バトルスピリッツ オメガワールド   作:バナナ 

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31話です!どうぞ!


第31話 気高き対決、魂の侍軍団VS鉄壁の神獣!

実況者「……1回戦第二試合は花火選手の勝利で終わりました!これで自動的に2回戦第一試合は牙選手VS花火選手となります!!………では早速次の第三試合へと参りましょう!次はこの方々です!」

 

実況者がそう言って、巨大なモニターに映し出された顔は

、シデンと景光のであった。

 

 

 

 

シデン「……!次か」

 

シデンは次の試合のために中央フィールドへと向かう。ついさっきのイトニの様子がとても気になるが、【クロノス・アルファ】のかかった試合をほったらかしにするわけにはいかない。1回戦が終わった後にでも遅くはないだろう。この時シデンはそう考えていた。

 

 

 

 

花火は試合が終わり、控え室に戻ろうとする、その道中で、景光と会う。その彼女の佇まいは幾千の戦を乗り越えて来た屈強な侍のようなものを感じさせる。

 

景光「……さっきの勝負、見事だったぞ!さすがは私の婿だな!」

 

花火「誰がいつあんたの婿になったよ!……姐さんも頑張れよ、あいつすげぇ強いから」

 

景光「……ほお、お前がそこまで言うとは、」

 

花火「……………なんて言うか、気に入らねぇんだ、あいつのバトルは」

 

景光「……………!?」

 

意味深な花火の言葉を聞いた後で景光はシデンとの勝負に臨む。シデンは景光の元側近のシュリが認めるほどの男、景光は当然このバトルも楽しみであった。

 

 

 

 

実況者「………先ずは1人目!…超絶有名な武龍村の女殿様!!歴代最高の戦闘狂と呼ばれるこの方!!「武魂景光」!!!!!」

 

 

ー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

実況者が意気揚々と選手達の紹介をする。景光はさすがは武龍村の殿と言ったところか、観客達がものすごい盛り上がりを見せる。中にはすでにスタンディングオベーションをしているものまでいた。

 

実況者「……続きまして、………こちらも超絶有名!!打倒Dポリスの反乱軍のリーダー!!!「シデン」!!」

 

 

逆にシデンはイトニや牙と同じようにブーイングコールが鳴り響く。世界から酷評を受けるなどシデンにとっては当たり前なので彼はこんなもの気にも留めないが。

 

 

景光「……よろしく頼むぞ」

 

シデン「……あぁ」

 

実況者「……それでは!1回戦第三試合、開始!!」

 

景光&シデン「ゲートオープン!解放!!」

 

2人の解放宣言にバリアが展開されていく。1回戦第三試合の幕開けだ。先行はシデンで始まる。

 

[ターン01]シデン

スタートステップ

ドローステップ 手札4⇨5

 

シデン「メインステップ、デスリターナーをLV1で召喚」

手札5⇨4

リザーブ4⇨1

トラッシュ0⇨2

 

シデンのフィールドに戦で息絶えてしまった騎士の亡霊が出現する。何十本も刺さっている槍や弓が痛々しい。

 

シデン「……ターンエンドだ」

 

デスリターナーLV1(1)BP2000

 

バースト無

 

先行の1ターン目などやれることは限られている。シデンはこのままターンを終えた。

 

[ターン02]景光

スタートステップ

コアステップ リザーブ4⇨5

ドローステップ 手札4⇨5

 

景光「メインステップ、ドラマルとヒエンドラゴンを召喚」

手札5⇨3

リザーブ5⇨0

トラッシュ0⇨2

 

景光のフィールドにかの有名なスピリット、「ブレイドラ」が甲冑を身に纏ったドラマルと、燕のような翼を持つスピリット、ヒエンドラゴンが現れた。

 

ヒエンドラゴンはソウルコアが自信に置かれている時、全ての武竜スピリットにBP5000を加算する効果がある。この効果でドラマル共々、低コストの2体はそのコスト不相応なBPになる。

 

景光「……バーストをセットして、アタックステップにゆくぞ!」

手札3⇨2

 

ドラマルLV1(1)BP5000

ヒエンドラゴンLV2(2s)BP8000

 

バースト有

 

景光「……舞え!ヒエンドラゴン!アタック時効果!【真・激突】!デスリターナーには是が非でもブロックしてもらうぞ!!」

 

シデン「……ブロックだ、デスリターナー」

 

【真・激突】は相手のスピリットに強制的にブロックさせる効果、ヒエンドラゴンは上空からデスリターナーに狙いを定め、そこから一気に滑空してデスリターナーを翼撃で切り裂いた。デスリターナーは爆発してしまう。

 

景光「続け!ドラマル!」

 

シデン「………そいつはライフだ」

ライフ5⇨4

 

景光は間髪入れずにドラマルにアタックの指示を送る。ドラマルはシデンのライフめがけて走りだし、小さな鉈のような武器でシデンのライフを砕いた。

 

 

景光「……ターンを終えよう」

 

[ターン03]シデン

スタートステップ

コアステップ リザーブ3⇨4

ドローステップ 手札4⇨5

リフレッシュステップ

リザーブ4⇨6

トラッシュ2⇨0

 

シデン「メインステップ、俺は魂鬼(たまおに)と、ガブモンを召喚」

手札5⇨3

リザーブ6⇨2

トラッシュ0⇨2

 

シデンのフィールドに鬼の顔だけが、魂となって蘇ったスピリット、魂鬼が現れると同時に狼のような毛皮を被った成長期スピリット、ガブモンが召喚される。ガブモンは花火のアグモンと同じで、デッキのエンジン的な存在である。

 

シデン「ガブモンの召喚時」

オープンカード

【デスリターナー】

【ワーガルルモン】

 

ガブモンの効果で完全体のワーガルルモンが加わった。残りのカードは破棄され、トラッシュに送られる。

 

景光「……完全体を加えたか」

 

シデン「……ガブモンをLV2へ、そして、アタックステップ!ガブモンを【進化】!成熟期のガルルモンへ!」

リザーブ2⇨0

 

ガブモンは【進化】の効果を使い、白銀の毛皮を持つ狼型の成熟期デジタルスピリット、ガルルモンに進化する。

 

ガルルモンLV2(3)BP5000

魂鬼LV1(1s)BP1000

 

バースト無

 

シデン「いくぞ!………ガルルモン!アタック時効果でドラマルのコアを1個リザーブへ送れ!」

手札4⇨5

 

景光「……!!」

ドラマル(1⇨0)消滅

 

ガルルモンは口内から青い炎を発射し、ドラマルのコアを1個リザーブにどかした。この効果でシデンはデッキから1枚ドロー、コアが0になったドラマルは消滅してしまう。だが、景光はシデンの手を読んでいたのか、ニヤリと口角が上がる。

 

景光「……ふふ、紫だったらそうくると思っていたぞ〜」

 

シデン「……!?」

 

景光「……相手による自分のスピリットの消滅により、バースト発動!ネクサスカード、【大龍城・本丸】!!バースト効果!BP10000以下のスピリットを破壊!魂鬼を破壊だ!!」

 

魂鬼の足元から火柱が上がる、魂鬼はその火柱に焼き切られてしまう。

 

景光「……その後、大龍城・本丸を配置する、LVは2だ」

リザーブ1⇨0

ヒエンドラゴン(2s⇨1)

 

その後に、景光の背後にまるで龍となって生きているような………と言うか明らかに生きている巨大な城が現れる。

 

シデン「……ソウルコアが置かれた魂鬼は破壊時にデッキから1枚ドローできる効果がある、俺はこの効果で1枚ドローする」

手札5⇨6

 

シデンは破壊された魂鬼の効果で破壊後のリカバリーをする。だが、これだけではない、

 

シデン「……トラッシュのデスリターナーの【不死】の効果!コストを払って、トラッシュからデスリターナーを蘇らせる!蘇れ!デスリターナー!」

リザーブ1⇨0

ガルルモン(3⇨2)LV2⇨1

トラッシュ2⇨3

 

シデンのフィールドから突如、紫の渦が出現したかと思うと、その中からデスリターナーが地を這ってフィールドに戻ってきた。デスリターナーの【不死】の条件はコスト3、または0のスピリット、今回はコスト0の魂鬼の破壊で召喚された。

 

シデン「……まだいくぞ!!ガルルモンの【超進化】!!完全体のワーガルルモンへ進化せよ!!」

ワーガルルモンLV1(1)BP5000

 

ガルルモンは紫の光に包まれると、新たに完全体のワーガルルモンの姿となってフィールドに現れる。

 

シデン「……ワーガルルモンの召喚時、ヒエンドラゴンのコアを2個リザーブへ送る!………消え去れ!!」

 

景光「……!!」

ヒエンドラゴン(1s⇨0)消滅

 

ワーガルルモンは強靭な腕をクロスするように勢いよく振り、衝撃波を飛ばす。その衝撃波はヒエンドラゴンのコアを奪いとっていく。ヒエンドラゴンはコアの消失により消滅してしまう。

 

シデン「……やれ!デスリターナー!ワーガルルモン!!」

 

景光「それぞれ、ライフで受けよう」

ライフ5⇨3

 

デスリターナーは剣で、ワーガルルモンは右拳で、それぞれ景光のライフを破壊した。

 

景光「……いいねじゃないか、もっときな!」

 

シデン「……行けないんだよ、ターンエンドだ」

 

景光はこのシデンのターン、大龍城・本丸のバースト効果で魂鬼ではなくガルルモンを破壊しておけば、完全体のワーガルルモンを召喚させずにすみ、デスリターナーが蘇ることもなく、デッキから1枚ドローされることもなかった。もっと言えば、ヒエンドラゴンが消滅することもなかった。

 

だが、それらの効果をこのターンの間に全て出させることに意味があった。そして景光はあることに気づく。

 

景光「……なるほど、『気に入らない』、か」

 

景光は思った。花火とシデンのバトルスタイルは似ている。いや、デッキの特徴が似ていると言った方がいいか、シデンのデッキも花火のデッキも様々な相手にある程度対抗できるデッキ構築となっている。花火が気に入らないと言ったのはおそらくそういうところが似ているからなのだろうと景光は考えた。いわゆる同族嫌悪だ。

 

だが、同時に根本的に違うところもあった。それは花火が、じっくり考えてカードを動かすのに対し、シデンはほぼ直感でカードを動かしているのだ。そういう違いがあったからこそ、デッキ構築の仕方が似ていても、今まで花火は全く気づかなかったのだ。

 

[ターン04]景光

スタートステップ

コアステップ リザーブ3⇨4

 

景光「……ドローステップ時、大龍城・本丸の効果でドロー枚数を+1だ」

手札2⇨4

 

リフレッシュステップ

リザーブ4⇨6

トラッシュ2⇨0

 

景光「……メインステップ、……………ゆくぞ!魂皆伝(ソウルマスター)ブゲイシャー・ドラゴンを召喚!LV1!」

手札4⇨3

リザーブ6⇨0

トラッシュ0⇨5

 

巨大な神輿を中から切り裂き、二本の剣を携えている武竜スピリットにして、景光のエーススピリット、魂皆伝ブゲイシャー・ドラゴンが召喚された。

 

実況者「……きたぁぁぁぁあ!!景光選手のエーススピリット!魂皆伝ブゲイシャー・ドラゴンだぁぁぁぁあ!!」

 

盛り上がる実況者と観客達、ブゲイシャーはこの劣勢にはまさしくぴったりのカードであった。

 

景光「……再びバーストを伏せて、アタックステップにゆくぞ!……ブゲイシャーの効果でコアを全て武竜スピリットに!」

手札3⇨2

トラッシュ5⇨0

魂皆伝ブゲイシャー・ドラゴン(1⇨6s)LV1⇨3

 

ブゲイシャー・ドラゴンは自分のアタックステップ開始時に、トラッシュのコア全てを武竜スピリットに好きなだけ置くことができる。故にブゲイシャーがいる限り、アタックステップ以降、コアが枯渇しないのだ。

 

コアの嵐がブゲイシャーに力を与える。ブゲイシャーはLV1から3まで一気に強化される。

 

景光「……ゆけ!ブゲイシャー!」

 

景光の指示でブゲイシャーは走り出す。目指すはもちろんシデンの首、

 

景光「……フラッシュ!ブゲイシャーの効果!コアを1つ払うことでBP6000以下の相手のスピリット1体を破壊する!!砕け散れ!デスリターナー!」

魂皆伝ブゲイシャー・ドラゴン(6s⇨5s)

トラッシュ0⇨1

 

シデン「……………!!」

 

ブゲイシャーは自身の剣に青い炎を纏わせて、そのままそれを飛ぶ斬撃として、飛ばす。それは一直線にデスリターナーを切り裂いた。デスリターナーはあっけなく破壊されてしまった。

 

景光「……まだだ、もう1コア払って、今度はワーガルルモン!貴様だ!」

魂皆伝ブゲイシャー・ドラゴン(5s⇨4s)LV3⇨2

トラッシュ1⇨2

 

コアの消費により、ブゲイシャーはLVが下がってしまうも、先ほどと同じ要領で斬撃を飛ばす。今度の標的はワーガルルモン、ワーガルルモンは強靭な腕で打ち返そうとするも、全く敵わず、そのままくらい、爆発してしまう。

 

これはすべて、ブゲイシャーのアタック中のフラッシュタイミングで起こった出来事、ブゲイシャーのアタックは継続中であった。

 

シデン「……アタックはライフで受けよう」

ライフ4⇨3

 

ブゲイシャーは青く迸る双剣でシデンのライフを1つ、一刀両断にして、引き裂いてしまう。

 

景光「……ターンを終えよう、」

 

景光のブゲイシャーの活躍により、会場の盛り上がりがピークに達する。フィールドは圧倒的に景光が有利だった。なぜならシデンはブゲイシャーの存在により、安易にBP6000以下のスピリットを出せなくなってしまったのだから。

 

[ターン05]シデン

スタートステップ

コアステップ リザーブ4⇨5

ドローステップ 手札6⇨7

リフレッシュステップ

リザーブ5⇨8

トラッシュ3⇨0

 

シデン「……メインステップ、クリスタニードルとガルルモンを召喚!さらに、バーストをセット」

手札7⇨4

リザーブ8⇨1

トラッシュ0⇨3

 

シデンのフィールドに蛇のような、または竜のようなスピリット、クリスタニードルと、ガルルモンが召喚された。同時にバーストがセットされる。

 

シデン「……アタックステップだ」

 

ガルルモンLV2(3)BP5000

クリスタニードルLV1(1)BP1000

 

バースト有

 

シデン「……アタックだ!ガルルモン!アタック時効果でブゲイシャーのコアを1つリザーブへ送れ!」

手札4⇨5

 

ガルルモンの効果の炎でブゲイシャーのコアを1つ取り外すが、今のブゲイシャーのコアは4つ、LV2の維持コアは3つ、1つ減らされたくらいではビクともしなかった。だが、疲労しているためガルルモンのアタックはブロックできなかった。

 

景光「……ライフで受けよう」

ライフ3⇨2

 

ガルルモンは強力なタックルで景光のライフを1つ破壊した。しかし、それがまた彼女のバーストの引き金となってしまう。

 

景光「ふふ、ライフ減少により、バースト発動!剣皇武龍ゼットウ・ドラゴン!バースト効果で、クリスタニードルを破壊!」

 

強力な炎がクリスタニードルを襲う。クリスタニードルは当然耐えられるわけもなく、散っていくが、ただでは転ばない、

 

シデン「……クリスタニードルの破壊時、貴様のネクサスを1つ破壊する、消え失せろ、大龍城・本丸!」

 

景光「……!!」

 

紫の靄に包まれていく大龍城・本丸、その靄はどんどん本丸を侵食していく、そして本丸は呻き声を上げながら、消滅していった。だが、本丸を破壊したと言っても、ゼットウ・ドラゴンの召喚が潰えたわけではない。

 

景光「……召喚!ゼットウ・ドラゴン!」

リザーブ1⇨0

剣皇武龍ゼットウ・ドラゴンLV1(1)BP7000

 

青を基準とした鎧を身につけ、最強の武士龍が景光のフィールドに降り立った。ブゲイシャーと共に並ぶ様は壮観であった。

 

シデン「……ターンエンドだ」

 

シデンはこれ以上何もできない、クリスタニードルの破壊に対して、デスリターナーの効果を使うのも良かったが、呼び出したとしても、ブゲイシャーの餌食にしかならない、そうなればコアの無駄遣いだ。シデンはコアをデスリターナーではなく、次の防御のために温存した。シデンはここまでのことをすべて自身の直感だけで判断していた。

 

 

 

[ターン06]景光

スタートステップ

コアステップリザーブ3⇨4

ドローステップ 手札2⇨3

リフレッシュステップ

リザーブ4⇨6

トラッシュ2⇨0

 

景光「……いくぞ、メインステップ、武龍魔神を召喚!」

手札3⇨2

リザーブ6⇨3

トラッシュ0⇨3

 

景光のフィールドに右手には青い剣を、左手には赤い剣を携えた異魔神ブレイブ、武龍魔神が天空より姿を見せる。

 

実況者「……ここに来て異魔神ブレイブ!!!景光選手、このターンで勝負をつけるつもりだぁぁぁぁあ!!」

 

並び立つ2体の強力な武龍スピリット、さらに、彼らの専用異魔神ブレイブとも言える武龍魔神が観客達の心を掴む。

 

景光「……武龍魔神よ!ブゲイシャーを左に、ゼットウ・ドラゴンを右に合体せよ!」

 

武龍魔神の合体の仕方は少々他の異魔神ブレイブと比べて特殊、自身の剣をそれぞれのスピリットに渡すのだ。武龍魔神はブゲイシャーには赤い剣を、ゼットウ・ドラゴンには青い剣をそれぞれ手渡す。

 

武龍魔神はブゲイシャー達より位が上なのか、ブゲイシャーはまるで学校の卒業式で卒業証書を貰うように丁寧に剣を受け取った。その異様な光景に、観客達は僅かながら、テンションを下げる。だが、より熱い展開はここからだった。

 

景光「ゼットウをLV2へアップ!」

リザーブ3⇨0

剣皇武龍ゼットウ・ドラゴンLV1⇨2(1⇨4)

 

ゼットウ・ドラゴンは力がみなぎる。元々持っていたオニマルと言う剣と武龍魔神の青い剣を掲げ、「これから行く!」と言うようにやる気を見せていた。

 

景光「……アタックステップ開始時、ブゲイシャーの効果!」

トラッシュ3⇨0

剣皇武龍ゼットウ・ドラゴン+武龍魔神(4⇨5)LV2⇨3

魂皆伝ブゲイシャー・ドラゴン+武龍魔神(4s⇨6s)LV2⇨3

 

バースト無

 

ブゲイシャーは再びトラッシュのコアを巻き上げ、今度はゼットウ・ドラゴン共々LVがアップした。

 

景光「……アタックせよ!ゼットウ・ドラゴン!武龍魔神の右合体時効果!このターンの間、ゼットウ・ドラゴンのBPを+5000!さらに、赤のシンボルを1つ追加する!」

剣皇武龍ゼットウ・ドラゴン+武龍魔神BP19000⇨24000

 

武龍魔神の右合体時効果はアタック時に武竜スピリット1体を指定して、そのターン中、そのスピリットのBPを+5000し、コストが10以上であればさらに、赤のシンボル1つを追加すると言うもの。

 

この効果でゼットウは赤い光を浴びてさらに力が増す。武龍魔神が元々シンボル持ちのブレイブなので現在の合計シンボル数は3となる。このままアタックが素通りすれば景光の勝利だった。

 

景光「さらに、フラッシュ、ブゲイシャーの効果で1コア払ってガルルモンを破壊!」

魂皆伝ブゲイシャー・ドラゴン(6s⇨5s)

トラッシュ0⇨1

 

シデン「……!!」

 

ブゲイシャーは再び、青い炎を纏った斬撃で、今度はガルルモンを切り捨てる。ガルルモンはその場で爆発してしまう。シデンは再びフィールドのスピリットを0にされてしまう

 

景光「……さぁ!このアタックはどうでる?」

 

シデン「……、」

 

シデンのバーストはライフ減少が条件の白マジック【絶甲盾氷】、ライフ減少バーストはライフが0になった瞬間では起動することができない、つまり、今はバーストが使えないも同然だった。あくまで今は、だが、

 

 

 

シデン「フラッシュマジック!ブレイブサクリファイス!異魔神ブレイブの武龍魔神を破壊!」

手札5⇨4

リザーブ5⇨2

トラッシュ3⇨6

 

景光「……なんだと!?」

 

紫の光を放つx字の斬撃が武龍魔神を襲う。武龍魔神はそれに引き裂かれて破壊されてしまう。さらに、シデンはブレイブサクリファイスの追加効果で1枚ドローした。

 

武龍魔神の損失により、ブゲイシャーと、ゼットウ・ドラゴンにそれぞれ託された武龍魔神の剣は消滅してしまう。同時に武龍魔神が与えた効果も消え、ゼットウ・ドラゴンのシンボルも元の1となってしまった。

 

シデン「……ゼットウ・ドラゴンのアタックはライフで受けよう」

ライフ3⇨2

 

武龍魔神の剣がなくなってもゼットウ・ドラゴンは焦ることなく、シデンのライフを手持ちのオニマルで叩き割った。

 

シデンは使えるようになった絶甲盾氷を敢えて使わなかった。フラッシュ効果を使用するコアがなかったからだ。

 

景光「……流石だな、ターンを終えよう」

 

景光はブゲイシャーをブロッカーに残し、ターンを終えた。

 

実況者「……シデン選手、合体スピリットのブレイブを破壊することでターンを繋げたぁぁぁぁあ!!だが、次のターンで返せるか!?」

 

シデン「……何言っている、次で終わりだ」

 

実況者の言葉にシデンはボソッと勝利宣言を呟く。どうやらこのターンで景光のライフを一気に0にする方法があるようだ。

 

[ターン07]シデン

スタートステップ

コアステップ リザーブ3⇨4

ドローステップ 手札5⇨6

リフレッシュステップ

リザーブ4⇨10

トラッシュ6⇨0

 

シデン「……メインステップ、俺は、六煌士魔界伝承者ディールを召喚!LVは3だ」

手札6⇨5

リザーブ10⇨1

トラッシュ0⇨4

 

シデンのフィールドに妙な杖を携えた魔術師が召喚される。魔術師は左手にソウルコアのようなものを握りしめていた。

 

シデン「……召喚時効果で1枚ドロー」

手札5⇨6

 

シデン「そして、アタックステップ、ディールの【輝跡】を発揮!このタイミングで【煌臨】を発揮する!」

六煌士魔界伝承者ディール(5s⇨4)

トラッシュ4⇨5s

 

景光「……なに!?」

 

六煌士魔界伝承者ディールの【輝跡】の効果はディール自身にソウルコアが置かれていたらアタックステップ開始時に【煌臨】を、行えるというもの、そして、ディールは【煌臨】の対象となる時、自身のコストを6として扱う。

 

ディールは左手に握られていたソウルコアをそのまま天に掲げ、砕いてみせる。すると、破壊されたところから奇跡の光が放たれる。

 

シデン「……現れよ!鉄壁なる神獣!メタルガルルモン!」

手札6⇨5

 

奇跡の光が晴れていくと、そこには紫色の鋼のボディを身につけたガルルモン系列の最終進化系、メタルガルルモンの姿が見えた。メタルガルルモンはその場で大きな雄叫びを上げる。

 

実況者「……こ、これがぁぁぁぁあ!!噂に名高い、シデン選手の究極体ぃぃい!メタルガルルモン!!!なんと神々しい姿なのでしょう!」

 

メタルガルルモンの登場に実況者だけでなくシデンにブーイングコールを浴びせた観客までもがその姿に興奮を隠しきれない。

 

メタルガルルモンはシデンが表舞台であまりバトルをしなかったことから、花火のウォーグレイモンほどの知名度はなかった。それ故にこのタイミングで煌臨されたことは、観客のテンションを上げるには十分なものだっただろう。

 

シデン「……改めてバトルに行く!やれ!メタルガルルモン!アタック時効果!ブゲイシャーのコア2個だ!!」

 

景光「……!!」

魂皆伝ブゲイシャー・ドラゴン(5s⇨3)LV3⇨2

トラッシュ1⇨3

 

メタルガルルモンに装着されているミサイルが一斉に発射され、ブゲイシャーを襲う。ブゲイシャーはコアが2つ外され、LV3から2へと弱体化してしまう。メタルガルルモンの効果で恐ろしいのはこれだけではない。

 

シデン「……その後、回復」

メタルガルルモン(疲労⇨回復)

 

花火「……えぐい」

 

メタルガルルモンは自身の効果で相手のコアをトラッシュに置くことに成功すれば回復する。つまり、相手にコアがある限り、何度でもアタックできてしまうのだ。控え室にいた花火はあの敗北以来、久しぶりに見たメタルガルルモンにただただ「えぐい」と言う言葉しかでない。

 

景光「……ブロックだ、ブゲイシャー!」

 

ブゲイシャーがその双剣に青い炎を纏わせて、メタルガルルモンに斬りつけるが、メタルガルルモンには全く効かず、逆にブゲイシャーの双剣自体が真っ二つに折れてしまった。

 

メタルガルルモンはそのままブゲイシャーに絶対零度のブレスをおみまいする。これぞまさしく瞬間氷結、ブゲイシャーは一瞬で氷漬けにされ、バラバラに砕け散ってしまった。

 

実況者「……メタルガルルモンの圧倒的な力の前にブゲイシャーが破れる!強い!強いぞ!メタルガルルモン!!!!」

 

シデン「俺の邪魔をする奴は誰であろうと消す!!もう一度いけ!メタルガルルモン!アタック時!」

 

景光「……」

剣皇武龍ゼットウ・ドラゴン(5⇨3)

トラッシュ3⇨5

 

メタルガルルモンはもう一度一斉射撃で、今度はゼットウ・ドラゴンのコアを2つトラッシュに送り、回復状態となった。

 

シデン「……さぁ、アタックはどうする」

メタルガルルモン(疲労⇨回復)

 

景光「……ライフだよ、」

ライフ2⇨1

 

メタルガルルモンは胸部にあるハッチを開いて、そこから巨大なミサイルを宙返りをするように発射、景光のライフを1つ破壊した。

 

シデン「……メタルガルルモン!」

 

景光「……」

剣皇武龍ゼットウ・ドラゴン(3⇨1)LV2⇨1

 

ゼットウ・ドラゴンはメタルガルルモンの一斉射撃をまた受けてしまい、さらに力がダウンする。もう一度この効果を受けたらひとたまりもないだろう。だが、もう受けることはない、なぜならこのメタルガルルモンのアタックでフィナーレとなるのだから。

 

景光「……さすがはシュリが選ぶほどの男だな、…………ライフで受けよう」

ライフ1⇨0

 

メタルガルルモンの強烈なタックルが景光の最後のライフを砕く。これで景光のライフはゼロ、勝者はシデンに終わる。

 

実況者「……決まったぁぁぁぁあ!!……勝者は反乱軍のリーダー!!!シデン!!!」

 

ー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

会場は一体となって盛り上がる。シデンの一発逆転の展開に多くの観客が魅了されたのだ。シデンにブーイングを浴びせていた観客までもが彼に賞賛を送った。

 

景光「……ふふ、流石だな、あそこからどんでん返しをしてくるところもあいつそっくりだ」

 

シデン「……あいつ?……誰だ?」

 

景光「……む?わからぬか?まぁ良い、シデン、お主、私の婿候補にならぬか?」

 

シデン「……俺はDポリスを滅ぼすまでは婿にはいかん」

 

景光「……むぅ、つれぬなぁ」

 

景光がシデンのことを理解したように、シデンも景光のことを理解したようだ。確かにイトニの面倒を見れるのはこのいかれた殿様の面倒を見たシュリしかいないだろう。と、

 

景光「……じゃあ、負けちゃったし、帰るかな」

 

実況者「……え!?ちょっと景光さん!?解説は!?」

 

実況者が天からの声のように景光に話しかける。

 

景光「……いや、そろそろ村に帰らないと、爺やに怒られそうでな」

 

実況者「……そ、そうなんですか」

 

そう言って景光は会場を後にした。

 

*会場裏

 

景光「……ちぇ、負けたかーー、優勝して、あの変なやつを手に入れたら花火はもう少し私と遊べていたというのに」

 

景光が大会に参加した本当の理由はこのフロンティアリーグで優勝して、優勝商品の【クロノス・アルファ】を手に入れることだった。それを手に入れたら花火がまた武龍村にやってくると思っていたからだ。

だが、長いことほったらかしにしている自分の国をほっとくわけにもいかない。武龍村に戻るために景光はさっさと港へと足を運ぶのだった。

 

景光(……優勝しろよ、花火、お前が優勝したら直ぐに遊びに来なさい、優勝商品を使って)

 

景光は本当にバトルのことしか考えていない。花火が優勝すれば武龍村にいつでも遊びに来てくれると思っているようだ。まぁ、【クロノス・アルファ】があれば確かにいけるのだが。

 




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