菜々子と小次郎は謎の兵士と王国の兵士の戦いに目を丸くして見ていた。
小次郎「なんだこれ!?」
花火「・・・・あれは、【解放軍】だよ、」
気を失ってた花火が目覚める。
菜々子「花ちゃん!!よかった!」
小次郎「【解放軍】?」
花火「さては新聞最後まで読んでねぇなお前ら、【解放軍】はマキシオの罪を認めなかった者たちの集まり、マキシオの執行猶予の時間短縮で最近荒れてるんだろ」
小次郎「なるほど」
菜々子「で、でも、本当に罪はないんでしょ!?」
花火「ああ、だからこの争いは全て無駄なんだ、2人はこの戦いを少しでも引き止めててくれ」
小次郎「2人はって、お前はどうすんだよ?」
花火「俺は、あの腐った野郎をぶっ飛ばしてくる!」
花火はこの後直ぐにウズシオを探すため、走り出す。菜々子達も当然心配するが、こうなった花火が言うことを聞かないのは百も承知、花火を信じることにした。
*
ここはアトーライの地下、マキシオと彼を縛っている鎖を引いている。白フードの男を先頭にウズシオとカイネが歩く。
マキシオ「・・・ここが最深部だ」
ウズシオ「おお!!、これが!!」
カイネ「地下闘技場」
たどり着いた場所はとてつもなく広い空間だった。その中にバトルフィールドのようなものが設置されている。
ウズシオ「さあカイネ!儀式を!この闘技場でバトルを!!」
カイネ「・・・・・」
マキシオ「カイネ!!お前本当にやるつもりなのか!?!」
カイネ「・・・やる、やらないじゃあないんだよ、パパ、やらないといけないんだ!私がここでこいつを倒しておかないと、こいつはパパだけでなく、私の大事な友達にも絶対に危害を加える。こいつだけは、刺し違えても私が倒す!」
カイネの決心は固い、ウズシオはカイネの母を殺し、次は父であるマキシオを殺そうとしている。そんなウズシオをカイネはもう見過ごせないのだ。だが、マキシオは王である前にカイネの父親、当然娘の命の危機に心配するに決まっている。
マキシオ「・・・カイネ・・・くっ!なぜだ!ウズシオ!!なぜだ!なぜ私ではダメなのだ!なぜお前の言う儀式に私は参加することができない!」
ウズシオ「どうした兄さん、今頃になって、そんなのは当然カイネが【ゴマモン】に選ばれたからに決まってるだろう?」
ウズシオの言葉にマキシオもカイネもハテナの文字を頭に浮かべる。
カイネ「・・・どういうことよ!?」
ウズシオ「・・・そうかそこからか、この【地下闘技場でデジタルスピリットを所持した因縁のあるカードバトラー同士が決着をつけた】とき、伝説のDパラディン、【オメガモン】が目覚めるのからだ、俺はお前が【ゴマモン】に選ばれた時からこの計画を立てていたのだ」
ウズシオの言う【オメガモン】とはかつてDワールドにオメガバーストが降り注がれたときにオメガバーストの力を吸収したと言う伝説のDパラディンである。膨大なエネルギーであるオメガバーストを吸収した【オメガモン】、当然危険な存在でもある。普通のDパラディンと違ってその存在は最早都市伝説である。
カイネ「私も、パパもママもそんな伝説知らないのに、なんであんたが知ってんのよ!」
ウズシオ「俺の暗黒の力を知らないのか?カイネよ、」
カイネ「え!?暗黒の力?」
ウズシオ「・・・あぁ、そうだ、俺は【暗黒四天王】ウズシオ!20年前あの方に選ばれてからずっとだ!」
カイネ「あんたが四天王!?」
カイネは知らなかった。ウズシオが暗黒の力を所持していたこと、四天王であること。そしてその力で自分の母が殺されたことまでも、
ウズシオ「俺の力の作用は【欲するものを得る方法を知る】ことができる、間違いなく、【オメガモン】はここに存在するのだ」
カイネ「・・・なんで欲しがるのさ、【オメガモン】を、」
ウズシオ「・・・俺が真の王になるためだ」
カイネ「・・・はぁ!?」
ウズシオ「俺が王になっても【解放軍】と言う連中がマキシオの罪を認めなかった。俺は【オメガモン】を手に入れ、俺が真のアトーライの王であることを証明して見せるのだ!」
ウズシオは呆れた上昇思考の持ち主である。
ウズシオ「さぁ!カイネ!俺と戦え!そして海の藻屑となり!【オメガモン】をこの地に蘇らせるのだ!」
マキシオ「ウズシオ!!お前は!!お前と言う奴は!!そんなことのために!カイネを!!」
マキシオは怒りの感情でいっぱいいっぱいになる。すぐにでもウズシオに殴りかかりたいが繋がれている鎖がそれを許さない。
ウズシオ「そうそうカイネ、お前のさっき言ってた【大事な友達】だが、もしかしてこんなものを身につけてなかったか?」
カイネ「?!・・・・!!それは!!」
ウズシオは懐からあるものを取り出し、カイネの足元にまで投げる。それは【花火のゴーグル】であった。ウズシオは花火とのバトルの際にこれをカイネに見せるためだけに花火から剥ぎ取っていたのだ。カイネはそれを見た瞬間、頭の血の気がサァーっとなくなっていくのを感じた。
カイネ「花火のゴーグル!?なんで」
ウズシオ「そのゴーグルの持ち主はもう私が殺してしまったよ、計画の邪魔をしかねないからな、他愛もないただの雑魚だったよ、他の2名も今頃は朽ち果てているだろう」
マキシオ「なんと言うことを、関係のない人々まで」
カイネはドンドン今度は頭の血が上ってくる。カイネは激情に駆られる。
カイネ「・・・ウズシオぉぉぉ!!!あんたどんだけ腐ってんだ!!」
ウズシオ「・・・はは!前置きが長くなったな、それでは始めるとするか、儀式と言う名のバトルを!」
カイネ「望むところだ!!」
カイネは花火のゴーグルを額につける。そして2人は闘技場と言う名のバトルフィールドに自身のデッキをセットする。マキシオは止めたかったが、固唾を飲んで見守ることしかできなかった。だが、その時、
サツマ「ちょっと待ったぁぁぁあ!!」
マキシオ「!!君は、・・・Dポリス?」
サツマが現れた。服装はサボテンではなく、しっかりとDポリスの正装だった。
サツマ「そうです!あなた方をお救いに来ました!Dポリスナンバー2のこの俺!サツマに任せてください!」
カイネ「あれがDポリス?」
ウズシオ「なぜDポリスがここに来ている。反乱軍などここにはいないぞ、早々に立たされ」
サツマ「Dポリスはもともと、Dワールドの犯罪行為を取り締まるために結成された組織だ、俺は単身で今回の事件何かあると思って駆けつけたのさ、そしたら案の定だ」
サツマは気になっていた。3年前の事件と今回のマキシオの執行猶予の時間短縮、サツマのポリスとしての勘が、ここまで突き止めたのだ。
サツマ「さぁ!お縄についてもらうぜ!アトーライ現国王、ウズシオ!!」
ウズシオ「悪いが、ここまで知ったものを生きて返すつもりはない、・・・カジ!」
カジ「・・・!!!」
白フードの男、カジはマキシオの鎖から手を離すと、サツマの目の前までやってくる、そして、
カジ「ゲートオープン!解放!」
サツマ「なに!?・・・のわぁぁぁぁぉあ!」
カイネ「!?」
マキシオ「!?」
カジとサツマはどう言うわけかバトルフィールドに強制転移された。
ウズシオ「これで邪魔者はいなくなった」
カイネ「・・・・・」
ウズシオとカイネのバトルが始まる。
*
サツマ「あてて、ここは?、バトルフィールド!?」
サツマが目を開けた瞬間そこにはいつものバトルフィールドが広がっていた。
カジ「そうだ、バトルフィールドだ、ここで我とバトルしてもらう」
カジは白いフードを脱ぎ捨てていた。白髪の若い男性と言ったイケメンだった。
サツマ「俺はゲートを開いた覚えはないぞ、どうして、」
カジ「俺はゲートを強制的に開かせ、相手をバトルフィールドに無理矢理連れ込むことができる」
カジはウズシオの【暗黒の使徒】ではない。ウズシオがこの能力のためだけに他の四天王から借りて来たのだった。
サツマ(くっそ、これが噂の暗黒の力か、アトーライの国を救いに来たのに、これじゃあ、面目まるつぶれだ、早くこのバトルに勝って、姫様を助けに行かなくては)
カジ「先行後攻は選ばせてやる」
サツマ「そう?じゃあ、先行で」
サツマとカジのバトルが始まる。
[ターン01]サツマ
スタートステップ
ドローステップ 手札4⇨5
サツマ「メインステップ、ネクサス、No.1ノースシーロードを配置!」
手札5⇨4
リザーブ4⇨1
トラッシュ0⇨3
サツマの背後に全てが凍てついている極寒の地が現れた。
サツマ「ターンエンド」
No.1ノースシーロードLV1
バースト無
[ターン02]カジ
スタートステップ
コアステップ リザーブ4⇨5
ドローステップ 手札4⇨5
カジ「メインステップ、にせゴジラを召喚」
手札5⇨4
リザーブ5⇨1
トラッシュ0⇨3
サツマ「にせ?」
カジのフィールドにかの有名な大怪獣ゴジラのような怪獣が出現する。皮の一部が剥げて、メカニカルな部分が見えている。
カジ「バーストをセット、アタックステップ、やれ、にせゴジラ」
手札4⇨3
サツマ「ライフだ・・・くっ!なるほど、結構くるな」
ライフ5⇨4
にせゴジラは爪の一撃でサツマのライフを破壊した。サツマはその身に初めて暗黒の力を受けたが、意外にもすんなり耐えてみせる。いや、サツマのような屈強な男性ならこのくらいは平気なのかもしれない。
カジ「ターンエンド」
にせゴジラLV1(1)BP2000
バースト有
[ターン03]サツマ
スタートステップ
コアステップ リザーブ2⇨3
ドローステップ 手札4⇨5
リフレッシュステップ
リザーブ3⇨6
トラッシュ3⇨0
サツマ「メインステップ!ちゃっちゃと終わらせるぞ!今日の俺は本気だ!いくぞ!召喚!源氏ハ騎 薄金ストライカー!LV2!」
手札5⇨4
リザーブ6⇨0
トラッシュ0⇨4
武者のようなロボット、薄金ストライカーがサツマのフィールドに現れる。
カジ「薄金ストライカー、機巧の使い手か」
サツマ「まぁな、ネクサス、ノースシーロードの効果でターンに1回白のスピリットの召喚でコアブーストできる、そのコアで薄金ストライカーをLV3にアップ!さらに、バーストセット!」
手札4⇨3
薄金ストライカーLV3(4s)BP9000
No.1ノースシーロードLV1
バースト有
サツマ「アタックステップ、いけ、薄金ストライカー!アタック時効果でバーストを破棄!」
カジ「!!」
バースト破棄
【アルティメットウォール】
薄金ストライカーは独特な剣の構えで、カジのバーストを串刺しにして、破棄した。
サツマ「その後、バースト破棄に成功していたら、相手のスピリット1体を手札に!、にせゴジラ!」
カジ「・・・」
手札3⇨4
薄金ストライカーはにせゴジラも串刺しにする。にせゴジラは堪らずデジタルの粒子になってカジの手札に戻ってしまう。
サツマ「さぁ、本命のアタックだ!」
カジ「ライフ」
ライフ5⇨4
薄金ストライカーは剣でカジのライフを突き刺して破壊した。
サツマ「薄金ストライカーのもう1つの効果!ソウルコアが薄金に置かれていたら、源氏のスピリットはアタック後に1回まで回復できる!もう一度切りつけろ!薄金!」
カジ「ライフ」
ライフ4⇨3
薄金ストライカーはもう一度、カジのライフを突き刺して破壊した。
サツマ「ターンエンドだ」
[ターン04]カジ
スタートステップ
コアステップ リザーブ4⇨5
ドローステップ 手札4⇨5
リフレッシュステップ
リザーブ5⇨8
トラッシュ3⇨0
カジ「メインステップ!我もネクサスカード!要塞都市ナウマンシティーを配置する」
手札5⇨4
リザーブ8⇨3
カジの背後に巨大な像を模した巨大都市が出現した。
カジ「配置時効果!白のスピリットをノーコスト召喚!こい!対G特殊兵器3式機龍(暴走)!LV2!」
手札4⇨3
カジのフィールドにゴジラのようなロボットが召喚される。
対G特殊兵器3式機龍(暴走)LV2(3)BP10000
要塞都市ナウマンシティーLV1
バースト無
カジ「アタックステップ!3式機龍でアタック!アタック時効果、このスピリットのBP以下の相手のスピリットをすべて手札に戻す!消え去れ!薄金ストライカー!」
3式機龍が全武装の一撃を一気に放つ、これを受けた薄金ストライカーはたちまちデジタルの粒子になってサツマの手札に戻ってしまう。
サツマ「結構やるな、だが、俺のデッキはそのくらいじゃ、へばらないぜ!お前のアタックがこのバーストの条件だ!」
手札3⇨4
カジ「!!」
サツマ「バースト発動!源氏八騎 楯無フォートレス!LV2でバースト召喚だ!」
サツマのバーストが発動する。地面からゴゴゴっと、何かが上がってくる。それはとても巨大な源氏八騎のスピリット、楯無フォートレスだった。
源氏八騎 楯無フォートレスLV2(2)BP10000
カジ「!!だが、BPは同じだ!」
サツマ「フラッシュタイミング!マジック!ドリームバブル!お前の機械龍を手札に戻してもらおうか!」
手札4⇨3
リザーブ2⇨0
トラッシュ4⇨6
暴走を続ける3式機龍を巨大な泡が包み込む。3式機龍はカジの手札に戻ってしまう。
カジ「くっ!ターンエンド」
手札3⇨4
サツマ「エンド時、俺のライフが減ってないから楯無フォートレスの効果を使う、源氏スピリット1体をノーコスト召喚!もう一度こい!薄金ストライカー!」
手札3⇨2
サツマのフィールドに再び薄金ストライカーが現れた。
[ターン05]サツマ
スタートステップ
コアステップ リザーブ0⇨1
ドローステップ 手札2⇨3
リフレッシュステップ
リザーブ1⇨7
トラッシュ6⇨0
サツマ「楯無フォートレスのLVを2に!薄金ストライカーのLVは3に上げてアタックステップ!」
リザーブ7⇨3
楯無フォートレスLV2
薄金ストライカーLV3
サツマ「楯無フォートレス!」
カジ「ライフだ」
ライフ3⇨2
楯無フォートレスはカジのライフを正拳突きで破壊した。
サツマ「薄金ストライカーの効果でもう一度いけ!」
カジ「くっ!(これがDポリスのナンバー2、我では足止めするので限界か)」
ライフ2⇨1
楯無フォートレスはもう一度正拳突きでカジのライフを破壊した。
サツマ「トドメだ!薄金ストライカー!」
カジ「ライフだ」
ライフ1⇨0
カジの最後のライフを薄金ストライカーが刀で突き砕く。カジはライフ0に伴い、バトルフィールドから弾かれた。サツマもすぐに元の場所に戻る。
サツマ「よし!・・・あれ?あいつは?」
地下闘技場には既にカジの姿は見当たらなかった。サツマが戻っても時既に遅く、カイネとウズシオのバトルは始まっていた。
サツマ「くそ!止められなかった、・・・ていうかなんだこの壁!、ビクともしない!」
地下のバトルフィールドは謎の透明バリアで覆われていた。中からはメタルシードラモンとズドモンがいるのがうかがえる。
マキシオ「Dポリスのサツマ君、悪いことは言わない、早くここから出なさい、Dポリスのトップの君が反乱軍のいない事件で問題を起こしてはそれこそ大変なことになる」
残ったマキシオがサツマに声をかける。
サツマ「マキシオ王!ご無事でなによりです!・・・だけど俺は出ませんよ!!どっちみちウズシオはこの国の秘密を知った俺を殺すようですしね〜、」
マキシオ「そういう問題じゃない!3年前!反乱軍ができてから君らDポリスは反乱軍討伐に全力を尽くさなければならないはずだ!こんなところで油売ってたらナンバー2の君の顔に泥が塗られることになるのだぞ!」
サツマ「あなたの奥様が亡くなられたのも3年前ですよね?」
マキシオ「・・・!?」
サツマ「どうも3年前から気にかけているんですよ、あまりにもタイミングが良すぎて、」
カイネの母がウズシオに殺される事件は3年前、反乱軍ができて、Dポリスの勝手が効かなくなったのは、そのほんの少し前だった。Dポリスに指令を下すのが総司令官だが、いくら反乱軍が自分たちの計画の邪魔をしようとしてると言っても、ここまでくると流石に異常だとサツマは思っていた。ひょっとしたら総司令官の考えの意図がこの事件の裏にあると推理していた。それでサツマは単身でアトーライに乗り込んできたのだ。総司令官の命令に背いてまで、彼の真意を知るために。
サツマ「・・・正義を本当に語る奴は泥くらい平気で被りますよ」
サツマは何度もバリアを破壊しようと試みるが一向に終わりは見えなかった。
*
一方花火はアトーライを走り回っていた。【解放軍】とアトーライの兵士たちの戦いを避けながら、だが、体力が底を尽きようとしていた。
花火「・・・はぁ、はぁ、そう言えばあいつどこにいるんだ?やっぱ城?てかゴーグルどこいった?」
花火はすっかり迷子になっていた。
最後までお読みいただきありがとうございます!