12巻からのifモノ 作:H.アンデルセン
こんばんは、初めまして。
全体が幸せには終わらない物語です。
それでもよければどうぞ。
雪乃ちゃんに、新たな依頼がなされた。
そして、私はソレを使って妹を私の居る場所に引っ張る事にした。
これで、私の妹も――――私と同じになる。
そう、思っていた……なのに――
「阿呆ですか、雪ノ下雪乃が頼ってくれる事が気持ちいい? 妹扱い? んなわけ無いだろ……俺は、アイツを、雪ノ下雪乃を助けたいから助ける。妹としてなんて見てはいない」
言葉を紡ぎながら、彼は、雪乃ちゃんを見詰める。出会った頃から今の今までで彼がするとは決して思えない発言と行動だ。その彼と目を合わせて普段との彼の違いに雪乃ちゃんも困惑気味だ。そんな周りなど、気にはならないと彼は更に言葉を紡ぐ。
「――初めて出会った時から、俺は雪ノ下雪乃に憧れ、そして――――――雪ノ下雪乃に恋を、片想いをし続けているのだから」
雪乃ちゃんは彼の想いを聞き、今度こそ最大限の驚きから目を見開き、その雪の様に白い頬を一瞬で朱に染めていた。いや、頬だけでなく……顔全体、耳、首筋……露出している肌と言う肌が全てあり得ないくらい赤くなっている。
「雪ノ下……雪乃」
「は、はい!」
目を合わされたまま、名前を呼ばれ、驚きからどもり気味になる雪乃ちゃん。
「俺は、お前が好きだ。自分の想いを伝える事に迷いはあった、だけどなお前に俺の想いを勘違いされたままにするくらいなら……たとえこの想いが叶わなくともお前に知ってもらおうと思ったんだ」
「ぁ……ぅ」
「もう一度言う、雪ノ下……いや、"雪乃"」
「はい……!」
「俺は雪乃が好きだ。お前が俺をどう思っていようと、出会った時からお前の事だけしか見ていない。俺と共に歩んでくれ、俺はそれだけで良い。それだけが、俺の願いだ」
「ひ、比企谷……君……」
彼の想いの丈の詰まった言葉に、ポロポロと涙を零す雪乃ちゃん。
「貴方馬鹿よ、貴方を思ってくれている人が居るのに……」
「俺はお前がいい、他の誰かじゃない、雪乃がいいんだ」
「…………はい!」
何だこれは? 目の前が真っ暗になる。もう少しで、私は一人の孤独さから、開放されるところだったのに……なのに、何だこの三文芝居はッ!! 私は! ずっと、孤独で、独りだったのに………………!
力が抜ける、目の前で周りなど関係ないと抱きしめ合う二人を見ていると――
フザケルナ!!
その後は、彼を諌めようとしていた母だが、彼から驚くべき事を言われる。
それは――
「俺の入学時の交通事故、そして、色々な場面でのやり取り……全て、録音録画済みです。俺が言いたいことは分かりますよね? あんたが雪乃の母親だろうと、自分の子供を支配するような真似をする存在を俺は許しはしない。今のままの立場で生活がしたいなら雪乃や俺、そして他の奴らにもちょっかいを出さないでください。もし、ちょっかいを出したのなら――ネットにアップしますし、政治の対立候補やテレビ局にも送ります。わかりましたか? 駄目な母親」
この時の母の屈辱たるや、どれ程のものだったのだろう? 高校生のガキに、脅されるなんて。
その後のやり取りを私は細かく覚えていないが、雪乃ちゃんは彼の家に住む事になったみたいだ。
――――――――寒い、とても……寒い。
独りって、こんなにも寒かったっけ……?
オワリ。
見てくれた方、ありがとうございます。