北方海の守護天使   作:h.hokura

60 / 64
今回から3話番外編を掲載します。

作者の息抜きみたいなものですが、良かったらお付き合いを。




更識商会番外編
-姉とのお出かけ-


「姉とのお出かけ」

 

このゲームをしていた時、北方海は寒い海だと思っていた。

だから海で遊ぶ、いわゆる海水浴なんて無いだろうなと勝手に考えていたものだ。

けどこの世界来たから知ったのだけど、この海域では短い期間だけど海で遊ぶ事が出来る。

日数でいえば一ヶ月にも満たないし、お世辞にも南の海での様にいかないが。

 

「と言うわけで泳ぎに行くわよ簪ちゃん。」

「何が、と言うわけですか姉さん。」

朝起きてきた私は、姉に捕まってこう宣言されたのだ、相変わらず唐突な人だ。

「だって簪ちゃん暫らくお暇なんでしょう?」

「確かにそうですが・・・」

そうりゅうは暫らくドック入りしなければならないので私はそれが終るまで待機なのは確かだけど。

ちなみにまほろばは、一昨日から相川副長指揮で船団護衛に出発していている。

だから私は何もする事が無い訳だけど、だからと言って泳ぎに行こう言うのも・・・

「だってお姉ちゃんここ何ヶ月も簪ちゃんとお出掛けして無いのよ・・・」

わざとらしい泣き顔で言う姉に私は溜息を付く、子供ですか貴女は。

「分かりました、但し1日だけですよ。姉さんだって商会の仕事あるでしょう?」

ここ数ヶ月巨大シーサーペントの件で洋上に居る時間が長く姉と過ごせていない。

そう考えれば付き合ってあげても罰は当たらないだろうと思い承諾する。

「ありがとう簪ちゃん・・・ふふふ嬉しいわ。」

そして翌日の浜辺。

「ねえ簪ちゃん、これってどういう事?」

「どういう事と言われても・・・私だって分かりませんよ姉さん。」

いかにも不満げな表情を浮かべ姉が話しかけてくる。

「折角簪ちゃんと海に来たというのに、何で二人きりじゃないのよ!!」

そう言って絶叫する姉、そう今海に来ているのは私達姉妹だけでは無かった。

「~会長どうしたんですか~」

「心配されなくても大丈夫ですよ・・・何時もの事ですから。」

「ははは、聞いていたけど本当にそうだったんだ。」

商会の事務担当の本音、束さんの義理の娘で助手でもあるクロエさん、そしてシャル。

何故かこの3人も同じ浜辺に来ていたのだ、多分だけど本音から他の二人に話が伝わったのだと思う。

当日商会を休みにし姉妹で海に行く事を姉は本音に言っていたからだ。

「大体貴女達何故ここに来ているのかしら?」

姉が3人を睨みつけるが・・・

「私も~簪ちゃんと泳ぎたい~からかな~」

「同じく・・・抜け駆けは駄目ですよ楯無様。」

「ははは、僕も同じかな。」

3人とも私と泳ぎに来たかったらしい、慕われるのは悪い気がしなけど何でそこまでこだわるのかがよく分からない。

今全員水着姿で集合しているが、私としてはあまり一緒に並びたくないのに。

何故かと言えば全員、以外にクロエさんもだけど・・・立派な物をお持ちだからだ。

でも嬉しいじゃなくて羨ましいと思う辺り終っているのかもしれない。

ところで肝心の皆の水着だけど・・・

まず我が姉である楯無さん、大胆な黒ビキニ。

クロエさん、ある意味お似合いのフリルの付いた白ワンピース。

本音はアニメで見た覚えのある着ぐるみ型水着?

シャルは同様にアニメで着ていた水着。

そして私だが、極普通の青いワンピース水着を着ている。

ちなみに姉に同じビキニの白いのを渡されたけど固辞させてもらった、そんな大胆なもの着れません。

この光景、男だったら眼福ものだけど女性である今の私には何の意味も無いのは言うまでもない。

むしろスタイルの差を感じて鬱になりそうだ・・・格差社会?

私は頭を振ってそんな考えを払う、せっかく海に来たのだから楽しまないといけない。

「取り合えず荷物を置いて泳ぎましょうよ姉さん。」

「・・・そうねそうしましょうか。」

「それではこちらへ、よい場所にご案内します簪様。」

「何で貴女がそんな事を・・・」

「そうだね~レッツゴーだよ~」

「簪、今日は楽しもうよ。」

「だから貴女達は、って私を置いていかないで簪ちゃん。」

移動するだけで大騒ぎなんですけど。

「ところで簪、その水着似合ってるね。」

私の水着を誉めてくれるシャル、まあ自分でも結構気に入っているのだけど。

「シャルもその水着いいと思うけど。」

「ふふふ、ありがとう簪。」

嬉しそうに言って私の右腕に抱きついてくる、あの当たってますけどシャル。

「私の水着はどうでしょうか簪様?」

「うん、もちろん可愛いと思いますよクロエさん。」

彼女の雰囲気に合っていると思う。

「光栄です、もちろん簪様の水着もよろしいいですわ。」

何故か私の左腕に抱き付いてくるクロエさん、貴女も当たってます。

「うん~簪ちゃん青が似合ってるからね~」

後ろから抱き着いてくる本音、貴女も・・・もういいです。

重ねていうが、これが男だったら嬉しいかもしれないけど、今女の私では。

・・・皆さん押し付けないで下さい、悲しくなりますから、自分のものを見て。

「あああ!皆何を・・・もちろん私だって思っているわ、だから・・・」

「正面から抱き付いてきたら怒りますよ姉さん。」

真正面から抱き付こうとする姉を牽制する、これ以上恥かしいのは御免です。

「そんな・・・私だけ駄目なんて酷いは簪ちゃん・・・」

泣き崩れるほどものだろうか?というか皆さんそろそろ止めて頂きたいのですが。

ここ結構人目が多いんですから・・・ほらそこの人写真取らないで下さい。

 

数十分後にようやく開放される私、泳ぐ前から疲れてしまった。

拗ねてしまった姉のご機嫌取りもしなければならなかったし。

まあ兎も角、私達は泳いだり食事をしたり、こちらはクロエさんが豪華な弁当を作ってきてくれた、りして大いに楽しんだ。

 

そして夕暮れ。

砂浜で私は皆を待っていた。

何故一人かと言えば、一緒に着替えると余計疲れるからだ。

皆のスタイルみて鬱になり、皆私の着替えを手伝おうとするし、私は子供ではないのだけど、ということもあって早々と着替えて逃げ出した・・・皆がとても残念がっていたが。

「綺麗な夕日ですね・・・」

水平線に沈む行く夕日を見ながら感嘆していた私は、だから気付くのに遅れてしまった。

周りを若い男達に囲まれているのに。

「ねえ、彼女一人なの?」

「だったら遊びに行かない?」

ナンパだろうか?というか私を誘って何がいいんだろうかと思いながら答える。

「申し訳ありませんけど連れを待っているので、お誘いには答えられません。」

こう答えれば下がってくれるかと思ったが連中は諦めが悪い様だった。

「連れって女の子?だったら一緒にどう?」

いえ、貴方達では多分手に負えませんよ。うちの姉を筆頭にした女性陣たちを。

「それは出来ません、だからこれで・・・」

あくまで穏便に済まそうとする私の思いに反し男性達はだんだん強引になってくる。

「何だよ、折角誘ってるのに・・・お前みたいな女、誘われるだけありがたく思えよな。」

旨くいかなくなるとこれですか?それじゃ女の子は付いてこないですよ。

「ほらだから・・・連れの子もさあ・・・」

「・・・って痛い!」

腕を掴まれ強引に立ち上がされる、その時だった、腕を掴んでいた男の気配が唐突に消える。

「えっ・・・」

そして海に上がる水柱と悲鳴・・・

「貴方達、私の大事な妹に何なさっているのかしら?」

あまり聞いた事の無い低い声で男達に問う、姉の楯無さん。

笑顔を浮かべてはいるが、受ける印象は憤怒だ、私もこんな姉を見るのは始めてだった。

「・・・そうですね簪様に対するその行為の理由聞かせて頂きたいものです。」

そしてその隣に立ち、何時もの無表情ながら姉と同じ憤怒のオーラーを発するクロエさん。

あっけに取られる男性陣、だが彼らの不幸は終らない。

「まったく僕の簪に・・・許しがたいね。」

「うん、これは許せない。」

同じく憤怒のオーラーのシャルと本音・・・シャル、私は何時貴女のものになったんでしょうか?

あと本音、何時もと違って間延びした喋り方が消えてますけど。

尋常ならざる彼女達の迫力に男性陣は動けなくなっていた、人数でも体格でも彼等の方が上の筈なのに・・・海に放り込まれた男はぷかぷかと浮いている、生きていますよね?

「な、何をしやが・・・されるんですか?」

あ、途中から敬語になっている、あの4人の迫力では仕方無いかもしれませんけど。

「「「「簪(ちゃん、様)に手を出した報い・・・」」」」

「「「「ひい・・・!!」」」」

浜辺に男性陣の悲鳴が響き渡る。

 

数十分後、浜辺に頭だけ出して埋められている男性陣。

「ねえ、お母さんあれ何?」

「見ちゃ駄目よ、ほら行くわよ。」

母親と幼い子供が通りがかるが、母親は子供を連れて早々と離れて行く、他の人達も同様で、男性陣に近寄ろという者は居なかった、まあさっきのを見ていれば仕方が無いだろうけど。

「簪ちゃん大丈夫だった?怖くなかった?」

「ご無事でなによりです簪様。」

「腕を直ぐに消毒しないと、まったく困った連中だよ。」

「そうだよね~消毒薬用意するね~」

男性陣を瞬く間に制圧し、掘った穴に埋め立ててしまった4人だが、何そんな事という感じで私を心配してくる。

一連の行為に私はまったく口を出せなかった、いやそんな暇などなかったと言った方がいい。

それは見事な連携プレーだったからだ、私は関心するより呆れの方が大きかったが。

「ええ、大丈夫ですよ、あと消毒薬なんて大げさですから。」

正直言って私にはこう返すしか無かった、他に言うべき言葉をこの時持ってはいなかったから。

「そうじゃ帰りましょう、帰ったら一緒に寝てあげるからね簪ちゃん。」

「はい帰りましょう・・・楯無様、それなら私に申し付け下さい。」

「うん帰ろう、二人共簪に迷惑かけちゃ駄目だよ・・・抜け駆けも。」

「私は一緒に風呂入りたいな~」

「「「それは駄目です、私(お姉ちゃん)と入るべきです。」」」

・・・私は誰とも一緒に寝ないし風呂に入る気もありませんよ皆さん。

そんな私の心情など無視して議論が進められていくのを溜息を付きながら見る。

「「「「簪(ちゃん、様)は誰と風呂に入って一緒に寝たいの?」」」」

「私は誰とも風呂に入ったり一緒に寝るつもりはありません!!」

「「「「そ、そんな酷い簪(ちゃん、様)。」」」」

浜辺に私達の叫びが響いてその日は終ったのだった、ほんと疲れました。

 

18:10

お出かけ終了。

 

 




何だか百合ハーレム化してきている?
まあ男が主人公のハーレムより書いてて楽しかったですが。

それでは
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。