平塚先生に物理攻撃を食らってから、そのままの姿勢で倒れ続け、数分は経っただろうか。ついに俺の存在が目障りにでもなったのだろう、雪ノ下が声を掛けてきた。
「そこに居られると、視界に入ってまともに本が読めないわ。早く席に座りなさい。それか、打ち所が悪くて、病院送りにでもなった方が私としては良かったのだけれど」
だが、いつも通りの暴言であるところを見るに、別に他意があるわけではなさそうだ。
この教室は清潔だと思うが、それでも制服を二、三度はたきながら立ち上がる。
「はいはい。分かったよ。やっと痛みが引いてきたけど、今の先生のパンチは効いたなぁ…」
「返事は一回にしなさい。あと、それは自業自得でしょう?」
「俺、何か怒らせること言ったか?ただ、先生は大人っぽいですね、と言おうとしたんだけど」
まあ、普段から軽口を叩いて、あんな風に怒られているので、その癖が勝手に出てきたのだろう。
べ、別に先生と、話すのが楽しいってわけじゃないんだからねっ!
そんなくだらない事を考えている俺を見て、額に手を当てる雪ノ下。
「あなたは、配慮が足りないのよ……。平塚先生に失礼だわ」
「でも、雪ノ下さんは魔女って言われても怒ったりしないだろ?」
「そうね……。でもそれは、私があなたに負けることは有り得なし、武力を使わなくても精神的に攻撃するだけだから、怒る必要がないだけなのよ」
「そうですか…」
ちょっと褒めようと思った結果がこれである。笑顔でこっちを見られても、全然嬉しくない。
俺をどこまで雑魚扱いすれば気が済むのだろうか。
「それから、少し言いづらいのだけど……」
言う言葉が見当たらないのか、顎に手を当てて考えている雪ノ下。まだあるのか。
もう悩まないで話して欲しい。ここまで言われたら、一つや二つの暴言くらいどうってことは無い。
しばらく悩んだ後、雪ノ下が口を開いた。
「あなたとは、多少長い付き合いなのだし、それぐらいは許してもいいと思えるのよ。非常に遺憾だけれど、あなたと同じで、私も慣れてしまったのかもしれないわね」
「…………」
言い終わると、少し気まずそうに視線を本に落とす雪ノ下。頬は赤く…なっていない。
え?でも何?この子、俺をそういう評価してたの?なんだろう、この気持ち。
ここから、俺の青春ラブコメは正解の方に突き進んでいくのだろうか?
ヤバイよ。原作通りとかどうでも良くなってきたよ。俺、今日からリア充になれるかもしれないし。
そう思うと、今までのささいなアタックも無駄ではなかっ 「がるるるるるーっ」………。
……あぁ、そう簡単に上手くいかないのが、現実でしたね
現実というものに絶望しながら、唸り声が聞こえた方に向くと、比企谷がこちら、特に俺を睨んで
更なる威嚇をしてきた。
「がるるるるるー!」
俗にいう野性の獲物は目で殺すというやつだろう。腐った目が追加効果を発揮し、並大抵の人なら、ガチで引いてしまうような、そんな雰囲気だ。あまりに痛くて直視出来ないぜ!
だが、奉仕部にはその野生の獣さえ、視線で殺せそうな、並大抵ではない人物が居るのだ。
その人物である、雪ノ下が、比企谷を睨む。
「そんなところで唸ってないで、あなたも席に座ったらどうなの? 比企谷君」
「え、あ、はい。すいません……じゃねえ」
その一撃必殺とも呼べる雪ノ下の睨みに、謝りかけた比企谷。だが、彼はなぜかとても強気であった。そして、比企谷はまるで、呪詛を唱えるように言葉を吐き出した
「……目の前でイチャイチャするんじゃねえよ。バカップルめ」
…これは俺がいるからか。雪ノ下だけなら、こんなことにはならないはずだ。
確かにさっきの会話だけを聞けば、少し毒を混ぜた男女の会話にしか聞こえないのだろう。数分前の俺が、今の俺を見ても、多分同じ事を言うのは、ほぼ間違いないだろう。
……だが、それは誤解である。さっきの言葉には、動揺こそしたものの、雪ノ下が俺に優しくすることなど、天地がひっくり返るくらい有り得ないことなのだ。
そして比企谷の言葉に、一気に不機嫌になった雪ノ下は再度、比企谷を睨みつけていた。
「バカップル?あんな低脳どもと一緒にしないでちょうだい」
「いや。お前ら、どう見てもそうにしか見れないぞ」
「比企谷。その結論には、俺も異議ありだ」
そんな二人の睨みあいに、勇気を出して入っていった俺マジ偉い。比企谷とはもう少しマシな自己紹介になると思っていたのだが、ハッキリ言って今の雰囲気はかなり険悪である。
飛んで火にいる夏の虫だろうが、ここは何とかするしかない。
「…なんだよォ?」
なんだよ?何か文句でもあんのか?聞いてやるよ、リア充(笑)さんよぉww。とでも言いたげな視線を、比企谷は俺に向けてきた。これだけの情報を、腐った目だけで出せるってある意味すごいな。
ついでに読み取れちゃう俺もすごいレベル。悪い方でだけど。
「確かに、俺と雪ノ下さんは同じ小学校出身だ。でも、お前が思うような仲じゃねぇ」
「けっ!あれだけ告白じみたことを言われておいて、そんな仲じゃないならどんな仲なんだよ」
主人公のはずなのに、今は悪役にしか見えないってどういうことだよ…。
でも、バカップルとかは周りから見ると、爆発しろとか思うもんな。それが持たない者の普通の反応だと思う。でも、このままだと、雪ノ下もかなりご立腹で、話が進まないし。
…仕方ない。精神ポイントを削る覚悟で、最後の手段を使うことにした。
俺は、雪ノ下に顔を向ける。
「雪ノ下さん。お前から見た、俺への評価を言ってくれ。出来れば簡潔に」
「鶴見君。あなたは、こんな時に何を言っているのかしら? 今それを言う必要性なんて全く無いと思うのだけれど」
雪ノ下の言っていることは正しい。というか、正しすぎて、一緒にいると、心が弱い人なら完璧に
鬱になること間違いなしである。俺もたまになるし。
だからこそ、俺の推測が正しければ、雪ノ下の俺への評価は良く無い、むしろ悪いだろう。それを比企谷に見せつければ、誤解を解くことが出来るはずなのだ。俺は話を強引に進める。
「理由なんてどうでもいいんだよ。その方が早く終わるから」
「? そう言うのなら、仕方ないわ。そうね、一言で表すなら……」
若干の溜めに、その場の空気が少し張り詰める。
「うっとうしいわね。まるで、あと少しで死を迎えそうな蝉のようだわ。普段は大人しいのに、なにかと私に話しかけてくるし、私が言葉を返せば、ここぞとばかりに食いついてくるし、はっきり言って時間を無駄に使うようなものよ。あと、ときどき一人でニヤニヤしているときもあって、もうその時は背中に寒気が走るほど気持ち悪さを感じる……というか鶴見君。あなたは何故、涙目になっているの?」
「いや、いいんだ……。ちょっと目にゴミが入っただけだから」
精神ポイントを削られるどころか、ゼロにされた。雪ノ下は心の中で俺をこう思っていたんだ、という事実が、本当に心配そうに真っ直ぐ俺を見てくる視線で強化され、さらに俺の心を抉ってくる。
あと、一言じゃなかったのかよ。鶴見君は蝉みたいだわ、って言うだけでいいじゃないか。
さっきまでの、ラブコメっぽい会話の時の、俺のときめきと時間を返して欲しい。
だけど、これで誤解を解くという目的は達成出来るはずだ。
俺は、涙を流さないため、目をパチパチ瞬きさせ、比企谷に向き直り、諭すように言ってやる。
「……こういうことなんだ。分かってくれ」
「あ、あぁ。……その、悪い」
比企谷は、俺にすごく可哀想な物を見る目で謝ってきた。
よし、ミッションコンプリート!全く嬉しくない。むしろ心の傷がまた増えた気がする。
それからしばしの沈黙。雪ノ下はまた本を読み始め、俺は心の傷を癒すため、自問自答というか、
自己弁護のための思考をトレースしていた。言っておくが、これは俺にとって大事な作業である。
俺は悪くないって、自分の精神を守ってやるのだ。じゃないとうっかり死にかねない。
俺がようやく落ち込んだ気分から回復していると、比企谷がこちらに話しかけてきた。
「なあ…」
視線が虚空を泳いでいるので、雪ノ下と俺、どっちに話しかけているか分からない。
「まだなにか?」
うわあ…。せっかく話しかけてきてるんだから、せめてもう少し愛想良くしようよ、雪ノ下。
確かにさっきので、気分悪くなったのは分かるけれども。
「っ……ここって何部なんだ?」
雪ノ下の反応に、少し怯んだがそれでも言葉を続ける比企谷。
まあ、至極もっともな質問である。平塚先生からは、ここで部活動しろ、としか言われてないのだから。比企谷の身から見れば、ここは一種のブラック企業みたく見えるのだろう。学校内だけど。
その質問に、この部活の部長である雪ノ下は答える。
「…そうね。では、比企谷君。女子と話すのは何年振りかしら?」
俺が知ってるセリフである。ちょっとタイミングが早いような気がするが気にしない。
改めて直接聞くと、酷すぎることこの上ない。
年単位で聞くってことは、比企谷を女子とは喋れない認定してるのと同じことなのだから。
質問を質問で返されて、比企谷は少し戸惑っていたが、いきなり頭を抱えてしまった。記憶を探り当てていくうちに、トラウマを掘り当てたのだろう。
そんな比企谷を見て、納得した表情をして颯爽と立つ雪ノ下。腕を組んで自然と比企谷を見下ろす体勢になる。
「持つ者が持たざる者に慈悲の心を持ってこれを与える。人はそれをボランティアと呼ぶわ。途上国にはODAを、ホームレスには炊き出しを、モテない男には女子との会話を。困っている人には救いの手を差し伸べる。それがこの部の活動よ」
夕暮れに差し掛かった、オレンジ色の光を背に受けて、高らかに宣言した。
「ようこそ、奉仕部へ。一応、歓迎するわ」
やっぱ、雪ノ下のこういう言い回しを、俺はなんかカッコいいなと思ってしまう。
歓迎してる雰囲気なんて微塵も無いけどね。
だが、初対面の人にこうも言われては、さすがにイラつきもしたのだろう。
対抗するように、比企谷も立ち上がり、言い返す。
「このアマ…。俺はな、自分で言うのはなんだが、そこそこ優秀なんだぞ?実力テスト文系コース国語学年三位!顔だっていいほうだ!友達がいないことと彼女がいないことを除けば基本高スペックなんだ!」
「うわぁ…」
出たー!スーパー痛い自慢だ! 小説?で最初に見たときは、うわぁ…、なんだこいつ(笑)、と思ったけど、生で聞くと、マジで引いてしまった。声に出たかもしれない。
「最後に致命的な欠陥が聞こえたのだけれど…。そんなことを自信満々で言えるなんてある意味すごいわね…。変な人、もはや気持ち悪いわ」
「うるせ、お前に言われたくねえよ。変な女」
こうして見ると、二人の視線が鋭すぎて、火花を散らしそうだ。
しかし、その火の粉が俺の方にも降りかかってきたことに気づいた。
「それにな………」
比企谷が俺の方をどんよりと睨んでいた。さっきの声が聞こえていたらしい。
悪い事したと思ったら、すぐ謝るという癖が、条件反射的に出てしまった。
「あ、え、うんと…、変な声出して悪かった。別に、彼女と友達がいないことは、普通だと思うぞ」
「あら、鶴見君。いたの? 変人は、さっさっと帰ってしまったとばかり思っていたわ」
「さらっと変人にすんな、雪ノ下さん。あと、比企谷の言っていることはあながち間違ってない。第一、友達はまだしも、彼氏彼女なんてめったに出来るもんじゃない、と思う」
雪ノ下が俺の存在を軽く否定しながら、笑顔で話しかけてきた。その攻撃を出来るだけ受け流し、比企谷の意見を肯定する。
「…確かにそうね。あなた達は根性が捻くれていたり、腐っていたり、干からびていたりするから、
誰からも相手にされない、可哀想な独りぼっちということが分かったわ」
ナチュラルに自分は、可哀想な独りぼっちに入っていないあたり、さすがは雪ノ下である。
確かに、俺とは次元が違うので、言い返せない。……てか、干からびてるって俺のことか。
雪ノ下はそのまま話し続ける。
「そこの鶴見君は、もう入部しているから良いとして、比企谷君。いたたまれない立場のあなたには、ここを居場所として与えてあげるわ。知ってる? 居場所があるだけで、星となって燃え尽きるような悲惨な最期を迎えずに済むのよ」
「よだかの星かよ。マニアックすぎるだろ…」
比企谷が呆れた表情で、ぽつりと言うと、雪ノ下が驚いた表情で、比企谷を見る。
「意外だわ…。普通以下の高校生が宮沢賢治を読むなんて」
「さらっと、劣等扱いしたな!?」
「そうだ、とは、はっきり言ってないじゃない。それにそこで冷や汗をかいている男に比べたら、劣ってないかもしれないわ。…読んでないのよね? 勉強不足の鶴見君。」
俺を馬鹿にしたような視線を向けてくる雪ノ下。
なんで、俺が会話に関わりたくないときに限って話しかけてくるのだろうか。
「ぐぅ。…国語はあんまり得意じゃないから仕方ないだろ。俺は理系なんだし」
いや、俺も頭のいい文芸作品を読もうと、頑張った時期もありましたよ?だが、活字がライトノベルで限界な俺は、文章の多さで挫折した。題名ぐらいは知っているが、中身までは知らない。
「ほらな。国語三位の実力は伊達じゃないぜ。劣等扱いされるまでも無いんだよ」
俺の国語出来ない発言を聞いて、自慢気に言う比企谷。ちょっとドヤ顔でイラッときてしまった。
雪ノ下も不満があるのか、すぐ言い返す。
「三位程度で、いい気にならないで頂戴。だいたい一教科の成績がいいだけで、頭脳の明晰さを立証しようとしてる時点で、あなたは考えが浅いのよ」
「ぐっ…」
雪ノ下が言い終わると、比企谷は少し言葉に詰まった。実際、雪ノ下は全教科で一位を取れるほどの秀才なので、頭の良さで対抗するのは無理があるだろう。
その一瞬の隙を見逃すはずがない。一気に雪ノ下が攻勢に出た。
「それに、よだかの星は比企谷君にお似合いよね。よだかの容姿とか」
「おい、それは俺の顔面が不自由だと言いたいのか」
「そんなこと言ってないわ。あなたを傷つけてしまうから…」
「ほぼ言ってるじゃねえか!」
雪ノ下の言葉にキレが増して来ている。これでもセーブしてる方だと思うけど。
だが、ふいに比企谷が不敵な笑みを漏らす。
「ふっ…自分で言うのもなんだが、顔立ち自体は整ってる。妹からも『お兄ちゃん、ずっとしゃべらなければいいのに…』と言われるほどだからな。むしろ顔だけがいいと言っても良い」
「それは、俺も言われたことあるぞ。従妹に」
ただ、比企谷の場合は、黙っていればまあ、イケメンだからなのと、妹がブラコンだからだろうけど、俺の場合は、うるさいから少し口を閉じてろ的な意味がほぼ十割で言われている。なにその格差。
「あなた達馬鹿なの?鶴見君はお世辞にもイケメンなんて呼べないし、比企谷君は、目が腐りすぎて、人に与える印象が悪すぎるわ。」
こめかみに手をあて呆れる雪ノ下。この人、俺のこと“お世辞にも”イケメンじゃないって言いやがったよ! 自分でも、良くは無いと思っているが、わざわざ強調して言わなくても。
雪ノ下は、比企谷と俺に反撃の隙を与えない。さらに言葉を重ねる。
「美的感覚なんて主観でしかないのよ? つまりこの三人にしかいないこの場では私の言っていることが正しいのよ?」
「め、滅茶苦茶なはずなのに、何故か筋が通っている気がする…」
「俺の人権をさらっと無視しないで下さい」
比企谷が妙に納得されかかっていた。ついでに俺の主観は、雪ノ下の主観に敵わないらしい。
さっきも言ったけれど…と雪ノ下は続ける。
「比企谷君のような腐った魚の目をしていれば、必然的に印象は悪くなるわ。それに表情が醜い。心根が相当ゆがんでいる証拠よ」
初対面の人にここまで言う、雪ノ下さん半端ないわ。だって比企谷は外見的には、目が腐ってるだけなんだよ? 心の中まで読み取るとか、超能力者かもしれない。それか未来予知者。
「大体、成績だの顔だの表層的な部分に自信を持っていることが気に入らないわ。
あと目が腐っ……」
「もうそこらへんにして置けよ…。比企谷泣きそうになってんじゃんか」
「別に泣きそうになんかなってねえよ!」
さすがに比企谷が可哀想になってきたので、雪ノ下の毒舌を収めにかかる。
雪ノ下は一瞬、俺を睨みかけたが、意外にもしゅんと落ち込んだような顔つきになる
「確かに、言い過ぎたわ。…表層的な部分も欠陥が多いのに、自信なんて持たせてはいけなかったわね。ごめんなさい」
「もういい。俺が悪かった。俺の顔が悪かった」
謝りながら、相手の精神にダメージを与える高等テクニックが発動していた。こっちの方が受ける打ダメージが大きいんだよ。案の定、そのダメージで比企谷の心は折れてしまったようである。
雪ノ下は、その言葉を聞くと、達成感に満ち溢れた顔で、肩にかかった黒髪を払う。
「さて、これで人との会話シュミレーションは完了ね。私のような女の子と会話ができたら、たいていの人間と会話できるはずよ」
いや、その理屈はおかしい。じゃあ、普段雪ノ下と会話(俺が一方的に話しかけ、そのたびに雪ノ下に毒舌で撃墜される)している俺ですら、クラスの女子と全く会話できないんだぜ?
むしろ、いつも雪ノ下に話しかける感じで、クラスの女子に話しかけてみたら、ガチで引かれたし。
そんな俺の気持ちをお構い無しに、雪ノ下は、今日一番の微笑みを比企谷に向ける。
「これからは素敵な思い出を胸に一人でも生きていけるわね」
「解決方法が斜め上過ぎるだろ……」
もう依頼完了! みたいなオーラを出している雪ノ下に、俺は一言言っておく。
「それは孤独度が増しているだけだ、雪ノ下さん。平塚先生は、比企谷のぼっちの原因である体質を改善してくれって依頼してきたんだろ」
俺の言葉に、雪ノ下は顎に手をあて、少し悩む。
「そうね…。じゃあ、比企谷君が学校を辞めるとか、どうかしら?」
「俺に聞かれてもな…。あと、それだと比企谷が学校に居場所が無いって言ってるようなもんだぞ」
俺じゃなくて、比企谷に聞けよ。いや、本人に聞いても傷つけるだけだけど。
「おい。助ける振りして、傷口に塩塗るのやめろ。お前、俺の中学の時のクラスメートかよ」
「そうよ、鶴見君。比企谷君を鼻つまみ者にするなんて酷いじゃない」
「別にそんなつもりはないんだが……って雪ノ下さんが何でそっちにいる!?」
知らないうちに俺が悪いことになっていた。比企谷は良いとしても、雪ノ下がここで手のひらを返すとは思ってなかった。お前そんなキャラだったっけ?
この居た堪れない空気の中、今俺に出来るのは、平塚先生が来るのを願うだけである。
区切り方が雑になってしまった。ごめんなさい