まほろば?知らない娘ですね(笑)。
実は軍艦の中でも潜水艦は結構好き艦種だったりします。
最初この話には潜水艦を出そうと思ったのですが、旨く書けず駆逐艦になった
という経緯があったりして・・・
ちなみに潜水艦好きになっったのは、「サブマリン707」や「青の6号」が
きっかけだったりします、あと「スパー99」とか(ご存知の方いるかな?)
あと、シャルロット・デュノアと織斑 千冬を登場させます、
二人共ISの登場キャラでは結構気に入っているので、暫らく簪と行動を共に
してもらうつもりです。
*タグに「アルペジオ」と「伊400」、「ガールズラブ」追加。
北方海最北端洋上
その日私は北方海の奥深い海域まで来ていた。
そこは流氷に囲まれ濃霧に包まれる海域なのだ。
私にとってはほとんど来たことが無い場所でもある、というのもまほろばでは航行しにくいからだ。
流氷で艦はスピード出せず、艦の回避運動がしにくいうえ濃霧は監視を困難にする。
お蔭で駆逐艦のスピードと機動性を発揮出来ない海域なのだ。
そうなれば艦体の耐久度(HPみたいなものか)が低い駆逐艦は多くの面で不利になる。
ここまで考えていた私はゲームにあったある限定海域のシナリオを思いだした。
確かあれは今回の様に北方海の奥にある海域で起こるクエストをこなしてゆくやつだ。
当時もっていた艦はまほろばだった為やってみたことは無かったけど。
だから私は何時ものまほろばでは無く、潜水艦を指揮している。
潜水艦そうりゅう、それがこの艦の名前だ。もちろん束さんが開発したものだ。
でもこれどう見ても日本海軍の伊400なんだけど、ご丁寧に艦のカラーは青。
アルペジオのイオナですか?まあ、クラインフィールドもメンタルモデルも出てこないけど。
「艦長、島まで60キロです。」
航海長が海図テーブルから顔を上げて報告して来る。
「分かりました、潜望鏡深度まで浮上して下さい。」
「潜望鏡深度まで浮上します。」
どうもずっと水中に居て外の状況を見られないというのは辛いものがある。
まほろばの艦橋は開放的なのにそうりゅうには窓など無く閉鎖的だ。
「艦長潜望鏡深度です。」
「両舷微速、進路そのままでお願いします。」
「両舷微速、進路そのまま。」
私はレバーを引き、すぐさま潜望鏡を上げると覗き込む。
前方に島、そして立ち塞がる様に広がる白い氷の群れが見える。
「いよいよですね、電探はどうですか?」
私の問いに、電探の表示画面を見ていた乗員の娘が答える。
「島以外に反応無しです艦長。」
「水測、感はありますか?」
ヘッドフォンを付け聴音機を操作していた水測員が答える。
「周辺に感なし。」
それなら浮上しても構わないだろうと私は判断する。
「浮上します、メインタンクブロー。」
「浮上メインタンクブロー。」
浮き上がる様な感覚、文字通りそのものだけど、を感じているとやがて艦の揺れを感じる。
水中では殆ど感じないものだ、艦が洋上に居るのが分かる。
感覚的にはこちらの方が私としては慣れたものだと言える。
司令塔に上がると外の寒さに震える。何時もの海域よりかなり寒さが厳しい。
防寒用の特殊な服を着ていても長くは居たくないと思いつつ暫し回りを見る。
「偵察用気球の用意を。」
「了解しました、直ぐ準備します。」
この世界にはいわゆる飛行機と呼ばれる物は存在しない。
だから遠距離の索敵には気球を利用している。特に潜水艦は索敵能力が低いから重要だったりする。
そうりゅうは伊400そのものだったから大きな格納庫を持っておりそこに気球を搭載していた。
一応カタパルトらしきものを持っているが必要はないものと私は思っていたのだけど・・・
だが出発前に格納庫を見たときに気球以外の細長い筒状の物を見たのだ。
どうやら噴進弾らしく、束さんはこれの実験もしたい(させたい)らしい。
つまりカタパルトでは無く噴進弾発射用のレールという事らしい。
・・・出来れば使いたくは無いものだけど。
その格納庫の扉が開けられ、乗員の娘達が気球を引っ張り出し、上げる準備を始める。
やがて準備が整い島の偵察の為に所定の高度まで気球が上げられてゆく。
「艦長島の映像が出ました。」
小型のモニターを調整していた相川副長がそう言って、私に見せてくれる。
モニター上に写る上空から見た島の様子、何か建物らしき物が確認出来る。
あれがデュノア商会の観測施設ですね、見たところ異常は・・・
「これは?」
「艦長何かありましたか?」
画面を見ていた私が漏らした言葉に相川副長が聞いてくる。
「火災でもあったみたいですね。」
モニターに焼け落ちた建物が見えるのを、私が指差して相川副長に教える。
「・・・確かに、これは酷いですね。」
相川副長が繭をしかめる。通信の途絶はこれが原因だろうか?
こうなるといよいよ彼女の事が心配になってくる。
「気球を回収して下さい、終了後潜行して島に向かいます。」
「了解です艦長。」
相川副長は頷くと甲板上で気球を操作していた者達に気球を回収する様に伝える。
ケーブルが巻き取られ気球が降りてくると、乗員達はそれを手早く格納庫に収め扉を閉める。
それを確認した私は発令所に降り指示を伝える。
「島に向かいます、深度70メートルまで潜航して下さい。」
「了解島に向かいます、深度70メートルまで潜航。」
命令が復唱されそうりゅうは潜航を開始する。
その様子を見ながら私が何故このそうりゅうに乗ってこの海域にいるのか思い出していた。
それは一週間程前に遡る・・・・
ハンターギルド
ギルド長室
「わざわざ来て貰って悪いな二人共。」
その日私こと更識 簪は姉の更識 楯無と共にハンターギルドのギルド長に呼ばれた。
トレジャーハンター、海底や島々にある資源や遺物などを探し出す。
時には様々な調査や捜索なんて事も請け負う人達のこと。
ハンターギルドはそんなハンター達が所属する、言わば後援組織だ。
依頼の斡旋、武器や装備の流通ルートの確保、トラブル時の相談や支援など業務は多い。
その北方海のハンター達を仕切るギルド長、その名は織斑 千冬。
そうあのブリュンヒルデの人だ。まあこの世界にはISは無いのでその称号は別の意味で付いている。
彼女は北方海以外の海域でもトレジャーハンターとして名を馳せたこの世界最強の人なのだ。
ちなみに弟がいるらしいが今は別の海域に行っているらしい、そのうち彼も登場するのだろうか?
「いえいえ・・・ギルド長直々のお呼び出しとなれば出向かない訳には行きません。」
愛用の扇子で口元を隠しつつ答える、更識商会の会長殿。
ここに着くまで「簪ちゃんとの一時を邪魔された。」と言って拗ねていたのを忘れた様に。
まあ何時もの事なので私は気にしないけど。
「そうか・・・」
苦笑いしているところを見ると、織斑ギルド長も気付いているみたいだけど。
「更識妹の方も久しぶりだな、活躍は色々聞いている。」
私に向かっても微笑みながら挨拶してくれる。
「ありがとうございます。」
こちらも微笑んで答えておく。
「それで御用の向きはギルド長様?」
姉の顔が引きつっていたのは・・・気にしないで置いとく、どうせ「簪ちゃんの笑顔を・・・」
と考えているだけだろうし。
「実は更識商会に救助を依頼したい。」
「救助ですか?」
姉が首を傾げる、それはそうだろう今まで救助をギルドから依頼された事は多いが、ギルド長自らと言うのは初めてだったからだ。
通常はギルドの事務方から依頼が入る。
「詳細を聞かせて頂きますか?」
姉の表情が商会の会長としてのものに変わる・・・何時もそうしてくれれば尊敬出来るんだけど。
「ああ実はな・・・」
織斑ギルド長の話、それは北方海域の最奥、氷に覆われた海域にあるデュノア商会の観測施設から、一週間前に緊急通信が送られてきたらしい。
「通信の内容は?」
私の質問にギルド長は一瞬沈黙した後話始めた。
「『施設にトラブルが発生し深刻な状況になっている、救助を願う。』と。」
「トラブルの内容は?」
織斑ギルド長の言葉に姉が聞き返すと彼女は首を振り答える。
「その通信以後連絡が取れなくなった。」
「・・・・・・」
私と姉は顔を見合わせる、どうやらかなり深刻な事態になっている様だ。
「商会は救助の為船を送ったのだが、施設のある島を流氷が囲んでいた為断念した。」
ギルド長そう言って溜息を付く。
「つまり船は使えん、だが潜水艦なら流氷の下を通って救助に行けるのではないかと考えた。」
「でも我が商会には潜水艦なんてありませんけど。」
織斑ギルド長の言葉に姉が聞いてくる、まあうちにはまほろばが有るし必要ないだからだが。
「それについてだが、束に聞いたら速攻で用意すると言っていた、前に造った奴があるそうだ。」
それを聞いて姉の表情が引きつった、いや多分私の表情も。
「心配しなくてもあの馬鹿兎が暴走しない様にクロエに頼んである。」
アニメ同様、この世界でも織斑ギルド長こと千冬さんとドック管理兼開発責任者の束さんは親友同士らしい、もっとも千冬さんはあんなのと知り合いだという事が自分にとっとは最大の不幸だと公言しているけど、クロエさん同様容赦ないが仕方がないだろうとは思うけど。
しかしそれなら安心出来る、あの束さんもクロエさんは逆らえないし。
「・・・簪ちゃんはどう?」
姉は暫し考えてから私に振ってくる、実際救助に行くのは貴女、決断は任せるという所だろう。
「助けを求められているのなら私は行くつもりです。」
その答えを聞き、姉は苦笑し、織斑ギルド長はほっとした表情を浮かべる。
「あとこれは含んでもらいたいのだが・・・」
織斑ギルド長は私の顔を見て言う。
「救助してもらいたいのはシャルロット・デュノア、デュノア商会会長の娘なんだが・・・」
デュノア商会と聞いてそうじゃないかと思ったけどやっぱり彼女だった。
「彼女はデュノア商会内では微妙な立場にいる、それが今回事態を複雑にしている。」
「確か彼女は正妻とは違う女性が母親だとききましたけどそれが原因で?」
シャルロット・デュノアはこの世界でもアニメ同様の生い立ちらしい、私は内心溜息を付く。
「まあな、だから今回の依頼は内密にして置きたいらしい、余計な波風を立てない為にも。」
織斑ギルド長は複雑な表情を浮かべる。
「だからデュノア商会会長は個人的なつてを使って私に依頼してきたんだ。」
「それはデュノア商会として正式に依頼を出せないからと言う事ですか?」
姉が扇子で口元を隠しつつ織斑ギルド長を見ながら聞いてくる。
「そういう事だ・・・会長としては商会を、父親としては娘を守りたいという相反する立場故の苦渋の決断だ。」
両方の立場を放棄出来ないからか・・・聞いていて何か複雑な思いを私は抱く。
「だからお前達に頼みたい、腕は確かで口の堅いお前達にな。」
笑って織斑ギルド長は姉と私を見る。
「分かりました・・・そこまで言われるのでは断れませんね。」
姉も笑みを浮かべて答える。
「それでは引き受けてもらえるな。」
姉の言葉に織斑ギルド長が聞き返してくる。
「そこまでお膳立てしておいて・・・よくおっしゃいますわギルド長?」
「ふん、会長殿だって大方予想ついたんだろう今回の依頼の裏くらい。」
何だろう見てはいけない姿を見せられている気分だった。
「「ふふふ・・・」」
そんな二人を見ながら私は再び内心で溜息を付いた。
こうして私は北方海の最奥まで来ている訳だ。
そんな裏の事情を思い出し溜息と付きつつ、何となく周りにいる乗員の娘達を見る。
別に変なところがある訳では無いのだけど・・・私は少々鬱な気分になる。
「やっぱり皆スタイル良いな・・・」
「?何か艦長。」
私の視線に気が付いたのか相川副長が聞いてくる。
「・・・何でもないですよ。」
「?」
今副長や乗員達は、いや私もだけど特殊な艦内服を身に纏っているのだけど、これがアニメに出てきたISスーツにそっくりなのだ。
もちろん寒冷の海域だけに腕や絶対領域の露出は無いけど身体のラインがまともに出てしまうのは変わりが無い。
この艦内服は特殊な服で、完全防水に防寒仕様で冷たい海水の中でも使用可能な服だ。
まほろばと違い非常時には海中に脱出しなければならない可能性の高い潜水艦では必用なものだが、
そうと分かっていても、この格好では他の娘とのスタイルの差が気になってしまう。
けっして貧弱では無いと思うのだけど・・・まあこんな事を考える辺り思考が女性化しているのかも知れないと別の意味で鬱になるが。
「艦長、前方に流氷の無い海面が広がってます。」
どうやら島の傍には流氷の無い所あった様だった。
「分かりました、浮上して下さい。」
頭を振って余計な事を考えるのを止める、今すべき事の方を優先しなければ・・・