やはり俺の青春ラブコメ計画は脱線している。   作:おるぱわ

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アンケート+オリジナル話になりました。正直、第三者視点が分からず、かなり苦労しました。
原作のあの子が登場しますが、似てるかどうか分かりません。元が少ないですし(汗)
本編に関わってこない小話だと思って、温かい目で見てください。


進路指導アンケート + とある家庭の話

                                                                                       

総武高校学校 2年E組 

 

フリガナ ・ツルミ ライジ

 

  氏名  鶴見 雷児

 

出席番号 13番  男

 

 

○あなたの信条を教えて下さい

 

どんなことでも一番を目指すこと

 

○卒業アルバム、将来の夢なんて書いた?

 

その頃、見てたアニメの名ゼリフ書きました

 

○将来のため今努力していることは?

 

全体的なスペックの強化

 

 

 

 

先生からのコメント

 

あなたにしては珍しく真面目に書いてあるかと思ったのですが、少し違ったようです。

ルールや決まりを守らない、やはりあなたらしい卒業アルバムの書き方でしたね。

あと、どれだけスペックを強化しても、あなたが目の敵にする部長には勝てないと思います。

潔く諦めましょう。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

「…………」

 

 

先生からのコメントを最後の文字まで読み終わると、俺は、今日返却されたアンケート用紙をグシャッと握りつぶした。

今、俺は自分の部屋の中にいる。正確に言えば、この部屋は俺の物ではなく、居候させてもらっているだけなのだが。

借り物の部屋を壊すわけにもいかず、怒りを内心に溜め込んで抑えつける。

 

 

「アイツに俺が勝てないだと……」

 

 

だが、それでも押さえれない怒りは、肺に溜める。ここら辺には家が少ないから少しくらい大声を出しても大丈夫なはずだ。そして、一気に声と共にありったけ吐き出す。

 

 

「ふざけんじゃねぇぇぇぇ!! 負けっぱなしでいられるかってんだッ!」

 

 

負けず嫌いな俺には、たとえ差が分かっていても、あからさまに言われたことに無性に腹が立っていた。まして小学校の時から、雪ノ下には体力以外で勝ったことが無いので、そのフラストレーションは計り知れない程のものとなっている。

紙に八つ当たりしても、それが解消されるはずはない。

 

このやり場のない感情をどこにぶつけてくれようか!

雪ノ下本人は論外だ。言ったとしても、十秒で論破されてしまうだろう。むしろ、余計に毒を食らってしまい、逆効果になってしまうこと間違い無しである。というか、今日部室行ったときに、新たなトラウマを植えつけやがったので、多分一週間は、半径三メートル以内にに近づくことが出来ないだろう。

 

平塚先生も無理である。だって、あの人が諦めましょうって書くぐらいだから、相当スペックの差があることは分かっているのだろう。だって、あの人なら逆転できるくらいの差だったら、努力と根性で何とかしましょうとか書きそうだし。あと、暴力が怖くて反論なんぞ出来るわけがない。

 

比企谷は……別の意味で論外だな。筋違いというものだろう。

 

その他の知り合い? そりゃあ八つ当たりしちゃダメでしょ。

 

こういうときこそ、前向きに考えなくてはならない。

チラッと時計を見る。五時半くらいといったところか。今日は帰りが早かったので、まだ陽は沈んでいない。

こんなときは、運動して気分を変えるに限る!

思い至ったらすぐ行動に移そう。俺は、動きやすい服装に着替え、階段を降り、玄関でランニングシューズに履き替える。

しっかり靴紐を結んだ後に、この家のどっかにはいるであろう、従妹に聞こえるように大声を出す。

 

 

「あのさ、ちょっと、そこらへん走ってくるから!!叔母さん帰ってきたら、飯は先に食っといて!それと玄関の鍵閉めといてくれ!」

 

シーン……。

 

返事が返ってくるわけないよね…。知ってました。だって、あの子、俺のこと苦手らしいもの……。

ちょっと涙目になりながら、気を取り直して、玄関を開ける。

 

 

「それじゃあ、行ってきます!」

 

 

そう言い残して、玄関から外に出た。

まずは、身体能力から鍛えよう。スペックの話はそれからだ。

俺は、まず軽く体を温める感じで、沈みかけた夕日に向かって走り始めた。

 

 

 

雷児side out

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

鶴見雷児がランニングで家を出てから数分後。

 

 

ガチャ

 

 

「ただいま~。留美、雷児君、リビングにいる~?」

 

 

帰って来た紫っぽい黒髪の女性は、ドッと疲れたような顔で、玄関に腰掛ける。

タンタンタンと、小気味いいリズムで、廊下の奥から少女が歩いてきた。

その少女も、紫がかった長い黒髪をしていて、一目見れば二人が親子であることが分かる。

 

 

「……おかえり。お母さん」

 

「ただいま、留美。留守番ありがとうね」

 

 

母親の方は、暖かい笑顔を、留美という少女も恥ずかしながらも、少し頬を緩ませる。

 

靴を脱ぎ終わり、丁寧にそろえてリビングに向かい始めた母親の後ろを、留美はトコトコ着いていく。母親がリビングに入るドアを開けたときに、ふと思い出したように、留美に問いかけた。

 

 

「あら?雷児君、いないのね?どこか行ってるの?」

 

 

留美は、少しムッとした不機嫌な顔を見せながら、ぶっきらぼうに答える。

 

 

「またどっか走りにいった。ご飯先に食べておけだって」

 

 

その言葉に、母親は苦笑いする。上着をハンガーに掛け、リビングに隣接するキッチンに向かう。

もう、テーブルにはある程度、料理が並んでいるが、まだ、途中の物もある。おそらく、留美が作っていたのだろう。雷児は、料理が得意ではないのでこういうことは、稀にしかしたことがない。

早速、エプロンを着て、作業に取り掛かった。

 

 

「あの子らしいわ。多分、ストレス発散にでも行ったんでしょう」

 

「さっきも大声出してた。迷惑だから止めて欲しいのに」

 

「元気な証拠で良いんじゃないの?」

 

「……ああいうのは、私はあんまり好きじゃない」

 

 

留美は、騒ぐと言う行為が好きではない。だから、どうしても無駄に騒がしい雷児は、苦手な方に入ってしまうのだ。最近でも、雷児にキツい言葉で静かにするように言ったばかりだ。

それを聞いて母親の方は、怒るでもなく、諭すように言う。

 

 

「ちょっとずつでも、仲良くなりなさい。別に出来ない訳じゃないんだから」

 

「うん。出来るだけ頑張ってみる、けど……」

 

 

少し躊躇ったが、留美は渋々といった感じで答えた。

 

その後は、母親は料理を作り、留美はその手伝いと食器の準備をした。その間、あまり言葉は交わさなかったが、それが苦にならない二人は、テキパキと作業を終わらせ、すぐに途中だった品は完成した。今はエプロンを畳んでいる最中だ。

 

ガチャン!

 

そんな時、玄関のドアが少し乱暴に開いた。そういえば鍵を閉めてなかったな、と二人揃って思い浮かべた。この二人、少し抜けてるところがあったりする。

 

 

「ただいまー……ぜぇ……ぜぇ……」

 

 

留美がリビングのドアから、ヒョコッと顔を出すと、玄関に仰向けでぶっ倒れる従妹の姿が見えた。

留美は、呆れた目を向けて、どうしようか考える。

考えているうちに、キッチンの方から、大きな声が聞こえてきた。

 

 

「雷児君。そのままでいると、汗で体が冷えて風邪引くから、早く着替えてきなさいよ」

 

「ぜぇ……。はーい、了解です。よっこらしょっと」

 

 

雷児は、その声を聞くとゆっくり体を起こして、脱衣場のほうに向かっていった。

ふらふらと危なっかしい歩き方である。

その様子を見ていた留美に、母親が話しかける。

 

 

「さっき、雷児君のこと、あんまり好きじゃないって言ったけど、どんなとこが嫌いなの?」

 

「変な行動するし、家事手伝ってくれないし、無駄にお節介かけてくるし、必要以上に喋りかけてくるし、それから……」

 

 

その話を聴いていた母親が、いきなりブッと吹き出した。

さすがに怒ったのか、ジロッと留美は母親を睨んだ。

 

 

「……なんで笑ったの」

 

「ふふふっ…ゴメンね、留美。つい、昔のことを思い出しちゃって。そういえば、雷児君のお母さんも、雷児君のお父さんに対して似たようなことを言っていたのよ」

 

「お母さんのお姉さんが?」

 

「そうよ。そういえば、あともう一個決定的なことを言ってたような……」

 

 

そんな会話をしていると、脱衣所の扉が開いて、雷児が出てきた。

 

 

「着替え終わりました~」

 

 

しかし、その服装は着替え終わったとは、とても言いづらかった。

シャツには、片方の袖しか手が通ってないし、長ズボンも裾が余りまくりで、七割くらいしか履けてない。

そんな雷児を見て、留美の母親は、ハッと思い出したようだ。

 

 

「あ!そういえば、ドジな所が嫌って言ってたわ!」

 

「何の話をしてるんですか?って、うおっと、んがぁ!」

 

ツルン、バッターン!

 

 

質問しようと、ヨタヨタ歩きながら近づいてきた雷児だったが、余ったズボンの裾を自分で踏み、

前のめりに倒れた。このとき、両手が塞がってなければ良かったのだが、シャツの中に手が入りっぱなしだったので、手で支えることも出来ずに、顔面を強打したのだ。

その様子に、二人は言葉を失った。何も音がしない沈黙が続く。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

「ぐぅ……。鼻いてぇなぁ……」

 

 

だが、緊張感のある空気はこの言葉で消滅した。

 

 

「ふっ……、く……」

 

「ふふっ、ぷ……く…」

 

 

留美も母親も、笑いを堪えなくなったのか、吹き出した。

 

 

「ぷっははっ、ははは!」

 

「ぶはっ!まっさか、こんなところが似るなんて!」

 

「ちょっと、お二人さん、俺はマジで痛かったんですが……」

 

 

雷児が鼻をおさえながら、抗議する視線を送るが、二人は気にもせず、腹を抱えて笑いまくった。

その後、五分くらい経ったところで、やっと二人の笑いが収まってきた。

いい加減、笑われるのに疲れた雷児は、先に立ち上がりテーブルに向かう。

 

 

「さあ、早く食べましょう。このままだと冷めちゃいます」

 

「うん。ふふっ、久しぶりにこんなに笑ったかも」

 

「そうね、留美が大笑いしたのって珍しいわね」

 

留美も母親もそれに続いて、席に座る。

まだ鼻をさすっている雷児を見て、また笑い出しそうになっているのを、雷児が強引に手を合わせて遮った。

 

 

「い、いただきます!」

 

「「いただきます」」

 

 

 

こうして、鶴見家のちょっと変わった夜は更けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 




終わり方雑でスイマセン。
誤字、脱字あったら教えてください。

次回は、お団子髪のあの人登場!……のはず。
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