北方海の守護天使   作:h.hokura

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番外編3「海の仲間は家族だから。」の続編(?)になります。



ーハイスクール・フリート編ー

「海の仲間に越えられない壁は無いんでしょ」

 

「皆さんお疲れ様でした。」

巨大シーサーペントの調査を終え帰港した乗員の娘達を前に私はそう言って見渡す。

「「「お疲れ様です。」」」

乗員の皆がそう言って答えてくれる。

「では皆さん、無事に帰れたのにこの後事故に会いました、と言うのは止めて下さいね。」

冗談まじりの私の言葉に乗員の娘達は笑う。

「「「はい注意します艦長。」」」

私は頷くと傍らの相川副長を見る。

「それでは解散して下さい。」

副長の言葉に乗員の娘達が帰って行く。

「それでは相川副長、また明後日にお願いしますね。」

「はい分かりました、では失礼します。」

帰って行く相川副長を見ながら私は安堵の溜息を付く、何にしろ無事帰港出来てと。

「簪、お疲れ様。」

そんな私に言葉を掛けてくるのは、今回の調査責任者でもあるシャルだった。

「シャルもですよ。」

私達はそう言って笑いあう。

「それにしても先に帰っていても良かったんですよシャル。」

乗員でないシャルは最後まで付き合う必用は無かったのだけど。

「いいじゃないか簪、僕が待っていたかっただけだから。」

まあそこまで言うのなら文句は言えない私だったが。

「取り合えずこの後・・・」

「かんちゃん!!」

突然呼びかけられ私とシャルが振向くと、こちらに向かって走ってくる少女がいた。

私をかんちゃんと呼ぶのは本音の筈だが、走り寄って来るのは彼女では無かった。

・・・ちょっと待って下さい、あの娘ってまさか?

そして気が付いたのだがその娘の後ろからやはりもう1人、付いて来ると言うより追い掛けている娘が居るけどその娘も。

「知り合いかい簪?」

シャルが聞いて来るが私は2人を見て驚愕してしまっていた。

だってあの2人・・・岬 明乃と宗谷 ましろは、アニメはいふりの登場人物、そして簪としての記憶では中央海女子海洋学校時代の同期だった2人だからだ。

そんな状態に動けずいた私に走り寄って来た岬 明乃が抱き付いてくる。

「!?」

「かんちゃんお久しぶり!元気だった?」

だが私はそれに答える余裕など無かった、この身体になってから女子から抱き付かれる事が多くなったとはいえ、完全な不意打ちにはまだ駄目だったからだ。

「はあ、はあ、か、艦長落ち着いて下さい、更識さんが困っているじゃないですか。」

追い付いて来た宗谷 ましろが息を切らせながらも岬 明乃を止めようとする。

「だって再び会えて嬉しくて・・・シロちゃんもでしょ?」

「そ、それはそうですが、じゃなくて副長か宗谷と呼んで下さいと何度も。」

硬直した私、更識 簪を抱きしめる岬 明乃とどこかずれたやり取りをする宗谷 ましろ。

その奇妙な光景は我に帰ったシャルが声を掛けてくれるまで続いた。

 

「岬 明乃さんと宗谷 ましろさん、私が中央海女子海洋学校に居た時の同期です。」

何とか岬 明乃に落ち着いてもらい、私はシャルに2人を紹介する。

「こちらはシャルロット・デュノア、私の友人であり商会の協力者です。」

そして2人にシャルを紹介する。

「へえ・・・そうなんだ、仲が良いんだね簪。」

何でしょうか表情は笑っているのに目が恐いんですがシャル。

「うんそうなの、だからよろしくねシャルロットちゃん。」

「まったく・・・まあそういう訳だからよろしくデュノアさん。」

そんなシャルに気付いていない様で内心安堵する、正直言って後が恐いけど。

「そんな訳でシャル、先に帰って貰えますか、彼女達に確認したい事もあるので。」

別に除け者にするつもりは無いのだけど、ここは遠慮してもらう事にした。

・・・何だかこの2人と一緒に居させると恐い方の予想しか浮かばない。

「分かったよ簪。」

そう言ってシャルは離れていった、が途中で振向き・・・

「後でゆっくり話をしようね簪。」

このまま逃げ出したい気分になったしまった私を誰も攻められないと思いたい。

 

「それにしても2人共何でこちらに?」

シャルと分かれた後、私達3人は近くの喫茶店に入った。

そして私は一番気になる事を質問した、何しろ彼女達は中央海で働いる筈だと思っていたから。

「それはね、中央海から北方海へ行く船団の護衛役として来たんだ。」

「私達は船団護衛を担当するブルーマーメイド商会に所属する晴風のクルーなんだ。」

定期的に中央海や北方海、南方海の間を船団が行き来している、どうやら彼女達は中央海から北方海へ来た船団の護衛役ということらしい。

「ちなみにココちゃん達もクルーだよ。」

「というか、あの時の練習艦のメンバーほとんどが晴風のクルーになっているよ。」

嬉しそうに話す岬 明乃と、苦笑する宗谷 ましろ。

ココちゃんとはアニメに出てきた納沙 幸子だろう。

「と言う事は西崎さんや立石さん、知床さんもですか。」

「うん、メイちゃんやタマちゃん、リンちゃんもだよ。」

「機関科や砲雷科、主計科の連中もいる。」

2人の言葉に、アニメそのままだなと私は別の意味で感心してしまった。

「これでかんちゃんが居てくれれば練習艦時代の再現だったんだけどな。」

女子海洋学校卒業後、私以外は地元のブルーマーメイド商会に就職したと記憶している。

「そうもいかないでしょう、更識さんは卒業後は実家の艦に乗らなければならなかったんですから。」

まあ私は北方海の更識商会に戻る事になっていたので、1人だけ別の進路になってしまったから。

卒業式後のパーティで岬 明乃を始め、皆が別れを悲しがってくれたものだ、記憶では。

そう思うと女子海洋学校時代を懐かしそうに話す彼女達に何だか申し訳なかった。

「すいません岬さん、あの当時は出来るだけ早く商会に戻らないといけなかったものですから。」

商会の経営を軌道に乗せる為に戻ってまほろばの艦長に就く必用があったのだ・・・姉さんが早く帰れとうるさかったのもあるけど。

「・・・・・」

「岬さん?」

私をじっと見る岬さんに戸惑う。

「もうかんちゃん、岬さんなんて他人行儀だよ、明乃で良いってば。」

そ、そちらですか、そういえば女子海洋学校時代もそう呼べて言われていた記憶がある。

「いえ、いくら同期とはいえ今はお互い立場も有りますし。」

「そうです艦長、練習艦に乗って時と、いやあの時もでしたが、そこはきちんとしないと。」

私の言葉に宗谷さんも同調して岬さんに言ってくる。

「2人共そこは変わらないなあ。」

「艦長が変わらな過ぎなんです。」

アニメでもそうだったが、こちらで練習艦乗艦時もこんなやり取りがあったなあと思い出す。

「艦長と言ってましたが、岬さんが晴風の?」

「そうだよ、私が晴風の艦長さんだよ。」

この辺はアニメ同様らしい、そういえば今岬さんと宗谷さんの着ている艦内服はアニメに出てきた、あちらは国際機関だったが、ブルーマーメイドのものだった。

流石にセーラー服では無かった、あちらは女子海洋学校の制服だからだろう。

アニメでは本来将来に着る事になるブルーマーメイドの制服姿で居るというのは感慨深いものがある。

まあ、2人がその制服姿で、私がIS学園制服姿、それが一緒だというのは少々複雑な気分だけど。

「かんちゃんもそうなんだよね?」

「はい、まほろばの艦長をやってます。」

「北方海の守護天使と呼ばれているらしいな、中央海でも有名だぞ。」

岬さんの問いに私が答えると宗谷さんが感心した様に言ってくる、この名前中央海でも知られているんですね、ラウラの時に南方海でも知られている事は聞いたのですが。

「私もかんちゃんに負けていられないね。」

目を輝かせて言う岬さんに宗谷さんが、苦い表情を浮かべて言ってくる。

「その前に艦長は落ち着く、という事を覚えて下さい、今回の護衛任務だって・・・・」

アニメ同様宗谷さんは岬さんに振り回されているらしく、私は内心笑ってしまう。

 

持っている記憶はこの世界の更識 簪としての物で、実際私は彼女達と居たわけでは無いが、共に過ごした事は紛れも無い事実だ。

目の前で繰り広げられるやり取りを見ながら私は思わず笑ってしまう。

「・・・まったく更識さんに笑われていますよ艦長。」

宗谷さんが恥かしそうに岬さん言う。

「あ、すいませんね、でも呆れた訳では無く、女子海洋学校時代を思い出しもので。」

「そうだね・・・あの時も色々有ったもんね。」

私の言葉に岬さんは感慨深そうに言う。

「そうですね、まあ私や更識さんは艦長に振り回されていましたが。」

岬さんと違い宗谷さんはそっちの方で感慨深いみたいだが。

確かに振り回された記憶が強く残ってはいるが、一方で充実した学校時代だったとは思う。

 

その後、お互いの卒業後の話をして旧交温めた私達はそこで分かれた。

晴風は暫らく港に投錨するので、後日尋ねる約束をして。

その時は記憶に残っている同期の娘達との再会出来る事が何故だか楽しみだった。

 

なお、2人と分かれた後、商会に戻った私を姉さんとシャルが尋問の準備をして待っていた。

私が女子海洋学校時代の事を一つ残らず話させられたのは言うまでもなかった。

そして本音、終始にやにやしながら見ていないで助けて欲しかったですよ。

 

16:15

 

女子海洋学校同期との再会終了

 

・・・ちなみに尋問は20:00まで続いた。

 

 

 




この小説を書くにあたって影響を受けたはいふりの話でした。

ISにはいふりと節操が無いですね私は(笑)。

もっとも次の話もそうなりそうなんですが。

女子高生艦隊に続き女子高生戦車隊にするつもりなので(笑)。


それでは。
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