……ハァ
(投稿した段階でも未だにアンケゼロとか……もうこの小説やめようかな? 風邪で咳しすぎたから喉も肺も痛いし……)
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