あと、まほろばをイージス艦としたバージョンもあったりします。
最終的に駆逐艦になったのはタグに有る通りはいふりの影響だったりします。
まほろばは漁船と共に港に着いた。
ここは北方海域最大の港、この海域を航行する船や船員達にとっては中心となる所だ。
船の修繕や改良を行うドックや様々な物資の補給出来る商店がある。
こういうゲームによくあるスタート地点及び活動拠点というわけである。
当然私の所属する更識商会もここにある。
「それでは皆さんご苦労様でした。次の出航予定は明後日11時の予定です。」
着いた桟橋で艦の前に集合した乗組員達に私は告げる。
ところでその乗組員達なのだけど、まんまアニメに出てきたモブキャラの娘達だ。
ゲームでいうところのNPCキャラという存在だけどそんなふうには見えない。
一人一人個性がありきちんと演じられている、個々に声優さんが付いている様に。
ゲームではせいぜい2、3人しか出なかったし当然声優さんなんて付いていなかった。
私の目の前に並ぶ娘達は総勢40人は居る。
ご丁寧に着ている服装もまたIS学園の制服だ、もちろん私もなのだけど・・・
ここまで徹底しなくてもと私は思うのだけど。
「では解散です。」
私の声で乗組員達はお喋りをしながら解散してゆく。
「この後どうする?」
「ケーキ屋行こうよ、例の新作食べに。」
「ああ、早く寝たいよお・・・」
「ってあんた寝てばかりじゃない。」
ああやって話しながら歩いていく姿はまさに女子高生達である。
そんな彼女達を見送り、私は港に併設されたドックへ向かう。
艦の整備と補給を頼む為だ。
ゲームではドックのメニュー画面からクリックすれば終わったが、さすがにこの世界でそんなではない。
ドックまで行って頼まなければならない。これだけは不便になったなんて思ったりする。
「やあやあよく来たね簪ちゃん。」
整備と補給を依頼する為ドック事務所に着いた私を迎えてくれたのはここの主である篠ノ之 束さんだ。
そう彼女がである。アニメではIS開発者であり黒幕的存在の彼女はこの世界ではドック責任者として私をサポートしてくれるのだけど・・・
ゲームでは受付担当のキャラに名前が付けられたので面白半分で付けてみたのだけどまさかこうなるとは。
まあ彼女は受付ではなくドックを仕切るだけでなく各種艦船や装備の開発や改良も担う、アニメ顔負けの優秀な人だ。
容姿は・・・ウサミミ装着のカチューシャをつけた、エプロンドレスとそのまんまだ。
容姿だけでなく声や口調までそっくりだ、ちなみに声はもちろんりりかるなあの人だ。
まあそれを言ったら私だって、自分の声なので分かりにくかったけどアニメの更識 簪だし。
「補給と整備だね・・・この束さんに任せておきなさい。なんなら改造して・・・」
「いえ補給と整備だけでお願いします。」
優秀な人なんだけど時々暴走するのだ。
前にも「新型魚雷作ったんで試してみて。」と言われ使ってみたことがある。
確かに威力は凄かった、いや凄すぎた。
何しろ岩礁ごとシーサーペント数十匹を吹き飛ばしたのだ。
いくら何でもオバーキル過ぎた、私は二度と使う気がしなかった。
他にも照射電波だけでシーサーペントを焼き殺した電探とか快挙にいとまがない。
そう言えばドックの機能に開発もあり、時々トンでもないものが出来ていたけど、まさかそれを再現する為にこの世界で束さんがドック担当になったんじゃないかと思ってしまう。
「そうかそれは残念。まあ色々開発中だから期待してほしいな。」
「いえそこまでは・・・」
この人そのうち本当にISでも開発してしまうんじゃないかと危惧している。
そんな物が出来たらゲームバランスが狂って大混乱必死だろう、奇しくも彼女がISを開発し世界を混乱させたアニメの世界の様に。
「それじゃバイバイね。にゃははは・・・」
「・・・・・・・・」
相変わらず人の話を聞かない人だ、それでいて用件はちゃんと伝わっているのだから不思議だ。
ドックでの用事を済ませ私は商会の入っている建物に戻って来た。
ここは商会の事務所と共に私達姉妹の住居も兼ねている。
私は事務所の出入り口ではなく裏口の住居用の方に回る。そして扉の前に立つと・・・
扉を開けず暫く佇む。正直言って開けたくはないがここで何時までも居る訳にもいかない。
意を決して扉を開ける私の前に立つ、どこか似た容姿を持つ女性。
「お帰りなさい簪ちゃん。さあ私の胸の中に来て、そして熱いベーゼを・・・」
思いっきり扉を私は閉めると、深い溜息を付く、毎回よく同じ事を出来るものだと呆れながら。
「あ~簪ちゃん何で閉めるの?」
誰だって開口一番あんな事を言われればそういう反応を示すと思うんだけど。
「普通に迎えて下さい姉さん。」
「わかったわよ~簪ちゃん冷たい。」
その答えに呆れながら私は再度扉を開ける。
「お帰りなさい簪ちゃん。」
「・・・ただいま姉さん。」
先程とは打って変って穏やかな表情で迎えてくれるこの人は更識 楯無。
更識商会の会長であり私更識 簪の姉である。
優秀な頭脳とカリスマ性を持つ完璧超人だ。
それは年齢的にいうなら高校生くらいの彼女が商会(会社)の会長(社長)をやっていることでもわかる。
自分より二回りも違う年齢の相手と堂々と渡り合う人だ。
年齢だけではなく、海の仕事に従事しているだけに気性の激しい人も多いのにそれも意にしない。
悪魔相手だって条件さえ合えば契約を取っとくる、姉を知る人達がよく言う台詞だ。
そんな姉だが、私(妹)に対しては今の様になってしまうのだ。
アニメでは妹思いのいい姉だったのに、いやここの世界の彼女も私のことを気遣いサポートしてくれるいい姉であるのだけど、接し方が過剰なのだ。
大体女同士(しかも姉妹だ)で抱き合ったり、キスするなんて倒錯的な趣味は私には無い。
・・・男だったら、いやそれはそれで問題かもしれないけど。
姉の傍迷惑な出迎えを受けた後、私は自分の部屋に行き着替えるとリビングに入る。
そこでは姉が既にお茶の準備を整えて待っていた。
「ささ、簪ちゃん私の膝の上に・・・いえ何でもありません。」
とんでもないことを言い掛けたので一睨みした、まったく・・・
とりあえず姉の前の席に座る私。
「こほん、今回もご苦労様でした。第12漁船群や漁師ギルドの連中からもお礼が来ているわよ。」
会長として私に労いの声を掛ける姉はそれだけ見れば仕事の出来る女性だ・・・何時もこうだといいのに。
あと姉の話に出てきた漁師ギルドというのはまあ組合の事だ。この辺の漁師達をまとめる存在だ。
この港は様々な者達の活動拠点となっている関係上、他にも貨客船の船員ギルドやトレジャーハンター達のハンターギルドなどもある。
もちろんうちみたいな商会の所属する商会ギルドだってある。
「それは光栄ですね、でも私だけで出来たわけでないので後で乗員の皆さんにも言って下さい。」
「もちろん言うけど・・・ほんと簪ちゃん謙虚ね。」
「別にそんなつもりはないんですけど。」
そうは言っても私だけでは何も出来ない、乗員の皆とまほろばがあればの事だと思っている。
ここでまほろばについても触れた方が良いかもしれない。
更識商会所属駆逐艦まほろば。
これは太平洋戦争時の日本の陽炎型駆逐艦がモデルでゲーム開始時に自分の趣味で選んだものだ。
まあISとは別の女子高生が軍艦に乗って戦うアニメの影響が大きいのだけど。
・・・艦長や乗員達が少女ばかりなのはそういう訳だったりする。
もちろんゲーム的な様々なギミックがあるので陽炎型そのままではないけど。
というかこの世界のまほろばは束さんが魔改造しているので少々チートだったりする。
「まあいいわ、そこが簪ちゃんの良い所だしね。」
にこにこ笑って言う姉に私は肩を竦める。
「ああそれから明日休みの予定のところ申し訳ないけど漁師ギルドの長が相談したいって来るから宜しくね。」
「漁師ギルドの?」
ギルドの長が来ると言うのだからかなり重要な話ということになる。
「わかりました、それで何時頃にいらっしゃるのですか?」
「午後一番、1300であります艦長。」
「1300ですね会長閣下。」
おどけて言う姉に私も茶目っ気たっぷりに返すと二人揃って笑う。
「ふふふ・・・それじゃ風呂にでも入りなさい、私と一緒にね。」
「必然性を感じませんけど会長閣下。」
「命令です艦長。」
そんな理不尽な命令は御免だと抗議しようとしたが・・・
「ちょっと引っ張らないで、ってここで服を脱がさないで姉さん。」
抗議する間も無く風呂に連行されました、この人アニメ同様身体能力が凄いのだ。
「もう・・・一時期みたいに恥らってくれないんだから。」
風呂からあがって再びリビングに戻った私に姉が言ってくる。
「姉さんに鍛えられましたから。」
皮肉でもなくこれは本当の事だったりする。まあ鍛えてくれたのはそれだけでは無いのだけど。
この世界に来て一番困惑したことといえば、自分の身体についてだった。
何しろ女性、いや少女の身体に男の精神だったのだから大変な思いをさせられた。
自分だけでなく他の女性の下着姿や裸を見るたびに卒倒しかけ、同性同士のコミニケーションに苦労させられた。
だがそれも数ヶ月で何にも問題無くなってしまった。
何しろまほろばに乗れば回りは同じ年代の少女達。接触(物理的にも)する機会は多い。
それを仕事によっては数週間も繰り返すのだ、しかも帰って来れば姉が風呂に引きずり込んだりベットに進入するなんてしょっちゅうだったのだ。
いい加減慣れてしまう・・・ハッキリ言って嬉しくもなかったけど。
今では自分や他の女性の下着姿や裸を見てもそれ程動揺しなくなったし、コミニケーションも良好だ
・・・正直言って元に戻ったらどうなるのかと怖くてしょうがない。
「では夕食の準備を・・・食事が終ったら一緒に寝・・・」
「寝ませんから。」
釘を刺しておく、そうでもしないとこの姉は平気で潜り込んで来る。いくら慣れてきたとはいえ羞恥心は無くなったわけではないのだから。
「ち・・・まあいいわ、ふふふ。」
絶対潜り込む気満々な姉だった。一応鍵は掛けているがこの姉には無意味で意とも簡単にピッキングしてしまう。
自分の能力の使い道を絶対間違えている気がしてならない。
食事の後、鍵を掛けて寝たがいつの間にか部屋に進入された、もちろんベットにも。