完結すると投稿が捗りますね………何かおかしいような?
捏造クラフトあります。
アインヘル小要塞。入学オリエンテーリングと題されたそれは、またしても凄まじく覚えのあるダンジョン攻略という内容らしく。
まずは自己紹介から始めて連携するのに最低限の情報を得ようとするのだが。
「よし、まずは自己紹介をしよう。俺は――――」
「リィン・シュバルツァー。<灰色の騎士>なんて渾名を持つ英雄で、クロスベル戦線では共和国軍を何度も追い返した――――クロスベル人だって知ってる有名人でしょう?」
「更に<北方戦役>では戦う前にノーザンブリア上層部を少数で制圧して降伏させ、おまけに暴走した兵器を破壊して市民を守ったとか」
ピンク色の髪の少女が反抗的に言えば、水色髪の青年がそれを補足する。
「制圧って――――ええ? ちょ、ちょっと待って。それって一人で戦争して勝ったってことじゃ?」
「そういうことなんじゃないか? いや、一人じゃなく少数らしいが」
途端にものすごい悪人を見るような目でリィンを睨んでくる少女に、いきなり前途多難っぷりを感じていると、アルティナが口を開いた。
「正確には、武力制圧になる前に<結社>と繋がった――――」
「アルティナ、機密事項だからなそれは」
「―――――失礼、秘匿事項でした。……ですが、断片的な情報で誤解を与えるのもどうかと思いますが」
「誤解も何も、結果的にノーザンブリアを降伏させたのは事実だ。そこを否定するつもりはない」
アルティナとリィンの視線が交わり、若干不服げなアルティナはしかし小さく頷いて言った。
「――――では補足します。リィン・シュバルツァー、昨年度でトールズ本校を卒業して第Ⅱ分校の教官として赴任。八葉一刀流皆伝の腕前であり、趣味は釣りと料理、VMです。釣りに関しては“釣聖”と呼ばれる帝国トップ2の腕前で、料理は美味しいです。特技は乗馬で、休みの日は主に町を回って情報収集を兼ねた人助けをしています」
「いや、アルティナ…?」
「ユミル出身なので温泉には目がなく、雪での遊びにも詳しいです。あと不埒な言動が目立ちますが、特定の女性との噂がないので―――――」
「ちょっと待て、何を紹介する気だ!?」
まさかの女性関係まで紹介されそうになったリィンが慌てて止めると、アルティナはまだ語りたそうに小首をかしげた。
「? リィンさんを」
リィンさんといえば不埒では…?
とでも言いたげな純粋な目だった。リィンはちょっとだけ普段の素行を気をつけようと思ったが、人助けの結果各地で女性に好かれているのであんまり直せそうもない。
「長い…っ! 俺はいいから自己紹介をしてくれ、自己紹介を!」
「……はい。アルティナ・シュバルツァー、年齢は14。帝国軍情報局所属ですが、休業中ということになっています。八葉一刀流初伝カッコカリです………次の方、どうぞ」
「名字で分かると思うが俺の“義理の妹”になる。俺はともかく、仲良くしてやってくれ」
「義理の」
「妹……」
なんだ、流石に夫婦じゃなかったか。と二人のリィンへの犯罪者を見る目がもっと優しい何かになった。アルティナが自慢の兄の良さを知ってもらいたい妹っぽく見えたのである。さらっと情報局所属とか聞こえてきたが、教官が犯罪者かどうかの方が重要である。初伝カッコカリというクルト的には気になる単語もあったが、アルティナが目で促してきたので自己紹介する。
「クルト・ヴァンダール……ヴァンダール流の中伝になります。分校には特に積極的に所属したい理由もありませんでしたが―――――八葉一刀流皆伝の剣聖の腕前には興味がありますね」
クルトが最後に残ったユウナに目を向けると、流石に自分だけ自己紹介していないのはアレだと思ったのか、大人しく口を開く。
「ユウナ・クロフォード。クロスベル警察学校からの転入になります。色々と思うところはありますが、一応よろしくお願いします」
と、そこでシュミット博士からの『早くしろ』という趣旨の放送があり。リィンたちはマスタークオーツをセットしたところで、突然床が抜けるというハプニング――――もとい、ドッキリを受けたのだった。
「……きゃー。こわいー」
「いや、あのなアルティナ」
「なんでしょうか。………すみません、歌はともかく演技力は修行中ですので」
「そうじゃない。確かにクラウ=ソラスは使わないようにと言ったが……俺に抱きつかないでくれ」
「……? 想像以上に急だったので、バランスを崩したことろでリィン教官が助けて下さったのは記憶していますが」
「その後! ミリアムじゃないんだから両手両足でしがみつかない!」
「………ミリアムさんなら良いのですか?」
「そんな顔されても――――…ミリアムは言ってもやるってだけだからな」
憧れのみっしいの中身がおっさんだったことに気づいてしまった子どもみたいな顔をされたのでなんとなく言い訳っぽくなると、アルティナは拗ねたような顔でそっぽを向いた。
「クラウ=ソラス使用許可があれば別ですが………無意識の行為だったので」
「いや、それじゃ修行にならないだろ」
小声で呟いたところは聞こえていないのかスルーされて、若干ふてくされたアルティナは見事に不埒衝突現場と化したユウナとクルトを見て言った。
「リィンさんもそうですが――――クルトさんも才能を感じますね」
「それは才能なのか……?」
そうこうしているうちにクルトがユウナにビンタされ。
全員で互いの武器を確認したところでアインヘル小要塞の攻略がスタートした。前と同様にユウナがアルティナが戦えるか疑ったりしたのだが、クルトは「八葉一刀流は有名な武術なのでその初伝?ともなればしっかり戦えるはず」という趣旨のことを言った。
実際、アルティナが使うのはリィンより一回り以上小さい小太刀なのだが、伊達に情報局のエージェントをしているわけではないし、<黒の工房>があらゆる技術をつぎ込んだだけあって瞬発力など各種能力は凄まじいものがある。
意外にも、クラウ=ソラスを封じてみると伸びしろが多い――――ただし体力はない――――アルティナは、普通にクルトとユウナよりも強かった。
もちろん、アルティナには未来での戦いの経験値まで入っていて。既に修羅場を潜った歴戦の戦士と言って良かった。剣技はまだ初伝レベルであるのも事実で、そのあたりはアンバランスなのだが。
「八葉一刀流、ニの型――――<疾風>」
どう見てもパワーのなさそうなアルティナの細腕が振るう小太刀が、冗談のように魔獣を斬り捨てていく。見たものを唖然とさせるそれは、ある意味敵を油断させる天性の才能かもしれなかった。
「………くっ、負けられないな…!」
「ちょっ、ああもう! そういえば情報局とかいうのにいるって言ってたわね……!」
初伝ってなんだっけという気分にさせられる戦闘力 (身体能力の暴力である)を見せられたクルトが発奮し、クロスベル戦線で助けられたことを今更ながらに思い出させられたユウナもガンブレイカーを握りしめてそれに続く。……まあ当時もなんでこんな小さい子を連れ回しているんだろうくらいにしか思っていなかったのだが。
「焔よ、我が剣に集え―――――斬っ!」
以前にリィンが助けに入った植物型の大型魔獣も、あっさりとアルティナがトドメを刺し。完全に観戦モード(参戦したらオーバーキルすぎるので)のリィンを恨めしげに見るユウナ、クルト。
「リィン教官――――いつものお願いします」
ほめて! と頭を差し出すアルティナの頭をリィンが撫でていると、何やら不穏な放送が聞こえてきた。
『ええぃ、これでは肝心の<灰色の騎士>のデータが取れんではないか』
『はわわわ、だ、駄目ですよ博士~! そんなことしたら大変なことに――――』
『ラッセルの孫のくせに常識人振るんじゃない!』
「………一体何をする気なんだ……?」
「リィンさん、戦術リンクお願いします」
さりげなく教官呼びを止めるアルティナに気づかず、戦術リンクを結んだリィン達は遂に最奥もとい出口手前の部屋に到達。そこで現れたのは―――――。
『――――捕獲した旧時代マシナリーだ。自動戦闘は魅力的だが、戦闘能力という点では及第点は渡せんな』
さらりと四体、ぎっしりと部屋に詰め込まれた魔煌兵のインパクトに唖然とするユウナとクルトだが、アルティナは冷静にリィンを見て言った。
「教官、指示を」
「ああ―――――ブレイブオーダーモード、起動! これくらいなら軽く対処できるはずだ。連携を密にして、一体ずつ倒していくぞ!」
「くっ――――了解です!」
「う、嘘でしょ―――――ああもう! わかりました!」
初手、バラバラに剣を振り下ろしてくる魔煌兵のうち、最初の一体の攻撃にリィンが刀を合わせ―――――瞬間、その魔煌兵が真横に吹き飛んだ。
「――――何!?」
「えええっ!?」
それはかつてパンタグリュエルでリィンがアルティナを吹き飛ばした時の技と同じものなのだが――――洗練されすぎて最早別の技である。
吹き飛んだ魔煌兵はドミノ倒しの如く三体まとめて転倒し。残りの一体はアルティナが惹きつける。
「今だ、ユウナ――――!」
「え、ええっと――――壊せ、スレッジハンマー!」
「行きます――――業炎撃!」
ブレイブオーダーで破壊力を増したアルティナの剣が魔煌兵の一体を転倒させ。全ての魔煌兵が転倒したところでリィンがクルトを見た。
「クルト、頼む!」
「了解しました―――――奔れ、太刀風の陣!」
クルトが一気に魔煌兵に接近すると、流れる水のような双剣術で攻撃。それに釣られるように、ユウナも堅実なトンファーの制圧術で魔煌兵の脚部を破壊していく。
が、流石に破壊しきれず、態勢を立て直す魔煌兵に、リィンは刀に手をかけつつ言った。
「行くぞ、アルティナ―――――」
「―――――了解です、リィン教官!」
「万象流転、無より出て無に還る―――――」
<刻葉>と同様に分け身を用いて敵陣を斬り裂き、斬撃の嵐と言っていい苛烈な攻撃を仕掛けるリィン。そしてその間隙を縫うようにアルティナが<蒼炎の太刀>を浴びせかける。
「―――――ズバッと…!」
返す太刀。敵陣の中央で背中合わせになったリィンとアルティナが、<裏疾風>と同様の薙ぎ払いで焔の竜巻ごと敵を斬り裂く―――――!
「「鏡覇・螺旋疾風斬!」」
残ったのは、消えていく魔煌兵の残滓のみ。
圧倒的な戦闘力に呆然とするクルトとユウナに、『次は貴様らに合わせた難易度にしてやる』と珍しく悔しげに宣言するシュミット博士。
こうして、あっさりと入学オリエンテーリングは終了し―――――。
圧倒的な実力差を見せられたクルトとユウナはしかし、めげることなくアルティナに、そしてリィンに追いつくことを誓うのだった―――――。
ちなみに、一応リィンは自分で特務科に所属するかどうか決めるように促したのだが。やはりというべきか一番にアルティナが手を上げた。
「―――アルティナ・シュバルツァー。リィンさんに色々と教えていただきたいのでⅦ組特務科に参加します」
「いや、あのな……」
「……やっぱりあの二人は怪しいような」
「ああ、そうだな……」
やっぱり疑念は再発した。
リィンは、ミュゼに影響されてるんじゃないかとアルティナの将来が若干不安になった。
強すぎて話が成立しないということに気づいてしまったのです。
PS4が使用不能で、シノプシス見ながら書いてるので色々あっさりなのはお許しください。まあアルティナメインで戦闘はオマケですので多分続きをやるにしてもこれくらいの薄味なのですが。