魔法先生ネギま 雨と葱   作:朝来終夜

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注)矢印はうろ覚えなので、ツッコミは無しでお願いします。後、別に原作者を貶す目的で書いているわけではありませんので悪しからず。


第33話 After Story アスナの冒険Vol.1-4

「よっと!」

「ほう、やるな……」

 小高い丘の上、そこにある遺跡の前で千雨達は遅めの昼食を摂った。

 その後腹ごなしに千雨の持つシースナイフを用いてダーツ擬きをしながら、これからの予定を組み立てていく。

 こなたの投擲にエヴァンジェリンが腕を組んで感心している横で、千雨は時間を確認してからナイフを握る。

「関東魔法協会の定時は17時。トラブルがなければ大体3,4時間位で様子を見に来る筈だ、っと」

 千雨が放ったナイフはこなたが先に投げたものから3㎝程ずれて立てかけた倒木に刺さった。事前に刻み込んだ円の中心からも3㎝ずれているということになる。

「アスナ、今のところ問題は?」

「ない。平気」

「じゃあそろそろ入るか。大分腹もこなれてきたしな。ほっ!」

 弁当を片付けていたナギはナイフを受け取り様に放ち、こなたが投げたものに掠りながら的を貫く。

「よし、腕は落ちてないな」

「いやすごいねナギさん」

 感心するこなたの横で、千雨はナギ達の投げ方と自分のを想像しながら比較している。

持ち手で構える(ハンドルグリップ)じゃなくて刃を挟んで構える(ブレードグリップの)方がいいのかな……」

「言っておくが、素人が直刃を回転させて投げてもまともに当たらんぞ。手裏剣でも投げた方がよっぽどいい」

 エヴァンジェリンの助言(ヤジ)に千雨は思考を絶ち、ナイフを手首に仕舞い始めた。

「おっさん、仕掛けってこれじゃねえの?」

「おおこれだこれだ」

 先に遺跡の入り口を調べていたラカンとシオンは、同封されていた地図の注意書きを読みながら、遺跡に施された仕掛けを探し当ててから千雨達を呼び集めた。

「見つけたのか?」

「まあな。これから動かしてみるつもりだ」

 シオンが地図を眺めながらラカンに指示を出し、仕掛けを動かすつもりなのだろう。

 突き出された棒状の物体、レバーを掴むラカン。その握りの先には溝があり、上か下にしか動かせないようにされている。

「地図の横に矢印があるそれを動かせばいいんだろうが……」

「どうかしたの?」

 とてとて、とナギの傍にいたアスナが近寄り、しゃがんでいるシオンの持っている地図を覗き込んだ。

「ここ見ろ、ちょっと破れてるんだ。乱暴に開けた時にひっかけたんだろう」

 ゴン!

「殴るなと「分からないのか?」――おい無視するな千雨っ!!」

「一つだけ、な」

 エヴァンジェリンの泣き言を聞き流した千雨は拳を下ろしながら、シオンに問いかける。しかし回答自体はあまり悲観する程でもなかった。

 裂けただけならばまだ復元できたのだろうが、削れている以上模索するしかない。幸いにも選択肢は上下のみで分からないのは一つだけ。おまけに回答の当て(・・)もあるのだ。

「こなた、お前さっきここまでの道程が似てる話がある、って言ってたよな?」

「言ったよ。それの順番もうろ覚えだけど一応……『↑、↓、↑、↑、↑、↓』が回答じゃないかな?」

 そうこなたが答えると、シオンは地図に書かれた順番を確認していく。

「分からない五番目以外は合っている……」

「もし同じならそれが正解だな……ちなみに間違えたらどうなる?」

 ふと疑問に思う千雨に、こなたはあっけらかんと答えた。

「小学校が吹っ飛んだよ」

「……学園都市崩壊の引き金じゃないだろうな、これ?」

「まあ、やってみるしかねえだろ」

 千雨が疑わしげな眼を遺跡に向ける中、ラカンはこなたの指示通りにレバーを動かした。

 

 

 

 

 

「ところでキョロ君、果たして私達は付き合っているのだろうか?」

「どうなんでしょうね~」

 所変わって喫茶店『Imagine Breaker』。ただし店内は閑散としており、テーブル席で話す男女二人組を除けば、カウンター席を挟んで男二人がいるだけである。

「しっかし……」

「どうかしたのかい、上条君」

 ちなみにその二人は周囲に認識阻害の幻覚魔法を掛け、周囲には雑談に聞こえる様にして話していた。

「いや、監視が付くとは聞いていたんですけど、まさか普通にお客さんとして来るとは思わなかったもので」

「ははは……まあ、こっちもあまり目立たせたくないってのもあるからね」

 そう答えながら、本日の監視役として来ていた魔法教師の瀬流彦は注文したエスプレッソを(すす)る。

 現状、上条達の喫茶店『Imagine Breaker』に対しての監視は、比較的緩いものだった。

 営業中は客として誰かしらが店内におり、閉店した後も麻帆良学園都市の警備の一環で周囲を警邏(パトロール)する程度。あまり上条達のプライベートには踏み込んでいなかったのだ。

「特に敵対し合う理由もないし、今はこんな感じでいいんじゃないかな?」

「そうっすね……こっちも喧嘩売りに麻帆良に来たわけじゃないんで、そこらへんは助かってます」

 ついでに持ってきていた事務仕事も片付いたのか、広げていた書類を鞄に仕舞うと、瀬流彦はおもむろに上条に向き直った。

「ところで聞きたいことがあるんだけど「瀬流彦先生の結婚相手どころか、実力を見せる描写もなかったっすよ」――……学園長のお見合い話に乗るかな、もう」

 そう、交代で来る面々は空気を変えると何故か、原作話を聞きたがるのだ。おそらく一種の占い的な扱いなのだろうが、それでも不安要素があると、それに関して必ず何かしら聞いてくるのだ。

 若干飽き飽きしていた上条だが、ふと瀬流彦のことで聞きたいことがあったことに気付き、逆に質問を投げかけることにした。

「そう言えば、ネギ先生達が京都に修学旅行に行った時なんですけど……」

「……ん、なんだい?」

 未だに独身な為若干落ち込んでいた瀬流彦は、上条に話しかけられたので思考を強引に切り替えていく

「ネギ先生には『許可の下りた魔法教師は一人だけ』的なことを学園長が言ってた気がするんですけど……あれ、やっぱり嘘だったんですか?」

「ああ、その件は微妙だね……」

 背もたれに体重を掛けながら、瀬流彦は腕を組んでから口を開いた。

「ネギ君への試練も兼ねて『表向き』はそうなっていただけで、一応裏では向こうの長に話は通ってたんだよ。そもそも魔法生徒が複数いるから、教師の数だけ言ってもしょうがないんだけどね」

「ぶっちゃけましたね~それ聞いたら当時の呪術協会の人達、怒るんじゃないですか?」

「ははは、だから内緒で――」

 

 

 

 ――ちゅどぉぉぉぉ……ん

 

 

 

「――って!?」

「店の外かっ!?」

 店内に危険がないことを確認した二人は、テーブル席にいた男女客に動かない様に指示し、並んで店の外へと出た。

「一体何が……」

「ちょっと待ってくれ、電話だ……はい、瀬流彦です」

『大変ですよ、瀬流彦先生!!』

 電話してきたのは同僚の魔法教師である弐集院だった。異変が起きた方を見つめながら、電話越しに状況を耳にし、脳内で記録をつけていく。

 

 

 

『学園長が新しく建てた離れの茶室が地下水で吹き飛ばされたんですよ!!』

 

 

 

 そして、さっさと脳内書記の手を停めた。

「……確か、周囲に民家はなかった筈ですよね」

『ええ、恐らく何かの天罰かと思うのですが、詳細が分からなくて……』

「分かりました。一先ず現場に向かいます」

 電話を切る瀬流彦に、上条が恐る恐る話し掛ける。

「あの、さっき『天罰』って聞こえてきたんですけど、どういうことですか?」

「実は……」

 財布を取り出し、千円札を上条に手渡しながら瀬流彦は話を続けた。

「吹き飛ばされた茶室は、表向きは茶道部の部室の一つなんだけど、後で学園長の趣味で作った代物だと分かったんだ。本人は『自費で立てて茶道部に寄付した』と言い張っているが、裏の経費じゃないかと今経理課と揉めているんだよ」

「学園長……」

「おまけに今迄『エヴァンジェリンに脅されて仕方なく』経費を落としていた諸々の中に学園長の私欲で行われていたものが混じっていたから、偶に本人(エヴァンジェリン)を招集しての裁判沙汰になりかけて大変なんだ」

(……もしかして自作自演(マッチポンプ)?)

 店に取って返した瀬流彦は荷物を片手に、脳内で疑問を浮かべた上条に背を向けた。

「ちょっと行ってくるよ。時間があればまた戻ってくるから」

「瀬流彦先生!!」

 瀬流彦は走った。己が使命の為、そして『今の自分、格好いい』という自尊心の中で。

 そして上条も疑問を振り払って慌てて叫ぶ。己が使命の為に。

「必ず戻ってきてください!! 昼食代他諸々も含めるとちょっと足りないんすよ!!」

「ふぁぅ!?」

 そして格好がつかない瀬流彦先生(独身)である。

 

 

 

 

 

「おお~……」

「派手に吹っ飛んだな~」

 小高い丘の上から、アスナとナギが並んで吹き飛ぶ小屋を眺めていた。

「……わ、私のせいじゃないよね?」

「知らんが……大丈夫だろ、その原作(はなし)と違っただけだし」

 若干ビビるこなたに千雨は肩に手を置き、首を横に振る。

「……なあ、てことはこれって俺のせい?」

「少なくとも実行犯はおっさんだろ「少しは庇えよっ!?」――まあ、故意じゃないからな……」

 ラカンとシオンも呆然と宙を舞う小屋を見つめていた。

「……まあ、気にするな」

 呆然と眺める面々に、エヴァンジェリンが簡単に説明した。

「あの小屋はジジイが私の恐喝()を使って建てたものだ。所詮は裏金の私物だから気にするな。割と気に入ってたんだが「ぬるぽ」――ガッ!?」

 首根っこを掴まれたエヴァンジェリンが宙に浮く。

 金髪幼女を掲げた千雨の周囲を、数人が囲んでいった。

 

 

 

「やっぱり学園長と組んで自作自演(マッチポンプ)やってやがったなこの野郎!!」

「悪さ止めろって何度言えば分かるんだこのチビ助!!」

「というかエヴァにゃんが地図破かなかったらあの小屋吹っ飛ばなかったよね!!」

「俺様を犯罪者に仕立てたのはお前かこのロリババア!!」

 

 

 

「まあ、とりあえず回答は分かった」

「冷静だね、シオン」

 千雨達がエヴァンジェリンをリンチする中、地図に正しい選択肢を書き込むシオンの傍にアスナが近寄った。

「昔だったら、あの程度の小競り合いは当たり前だったからな。むしろもっと酷かった」

「……無名街だっけ? そんなに物騒だったの?」

「いや……」

 レバーを操作し、正しい回答を持って遺跡の前に立つ二人。背後でリンチが行われる中、シオンは何処か懐かし気に呟いた。

 

 

 

「……S.W.O.R.D.地区、そのものだな」

「ん……」

 

 

 

 アスナの頭を、なんともなしに撫でながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや終わらせるな!!」

「うるせえよ、このちびっこは……」

 今回、ちょっと短いのでもう少し延長します。

 制裁を受けて若干涙目のエヴァンジェリンを引きずりながら、遺跡の中へと入る面々。

 千雨とこなた、シオンがそれぞれライトを点け、周囲を索敵しながら奥へと歩を進めていく。

「……酸素があるな」

「どこかに空気穴でもあるんじゃないか?」

「ガスがないのが救いだよね。じゃないと爆発で崩れちゃうよ」

 時折、千雨が煙草に火を点けてから通路の奥に投げ込み、酸素の有無やガスの確認をしているが、特にトラブルもないまま進軍した。

「少し、拓けてきたな……」

 通路から出ると、その先は広間となっていた。

「おいおい、行き止まりか?」

「一本道だったから、それはないだろう」

 ラカンが呟くのをナギが咎めるが、実際先への道がないのだ。そう思っても仕方がない。

 シオンは地図にライトを当てて内容を再度確認した。

「地図にはこう書いてある……『ミノタウロスに聞け』」

「ミノタウロス?」

「確か牛の頭を持った人間、だったか……」

 しかし、牛の頭を持った存在どころか、千雨達以外の人間の姿が見えない。

 こなたが広間の奥、入ってきた通路とは反対の壁にライトを照らしながら、描かれている模様を眺めていく。それを見て、千雨も同様に壁に視線を向けた。

「幾つかの絵があるな……これ、もしかして」

「そう、多分外せるよ」

 こなたが最後に目を向けたのは、何も描かれていない、しかし他の絵と同様の亀裂が入った壁の一部だった。

「これでミノタウロスの絵を完成させればいいんだけど……言わせてもらっていい?」

「何を?」

 ライトを下げ、広間の中心にどうしたこなたは、頭上を向いて叫んだ。

 

 

 

「戦後の日本でミノタウロスとか絶対分からないよねっ!!」

「一々話に茶々入れるなっ!! あとそれ偏見っ!!」

 

 

 

 個人的には面白ければ何でもいいと思いますけどね。そもそも小学生向け少年誌の漫画なんて、全部が全部とは言いませんけど、元々ツッコミどころが多すぎてきりがないでしょ。

 ね?




現在の投票結果

1.時間かかってもいいからエタらず計画通りやれやボケ   1票
2.いいからエタってる『魔法反徒ネギま』の続き書けやカス 1票

 考えているのは『魔法先生ネギま 雨と葱』を書き続けるか、『魔法反徒ネギま 四人の逃亡者達』を合間に書いていくか、ですね。
 さてさて、作者の命運は如何に?
 投票、今も受け付けてますので……来週休みでも許してください!!

シャーリー「……唐突に休み取るな」

 いや、ストックなくなった上にちょっと来週予定ができて……という訳ですみません、来週休みます。ではまた
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