北方海の守護天使   作:h.hokura

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更にISからのキャラ登場。
3人とも好きなキャラです。
あとはいふりも好きです、というか女の子達が軍艦に乗る話が。



No.03ー繁殖地攻撃作戦1ー

翌日1450

更識商会・事務室

「おはよ~かんちゃん~」

漁師ギルドの長さんとの会合の為に商会の事務室に来た私を間延びした口調で迎えるのは布仏 本音さん、通称のほほんさんだ。

ISからの登場人物だが、設定していないのに登場しているキャラの一人だった。

役目は商会の事務一般。生徒会書記という肩書きが登場の理由なんだろうか?

「おはよう本音。」

同じ商会の人間ということで私達は結構仲が良い方だと思う。

「っておはようという時間じゃないけど・・・」

「そうかな~今日初めて会ったから~かな。」

「私に聞かれても・・・」

首を傾げてそう聞いてくる彼女に私は苦笑いする。

いつも眠たそうな本音だが、事務の仕事については優秀で姉の良き秘書役だ。

「そうそう~ギルドの長さん~来てるよ会議室に~」

どうやら長さんは到着済みの様だった。

「ね、会長は?」

「会長さんはね~電話中だよ~先に行く様にって。」

「了解。あ、お茶の方よろしく。」

「まかせてよ~」

袖丈が異常に長い(アニメでもそうだったけど)を振って答える本音。

「く~う~」

「寝ないようにね」

 

「がはは!!!更識会長お久しぶりですな!!!」

「ええお久しぶりですギルド長、お変わりなく。」

会議室に響き渡る豪快な笑い声、机の上のカップが振動しているのが分かる。

というか相変わらずこの人の声は大きい、いや大き過ぎると私は毎回思うのだ。

さっきから私は耳鳴りしているのだが、姉である会長閣下は平然としている。

「おう!!!守護天使殿もお元気そうでなにより。先日の漁船群救助ご苦労様!!!」

「こ、光栄ですギルド長さん・・・あ、あとそれ止めて下さい。」

耳鳴りに耐えながら何とか答える私。正直言って逃げ出したい気分だ。

まあ性格は豪快で人情味に厚くて多くの漁師に慕われている人だけど。

私も好感の持てる人だと思うが、毎回会う度に耳鳴りにあわされるのには閉口させらる。

あとギルド長さんの言っていた守護天使というのは私に付けられた称号みたいなものだったりする。

北方海の守護天使、何とも大それた二つ名を私は持たされている。

多分これはゲームから来たものだと思う。

というのもゲームではある程度仕事(いわゆるクエスト)をこなすと称号が授与される様になっているからだ。

ゲームプレイ時、つまりここに来る前にそんな称号を授与された記憶がある。

精々ステータス画面の称号欄に記載されるだけで、ゲーム上何かあるわけではなかったものだったが、こちらの世界では二つ名として認識されるらしい。

普通は条件を満たせば誰でも貰える称号だけど、こちらの世界では持っているのは私だけだった。

多くの人達を助けたからこそだからとも言えるけど恥ずかしいことには代わり無い。

ちなみに姉に「守護天使様ごきげんよう。」と言われたので

「ごきげんよう・・・今度それ言ったら姉さんとは今後呼びませんから。」

と言ったら二度とそう呼ばなくなった・・・(溜息)

「それでギルド長さん、相談されたい事とは?」

「おっとそれを忘れるところでしたよ。」

いやその事で来たのに忘れないで欲しい、半分飛びかけた意識でそう思う。

 

「シーサーペントの繁殖地らしきものですか?」

「ギルド所属の漁船が見たと報告してきましてね。」

操業中の漁船がある岩礁付近に遠くからだが見たらしい、ギルド長さんそう話してきた。

繁殖地・・・そのものずばりシーサーペント達が生み増える場所だ。

連中は適当な岩礁などに卵を産みつけ、生まれた幼生体をそこで育てるのだ。

普通は海域の奥深く、人が滅多に近寄らない所に作られるのだけど。

今回目撃された場所が問題だった、漁場や港に向かう航路に近すぎるのだ。

「船員ギルドやハンターギルドの連中とも連絡を取り合っておりますが、今のところ被害は無い様ですが・・・」

ギルド長さんはそう言って額を叩く。この時ばかりは声も小さくなる様だ。

「そんな所で繁殖されたら厄介ですね、下手をすれば港に接近される恐れがありますわ。」

会長である姉も深刻そうな表情を浮かべる、確かにそうなれば多くの船が危険に晒される事になる。

「そうなのです。よって3ギルド連名の依頼として更識商会さんにその除去を、というわけです。」

場に沈黙が落ちる。ギルド長さんは腕を組み、姉は愛用の扇子を展開しながら。

もちろん私も押し黙ったまま中を見る。

「非常に危険な依頼ですわ・・・まほろばと言えども。」

そう言って私を見る姉。最終的な判断は任せるつもりみたいだ。

「そうですね、まず接近するだけでも骨です。向こうも必死になるでしょうし。」

シーサーペント達にとっては大事な場所だけに連中の抵抗は強いだろう。

「・・・ですが出来ない話ではないと思います、まほろばならば。」

ギルド長さんは安堵の表情を浮かべ、姉は溜息をつきつつ扇子を閉じる。

「貴方がそういうのなら信じましょう。」

「流石は守護天使殿ですな、頼もしい。」

こうして更識商会によるシーサーペント繁殖地殲滅作戦が行われることが決定したのだった。

 

「貴方の判断を疑う訳ではないけど・・・本当に大丈夫なのかしら?」

ギルド長さんが帰った後、姉がそう聞いてくる。

会長としても姉としても心配なのだろうことは声や表情を見れば分かる。

「私はまほろばと乗員の皆を信じてますから。問題があるとすれば火力ですね。」

繁殖地のある岩礁は結構大きい。まほろばの搭載魚雷を全て打ち込んだとしても破壊出来るかどうか。

そこまで考えて私はあれを思い出す、そう束さんが作り出したあれだ。

「こうなったら例の魚雷を使うしかないかもしれませんね。」

「例のって・・・まさか使う気なの簪ちゃん?」

姉にも分かったらしく扇子で口元を覆いながら表情を引きつかせる。

あの魚雷だったら4本打ち込めば全て吹き飛ばせるだろう、はっきりいってゲームバランスも何もあったものではないけど。

運営あたりからアカウント停止を警告されるレベルだろう。

この世界にそんなものがあればの話しだけど。

「使用に関しては十分注意します。」

出来れば私もあんなもの使いたくは無い。だけど乗員皆の安全が第一だから、必要なら躊躇する気はまったくない。

姉は私の言葉に肩を竦めて笑掛ける。

「分かったわ。さっき言ったけど私は貴方信じているから。」

「・・・信じて頂いて感謝します。期待を裏切らない様に微力をつくします。」

私は姉の言葉に深く頷きながら答えるのだった。

 

翌日1100。

まほろば専用突堤。

私が到着すると、乗員の皆は既に集合し終わっていた。

「お早うございます艦長。」

皆を整列させてくれた副長、相川 清香さんが挨拶してくる。

そう彼女もまたISから来た設定した覚えの無いキャラだったりする。

副長としては優秀で私も頼りにしているのだけど、他人の恋愛関係にやたら詳しい。

情報収集力が高いのは分かるが、それを何に使っているのかと頭が痛くなる娘だ。

姉同様自分の能力の使い道を絶対間違えていると思えてしょうがない。

「お早う副長。全員問題無いですか?」

「問題無しです、総員40名揃ってます。」

整列し私の言葉を待っている皆くを見渡す。

「お早うございます皆さん。」

「「「「お早うございます艦長。」」」」

皆の元気な声に私も自然と笑みが浮かんでしまう、しかし伝えねばならない事を思うと少々気が重い。

「本日の依頼ですが・・・シーサーペント繁殖地の殲滅になります。」

ざわ・・・乗員の皆に動揺が広がるのが分かる。

仕方が無いかもしれない、繁殖地殲滅は依頼の中でも特に危険度の高いものだからだ。

ゲームをやってた時も注意しなければキャラや艦を失いかねないものだった。

「確かに難度の高い依頼ですが、私は皆さんの協力があれば可能と信じています。」

一旦言葉を切り皆を見渡す。

「各自の責任を果たしてください、そして皆で港に帰って来ましょう。」

私の言葉に乗員の皆は笑みを浮かべて頷いてくれる。

「では相川副長、出航準備を。」

「了解です、皆さん始めて下さい。」

「「「はい。」」」

相川副長の声に乗員達が返事を返し、それぞれの配置場所に散って行く。

「それじゃ生きましょうか。」

私は後ろに居た二人に話し掛けるとまほろばに乗り込む。

まほろば艦橋。

「燃料と砲弾、魚雷の積み込み完了。あの魚雷の扱いは注意して。」

「食料と水の積み込みは終った?」

「消耗品は?え、トイレットペパーが足りないって何処かの航洋艦みたいに航海中切れたらどうするつもり?」

航行中に必要な物資の積み込みを確認する声が飛び交う艦橋。

「艦長出航準備間も無く完了です。」

「ありがとう相川副長、完了次第出航します。」

艦長席に座ると相川副長が報告してくれる。

それから私は後ろを振向き、今回の同行者である束さんとクロエさんを見る。

「本当に同行されるのですか?はっきり言って危険ですよ。」

今回の依頼で例の魚雷を使う為束さんに頼んだら、同行したいと申し入れがあったのだ。

正直言って今回の依頼に乗員以外の人を連れては行きたくなかったのだけど。

「大丈夫だって・・・私は簪ちゃんを信じているからね。」

無邪気な笑みを浮かべ答える束さん、信頼してくれるのは嬉しいけど。

「束様を野放ししておくと簪様に迷惑が掛かりますので付いて参ります。」

クロエ・クロニクルさん、束さんの義理の娘であり、公私ともにサポートしている少女だ。

「クーちゃんやだな束さんそんなことしないよ。」

「・・・無自覚なのは救いようがないですね。」

娘さんの筈なのだけど、クロエさんは束さんには結構毒舌だったりする。

「いや誉められると恥ずかしいな。」

「・・・はあ。」

まああまり効果は無いようだけど。

ちなみに彼女も容姿はアニメそっくり、設定した覚えの無いキャラの一人だ。

「ところで簪様、私をメイドとして雇って頂く件は考えてもらえたでしょうか。」

私の方に顔を向け聞いてくるクロエさん。何故か彼女は自分をメイドして雇って欲しいらしい。

「私は海に居る時間が多いから。クロエさんを連れて行くのは問題あるし・・・」

陸の上より海の上が多い生活をしている身では例え雇っても世話してもらう時間はないと思う。

それならまほろばに乗ってもらわなければならなくなるけど、出来れば乗員以外載せたくない。

今回程でないけど危険な航海がそれでなくても多いのだから。

「そうですか・・・残念です。」

本当に落ち込む様子を見せるクロエさん。私の何が気に入ったのだろうか?

「艦長、物資の積み込み完了しました。何時でも出発出来ます。」

「それでは出発しましょう、機関始動。」

相川副長の報告に私は気を取り直すと命じる。

「機関始動。」

機械音が聞こえ始めると床が微かに振動するのが分かる。

ちなみにゲーム登場艦の為か機関始動後直ぐに動ける、実際の陽炎型はそうは行かなかったみたいだけど。

そういう所とか少人数で動かせる点からまほろばは日本海軍の陽炎型駆逐艦と言うよりもはいふりの陽炎型航洋艦に近い様な気が最近している。

・・・影響を受けているのはISだけではなかったらしい。

「錨を上げて下さい。」

「錨を上げます。」

艦首から錨を巻き上げる音がしてくる。

「錨を上げました。」

「管理事務所に出航の連絡を。」

港の入港や出港を管理している事務所に連絡を入れて出港の許可をもらう様に頼む。

「管理事務所より出港の許可が出ました、あと航海の無事を祈るとのことです。」

「感謝を伝えて下さい。では両舷前進微速。」

「両舷前進微速。」

まほろばは突堤を離れて港の外に向かう。

 

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