私としてはバトスピはニチアサの印象が強いのでこの時間に毎週更新するようにします。
私の更新ペースが早かった場合はその日の内に一挙に2話以上出す可能性もあります。
それでは記念すべき30話です!どうぞ!
1回戦第一試合の牙VSカイネで興奮が冷めないまま次の第二試合、花火VSイトニが始まろうとしている。
花火はゆっくりと歩みを進め、中央フィールドへと向かう。その道中で見慣れた顔が見えてくる。カイネだ。花火は声をかける。
一木花火「……よっ!惜しかったな!」
カイネ「……惜しくないよー全然、ずっと掌で転がされてた…………そうそう、牙からの伝言なんだけど、『俺は進んだぞ』ってさ」
カイネは牙からの伝言をしっかりと花火に伝えた。
花火「……了解!」
花火は俄然やる気が湧いてくる。カイネは「じゃあ私は菜々子と一緒に残りの試合を観戦するかねー」と言って、すぐさまその場を後にする。
*
実況者「……さぁ!!それでは!1回戦第二試合、選手の入場です!!先ずは!最近有名人!!武龍村やアトーライ!!救った国や村は数を知れず!そしてなんと出身は未知の世界、リアルワールド!!赤のデジタルスピリット使い!一木花火!!!」
ー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
花火が中央フィールドに現れると会場の観客達はこれでもかというくらいの盛り上がりを見せる。花火達の活躍はDワールド中に知れ渡っており、その中でも花火は敵の親玉と戦い、勝つことが多かったためか、菜々子や小次郎よりか人気があった。
実況者「…………続きまして!Dポリスのリーダー、シデンの妹にして、黄色のデジタルスピリットの使い手!!!!イトニ!!!!」
イトニが、中央フィールドから姿を見せるが、周りの観客達は反乱軍であるイトニにはブーイングコールしかしない。普通の年頃の女の子なら大分気にするはずだが、イトニはそういうことは慣れっこだったためか、全然気にするそぶりを見せなかった。
花火は思い出した、そして気づいた、遊園地でシュリに言われたことを『君たちだけはあの子のことを見てやってくれ』これはそういうことなのだろうと。イトニやシデンと友達でいてくれと言う意味のメッセージだったのだと。
実況者「……さぁ!行きましょう!!1回戦第二試合開始!」
花火「…………いいバトルにしようぜ!」
イトニ「……勝つのは私だ!!行くぞ!!」
花火&イトニ「ゲートオープン!解放!」
2人のバトルが今幕を開ける。先行はイトニだ。
[ターン01]イトニ
スタートステップ
ドローステップ 手札4⇨5
イトニ「……メインステップ、パタモンを召喚!」
手札5⇨4
リザーブ4⇨0
トラッシュ0⇨3
イトニのフィールドに大きな耳が特徴的な成長期スピリットパタモンが召喚される。
イトニ「召喚時効果」
オープンカード
【イエローリカバー】
【イエローリカバー】
イエローリカバーはただのマジックカード、効果は不発に終わる。この結果に、イトニは舌打ちをして悔む。
イトニ「……ちっ!ターンエンドだ」
パタモンLV1(1)BP1000
バースト無
[ターン02]花火
スタートステップ
コアステップ リザーブ4⇨5
ドローステップ 手札4⇨5
花火「……メインステップ!行くぜ!ロクケラトプスをLV1、アシガルラプターをLV2で召喚!」
手札5⇨3
リザーブ5⇨0
トラッシュ0⇨2
花火のフィールドに二体の地竜スピリット、三本のツノが特徴的なスピリット、ロクケラトプスと、足軽衣装がお似合いのアシガルラプターが現れる。
花火「……アタックステップ!」
ロクケラトプスLV1(1)BP3000
アシガルラプターLV2(2s)BP3000
バースト無
花火「2体でアタック!!」
手札3⇨4
花火はシレーっとやっているが、ソウルコアが置かれたアシガルラプターはアタック時にデッキから1枚ドローできる力がある。
2体の地竜スピリットは共に荒野を駆けていく。
イトニ「……ライフで受ける」
ライフ5⇨3
ロクケラトプスとアシガルラプターはイトニのライフを同時に体当たりでぶち壊した。
花火「……ターンエンド」
実況者「……ここまでの展開はどうですか、解説の景光さん」
景光「……そうだな…………私はあのイトニと言う女子の使うデジタルスピリットがどういうものかわからんから、わからん。この試合は取り敢えず花火に勝ってもらえれば満足だ」
実況者「……だから私情はやめてくださいってば」
どうやっても私情を挟み出す景光に実況者はやや呆れ気味。景光としては花火がどれくらい強くなったか知りたいのだ。そしてもし、強くなっていたのならこの大会中でどっ付き合いたいのだ。バトルで。
[ターン03]イトニ
スタートステップ
コアステップ リザーブ2⇨3
ドローステップ 手札4⇨5
リフレッシュステップ
リザーブ3⇨6
トラッシュ3⇨0
イトニ「メインステップ、ウィザーモンを召喚!」
手札5⇨4
リザーブ6⇨1
トラッシュ0⇨4
花火「……!?」
イトニのフィールドに新たなデジタルスピリット、魔法使いのような姿をしている成熟期のウィザーモンが召喚された。
花火はウィザーモンがDパラディンではなく、普通のデジタルスピリットであることは見抜くが、デッキに採用しているほどだ、何か強い効果があるのではないかと警戒していた。
イトニ「ウィザーモンの召喚時効果!!デッキから2枚ドロー!!」
手札4⇨6
ウィザーモンの効果はいたってシンプル、デッキから2枚ドローし、手札を増やす。だが、そのシンプルな効果はイトニにとってとてつもないアドバンテージを確保していたことは花火も理解している。
イトニ「……アタックステップ」
ウィザーモンLV1(1)BP4000
パタモンLV1(1)BP1000
バースト無
イトニ「パタモン!!いけ!」
パタモンは耳を使って器用に羽ばたいてみせる。いく先はもちろん花火のライフ。前のターンでフルアタックしたせいで全てのスピリットが疲労状態になっている花火はこのアタックを無条件でライフで受けることになる。
花火「……ライフだ」
ライフ5⇨4
パタモンは身体全体を使って口から空気砲を放つ。それはとても弱々しいが、ギリギリ花火のライフを砕いた。
イトニ「……ターンエンド」
[ターン04]花火
スタートステップ
コアステップ リザーブ1⇨2
ドローステップ 手札4⇨5
リフレッシュステップ
リザーブ2⇨4
トラッシュ2⇨0
花火「……メインステップ、来い、グレイモン!!LV2だ」
手札5⇨4
リザーブ4⇨0
アシガルラプター(2s⇨1s)
トラッシュ0⇨2
甲虫のように硬い頭部を携えている。恐竜型のデジタルスピリット、成熟期のグレイモンが、花火の後ろからのっそのっそとフィールドに現れる。
花火「……アタックステップ」
グレイモンLV2(3)BP5000
ロクケラトプスLV1(1)BP3000
アシガルラプターLV1(1s)BP2000
バースト無
花火「……グレイモンでアタック!!アタック時効果でウィザーモンを破壊!」
手札4⇨5
実況者「…………グレイモンの効果が炸裂!!!これで決まってしまうのか!!!!?」
グレイモンは口内に限界まで炎を溜めて、それをボール状にしてウィザーモンに放つ。ウィザーモンはなすすべなくその炎を浴び、燃えあがり、消失してしまう。
花火はこの効果でデッキから1枚ドロー、さらに、3体のアタックが通ればイトニの残りのライフを全て破壊でき、勝ちは見えていた。だが、こんな速攻で勝てるほどイトニは甘くない。
イトニ「…………かかったな!ウィザーモンの破壊時効果!」
花火「…………!!」
イトニは待っていましたと言わんばかりにウィザーモンの効果を発揮する。花火はウィザーモンに破壊時効果があることをなんとなく見越していたが、『自分のデッキは赤、どっちみち破壊はしなくてはならない、』そう思い、敢えてグレイモンでウィザーモンを破壊したのだ。
イトニ「ウィザーモンは破壊時にテイルモンかエンジェウーモンを1体、ノーコスト召喚ができる!」
花火「……なに!?」
ウィザーモンはグレイモンの炎で焼かれた後に、光の粒子となってイトニの手札に纏わりつく。そして、その中の1枚に焦点を置いて中に入っていく。エンジェウーモンのカードがノーコスト召喚することが可能になったのだ。この効果は予想外だったのか流石に花火は驚いた。まぁ無理もないだろう、完全体クラスのスピリットがノーコストで召喚できるのだから。
イトニ「私はエンジェウーモンをノーコスト召喚!」
手札6⇨5
エンジェウーモンLV2(2)BP7000
リザーブ2⇨0
神秘的な翼を羽ばたかせ、女性型の大天使の完全体デジタルスピリット、エンジェウーモンが今、イトニのフィールドに舞い降りる。
イトニ「……エンジェウーモンの召喚時効果!!アシガルラプターとロクケラトプスを手札に戻す!」
花火「……くっ、」
手札5⇨7
エンジェウーモンは舞い降りてすぐに、黄色い波動をフィールド全体に放つ。グレイモンは辛うじて耐え抜くもののLVが1だったロクケラトプスとアシガルラプターは粒子となって花火の手札に戻ってしまう。
イトニ「そして、戻した数1体につき私のライフを回復する」
ライフ3⇨5
さらにエンジェウーモンの波動はイトニのライフに力を取り戻させる。これでイトニのライフは初期の5に元どおり…………花火はこのエンジェウーモンの効果を決して警戒していなかったわけではない。まさか自分のターンにこの効果を受けるとは思ってもいなかったのだ。しかし、そこで1番気にしなくてはならないのは、まだこれはグレイモンのアタック中であるということ。
イトニ「グレイモンのアタックはエンジェウーモンでブロック!!」
イトニの命令でブロックを執行するために翼で空を飛ぶエンジェウーモン。グレイモンはウィザーモンと同じようにエンジェウーモンを巨大な炎の球で倒そうと何発も何発も放つが、エンジェウーモンは全てそれを空中で華麗にかわしてしまう。エンジェウーモンは掌から黄色い波動を一点に集中して打ち出し、グレイモンを貫いてみせた。グレイモンは堪らずその場で大爆発を起こしてしまう。
実況者「……イトニ選手の強烈なカウンターが炸裂!!!
花火選手!これはきつい!!まだ反撃の手はあるのか!?」
花火「…………ターンエンドだ」
イトニ「ふふ!楽勝楽勝」
なすすべがない、花火はフィールドのすべてのカードを自分のターンに失ってターンを終えることになってしまった。イトニはこの状況に笑みを殺しきれなかった。
[ターン05]イトニ
スタートステップ
コアステップ リザーブ0⇨1
ドローステップ 手札5⇨6
リフレッシュステップ
リザーブ1⇨5
トラッシュ4⇨0
イトニ「メインステップ、天使スピエルを3体召喚!」
手札6⇨3
リザーブ5⇨2
白髪の天使のスピリット、天使スピエルが一気に3体召喚される。このスピリットはコスト0の天霊で【黄強化】持ちと、とても扱いやすいカードだ。
イトニ「パタモンをLV2へ!」
リザーブ2⇨0
パタモンはLVがあがり、進化の力を得た。そして、
イトニ「アタックステップ!パタモンの【進化】!成熟期のエンジェモンに!」
パタモンは天使型の成熟期デジタルスピリット、エンジェモンへと進化した。
イトニ「さらにエンジェモンを【超進化】!完全体、ホーリーエンジェモンに!」
イトニはエンジェモンのアタック時効果の【超進化】を使い、大天使型のデジタルスピリット、完全体のホーリーエンジェモンに進化させる。
実況者「……すごい!すごいぞ!イトニ選手!黄色の完全体を2体揃えたーー!!」
並び立つホーリーエンジェモンとエンジェウーモンにテンションの上がる実況者。確かに神々しい2体の大天使デジタルスピリットの威圧感は相当なものであった。花火のフィールドにスピリットが1体もいないことがよりその2体の存在を駆り立てる。
イトニ「やれ!ホーリーエンジェモン!」
ライフ5⇨6
ホーリーエンジェモンは8枚の聖なる翼で天空を駆ける。そしてオマケのようにイトニのライフに力を与える。
花火「フラッシュタイミング!マジック!リアクティブバリア!!ホーリーエンジェモンのアタックでお前のターンは終わりだ!!」
手札7⇨6
リザーブ5⇨1
トラッシュ2⇨6
花火もただではやられない。白の防御マジック、「リアクティブバリア」が発動する。イトニのスピリット達の目の前に巨大な氷山の一角が出現し、行く手を阻む。
花火「ホーリーエンジェモンのアタックはライフで受けるぜ」
ライフ4⇨3
ホーリーエンジェモンは右手に装着された剣で花火のライフを1つ横一線に切り裂いた。だが、このターンのアタックステップは終了、イトニは仕方なくターンを終える。
イトニ「……く、ターンエンドだ」
ホーリーエンジェモンLV3(3)BP12000
エンジェウーモンLV2(2)BP7000
天使スピエルLV1(1)BP1000
天使スピエルLV1(1)BP1000
天使スピエルLV1(1)BP1000
バースト無
[ターン06]花火
スタートステップ
コアステップ リザーブ2⇨3
ドローステップ 手札6⇨7
リフレッシュステップ
リザーブ3⇨9
トラッシュ6⇨0
花火「メインステップ、バーストをセット!、ピストジャサウルス、ロクケラトプス、アシガルラプターを立て続けに召喚!」
手札7⇨3
リザーブ9⇨6
まるでツチノコのような見た目の地竜スピリット、ピストジャサウルスが花火のフィールドに現れたかと思うと、エンジェウーモンによって戻されてしまったロクケラトプスとアシガルラプターも同時に花火のフィールドに召喚された。バーストカードも裏側でセットされる。
花火「……そして、召喚!スカルグレイモン!!」
手札3⇨2
リザーブ6⇨0
トラッシュ0⇨3
花火のフィールドに全身が骨になってしまったグレイモン、スカルグレイモンが天上から落下してくる。その異様な姿にイトニは困惑していた。それもそのはず、イトニが聞かされていた花火の完全体スピリットはメタルグレイモンのみ、こんな異形の化け物が出てくるなど想定外でだった。
イトニ「……スカルグレイモン……!?」
花火「こいつの召喚時!相手のスピリット3体からコアを1個ずつ外す!対象は3体の天使スピエルだ!」
イトニ「(…………雑魚スピリットに、いちいちエンジェウーモンの効果は使ってられないな、ここは)エンジェウーモンの効果は使わない」
天使スピエル(1⇨0)消滅
天使スピエル(1⇨0)消滅
天使スピエル(1⇨0)消滅
スカルグレイモンは黒いブレスを吐き出す。それはスピエル達を包み込み、消滅させてしまう。
この時、イトニはエンジェウーモンの効果を使ってスピエル達を守ることはできたが、エンジェウーモンの効果にはライフが必要になる、破壊されやすいスピエルを残すなら守らなくてもいいという判断なのだろう。
実はこれは正解の判断であり、スピエル達を無理やり残してもスカルグレイモンのアタック時にまたまとめて破壊されてしまっていた。
花火「……ピストジャサウルスを消滅、スカルグレイモンをLV3に」
ピストジャサウルス(1⇨0)消滅
スカルグレイモン(3⇨4)LV2⇨3
ピストジャサウルスは消滅してしまうが、スカルグレイモンの力が一気に上昇した。
花火「……さらに!ロクケラトプスのコアを使ってマジック、ダイナパワーを使用!地竜スピリットにこのターン、BP+3000と指定アタックの効果を付与する!」
手札2⇨1
ロクケラトプス(1⇨0)消滅
トラッシュ3⇨4
ロクケラトプスも消滅してしまうが、マジック、ダイナパワーの効果がこのターンの間適応される。エンジェウーモンの効果は効果によって離れるスピリットが対象に含まれるが、単純にBP比べの敗北による破壊は含まれない。花火のデッキで唯一、イトニの鉄壁の大天使達のコンボを崩せるカードと言えよう。
花火「アタックステップ!先ずはお前だ!アシガルラプター!」
手札1⇨2
アシガルラプターにはソウルコアが置かれているため花火はアタック時に1枚ドローした。
花火「…………そして、フラッシュタイミング、【煌臨】を発揮!対象はスカルグレイモン!」
手札2⇨1
アシガルラプター(1s⇨0)消滅
トラッシュ4⇨5s
アシガルラプターは悲しいことにアタックした瞬間呻き声を上げて消滅してしまうが、それが花火のスカルグレイモンに新たな力を灯す。
花火「……行くぜ!死を超越せし龍よ!今こそ最強の龍戦士となりて敵を討て!究極進化!ウォーグレイモン!!」
スカルグレイモンは橙色の炎に包まれ、姿形を変えて行く、そしてその炎を切り裂き、新たにウォーグレイモンとなって現れた。
スカルグレイモンからのウォーグレイモンへの究極進化が意外だったのか、菜々子や小次郎は少々驚いていた。花火は最初こそスカルグレイモンのせいで自我を失ってしまったが、今はスカルグレイモンも自分の大切なデッキの仲間だと考えていた。それがこのバトルの判断に繋がったのだろう。
花火「……頼むぞ!ウォーグレイモン!!」
ウォーグレイモンLV3(4)BP19000
ウォーグレイモンは花火の声に応えるように力強く咆哮をあげる。
実況者「……キタキタキタキターーーーー!!!花火選手のエーススピリット!!究極体のウォーグレイモンの登場だーーー!!」
ウォーグレイモンの登場でより実況に熱が入る実況者、観客の盛り上がりもピークに達する。そしてここにも1人、ウォーグレイモンーの存在に驚く者がいた。
牙「…………ウォーグレイモン…………だって!?あいつこんな切り札残していやがったのか!!…………やっぱお前は最高だぜ!!花火ぃぃい!!!!」
牙は1人、自分の控え室で密かにンションを上げていた。牙はすっかり有名になってしまった花火のウォーグレイモンの存在を知らなかった。修行に出ていたからだ。完全体まで持っていることは菜々子とカイネとのバトルで察しはしていたが、まさかさらにそのもう一段階上の存在を持っていたのは彼の予想の斜め上を超えていた。これは彼にとってとてもいい朗報であった。
花火「ウォーグレイモンの煌臨時効果!エンジェウーモンを破壊!!」
ウォーグレイモンは両手を挙げ特大のガイアフォースを形成し、それをイトニのエンジェウーモンに投げ込んだ。その威力は凄まじく、ガイアフォースの進んだ後の地面がえぐれるほどだ。
イトニ「…………やらせるかよ!!エンジェウーモンの効果!天霊スピリットが効果でフィールドを離れる時、私のライフを1つ以上そのスピリットに置くことで、同じ状態でフィールドに残す!エンジェウーモンにライフのコア1個を置く!」
ライフ6⇨5
エンジェウーモン(2⇨3)LV2⇨3
エンジェウーモンはイトニのライフの力を使って防壁を形成し、ウォーグレイモンの特大のガイアフォースを上に弾き飛ばす。ガイアフォースはまるで打ち上げ花火のように飛んで行ってしまった。
花火「いけ!ウォーグレイモン!ホーリーエンジェモンに指定アタックだ!」
イトニ「…………!!」
花火は間髪入れずにウォーグレイモンにホーリーエンジェモンを攻撃させる。イトニはすっかり強力な耐性効果があるエンジェウーモンを先に狙ってくると思っていた。だが、花火は攻めに特化したホーリーエンジェモンを敢えて狙った。アタックするたびにライフを回復する厄介なスピリットでもあるので先に潰しておきたかったのだろう。
ウォーグレイモンは自身の身体をドリルのように回転させ、ホーリーエンジェモンに突っ込んで行く。だが、ホーリーエンジェモンは左手から円形のバリアを形成する。透けて見えるほど薄いバリアだが、ウォーグレイモンの竜巻のような攻撃を凌ぎ、そのまま上に跳ね返した。そしてホーリーエンジェモン自身も空を飛び、ウォーグレイモンに自身の右腕の剣で一太刀入れる。ウォーグレイモンはさらに上に打ち上げられてしまう。
ウォーグレイモンもただではやられない。空中でなんとか体制を立て直し、追撃してくるホーリーエンジェモンの剣を腕の武器、ドラモンキラーで挟み込んでしまう。そしてそのまま剣をへし折る。
剣が折れて動揺したホーリーエンジェモンをウォーグレイモンはそのまま裏拳で地面に叩き落とす。ホーリーエンジェモンはなんとか立ち上がり、空へ羽ばたこうとするがウォーグレイモンが上からドラモンキラーの一撃で追撃してくる。逃げ場をなくしたホーリーエンジェモンは左手から再び強固なバリアを瞬時に形成し、真正面からドラモンキラーの右拳を受け止める。
花火「…………いけ!!打ち上げろぉぉぉお!!!ウォー!グレイモン!!!」
ウォーグレイモンは花火の声に応えるように緑色の眼光を輝かせる。ドラモンキラーの右拳はドンドン、ホーリーエンジェモンのバリアに突き刺さって行く。そしてついにバリアは崩壊、崩れた瞬間にウォーグレイモンはホーリーエンジェモンを通り過ぎるように一撃を入れる。たった一撃をもろに受けただけだが、やはり究極体の一撃は重いのか、ホーリーエンジェモンは大爆発を起こす。
イトニ「……くそ、ホーリーエンジェモン」
花火「ウォーグレイモンのLV2、3の効果!トラッシュのソウルコアをウォーグレイモン自身に置くことで相手のライフを1つボイドに送る!!」
トラッシュ5s⇨4
ウォーグレイモン(4⇨5s)
ウォーグレイモンは巨大なガイアフォースを形成し、イトニに向かって全力で投げつける。それにぶち当たったイトニのライフは溶けるように消えていった。
イトニ「……ぐっ!!!」
ライフ5⇨4
花火「…………ターンエンド」
手札1⇨2
花火はターンを終えるが、トラッシュに落ちたダイナパワーのカードが条件を満たしたのでトラッシュから帰ってくる。ちなみに条件とは花火のフィールドに地竜スピリットがいることである。
実況者「……形成逆転!!!!花火選手、圧倒的不利な場面から一気に巻き返しました!!!」
景光(…………成長してるじゃないか花火、これはバトルのが余計楽しみになってきたぞ〜)
5体もいたイトニの天使たちは僅か1ターンの間でエンジェウーモンのみを残して蹴散らされてしまった。しかも、ダイナパワーがまた次のターンで使用できる状態、間違いなく次はエンジェウーモンも破壊されてしまうだろう。
[ターン07]イトニ
スタートステップ
コアステップ リザーブ6⇨7
イトニ(…………強い、まるで兄いと戦ってるみたいだ、………………でも勝ちたい、こいつには!!兄いのために、【クロノス・アルファ】を手に入れるために!!)
イトニは負けるわけにはいかなかった自分の兄の、シデンの力になるために、だが、このままでは花火のウォーグレイモンを倒すことができずにズルズルと負けの一途をたどって行くだろう。
イトニ「……勝つんだ、勝つんだーーー!!」
イトニが絶叫した次の瞬間、イトニは目の前が真っ暗になる。周りの光景、音や、目の前の対戦相手、エンジェウーモンは姿を消し、自分だけが暗闇の中にいた。イトニは当然驚く。まるで意識だけを飛ばされたようであった。
イトニ「…………!?なに!?」
???「………………」
イトニの目の前に黒フードの男が現れる。黒フードはなにも言わずイトニにカードを手渡す。
イトニ「……あんた一体?………………うっ!」
イトニが黒フードのことを聞こうとした瞬間だった。イトニに手渡されたカードがおぞましいほどの闇を放出していく。イトニはその蠢く闇の中に呑まれていく。逃げようとしてももがけばもがくほど絡まってくる。、どこにも逃げ場などなかった。
イトニ「………………う、うわぁぁぁぁぉぁ!!」
絶叫するイトニ、そして暗闇が晴れて、元の中央バトルフィールドに戻っていた。イトニの目は赤黒く染まり、全くの別人のように表情が動かなくなっていた。おそらく自我をなくしているのだろう。
イトニ「……ドローステップ!」
手札3⇨4
イトニがドローしたのはあの黒フードから手渡されたカード。花火はこの時、妙な胸騒ぎがした。それはとてもとても嫌な予感。
イトニ「……メインステップ、パタモント、テイルモンヲ召喚!」
手札4⇨2
リザーブ7s⇨1s
トラッシュ0⇨4
イトニのフィールドにパタモンと猫のような姿の成熟期デジタルスピリット、テイルモンが召喚される。
イトニ「……アタックステップ、パタモンデアタック」
エンジェウーモンLV3(3)BP10000
パタモンLV1(1)BP1000
テイルモンLV1(1)BP3000
パタモンは不器用ながらも大きな耳で空を飛翔する。
イトニ「……サラニ、フラッシュ、【煌臨】ヲ発揮!対象ハ、エンジェウーモン!」
リザーブ1s⇨0
トラッシュ4⇨5s
花火「……【煌臨】だって!?」
イトニ「……今コソ示セ!暗黒ノ道ヲ!ソノ漆黒ノ翼デ我ヲ導ケ!暗黒進化!!オファニモン・フォールダウンモード!!」
手札2⇨1
オファニモン・フォールダウンモードLV3(3)BP12000
バトルフィールドに悪雲が差し込む。エンジェウーモンはその中に吸い込まれるように入っていく。エンジェウーモンは雲の中で姿形を変え、堕天使のような禍々しい姿になる。そして雲は晴れ、堕天使がフィールドに舞い降りてくる。その名はオファニモン・フォールダウンモード。究極体のデジタルスピリットだ。
花火「…………きゅ、究極体!?」
シデン「…………な、なぜイトニがあんな究極体を!?」
実況者「…………ななななんとーー!!!イトニ選手のエンジェウーモンも究極体に進化した!!!!!」
バトル自体は白熱しているため、会場全体は大いに盛り上がるが、イトニが究極体を持っていないことを知っている花火や、シデン達はこの自体の異常さを瞬時に理解していた。そもそもDパラディンはアグモンとガブモン系列以外は究極体に進化できない。究極体という存在自体、ウォーグレイモン、メタルガルルモン、そして暗黒四天王達が使役するダークマターズのカード達以外にはいないはずだ。考えられることは、
花火「……イトニが、暗黒四天王だったのか!?」
そう、イトニが暗黒四天王の1人だったという説、しかし、Dパラディンに選ばれたイトニとなるとその可能性も低かった。何より彼女はそんなそぶりなど見せたことない。そうなると本当にあの究極体スピリットは謎であった。
イトニ「……オファニモン・フォールダウンモードノ煌臨時効果!煌臨元カードヲ回収シテ、デッキカラ2枚ドロー!」
手札1⇨4
イトニの手札に煌臨元となったエンジェウーモンが手札に戻り、さらにイトニはデッキから2枚ドローした。
花火「くっ!パタモンはライフで受ける」
ライフ3⇨2
パタモンは全力で花火のライフを体当たりで破壊した。
イトニ「……ヤレ!オファニモン・フォールダウンモード!アタック時効果!疲労状態ノ相手ノスピリット1体ヲ破壊スル!消スノハウォーグレイモン!」
花火「……なに!?……ウォーグレイモン!」
花火の叫びも虚しく、オファニモンが鎌のような武器の柄を地面につきつけると、ウォーグレイモンの体はみるみるうちに黒く変色していく。そして砂のようにサラサラと流れていく。
イトニ「……ソシテ、ライフヲ1ツ回復」
ライフ4⇨5
オファニモン・フォールダウンモードはイトニのライフに力を与える。これでイトニのライフは再び5になった。
花火「……くそ!アタック後バースト!煌星銃ヴルムシューター!バースト効果で1枚ドローして、ノーコスト召喚だ!」
手札2⇨3
煌星銃ヴルムシューターLV1(1)BP6000
リザーブ6⇨5
花火はとっさにバーストを開く、そして、出現した赤い魔法陣の中からドラゴンの顔のような銃が召喚された。
シデン「……!花火も銃ブレイブを……!」
シデンは花火が自分と同じ銃ブレイブを所持していることに少々驚く。だが、今はそんなことあまり気にしてはいられない。イトニがこの状態なのだ当然だろう。
花火「アタックはライフだ!」
ライフ2⇨1
オファニモン・フォールダウンモードは花火の目の前まで瞬間移動で移動し、武器の大鎌で花火のライフを1つ引き裂いた。この攻撃を受けて花火はあることに気づく。
花火「……、痛くない、……てことはダークマターズでも、暗黒の力でもないのか?」
オファニモン・フォールダウンモードの攻撃はそこまで花火にダメージを与えなかった。このことから花火はイトニが暗黒四天王出ないことと、ましてや暗黒の力もないことを理解する。そうなると【暗黒進化】と言うイトニが進化の時に言っていたセリフがまだ気がかりだが、
イトニ「……ターンヲ終了スル」
残ったテイルモンだけでは花火のライフを削りきることはできない、ヴルムシューターがブロッカーとして控えているからだ。イトニは仕方なくターンを終えることとなった。
[ターン08]花火
スタートステップ
コアステップ リザーブ6⇨7
ドローステップ 手札3⇨4
リフレッシュステップ
リザーブ7⇨11
トラッシュ4⇨0
花火「……メインステップ、アグモンを召喚!」
手札4⇨3
リザーブ11⇨8
トラッシュ0⇨2
花火のフィールドにデフォルメされた肉食恐竜のようなスピリット、アグモンが召喚される。花火はできればこのターンでバトルを終わらせたかった。イトニに暗黒の力がないことはわかったが、どちらにせよ今、イトニが危険な状態にあることは間違いなかった。
花火「……アグモンの召喚時」
オープンカード
【リアクティブバリア】
【グレイモン】
アグモンの効果は成功、花火はグレイモンのカードの確保に成功した。これが逆転の糸口になる。
花火「いくぞ!グレイモンを召喚!」
手札4⇨3
リザーブ8⇨2
トラッシュ2⇨4
花火のフィールドに再びグレイモンが現れる。
花火「グレイモンにヴルムシューターを合体!」
グレイモンとヴルムシューターが合体し、合体スピリットとなるが、グレイモンの短い腕ではヴルムシューターを持つことはできないからか、ヴルムシューターはUFOのように自分でグレイモンの周りを浮遊する。
花火「アタックステップ!」
グレイモン+煌星銃ヴルムシューターLV3(4)BP13000
アグモンLV1(1)BP3000
バースト無
花火「グレイモンでアタック!アタック時効果でテイルモンを破壊!」
手札3⇨4
グレイモンの口内から放出された炎の球はテイルモンをあっさりと燃やし尽くした。花火はこの効果による破壊に成功したため、デッキから1枚ドローした。
花火「さらに、フラッシュマジック!ガイアフォース!パタモンを破壊して、グレイモンを回復させる!」
手札4⇨3
リザーブ2⇨0
トラッシュ4⇨6
グレイモン+煌星銃ヴルムシューター(疲労⇨回復)
花火の必殺マジック、【ガイアフォース】が炸裂する。巨大な炎の球がパタモンを焼き尽くし、グレイモンは回復状態となる。これでアグモンのアタックとダブルシンボルとなったグレイモンの2回攻撃によってイトニのライフを0にできる。
はずだった。
イトニ「フラッシュ!マジック、ヘブンズナックルヲ使用スル!LV2カ3ノスピリット全テヲ疲労サセル!」
手札4⇨3
リザーブ2⇨0
オファニモン・フォールダウンモード(3⇨2)LV3⇨2
トラッシュ5s⇨8s
花火「……!?」
グレイモン+煌星銃ヴルムシューター(回復⇨疲労)
強烈な光の拳が天空から降り注ぐ、グレイモンはその拳に殴られ、疲労状態に戻ってしまう。これでグレイモンは連続攻撃できず、次のターンでイトニの勝ち、…………だったが、花火も負ける気などこれっぽっちもない。
花火「……まだまだぁぁぁあ!!もう一枚ガイアフォースを使う!!」
手札3⇨2
グレイモン+煌星銃ヴルムシューター(4⇨2)LV3⇨1
トラッシュ6⇨8
イトニ「……………」
花火の2枚目のガイアフォースが炸裂、グレイモンは再び回復状態に戻る。これはこのターンのアタックステップ中でグレイモンのおかげでドローできたカード。花火の天性のドローセンスが奇跡を起こしたのだ。
イトニ「……ライフデ受ケル」
ライフ5⇨3
グレイモンは自慢のツノで、浮遊するヴルムシューターはそのまま銃口をイトニの方へ向け、発砲する。この2つの同時攻撃でイトニのライフを一気に2つ破壊した。
花火「……トドメだ!アグモン!グレイモン!!」
イトニ「……ライフ」
ライフ3⇨0
アグモンとグレイモンは同時に口内に炎を溜めて一気に放出、巨大な炎の球達は一直線にイトニのライフへ飛んでいき、そのまま直撃した。イトニのライフが0になったので、1回戦第二試合は花火の勝利に終わる。
実況者「……決まったぁぁぁあ!!!1回戦第二試合、勝者は一木花火選手だぁぁぁあ!!」
実況者の声とともに、会場全体が盛り上がる。それと同時に、イトニの目が元に戻る。我に帰ったのだ。花火はイトニの方へ向かう。
花火「……おい!イトニ!」
イトニ「……あれ?今まで何やって、………………あっ!負けてる!?なんで!?」
イトニは記憶がなかった。自我を失っていたので当然だ。花火は結局イトニの身に何が起こったのかわからなかった。イトニは大変悔しそうな顔をして自分の控え室へ戻っていく。花火はとりあえずは大丈夫そうだったので肩をホッと撫で下ろした。
イトニ「…………くそ!くそ!…………負けた、」
イトニはとても悔しかった。記憶なくした間に敗北したのだ。確かにその思いは計り知れない。だが、同時に思ったこともある
イトニ「……でもなんか、久しぶりに楽しいバトルをした気がする。いつぶりだったっけ、あんな熱いバトルしたの………」
イトニは花火とのバトルを楽しくも思っていた。反乱軍に入ってからというもの、イトニは楽しいバトルをしなかった。いや、できなかった。あんな張り詰めた兄を見ていると、どうしてもバトルを楽しくするなどできなかった。だが、今回、一瞬だけ、花火とのバトルでそれを忘れた。イトニは、兄との楽かった記憶を少し思い出していた。そんな時、
???「……君は合格だ、イトニ」
どこから入ってきたのか黒いフードの男がまたイトニの前に急に現れてくる。今度は暗闇の中ではない。ちゃんと現実であった。
イトニ「……あ!あんたさっきの!」
???「……そう、さっきの奴だよ、」
イトニ「……え!?、う、うわぁぁぁぁぉぁ!!」
黒フードの男が手をかざすと、また黒い闇がイトニを襲った。イトニはその闇の中で必死にもがくが、ドンドン闇は絡みついてくる。そして、闇が消えたかと思うと、そこにはもうイトニの姿も見えなかった。
それ以降、イトニの姿を見たものはいない。
すでに次回作まで考えてるほどモチベが上がっています。この調子で毎週更新するのでよろしくお願いします!
最後までお読みいただき誠にありがとうございます!