北方海の守護天使   作:h.hokura

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番外編の最後は「北方海・・・」に書くに当たって影響を受けた3作品とのクロスオーバー的なものです。
といっても短いし少々おふざけが過ぎているかも・・・




ー短編集ー

「海の仲間は家族だから。」

その日、私は自分宛に来ていた郵便を確認していた。

ほとんどが女性向き商品のダイレクトメールだったが、正直いってこんなもの送られても困るのだが、その中に一通違ったものが混じっていた。

 

『中央海女子海洋学校OG会のお知らせ』

 

私は艦長として必要な知識や技術をここで学んだ事になっている。

あくまでもゲーム上の設定であり、この世界を認識した時点で艦長として働いていた私には関係ない話だと思っていた。

もちろん女子海洋学校に通っていたという記憶はちゃんと有る。まあ他の記憶同様、こちらの世界に来てからの後付みたいなものだけど。

 

だからことお知らせを見るまで、女子海洋学校の事などすっかり忘れていたのだが、色々と思い出してきてしまった。

確かあそこの制服ってセーラー服だった筈だ、白と青で赤いリボン・・・

えっと、女子海洋学校でセーラー服って何処かで聞いた様な・・・

そしてだんだん思い出してきた・・・実習で乗った艦、艦長の娘はかなりの強運の持ち主で、何かあっても良い方に事が進んで、副長の娘は不幸体質で「ついてない」と「不幸だ」が口癖だった・・・

二人の名前って確か・・・

私は頭を抱えてしまった、それって横須賀女子海洋学校じゃないか、はいふりの・・・

 

結局、私はOG会には行かなかった。

会場が中央海にある学校で、仕事の関係上行っている時間が取れなかったからだけど。

まあ行かなくて良かったと思う、だってそこであの二人に会ったら・・・

 

「急速せんこ~。」

放たれた魚雷が命中すると奇妙な光が発生し、暫し障壁らしいものに遮られるが、やがてそれが消え命中した場所が抉られる様に消える。

そして大爆発が起き、艦は真っ二つに折れ沈んで行く。

艦、シーサーペントでは無い。

いや、それは普通のものは無かった、船体に奇妙な紋様が浮かび上がり、使用する兵器も違った。

それは対峙している私の艦にも言えた、伊400に似ているが、青い紋章を浮かべているのだから。

「簪ちゃん・・・」

奇妙な光の輪に包まれる私の後ろに立つ女性が話しかけてくる。

「御免なさい・・・私は更識 簪ではありません。」

「え・・・?」

光の輪に包まながら私は彼女を見る。

「私は霧の艦隊に所属していたイ401のメンタルモデルなんです。」

絶句する姉、更識 楯無を見て、私は罪の意識に苛まれる。

「ある理由でこの世界に来た私は、貴女の妹さんをモデルにこの身体をクリエイトしました。」

驚愕の事実に彼女は言葉も出ない様だ、妹と思っていた人物がそうでは無かったのだから。

「貴女の妹さんは既に亡くなっていました、だから私が入れ替わりました。結果的に騙す事になり申し訳ありません。」

「か、簪ちゃん・・・」

「でもそれも今日で終わりです、どうやら霧の艦隊にこちらの世界に居る私が見つかった様です。」

呆然と私の話を聞いている彼女に、私は微笑みながら別れを告げる。

「こちらの世界に居る間、貴女の妹として生きられて嬉しかったです。貴女のお蔭でメンタルモデルではなく人間として様々な事を知る事が出来ましたから。」

「・・・・・何処へ行くの?」

「また別の世界です、このままでは皆さんに迷惑をかけしまいますから。」

私は跳躍すると自分の艦であるイ401に飛び移る。

「そんな行かないで簪ちゃん。」

「私にとって貴女は本当の姉だったと思っています、お元気で・・・楯無お姉さん。」

艦を含めて私が光に包まれる。

「簪ちゃん!!」

私は光に包まれ消えて・・・・

 

「は!?」

ベットから私は飛び起きてあたりを見渡す。

家にある自分の部屋。全てが何時も通りだった。

「・・・何て夢を見るんだろう?私がイ401のメンタルモデルだなんて・・・」

どうやら先程から見ていたのは夢だったらしい・・・

これってやっぱりそうりゅうがよりいっそうアルペジオ化してきたせいだろう。

束さんが今度思考制御、つまり私が考えるだけでそうりゅうの制御を一部出来る様に

したいと言っていたから・・・これじゃますますメンタルモデルだな。

結局私はその後一睡も出来なかった。

 

後日。

「簪様、新しい艦内服を作ってみたのですが。」

クロエさんがそう言って持ってきた服。

タイからスカートまで青一色のセーラー服。

 

私はこう言うしかなかった。

「かんにんしてつかぁさい。」

 

「うん、好き。」

久々に暇が出来た私はいい機会だと思って、部屋の整理する事にした。

元々几帳面な正確であるので部屋は綺麗な方だと思う、一応女の子だし。

そんな訳で本棚やクローゼットを整理していた私はある箱を見つける。

これといって変わったところの無い箱だった。

「・・・これって?」

何となく覚えが、簪としてだが、ある物だった。

そう思いつつ箱を開けると入っていた物は・・・

宇宙騎士「ギャラクティー」のグッズ類、掲載雑誌や玩具だった。

そういえばアニメ程でないが簪はこういうヒロー物が好きだった、と記憶している。

幼い頃こういった物を買い集めていたみたいだ。

結構熱中していた事はあくまで記憶としてだが残っている。

まあ現在はまったく興味を失っているけど、これが転生の結果かどうかは良く分からない。

私はそんな記憶を思い出しつつ、箱に入っていたグッズの一つ、主人公が変身に使った、

指輪を取り出す。

アニメでも簪はISを展開する時に使っていたから思わず笑ってしまったけど。

ちなみに指輪は簡単にはめられた・・・幼い頃の物の筈なんだけど、成長してない?

少々鬱になり掛けたが、気を取り直し指輪をした手を頭上に挙げ叫ぶ。

「転身!ギャラクティー。」

やってから恥かしくなってしまった、とはいえ男として何か燃えるものがあるのも確かだ。

・・・今は女の子だけど。

そんな時だった、ドアの方から注がれる視線に気付いたのは。

「え・・・?」

そちらを見た私は、開いたドアからこちらを見ている我が姉に気付く。

扇子で口元を隠し、微笑ましい表情を浮かべている。

「ふふふ・・・簪ちゃん、それとても好きだったものね。私が嫉妬するくらいに。」

子供向けのヒローに嫉妬って・・・いや、問題は先程の恥かしい光景を、よりによって姉に見られた事だ。

普段から『姉さんは子供ですか?』と言って説教していた私が、子供みたいな事をしていたのだから。

姉の表情に『何だ簪ちゃんだって子供みたいじゃない。』と出ている。

だから姉に何か言われる前にこう提案せざるしか無かった。

「・・・どうしたら忘れてくますか姉さん?」

「そうね、これから言う事を簪ちゃんが聞いてくれたら考えてあげる。」

私に選択肢はなかったのは当然だった。

 

それから暫らく、私は姉を『楯無お姉ちゃん。』と呼び、お風呂も寝るのも一緒という

生活を強いられた。

 

あと、あの箱だが、ガムテープで何十に巻き、クローゼットの奥にしまい込んだ。

もう二度と開けないと誓いながら。

 

14:25

部屋の整理・・・完了。

 




言い訳しません。
どうか寛大な心でお許しを。

次回より本編再開です。

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