北方海の守護天使   作:h.hokura

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予告通りISとはいふりのドイツ娘登場です。



No.23ーシュヴァルツェ・ハーゼ商会1ー

接続海域洋上

 

『こちら電探室、前方9千に反応2確認、速力17ノットで接近中です。』

艦橋に電探室からの報告が響く、それを聞き私は艦内通話器の受話器を取り上げる。

「通信室、先方の艦に呼びかけをお願いします。」

『了解です艦長。』

通信士の娘の返答を聞き受話器を戻す。

「南方海からわざわざ艦長に会いに来るなんて凄いですね。」

傍らに立つ相川副長が興奮気味に話す。

「・・・別に私に会う為だけで来るわけではありませんけど。」

一応対シーサーペント戦の戦術情報交換が理由なのだが、相川副長の言っている事も間違いでは無い。

 

「シュヴァルツェ・ハーゼ商会との対シーサーペント戦の戦術情報交換ですか?」

「そうだ、南方海のハンターギルドとの間で本格的に進める事になってな。」

ハンターギルドの会議室で、私は織斑ギルド長から説明を受け、一緒に来ていた姉さんと顔を見合わせる。

「南方海ギルドの代表としてシュヴァルツェ・ハーゼ商会が来るという訳だ。」

「と言う事はもしかして?」

織斑ギルド長の説明に私はある予感があったので聞いてみたのだが。

「ああ、ラウラ・ボーデヴィッヒ艦長だよ、どうやら彼女が強く働き掛けたらしいな。」

ラウラ艦長が・・・彼女とは久々の再会だがこんな展開になるとは思わなかった。

「但し来るのはボーデヴィッヒ艦長の艦だけではない、同じ商会所属の艦も来るらしいな。」

織斑ギルド長はそう言って肩を竦める。

「同じ商会所属のですか、それって?」

「アドミラル・グラフ・シュペーという艦だそうだ。」

アドミラル・グラフ・シュペーってドイッチュラント級装甲艦の3番艦だった筈だが、話しの流れからすると、はいふりに登場したドイッチュラント級小型直接教育艦になるのだろうか?

最早驚く気になれないが、それまで登場させるらしい、この世界は・・・

まあラウラ艦長と同じドイツの娘達が乗員という共通はあるけど、と言ってもこの世界にドイツなんて国は無いからあくまでこの世界故の設定という事なのだろうけど。

「まあ建前は戦術情報交換だが、向こうの興味は更識艦長、お前さんだろうな。」

「・・・・・」

織斑ギルド長の言葉に私はどう返せば良いか迷ってしまう、何で私に興味を持つのやら・・・

「流石は簪ちゃんね、お姉ちゃん鼻が高いわ。」

隣で姉さんが気楽な事を言っているが、私はとてもそんな気にはなれないのだけど。

それでなくても神代レイ、レイちゃんとの話で私の事が一般の人達まで知られているなんて知ってしまったと言うのに。

「更識艦長に悪いが中央海のギルドと良好な関係を構築出来るのは助かる、まあこれも依頼に含まれるものと思ってくれ。」

ギルド長はそう言って苦笑いを浮かべながら言ってくる、私は深い溜息を付くしかなかった。

 

「艦長、シュヴァルツェア・レーゲンとアドミラル・グラフ・シュペーの両艦を確認。」

見張り員の声に私は意識を回想から引き戻すと、艦長席から立ち上がり艦橋前方の窓に行く。

そして双眼鏡を構え、こちらに接近してくる両艦を見つめる。

しかし改めて見てもアドミラル・グラフ・シュペーは大きかった、まああちらは小さいとはいえ戦艦だ、まほろばやシュヴァルツェア・レーゲンの様な駆逐艦とは違う。

私は艦長席に戻ると艦内通話器の受話器を取り通信室へ連絡を入れる。

「両艦へ『遠路はるばるご苦労様、歓迎します。』と通信をお願いします。」

『通信室了解です。』

通話器の受話器を戻し私は再び艦橋前方の窓に戻るとこれからの進路を指示する。

「まほろばは一旦すれ違った後、両艦の後方で転回し、前方に出て先導します、航海長お願いします。」

「はい、艦長。」

航海長は返答すると、操舵手と機関員の娘に細かい指示を出し始める。

まほろばは進路を変更しシュペーの横を通り過ぎ様とする。

「・・・ほんと大きいですねシュペーは。」

相川副長が目を丸々と開きながら呟く、他の乗員の娘達も同様だ。

「こっちの倍以上もある艦ですからね。」

横を通り過ぎて行くシュペーを見ながら私は言う、設定上まほろばの排水量は2千トンに対しシュペーは1万トンを超えるのだから。

『シュペー及びレーゲンより返信『乗員一同出迎えを感謝する。』との事です。』

艦橋の天井スピーカーが通信室からの報告を流す。

そうしているうちにまほろばはシュペーとレーゲンとすれ違って行く。

「面舵一杯、進路を戻せ。」

「面舵一杯、進路を戻します。」

航海長の指示を操舵手が復唱するとまほろばはシュペーとレーゲンの後方で転回し、両艦を追いかける。

「速力上げ。」

「速力上げます。」

機関員の娘が復唱するとまほろばは速度を上げ、両艦を追い抜き前方に出る。

「艦長、まほろばはシュペーとレーゲンの先導に入ります。」

私の方を見て航海長が報告してくれると私は頷いて答える。

「ありがとうございます、では戻りましょうか港へ。」

まほろばはシュペーとレーゲン共に進路を港に向けた。

 

まほろば以下3隻の艦艇は港に到着後、それぞれ接岸する。

「それではいきましょうか相川副長、航海長指揮をお願いします。」

私と相川副長は今回両艦のエスコート役と言う事もあり、これから双方の艦長達を出迎えに行くのだ。

「了解です艦長、副長もがんばって下さいね、まほろば代表として。」

悪戯っぽく笑って航海長が相川副長に言う。

「何気にプレッシャー掛けない・・・ったく。」

渋い表情を浮かべ相川副長が答えると艦橋内に笑が広がる。

「期待してますよ副長。」

「艦長まで・・・」

相川副長ががっくりと肩を落とすと、私に続いて艦橋から出てゆくのだった。

 

私達がシュペーとレーゲンの停泊する桟橋に到着するとちょうど艦から誰か降りてくるところだった。

艦長のラウラと副長のクラリッサの2人で、あちらも私達に気付いた見たいだった。

「久しいな簪艦長。」

「ええ、ラウラ艦長。」

私はラウラに握手しながら挨拶すると隣のクラリッサにも話し掛ける。

「ハルフォーフ副長もお久しぶりです。」

「はい更識艦長、お久しぶりですね、あと・・・」

私と握手したクラリッサは隣に立つ相川副長にラウラと共に目を向ける。

「まほろば副長の相川 清香です、よろしくお願いします、ボーデヴィッヒ艦長、ハルフォーフ副長。」

相川副長はそう言って姿勢を正すと、若干緊張気味に2人に挨拶する。

「シュヴァルツェア・レーゲン艦長のラウラ・ボーデヴィッヒだ、宜しく頼む。」

「副長のクラリッサ・ハルフォーフです、同じ副長同士なので緊張せず接して下さい。」

ラウラとクラリッサはそう言って相川副長と握手する。

「ところで簪艦長、突然の事で驚かしてしまってすまないな。」

ラウラ艦長は真剣な表情で私に謝罪してくる。

「いえそれは気にしてはいませんよ、まあ唐突な気はしますが。」

前回の話からそれ程経っては居ないのにまた行なわれると言う事に私は不思議さを感じている。

そんな私の反応にラウラとクラリッサは顔を見合わせると苦笑して見せる。

「そうだな、今回の事はクロイツェル艦長の意向もあったからな。」

クロイツェル艦長の?今回の事はラウラ艦長が働き掛けたからと聞いたのだけど。

「ボーデヴィッヒ艦長、そろそろ私達の紹介もお願いしたいのだが。」

会話している私達に掛けられる声に振向くと・・・

艦内服の上から、コートを羽織っている幼い容姿の少女が、横にもう1人の少女を伴って立っていた。

その容姿を見て、私は内心苦笑を禁じえなかった、何しろアニメはいふりに登場した2人だったからだ。

「ああすまんなクロイツェル艦長・・・簪艦長こちらはアドミラル・グラフ・シュペー艦長のテア・クロイツェルと副長のヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルクだ。」

艦長の方は兎も角、副長の方は相変わらず長い、だからテアとミーちゃんと心の中では呼ぶことにした。

「お初にお目にかかるテア・クロイツェルだ、今回はよろしく頼む。」

その幼い容姿と違いテアは威厳ある態度で握手を求めてくる、小柄だが感じる威圧感は凄い。

「副長を務めているヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルクです。」

一方副長のミーちゃんは、緊張しつつ私の事を値踏みする様に見つめながら挨拶してくる。

「こちらこそ始めまして、まほろば艦長更識 簪です、クロイツェル艦長、フリーデブルク副長。」

ミーちゃんのそんな視線に気付かないふりをしながら私は2人に挨拶を返し隣の相川副長を見る。

「副長の相川 清香です、よろしくお願いします。」

相川副長が自己紹介する。

「うむよろしくお願いする相川副長。」

「こちらこそよろしく。」

2人が相川副長に挨拶を返す。

「それでは皆さんをギルドまでご案内します。」

全員の挨拶も終わったところで私は南方海から来た4人をこちらのギルドへ案内する。

その間、ラウラ艦長はテア艦長と、クラリッサ副長は相川副長と話をしていたのだけど、1人フリーデブルク副長ことミーちゃんは何故か私から視線を外す事は無かった。

 

 

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