ポケットモンスター・レジェンド   作:かるな

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やっとバトルに入れました!




第4話 アルバ島へ③

「おおー!すげぇ広い!!」

 

 

「満足してもらえたかな? ここが、今回使用するバトルフィールドだよ」

 

 

 

交流戦当日、サトシは他のトレーナーよりも早く、会場に着いたのだが、そこには代表であるシオンが先にいた。

 

 

 

「はい!船の中なのにこんな立派なフィールドがあるなんて!」

 

 

 

今まで何度か船の中でバトルをしたことがあったサトシだったが、あくまで簡易的なフィールドで行うことが多かった。

 

そのため船内でありながら、ポケモンリーグで使われてもおかしくない程整備されたフィールドで戦えることの喜びがあふれていた。

 

 

 

「ずいぶんと騒がしい声が聞こえるな」

 

 

 

サトシが喜びに浸っていると、後ろから棘のある言葉が聞こえてきた。

 

 

 

「なっ!いきなり何だ...よ...」

 

 

 

振り返った先には、紫色の髪で、少し釣り目の見知った顔があった。

 

 

 

「久しぶりだな、サトシ」

 

 

「シ、シンジ!?どうしてここに?」

 

 

「どうしてと言われてもな。お前と同じで、地方の代表に選ばれたからだ」

 

 

 

未だに驚きが隠せないサトシに、落ち着いた様子で返すシンジ。

 

彼らはシンオウ地方で熱い戦いを繰り広げた、ライバル同士であった。

 

 

 

「サトシ君が知っているかは分からないが、シンジ君はシンオウ大会以来、様々な地方のリーグに出場していてね。優勝はしていないが、ジムをかなりの速さで攻略し、リーグでも惜しいところまで行っていたんだよ。バトルスタイルが確立していたのと、将来性を見越して今回招待したのさ」

 

 

「ご招待ありがとうございます。代表」

 

 

「例には及ばないよ...おっと、他のメンバーも来たようだね。集合時間までまだあると言うのに、余程楽しみだったらしい」

 

 

 

シオンが入り口に目を向けると、サトシとシンジもつられてそこを見る。

 

すると、二人のトレーナーが見えた。

 

 

 

「アランさん!?」

 

 

「ミツル...!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全員揃ったようだね。では、一人ずつ自己紹介をしてもらおうか。では、サトシ君から」

 

 

「は、はい!」

 

 

 

シオンの前に横一列に並んだ四人は、まずはお互いを知るための自己紹介から始めさせられた。

 

 

 

「俺はカントー代表、マサラタウンのサトシ!俺のことを知ってる人もいるけど、改めてよろしく」

 

 

「では次、シンジ君」

 

 

「はい。俺はシンオウ代表のシンジです。よろしくお願いします」

 

 

「次、アラン君」

 

 

「はい。カロス代表のアランです。よろしくお願いします」

 

 

「次、ミツル君」

 

 

「はい。えっと...ホウエン代表のミツルです。よろしく...お願いします」

 

 

 

全員の自己紹介が終わったところで、シオンが時間を確認した。

 

 

 

「皆もう少し自分のことについて話してくれてもよかったんだが、まあ問題はない。では、今回行う交流戦についてもう一度説明を行う。まず、使用ポケモンは一匹。道具の使用は禁止。持ち物も禁止だ。何か質問がある者はいるかい?」

 

 

 

シオンがそう聞くと、サトシを除いた三人が一斉に手を挙げた。

 

 

 

「では、先程の順番通りに質問してもらおう」

 

 

「俺からですね。勝敗の判定方法は戦闘不能だけですか?」

 

 

「降参は認めない。お互いに全力で戦ってくれ」

 

 

「道具、持ち物の禁止というのは、メガストーンもですか?」

 

 

「すまないが、今回は禁止とさせてもらう。他の道具は禁止で、メガストーンだけ有りというのは不公平だろう?」

 

 

「試合の形式はどういうものですか?」

 

 

「それは...」

 

 

 

シオンが説明しようとした瞬間、先程の入り口から、ドタバタと足音が聞こえてきた。

 

 

 

「間に合ったー...! あれ?もう始まってる?」

 

 

「時間的には間に合っているよ、メイ君」

 

 

 

走りこんできたのはメイと呼ばれた女の子だった。ここに来るまでにかなり走ってきたのか、両手を両ひざに着き、肩で息をしている。

 

その息に合わせて、彼女のツインテールが揺れていた。

 

 

 

「皆に紹介しよう。彼女は今回交流戦に参加する役員の、メイ君だ」

 

 

「はーい!ご紹介に預かりましたメイです。皆よろしくね!!」

 

 

 

非常に明るいメイの自己紹介が終わると、シオンは説明を再開した。

 

 

 

「試合形式だが、彼女を含めた5人で総当たり戦を行ってもらう。勝率が一番高かった者には、後ほど景品を与えよう。では、試合開始時間まで控室で待機しててくれ。出番になったらこちらから呼び出させてもら。また、出番でない者は試合を観戦しても構わないよ」

 

 

 

説明が終わると、5人はそれぞれ控室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、アランも選ばれてたなんて!」

 

 

「俺も選ばれたときはびっくりしたよ。でも、また君と会えて嬉しい」

 

 

「お久しぶりです。シンジさん」

 

 

「ホウエンリーグ以来だな、ミツル」

 

 

 

控室に戻ったサトシ達は、それぞれが再開した相手との会話を楽しんでいた。

 

しばらく話していると、室内のスピーカーから音が聞こえてきた。

 

 

 

『今から第一試合、サトシ君対シンジ君との試合を始める。両者フィールドに来るように』

 

 

 

そう告げられ、サトシとシンジはお互いの顔を見合わせた。

 

 

 

「まさか、いきなりお前と戦うことになるとはな。シンオウリーグでの借り、返させてもらう」

 

 

「望むところだぜ、シンジ!」

 

 

 

互いにニヤリと笑い、控室を後にする。

 

残された3人も初戦を見ようと後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「審判は私が勤めよう。では、両者ポケモンを」

 

 

 

シオンの呼びかけとともに、サトシとシンジの手からボールが放たれる。

 

 

 

「ゲッコウガ、君に決めた!」

 

 

「ハッサム、バトルスタンバイ!」

 

 

 

フィールドにゲッコウガとハッサムが現れ、互いの存在に気付くと臨戦態勢をとった。

 

 

 

「そいつがゲッコウガか。本物は初めて見る」

 

 

「カロスで旅をしてた頃に出会ったんだ。シンジ、お前こそハッサムをゲットしたんだな」

 

 

「ジョウトで旅をしてた時にな。どうやら、お互いのバトルスタイル以外は白紙の状態だな」

 

 

「久しぶりのバトルには最高のシチュエーションだぜ!」

 

 

双方、かつてのライバルとの再戦にトレーナーとしての血がたぎる。それはトレーナーだけでなく、お互い面識の無いハッサムとゲッコウガにも伝わり、二匹とも待ちきれないと言った様子だ。

 

 

 

「では、バトルスタート!」

 

 

「先手必勝!ゲッコウガ、いあいぎり!」

 

 

 

先に仕掛けたのはサトシのゲッコウガ。手からエネルギーを発し、小さな短剣のようなものを生成すると、そのまま一直線にハッサムへと向かった。

 

 

 

「迎え撃てハッサム。シザークロス」

 

 

 

指示を受けたハッサムは、切りかかってくるゲッコウガの動きに合わせ、シザークロスで受け止める。

 

助走があった分威力が乗り、ゲッコウガのいあいぎりはハッサムを後退させた。

 

 

 

「そのまま押し込め!ゲッコウガ、つばめがえし!」

 

 

「ハッサム、バレットパンチ」

 

 

 

ゲッコウガがつばめがえしを放とうとした瞬間、ハッサムのバレットパンチがゲッコウガを捉えた。

 

距離が離れていたにも関わらず、一瞬で追撃を阻止されたゲッコウガは、そのまま吹き飛ばされた。

 

だが、ダメージは大して無かったようで、地面に落ちる前に体制と整え、しっかりと着地した。

 

 

 

「流石シンジだ。一筋縄じゃいかないぜ!」

 

 

「当たり前だ。ハッサム、つるぎのまい」

 

 

 

ゲッコウガが体制を立て直した隙に、ハッサムはつるぎのまいを使って自身の攻撃力を上げた。

 

これにより、先程の大したことない攻撃も無視出来なくなってしまう。

 

 

 

「だったら!ゲッコウガ、みずしゅりけん!」

 

 

 

相手の攻撃力が上がったのなら、相手から攻撃を受けなければいい。

 

その考えが智の頭に浮かび、遠距離攻撃であるみずしゅりけんを指示した。

 

 

 

「ハッサム、シザークロス」

 

 

 

だが、連続で放たれるみずしゅりけんをハッサムは避けることはせず、確実に相殺させる。

 

躱すまでもないとハッサムの表情が物語るが、サトシとゲッコウガは落ち着いていた。

 

 

 

「シンジ。俺達の力、こんなもんじゃないぜ!」

 

 

「だろうな。お前の旅の成果、存分に見せてもらおう」

 

 

 

サトシはゲッコウガと顔を合わせ、互いに頷く。

 

サトシが右の拳を地面に付けると、それと全く同じタイミングでゲッコウガが全く同じ動作をした。

 

まるで、お互いがシンクロしているように。

 

そして次の瞬間、ゲッコウガを中心に、包み込むように水柱が発生した。

 

 

 

「なんだ、これは...!?」

 

 

 

水柱が収まると、現れたのは先程とは違う姿のゲッコウガだった。

 

だが、別段体型が変わった訳では無い。

 

背中に大きな水で出来た手裏剣を背負い、頭部には赤と黒のマークが付いている。

 

 

 

「ハッサム、バレットパンチ!」

 

 

 

相手の動きを見てから動くのは危険と感じたのか、シンジは変化したゲッコウガに見入っているハッサムにすぐさま指示を出した。

 

 

 

「ゲッコウガ、いあいぎりだ!」

 

 

 

バレットパンチといあいぎりがぶつかり合う。技同士の相性はバレットパンチに分があるのだが、押しているのはゲッコウガだった。

 

 

 

「ゲッコウガ、みずしゅりけん!」

 

 

 

お互いに拮抗してる状態で、ゲッコウガが背中のみずしゅりけんを手にし、無防備なハッサムの体に斜め下から当てる。

 

宙に飛ばされたハッサムは、みずしゅりけんのダメージに怯み、体制を立て直せないでいた。

 

 

 

「いあいぎりだぁ!!」

 

 

 

サトシが叫ぶと同時に、ゲッコウガも雄叫びを上げた。

 

心なしか、いや...確実にさっきまでの居合切りとはエネルギーが違った。

 

その証拠にゲッコウガが持っている、エネルギーで作った短剣の長さが伸びていた。

 

 

 

「くっ...!」

 

 

 

今までの経験から直感的に敗北を察したシンジは、相棒であるハッサムの健闘を心の中で讃えた。

 

 




シオン「やあ諸君、久しぶりだね。今回は皆があまり知らないであろうミツル君を紹介しよう。彼は、最近行われたホウエンリーグにおいて、圧倒的な力で優勝を収めた実力者だ。そして、その大会にはシンジ君も出ていてね。彼も奮闘したが、やはり差はメガシンカの有無だろ
う。実はミツル君は、前々から目を付けていてね。今回優勝したのをきっかけに、招待したんだよ。では、今回はこれまで。また会おう」


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