スーパーロボット大戦Z Another Reactor   作:ドロイデン

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第二話 儚くも永久の……

 状況はかなり混迷を極めていた。白亜の騎士と対峙する壊れかけのガンダム、さらにはミナの駆る『ピスカシア』の三体の混戦に、迂闊にも射線に入り込んでしまったアロウズのMS達は次々と落とされ、基地にいた残存のMSを全て吐き出さなければならないほどの激戦となっていた。

 

「切り裂け、アレルシャ!!」

 

 鞭のように蠢き切りかかる剣を、得意のMVSで弾くランスロット、さらにガンダムの折れかけだが肉厚の剣をも余裕で弾くその技量は、確かにナイトオブラウンズという称号を持つだけあるとは思った。

 

『得物が鞭のように動く機体がこうもやりにくいとは……』

 

「余裕で対処してるやつの台詞じゃないわよ!!」

 

 今度は籠手をナックルガードのようにして接近格闘を仕掛けてみるも、明らかにサイズが違うというスピードの差を点かれて避けられる。

 

「あぁもう!!なんであんな小さい機体があんなスピードでるのよ!!」

 

 一応擁護しておくとすれば、ミナの機体も20.3mという中型であり、何よりミナ自身の動体視力はかなり高い方だ。出力や機体性能だって『ランスロット』どころか、それこそどこぞの守銭奴よりも今現在、圧倒的に高いだろう。

 

 だが、流石にランスロットを持ち上げるほどの体力バカであり、普通ならなんで動けると言えるような機動を難なく行える人外枢木スザクと、その人外の操作を意図もすんなりと、まるで手足のように動かせる専用機『ランスロット』のペアと比べるにはあまりにも、余りにも酷すぎた。

 

「刹那だっけ?アレを止める手段って何かある?」

 

『……あの機体は元々地上戦特化の機体だ、あの背中のユニットがあるからこそ空戦でも戦えてるが……』

 

「潰せばそれこそ……ってことね」

 

 難しいが行動方針は決まった。あとはアロウズのMSを殲滅できうる火力が必要になるわけだが、その時、まるで狙ったかのように四本の巨大なピンクの光がアロウズのMSを数体纏めて消し飛ばした。

 

「後方から高出力ビーム!?」

 

『そんな……!?』

 

『まさか……』

 

 ミナは何事かと思い、スザクは驚愕、刹那は今のビームを見て何かを思う。

 

 そして現れたのは重武装をしてるMS(セラヴィー)を基点に、黄色い盾持ち(ブラスタEs)赤い翼(デスティニー)戦闘機(Zガンダム)死神(デスサイズ)双剣のMS(サンドロック)緑の小型機(スコープドックRSC)異形の右腕を持つ悪魔(紅蓮弐式甲壱型腕装備)と、さらに水色の母艦(プトレマイオスⅡ)までと、まるで先程ミナが見たようなカタロンの機体とは似ても似つかぬ機体が此方へと来ていた。

 

『刹那か!?そっちの翠のは……』

 

「ミナ・ティード、訳有ってカタロンの味方で刹那の援護をしてるわ」

 

 赤い翼を持つガンダムのパイロットに短くそう伝えると、とりあえず彼らは納得したように何も言わなくなった。

 

『状況は理解した。刹那、君はトレミーへ、君の新型がある』

 

『了解した』

 

『行かせると……!?』

 

 邪魔をしようとするスザクへ、ミナはビーム砲で牽制しそうはさせないと邪魔をする。

 

「悪いけど君の相手は私よ」

 

『戦争を……世界を混乱させようとする輩の肩を持つのか!!』

 

「私からしたら、覚悟のある軍人が戦争で死ぬよりも、その覚悟がない一般人が理不尽な理由で殺される方が腹立つのよ!!」

 

 それを許すことは、ミナ・ティードにとっての夢であり目標を諦めると動議だ。断じて認めるわけにはいかないのだ。

 

『世界が混乱すれば、無用にまた人々が傷つくことになる!!』

 

「理不尽で成り立つ平穏なんてものはまやかしなのよ!!」

 

『それでも!!』

 

『……私を無視するなんて、良い度胸してるじゃないスザク!?』

 

 と、いつの間にここまで来たという速さでやって来た紅蓮の射撃に、スザクは思わずブレイズ・ルミナスで防御した。

 

『カレン……!?』

 

『アンタにはクメンでの借りもあるんだ、忘れてもらっちゃ困るんだよ!!』

 

『黒の騎士団は壊滅したんだ!!君もそれを受け入れるべきなんだ!!』

 

『ブリタニアの狗に成り下がったアンタの台詞なんか!!』

 

 この二人は因縁……エリア11での黒の騎士団とブリタニアの対決を知ってるものからすれば当然のぶつかり合いだ。しかし

 

「そこの紅いのと緑の、この白いのは私が抑えるから、貴女は基地の方を何とかして」

 

 それを知らないミナには現在進行形で関係ない話だ。

 

『ちょっと!!ソイツは私が』

 

「オートマトンで無抵抗な囚人を殺される訳にはいかないでしょ!!それにその機体のサイズなら基地の内部だろうが関係なく通れるでしょ!!」

 

 特に地上付近の場合、機体のパーツを運ぶために配備されてる機体の全長の半分の高さぐらいまであることが多い。

 

 そして今ある味方で、一番サイズが小さいと言われれば間違いなく紅蓮とスコープドックの二体だ。

 

「それに空中戦できない機体で足場もない状況じゃ、空飛んでる相手を満足に戦うなんて難しいでしょ」

 

『それは……』

 

「兎に角、基地を先に抑えちゃえば破棄されようと関係なし、オートマトンだって先に見つけて破壊しちゃえば人的被害受けることもないから一石二鳥でしょ、戦場での役割分担はちゃんとしなきゃ勝てるものも勝てなくなるわよ!!」

 

 そう言って無理矢理ミナは通信を切ると、目の前のランスロットに剣鞭(アレルシャ)を振るう。

 

『く、的確にフロートばかりを……』

 

「敵の弱点を突くのは立派な兵法の一つよ!!最も、それは足を切り落とさなきゃ意味がなさそうだけど……ね!!」

 

『く!!』

 

 それでも流石はラウンズと言うべきか、危なげではあるが確実に、ミナの振るう剣鞭を尽く避け、弾き、いなしてくる。

 

「だったら射撃……はあの速度と運動性から見て当たるもんじゃないわね」

 

 アレルシャはほぼ見切られ、射撃も当てに行け辛い。ミナからすれば条件はかなり悪いとしか言いようがない。

 

(せめて……せめてもう一人居れば)

 

 他の人間はアロウズと、さらに追加で現れた地上用KMFに掛かりきりになってしまっていて、正直こちらに回せる余裕がないのは分かってるが、それでもとミナは思ってしまう。

 

 その時、先程の水色の戦艦のハッチが開く。

 

『ダブルオーが動いたのか!?』

 

 砲撃型MSのパイロットの台詞に、私を含めて全員が驚く。そして次の瞬間、開いたコックピットからとてつもない量のエネルギー反応が計測された。

 

『まさか!?……よせ刹那!!安定してない状況でトランザムを使えば機体が爆発する!!』

 

「なんと!?」

 

 トランザムというものが何かまでは分からないが、それほどのことが起きれば最悪……

 

『新型だろうが!!』

 

 そんなことを考えてる裏腹に、アヘッドの一機が他の人間たちから逃れ、そのハッチへと駆け抜けていく。

 

「させな……ッ!!」

 

『貴女を行かせるわけにはいかない!!』

 

 ランスロットの砲撃によって動きを封じられ、船の敵へ近付こうにも無理という状況に、ミナは最悪の瞬間を想像した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目覚めてくれダブルオー……ここには0ガンダムとエクシアと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      俺が居る!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まるでその言葉に呼応するかのように、それとも乗るべき主だと判断したかのように、ピットから溢れた粒子がミナたちの居る戦場を覆った。

 

「なに……この温かい光り……」

 

『GN粒子が……あそこまで……』

 

 その場にいた全ての機体が脚を止めて魅入る程の驚きを与えた機体……白亜と青のツートーンに肩に二つの突起物(GNドライブ)、そして両手に持った二振りの剣を持ったMS……『ダブルオーガンダム』が戦場に飛び立った。

 

「……なんなの……あの機体は……」

 

『ダブルオーガンダム……GNドライブを二つ取り付けたツインドライブ型MS……その性能は粒子量だけでも計算上は単純に二倍だったはずが……まさかそれ以上だとはな』

 

 初めて聞く単語が多かったが、それでもミナは驚愕した。粒子量が二倍以上……つまりエネルギーが普通より多いということは、それだけで他を上回るスペックを持つと言うことになる。 

 

 さらにそのダブルオーが赤く光ったと思うと、持っていた剣をビームライフルにし乱れ射ち、剣に直して切り裂き、最後はコックピット近くから真っ二つにして破壊した。

 

「凄い……」

 

 枢木と戦いながらその光景を見ていたミナは感嘆の言葉を漏らした。

 

『く、残存機はラウンズの権限でこの戦域の状況及び基地を放棄、撤退する!!』

 

『な!!ふざけるな、アロウズに口出しを』

 

『ここで戦況を長引かせても犠牲を増やすだけだ!!』

 

『ぐ……了解』

 

 枢木は最後にヴァリスを連射し距離を取ると、スラスターを吹かせてその場を離れ始める。MS部隊も同じくという感じで、漸く戦闘は終わりを迎えた。

 

『こちらカレン、オートマトンの排除は完了したよ。撃ち漏らしは一切ない』

 

「そ、ゴメンね、因縁があるところを」

 

『別に、理由がちゃんとしてたし……寧ろありがとうございます』

 

「どういたしまして」

 

 挨拶はしたものの、ミナ自身は内心ため息を付きたくなった。何せ次元震で強制転移させられて、理由はともあれこっちの世界の国連組織に敵対したのだ、普通にお尋ね者確定である。

 

「はぁ……ままならないわ、ホント」

 

 一人コックピットの中でため息をつくのだった。

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