はっきり言ってキャラが崩壊(特に姉の方が)していますので注意願います。
パンツァー・フォー
このゲームは海洋が舞台の為、登場するメカニックは艦船がメインだ。
だから陸上兵器としての戦車は存在しても、どちらかと言えば補助的な扱いだった。
拠点などに配置して防衛力として使うとか、艦船に搭載して火力を増すとかだ。
私がこの世界に来た時にもそういった意味で戦車は使われていた。
まあ流石に艦船に、というのは無かったが島々に地上防衛力としてというのなら見た事はある。
だからと言って彼女達が出てくるとは私は思わなかった。
「はじめまして、大洗商会所属戦車隊・隊長の西住 みほです。」
そうガルパンの登場人物である彼女達が出てくるとは・・・
T島群におけるシーサーペント掃討
ハンターギルドからその依頼が更識商会に入った事が始まりでした。
幾つかの小島で構成されるT島群の入り組んだ水路にシーサーペントが進入したの数週間前。
船舶の航行が辛うじて可能なその水路での戦闘は大きな危険を伴った。
何しろ水路の両岸には人々の住む町があり、下手をすれば流れ弾が降り注ぎかねないのだ。
そこで依頼を受けた織斑ギルド長が立案した作戦、それは海岸に戦車群を配置して攻撃、水路から追い出し、洋上で迎撃するというものだった。
「こういった作戦に適した連中がいるからな。」
織斑ギルド長がそう言って更識商会と共に召集したのが大洗商会だった。
私は最初その名を聞いた時、何処かで聞いた様な気がしてしょうがなかった。
そして掃討作戦のハンターギルド、更識商会、大洗商会、3者合同の打ち合わせが行なわれた時。
分かったのだ、その商会がガルパンに登場する娘達の居る所だと。
打ち合わせ場所に会長である角谷 杏と共に西住 みほが入ってきた時は唖然とさせられた。
大洗と聞いた時に思い出すべきだったのだが・・・一体この世界は私に何をやらせたいのだろうか思い悩んでしまう。
「大洗商会・会長角谷 杏、更識会長、今日はお手柔らかにお願いするよ。」
アニメと同じ小柄な体形にツインテールの髪形、もちろん声も言葉使いもそのままで値踏みする様に私と会長である姉を見る角谷会長。
それにしても彼女が会長というのはやはりうちの姉同様、生徒会長だったからだろうか?
「更識商会・会長更識 楯無ですわ、こちらこそお願いしますわ角谷会長。」
扇子で口元を隠しつつ含みある笑顔を浮かべて答えるうちの会長、何だか似たもの同士に見えるのは私の気に過ぎだろうか。
「はじめまして、大洗商会所属戦車隊・隊長の西住 みほです。」
角谷会長に続いて挨拶してくる西住 みほ、こちらもアニメ同様の容姿と声だった。
「こちらこそはじめまして、更識商会所属まほろば艦長の更識 簪です。」
私と西住 みほも挨拶を交わす、こちらはいたって普通通りだ・・・前の2人が特殊なだけだろうけど。
「うん、噂の守護天使殿か、これは大物を用意しましたね織斑ギルド長。」
私達を見守っていた織斑ギルド長に意味深な笑みで語り掛ける角谷会長。
「失敗の許されない作戦だからな、私としては角谷会長の方もそうだと思っているが。」
「それは光栄ですね織斑ギルド長。」
うちの姉同様、角谷会長も織斑ギルド長とは長い付き合いの様だった。
その後の作戦の打ち合わせは問題無く終わった、何しろ西住 みほはアニメ同様優秀な人間だったから。
ただそこまでは良かったのだけど、最後の方で姉さんが「うちの妹は天使ですから。」とか「怪我したら、お姉ちゃん泣いちゃう。」なんて言い出すものだから私は非常に恥かしい目にあってしまった。
お蔭で角谷会長は引きつった表情を浮かべ、織斑ギルド長は呆れていた。
その中で西住 みほだけが、複雑そうな顔をしていたのが私としては気になったのだけど。
翌日11:30
まほろば専用突堤。
そこにはまほろばと共に戦車を輸送する為の艦、戦車揚陸艦も接岸していた。
西住 みほ率いる戦車隊はその戦車揚陸艦に搭乗しT島群に向かう事になっている。
そして両艦の前に私以下まほろばと戦車揚陸艦の乗員、戦車隊の搭乗者が集合する。
そこで私は戦車隊の搭乗者達と対面する、まあ皆アニメに登場したキャラ達だっけど。
「武部 沙織です、よろしくね。」
「わたくし五十鈴 華と申します、よろしくお願いいたします。」
「冷泉 麻子・・・よろしく・・・」
「秋山 優花里であります、北方海の守護天使殿にお会い出来て光栄であります。」
アニメでは西住 みほが搭乗しているIV号戦車D型の乗員達だ、ちなみに私は初期に出てきたこちらの方が、最終話に出てきたIV号H型より好きだったりする、まったくの余談だけど。
他にアニメで見たことの有るキャラ達がいて、内心苦笑を禁じえなかった。
「「では総員配置に着いて下さい。」」
私と揚陸艦の艦長の指示で両艦の乗員達がそれぞれの艦に乗艦して行く。
「AからEチーム乗員も揚陸艦に乗艦して下さいね。」
「「「「了解です隊長。」」」」
戦車隊の搭乗者達も乗員達に続き、揚陸艦に乗艦して行く。
「それでは更識艦長、護衛の方よろしくお願いします。」
西住 みほが私の所に来て頭を下げて言ってくる。
まほろばは洋上での迎撃の他に彼女達が乗艦する戦車揚陸艦の護衛をする事になっている。
「最善を尽くします西住隊長。」
私の言葉に頷くと西住 みほは揚陸艦に乗艦する、それを見届け私もまほろばに向かう。
「出航します、前進半速。」
まほろばと戦車揚陸艦は港を出港しT島群へ向かった。
まほろばは戦車揚陸艦を護衛しつつT島群までは約6時間掛けて到着した。
幸いな事に航海中、シーサーペントの襲撃は無く、消耗せずに済み私は安堵した。
到着後、まほろばと戦車揚陸艦は一旦港に接岸し、翌日の作戦に備える事になっていた。
ただ私と西住隊長は島民に対する説明の為上陸する必要があった。
「相川副長、後をお願いしますね。」
「はい艦長、お気つけて。」
相川副長に指揮を委ねて私がまほろばから桟橋に降りると、既に西住隊長が待っていた。
「お待たせしました西住隊長。」
「いえ、行きましょう。」
私と西住隊長はそろって島民の説明会が行なわれる講堂へ向かう。
「・・・・・」
「(ちら)・・・」
歩き始めてから西住隊長は私の方を伺う様な仕草をしてくる。
これは何か私に話があると言う事だろうか?
私は時計を確認すると、幸い時間にはまだ余裕があったので彼女に提案する。
「西住隊長、少しお話して行きませんか?」
「・・・分かりました。」
西住隊長は暫らく考えていたけど頷いてくれる、私達は近くの公園に向かう。
公園のベンチに並んで座る私と西住隊長、暫らく黙っていた彼女は意を決したのか話し始める。
「更識艦長は自分のお姉さんの事、どう思われてますか?」
そんな事聞いて来るのは、西住隊長のお姉さんと何らかの関わりがあるからだろうか?
アニメでは西住流戦車道の後継者であり、黒森峰女学園戦車道の隊長である西住 まほ。
2人は戦車道の事で不幸な事に道を違えてしまった筈だ、最終的には修復する事が出来たけど。
こちらの世界でもやはり何らかの行き違いが有って、姉妹関係で西住隊長は悩んでいるのかもしれない。
出発前に相川副長に聞いた話だと、こちらにも黒森峰、女学園では無く商会の方だけど、は戦車隊を有する商会としては名門らしい、もちろん会長は西住 しほ、西住隊長のお母さんだ。
そしてアニメと同様西住隊長は黒森峰商会から大洗商会に移った来たという話だった。
「まあ、姉さんはあんな感じですから、私としても困っています、けど・・・」
西住隊長のお姉さんもきっと貴女の事を、そう言おうとした私だったけど、その先を続ける事は出来なかった。
「やっぱりそうですよね、困りますよね、ええ更識艦長のお気持ち十分理解出来ます。」
私の両手を掴み喋る西住隊長は先程までの態度が嘘の様だった。
「あの・・・西住隊長?」
困惑する私を他所に西住隊長はエキサイトして行きます。
「お姉ちゃんたら隙さえあればお風呂とかベットに潜り込んでくるんですよ。」
何だろう何処かで同じ事があった様な気がするのは・・・
「お前は私の希望だとか、お前にもしもの事があれば生きてはいけない、なんて人前で言い出すし。」
これもだ、つい最近聞いた覚えがあるのですが・・・もしかして西住 まほってうちの姉と同じ?
「もしかして西住隊長のお姉さんって、貴女に対して過保護なんですか?」
「はい、過保護いえそんなもんじゃ済みません、もはや妹に対する姉の愛情なんてものではありませんよあれは。」
そこで私達はお互いを見つめあい・・・
「西住隊長!、いえみほさん。」
「更識艦長!、いえ簪さん。」
そう呼び合うとお互いの両手を握り合いました、ああここにも姉の行き過ぎた愛情に泣く者が居たなんて。
それから暫らく私達はお互いの姉の愚痴を、説明会が始まるまで続けたのでした。
それにしてもうちの姉と言い、西住隊長のお姉さんと言い、この世界の姉達は皆ああなのでしょうか。
翌日10:15
T島群沖合い
まほろばは戦闘配置の状態で待機していました。
「艦長、西住隊長より連絡、戦車隊の配置完了、予定通り10:30より攻撃開始との事です。」
相川副長が艦内通話機を戻しながら報告してきます。
「分かりました、総員現状のまま待機をお願いします。」
「了解です艦長、総員現状のまま待機します。」
私の指示を相川副長が復唱するのを聞き時計を見つめます。
そして見つめる時計の表示がどんどん進んでいきます、10:20、10:25、そして10:30。
遠方から微かですが砲撃音が聞こえ始めました。
その音を聞きながら私達は待ち続けます、西住隊長達の攻撃が成功するのを祈りながら。
『こちら無線室、西住隊長より連絡、攻撃は成功、目標は水路から外海へ移動との事です。』
「機関前進全速、砲雷撃戦用意!」
それを聞いて私は即座に指示を出します。
「機関前進全速!」
「砲雷撃戦用意!」
砲術長と機関員の復唱が重なり、まほろばは水路出口へ突進して行きます。
「全主砲打て!!」
作戦は無事に終わりました、水路から出てきたシーサーペントはまほろばの砲弾と魚雷により撃破されました。
全てを終え、まほろばと戦車揚陸艦はT島の住民の皆さんの盛大な見送りを受け商会の有る港に向かいました、損害も軽微でしたし、私達は達成感に浸りました。
ですが、あんな事が港で待っていたとは予想出来ませんでした。
「何を言っているんですか、そんなのみほが居たからに決まっている。」
「あらそんな事は無いわ、簪ちゃんのお蔭です、絶対に。」
桟橋上で私とみほさんが見たのは、どちらの妹が功労者だったかで争う自分達の姉の姿でした。
それにしてもうちの姉は分かりますが、みほさんのお姉さんは一体どうして此処にいるのでしょうか?
黒森峰商会の戦車隊長の彼女は今回の作戦には参加していなかったのに。
とはいえそんな事で揉めているうちはまだ救いがあったのですが、そのうち2人の姉の争いの内容は変な方向へ行き始めたのです。
「みほの寝顔は究極の可愛さだ、それに勝るものは無いと断言する。」
「ふん寝顔だって簪ちゃんは負けません、ですがもっと可愛いのは着替えを覗かれた時の恥かしそうな表情なんですから。」
「な、何てこと人前で言ってるんですか姉さん!?」
「もうお姉ちゃんまた私が寝てる時に進入して来たの!?」
その後も自分の妹がいかに可愛いかで暴走する姉達に、私達は恥かしさで今にも海に飛び込みたい気分でした。
周りでは皆生暖かい視線で私とみほさんを見ています、ああ戦車隊の人達の中にはには笑い転げている人も。
私とみほさんは我慢の限界に達し・・・
「いい加減して下さい姉さん!!」
「もうお姉ちゃんいい加減にしてよ!!」
桟橋に私達妹の絶叫が響いたのでした。
その後、私は商会へ、みほさんは揚陸艦へ、それぞれの姉を連れて行きました。
もちろん説教する為です、もっとも当人はまったく懲りていない様でしたが、まあこれはみほさんの方も同様だったらしく、後に顔を合わせた私達は互いに深い溜息を付くしかありませんでした。
唯一良かった事と言えばみほさんと私の間で姉の事で深い共感が生まれ仲良くなれた事でしょうか。
理由が理由だけに素直に喜ぶ気がしなかったのは言うまでもありません。
何だか自分で書いていて訳が分からなくなってしまいました、申し訳ありません。
まあ、優秀だけどちょっと困った姉と、真面目な故振り回される妹、という話しは結構
好きです。
こちらのサイトでもそういった姉妹ものが多く、にやにやしながら見ていたりします。
あと、これは個人的な感想なのですが、西住 まほと更識 楯無の2人は、優秀なくせに、
言葉足らずで、妹に変な誤解させているんじゃないかと思ったりします。
それでは。