・基本的にISの登場人物達を使っています。
・主人公更識 簪は転生及びTSな為、性格の変貌が激しいです。
・世界観は作者の妄想の産物ですので、違和感や矛盾があるかもしれません。
・織斑 一夏及び一部のヒロインはゲストの形で登場予定。
・どちらかというとサブキャラの登場の方が多いかも。
No.01ープロローグ1ー
北方海洋上。
第12漁船群所属の漁船3隻に黒い生物群が襲い掛かっていた。
「くそ・・・こんな所で。」
船員達は恐怖に顔を歪ませながらそれを見ているしかなった。
シーサーペントと呼ばれるこの生き物は北方海で生きる者達にとっては脅威だ。
多くの船が犠牲になり、多くの船員が飲み込まれた。
「俺達も・・・そうなるのか?」
襲われた者達がどうなるかを彼らは嫌というほど知っているのだから。
その時だった。何かの飛翔音がしたかと思うとシーサーペントの周りに水柱が上がる。
「おいあれ!?」
船員達はシーサーペントの後方洋上に現れた艦を見て驚き、そして歓喜に駆られる。
「まほろばだ、来てくれたんだ!」
北方海の荒れる波間を切り裂く様に接近してくる艦に船員達は力強く手を振る。
『シーサーペント漁船群より離れます。』
天井付近にあるスピーカが見張り員の報告を艦橋に伝えてくる。
「射撃を続行して下さい。流れ弾に注意を。」
報告を聞いて指示を出すのはまだ幼い少女だった。
艦の射撃を受けたシーサーペントは漁船群より離れ逃走しようとしていた。
『こちら電探室、シーサーペントは速力12ノットで方位113に向かってます。』
別の声がスピーカから報告をしてくる。
「速力上げ面舵50へ、右舷魚雷戦用意。」
先程の少女が指示を飛ばす。
「速力上げ面舵50へ。」
「右舷魚雷戦用意。」
少女の指示を復唱するのは同じ年頃の少女達だった。
『魚雷発射用意よし。』
艦に装備された魚雷発射管は既に右舷側に向けられている。
「魚雷発射始め。」
『魚雷発射始め。』
魚雷発射管から海中に投下される3本の魚雷。
疾走する3本の魚雷はシーサーペントに到達し、凄まじい音と共に高く水柱が上がる。
「効果の確認急いで下さい。」
『魚雷命中を確認。付近に多量の肉片と体液が浮かんでいます。』
『電探に反応無し。』
肉片と体液が漂う海面上を遠巻きに艦は旋回する。
ほっとした雰囲気が艦橋内に広がる。
「電探と見張りは監視を続行。あと漁船の方々に何か援助が必要か聞いて下さい。」
「了解しました艦長。」
安堵感が広がる中、艦長と呼ばれた少女が指示を与える。
そして指揮官席に座る少女は、自分の身体を見るとこう呟いた。
「・・・何でこうなったのかな?」
「艦長、漁船より返信。『われ航行可能なり。救助を感謝する。』とのことです。」
報告を受けて物憂げに自分の身体を見ていた少女が表情を引き締めて指示を出す。
「分かりました。本艦は漁船の方々と港に帰港します。」
「了解しました、本艦は漁船と共に帰港します。」
命令が復唱され周りの乗員である少女達が伝達や確認の為動きだすのを見ながら少女は再び呟く。
「何でこうなったのかな?」
今生きている世界は実はゲームの中の世界なんだ、と言ったら何と言われるだろうか。
「「「「艦長お疲れなんですね、ゆっくりお休み下さい。」」」」
「わ、私達姉妹の仲がゲームの中のことなんてお姉ちゃん寂しいわ。」
「それ面白い話よね、もっと聞かせて欲しいな。」
しかし私にとってはそうなのだ。この世界は私、いや俺のプレイしていたゲーム世界そのものだったのだ。
熱心にプレイしていたあるプラウザゲーム。
好きな海域を選び、乗りたい船を選び、付きたい職業を選び・・・
海域には中央、南方、北方海域。
船は最新のイージ艦はもとより商船やかっての軍艦達、帆船まである。
職業は普通の船員や軍人、冒険者や海賊なんてものまであった。
自分の操るキャラをクリエイトし、名前を付けて・・・
そんなゲームだったのだ。
でもそれはただのゲームの筈だったと思っていたのだけど・・・
俺は、いや私は今のそのゲーム世界で私が作ったキャラとして生きている。
私の名前は更識 簪。駆逐艦まほろばの艦長をしている。
ちなみのこの名前はゲームプレイ時に見ていたアニメであるインフィニット・ストラトスから
取ったものだ、というか自分の周りにいるキャラ達もそれから取っているのだけど。
不思議なことに容姿はアニメの更識 簪そのものだ。ゲームでは違う容姿だったのに・・・
他のインフィニット・ストラトスから取った名を持つキャラもそうだ。
いやそれだけでなく付けた覚えの無いのにその名を持ったキャラまでも出てくる。
これって俗に言うゲーム世界に取り込まれてといことなのだろうか?
いやゲーム世界にインフィニット・ストラトスのキャラがいるという世界にか。
私にそんな願望なぞなかったのだが。
設定としてはまほろばは更識商会と呼ばれる民間の警備会社の所属で、北方海域でシーサーペントや海賊から漁船や貨客船を守ったり救助するという仕事をしている。
商会の責任者はアニメに出てきたこの娘の姉だ(設定でそうした)。
何故こうなったかだが、その辺のところは記憶が曖昧ではっきりしない。
気付いたら更識 簪としてこの世界におり、ゲームで設定した通りになっていたのだ。
自分自身についての記憶も曖昧だ、名前もどこに住んでいたのかも家族構成もまったく思い出せない。
覚えているのはこれは自分のプレイしていたゲームで、自分は男性だったということくらいだ。
港に向かうまほろばの中で私は、この一人称もこの世界に来た時点で固定されていたのだが、
変わってしまった自分の身体を見ながらそんな事を思い出していた。
こうなってしまった直後から戻ろうと様々な試みをしたが全て無駄に終わった。
結局私はまほろばの艦長更識 簪として生きていくしか選択肢は無かったのだ。